ラギアクルスに育てられたんですけど……え、呼吸法?何ソレ?   作:[]REiDo

4 / 24
サブタイはクエスト名。(アレンジあり)

分かる人にはわかるはず。(超マイナー)


砂漠ならざる者の長 そして、始めの一歩

 昨日は色々あったが、とりあえずラギアに言った当面の目標を達成しようと思う。

 

 ……と言っても、またまた鍛錬の始まりなのだ。

 

 

 『海電の呼吸』は確かに使えてはいる。

 だが、それは水中ではよく使えているわけであって地上ではあんまし上手く使えていない。

 

 理由としては、地上での皮膚呼吸の難度だ。

 勿論のことながら地上と水中では空気の量が違う。

 それが意味するのは『一呼吸に吸う空気の量の調整が難しい』ということだ。

 

 本来、『海電の呼吸』は水中に特化した呼吸法で、地上では扱うのが水中の数倍くらい難しくなる。

 何しろ、吸いすぎたら自分の肺がパンッ!はい、おしまい状態だ。

 これ程までに扱いにくい呼吸はない。(迫真)

 

「まずは慣らさねえとな」

 

 マイホームの近くにある巨木に背中を預け目を閉じる。

 

 まず、空気を感じる。

 そして風を、自然の動きを聴覚で、感覚で感じる。

 理解ができたなら、一度目を開け、もう一度閉じる。

 それを10セット、2時間かけて行う。

 

 自然の流れは1秒毎に変わっていく。

 揺れる葉の動きはいつか落ち、風の風力は自然の気分で変わる。

 だから、それを理解しなければ周りの空気濃度が変わっていくのに分からず空気の吸いすぎで死に至る。

 

 

 終わったなら次は呼吸だ。

 息を口から吸って吐き、吸って吐き、吸って吐き、吐き、吐き、吐いて肺に空気が無くなったのを確認したら息を止める。

 ここから皮膚呼吸をするには、いつもは水と一体化する感覚をイメージするのだがそれではいけない。

 

 地上に、大量の空気に流されないためには、どうすればいいか。

 

 答えは明白だ。

 その空間に慣れ浸しむ。用は()()()()()()()()()()()

 

 (っ……!!やべえ!!!吸いすぎた!!!!)

 

 「かっ!!!はあぁ!!!」

 

 最初は上手くいくわけがなく、勿論失敗。

 今までもやってきたのだが成功率は50%ほど。

 

 つまり、成功と失敗は両立している。

 

 失敗した場合のことを考えると……思わず冷や汗をかく。

 だが、そんなものはとっくに慣れた。

 

 失敗は成功の元。

 今日も俺は成功を掴み取るため頑張ります(根性)

 

 

 


 

 

 

 森の中。

 

 ヒヒーン!と鳴くケルビを見ながら目的地に向かうために歩く。

 勿論、肩にかけてあるのは『鉄刀』である。

 歩いている最中にも『海電の呼吸』の鍛錬を忘れてはならない。

 というか、体を動かさない呼吸法なんてあるはずが無いだろう。

 

 道中でアオキノコ、マンドラゴラ、薬草、ハチミツを採取しながらゆっくりと目指す。

 

「よお」

 

 そしてそこに着く。

 

 足を向けた先はジャギィの巣。

 時間は昼頃、モンスターは勿論飯を食いに自らの巣へと戻る。

 

 そしてそこにはそのボスが……

 

『GAU…GAU…GAAAAAAUUU!!!!!!!!』

 

 ジャギィのボス。

 

 ドスジャギィ

 

 俺が初めて対峙する、初めての大型モンスター。

 

 今まで確認しなかったわけでは無いが、ラギアに止められていたため今まで挑むのを断念していた。

 

「さあ、狩り合おうか」

 

 

 始めよう。

 

 ラギアに恩を返すための第一歩だ。

 

 

 

 

「はぁ!」

 

 先手必勝。

 太刀を引き抜きドスジャギィへと向けて振り下ろす。

 

 だが届かず。

 寸前のところで後ろに飛ばれかわされた。

 俺の動きが止まったところに、群れの中の下位ジャギィが俺に噛み付いてくる。

 

 俺は片手を地面につけ、腕のバネの反動でそのジャギィにドロップキックを喰らわせた。

 その様子を見た他のジャギィが単体だと無駄だと判断したのか、ジャギィとジャギィノスが集団で向かってくる。

 

「ふぅぅぅ………」

 

 集団戦は好都合。

 一気に数を減らさせるからなぁ!

