ラギアクルスに育てられたんですけど……え、呼吸法?何ソレ?   作:[]REiDo

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そこはもはや誰にも認知されることがない大自然。

そして彼の者が現れる時。

その竜は再び起きる。


始まりの一章
モンハンの世界か…… え?狩りをしろって?


 

 俺は死んだ……のか?

 

 

 瞼は開かないし…手足は……駄目だ、指一本も動かない。

 

 確か……俺は海に足を運んで日頃の疲れを癒しに行って……断崖絶壁の場所で風に当たっていたら岩が崩れて……

 ……分からない、記憶が途切れてるみたいだ。

 

 ふわふわと体が浮かんでいるのを感じる。

 ここは海の中だろうか? それとも、もう死んでいて魂だけが浮かんで漂っているとか…? まあ、目蓋を開けられないから分からないが。

 でも、聴覚だけはあるみたいで、何やら鼓動のような音を感じる。

 

 自分の心臓の音?……だといいんだが……

 

 ごぽぉ。と。

 何かが上に向かって上がって行くのを感じる。

 泡?というより空気か?

 それでも上が有ると言う概念がまだがあることに安心だ。

 死後の世界? なんて言うのを信じたことはないが、もしあったとしたら上下左右なんて概念はないだろうし。

 

 

 


 

 

 

 

 あれからどれくらい経っただろう?

 

 よく分からない場所に漂い続け、体感時間は2日ほど。

 最初は息苦しかったこの場所も、48時間もいたら慣れてきた。

 

 四肢はいまだに動かないから、頼りになるのは聴覚のみ。

 

 ……正直に言ってしまうと、ちょっと楽しかったりする。 

 音の種類を予想して、自分の周りで何が動いて、漂っているか。

 何も見えない状況だからこそ、それを予想するのは楽しかった。普通ではできない体験だ。

 

 

 ただ…時々遠くからでも耳が痛くなるくらいに聞こえてくる大きな叫び声。

 というより、咆哮だろうか?

 明らかに生物の声量じゃない。

 ライオンでもこんな耳をツン刺すような声は出さないだろう。

 

 しかも、その咆哮は時間が経つごとにどんどん近づいてきてる。

 内心ビクビクである。

 初めて聞いたときは心臓が止まるかと思いました、はい。

 

 

 


 

 

 

 そして、その時はいきなり来た。

 

 背中から体が持ち上がる感覚を感じる。

 目指す場所は、上。

 

 漂い続けたあの空間を離れ、体が地上へと持ち上がる。

 上から下へと四肢が引っ張られて痛いが、この感覚は前世にもあった。

 

 これは……海の底から上へと強制的に浮上させられる感覚だった。

 

 

 ザバァアン!!と。

 俺は打ち上げられるように飛ばされた後、地面に激突し転がり回った。

 

「〜〜〜ッ!!」

 

 身体中に激痛が走り悶絶するが、ふと気づく。

 

 ()()()()()()()()

 

 あの空間では何も見えず、四肢も動かない状況だったためか久々に忘れていた。

 

 これは……手が、足が、首が、目蓋が。

 正常に動く感覚だ。

 

 

 ゆっくりと、痛めつけないように目を開く。

 顔を下に向けてるため茶色の地面しか見えないが、久しぶりに見る自然の風景に感動する。

 

 次は、手を動かす。

 長期間動かしていない筋肉をいきなり動かせば痙攣するのは目に見えているのでナマケモノのようにゆっくりと自分の体を持ち上げ仰向けにする。

 目に見える空は雲ひとつもなく非常に快晴だった。

 

 続けて足、首、掌と。

 どんどんまともに動く四肢を確認して立ち上がる。

 

 「おお……。おぉ……?」

 

 目の前に広がる広い海。

 果てなく続くそれは、本当に美しかった。

 打ち上げられられたというなら、やっぱり俺は海に沈んでいたのか。と理解した。

 まあ、なんとなく予想はついていたが。

 

 

 その綺麗な風景に見せられた俺は危機感を感じていなかった。

 後ろから近づく巨大な気配に気づくまでは。

 

 

 

 それは、大きすぎる体格。

 一瞬、ワニかと思ったが、まるでモノが違う。

 なにせ全身が見えない。

 認識できる限りで、全長3000cm?それ以上?巨大すぎて分かるわけがない。

 

 その生物は俺にその体を向けて顔を見てくる。

 

 「なっ……!?!?」

 

 確信を持った。

 ワニ? とんでもない! そんなものよりたちが悪い!

 あれは、あの悠々たる姿は。

 俺が子供の頃に憧れ続けてきたあの姿は──!!

 

 

「ラギア……クルス……!?」

 

 

 モンスターハンター。

 前世でそのゲームの看板モンスターである火竜に対をなす大いなる存在。

 

 

  大海の王者

 

 海竜ラギアクルス!

 

 

 『GAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!』

 

 

 


 

 

 

 

「?」

 

「どうしたんだ炭治郎? 急に止まりやがって」

 

「いや…。一瞬潮の匂いがして…」

 

「潮って…。ここ森の中だぞ。早く行くぞ!」

 

「あぁ……うん」

 

 確かに匂いがしたんだけど……。

 海の濃厚な匂いが……。

 

「炭治郎?」

 

「ああごめん!すぐ行く!」

 

 やっぱり気のせいか? 

 

 

 


 

 

 

 

 あれから4年が経った。

 前までは不慣れだった大自然での生活も今となっては慣れてきた。

 

 かと言って、ここまでくるのに苦労しないわけがなかった。

 よく分からんキノコ(ドキドキノコ)を食って、腹を壊したり。

 魚を取るために海の中に素潜りしていたら大量のルドロスが俺に襲いかかってきて死にそうになったり。

 

 なんかもう……色々しっちゃかめっちゃかだった。

 でもなんとか生きています。(涙目)

 

 

 ラギアだが……あの海竜には色々不思議な点があった。

 

 一つは生態系が不自然だということ。

 何しろ大きすぎる。

 本来なら──というよりゲームの中では約2500cmまでが平均的な全長だが、あのラギアはどう見ても4000cmは確実にある。

 それ故か、食欲も半端じゃない。

 海中に生息するエピオスをいつも1日に20頭以上食べている。

 俺がここにきて4年は経っているから単純計算で……29200頭?

 

 ほんと……いつか絶滅するんじゃねえか?

 

 

 そしてもう一つ。

 

 頭の中にラギアの声が流れて聞こえてくるのだ。

 それも割と大きな声で。

 そして、返事を返す時は同じく俺も頭の中で話しかけないといけない。どうやっているのかは聞いてみたんだが答えてはくれなかった。

 

 慣れるまで、何回も偏頭痛を起こしたっけな。 

 ……思い出したくねえからやめよう。

 

 まあ、色々あったが今ではラギアが俺の育ての親だ。

 狩りの方法とか。太刀の使い方を教えてもらったりもしている。

 

 

 ────けどラギアさんや。特訓だからといって、電流を俺に向けて放ったりするのはやめてくださらないか?

 

 ──────あとこの『呼吸法』って何?口からじゃなく皮膚から息をしろ。とか無理ゲーだろ。

 俺は魚類じゃないんだけど。

 

 原作でもこんな事をあのハンター達はやっていたんだろうか……

 

 

 

 まあ、かくして。

 

 俺は今日も狩りをする為、自分の手で作ったマイホームの壁際に立ててある『鉄刀』を持ち、多くの脅威が待つ大自然へと向かう。

 

 

 ああ、そうだ呼吸法の名前だけど『海電の呼吸(かいらいのこきゅう)』て言うらしい。

 

 

 

ワールド(アイスボーンも含む)のモンス入れる?

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