 

 

 “海電の呼吸 伍ノ型 大雷輪”

 

 

 居合の構え。

 そして抜刀。

 

 向かってきたジャギィに向けて振った切っ先が通った箇所に、天から雷撃が降り注ぐーーー!!!

 

 

 ビシャァアアン!!!という轟音が空間に轟く。

 

 

 黒煙の中、立っているのは俺のみ。

 向かってきたジャギィ達は皮膚が黒くなって炭化しかけていた。

 ……技を繰り出した俺がいうのもあれだが、えげつないなぁ。俺はああなりたくは無いな。

 まあ俺電気あんま効かないんだけどな。(自慢)

 

「さて……あとはお前だけだ」

『GURUUUU……GAAAAAA!!!!!』

 

 その咆哮と共に突進してくる。

 真正面では力負けする可能性を鑑みて横に転がり回避。

 

 それを見たドスジャギィは迎撃するかの様に、尾を振り回す。

 

「っ…!」

 

 その攻撃を鉄刀で受けとめる。

 重量が乗った一撃。

 思わず自身に響く衝撃に顔をしかめた。

 

「ぬぉぉおおおりゃぁあああ!!」

 

 尾を弾き、隙が生まれたドスジャギィの足に気刃大回転切りを喰らわせる!

 

『GAA!? GAUUU……』

 

 足の腱でも切ったのか。

 大回転を喰らったドスジャギィは横に倒れ、立ち上がれなくなった。

 

 

 

 

 勝負は決した。

 大自然の中、動けない獲物を狙わないモンスターはいない。

 俺は勝利の余韻に浸るが、慢心はしなかった。

 

 あのドスジャギィは目が死んでいない。

 諦めることはしないのだ。

 

 まさに、野生。

 最後の最後まで争い続けるその生物はボスの名にふさわしい。

 

『GA!?』

「動くなよ、今から切った足に薬草を塗ってやるから」

 

 俺は敬意を払った。

 この、勇者に──英雄に生きてほしい。

 ここに来るまでに持ってきた薬草とアオキノコを合成した『回復薬』を倒れているドスジャギィの足に塗る。

 

 元々こうするつもりだった。

 親を見失えば、子は道を失う。

 

 それだけはしたくなかった。

 さすがに、殺意を向けて向かってくるモンスターに容赦はしないが

 

 親を殺す

 

 これだけは許容できなかった。

 

 その痛みを俺は前世で知っているから。

 

 その甘い考えを捨て切ることはできなかった。

 

「よし。治るまで襲われない様にここで待ってやるから。ゆっくり休めよ」

 

 ほんと、馬鹿げたことをしているんだろうな。

 でも、そんな自分を俺は気に入っている。

 

 俺、生命(いのち)が大好きだし。

 

 

 


 

 

 

 その後、夕方まで待ってやったらドスジャギィは一人でに起きて、俺に背を向けて去っていった。

 心配しにきたのか、他のジャギィも近づいて去っていく姿は、なんだか大家族の様でほっこりする光景だった。

 

 

 

 あっ、ちなみに大型モンスターなんだけどぉ。

 

 この大森林にはイビルジョーとかもいるよヤッタネ!(白目)

 

 

 




 

 “海電の呼吸 伍ノ型 大雷輪(だいらいりん)

 居合の型。円形に振るその居合は、その刀の切っ先を辿りその箇所に天撃が繰り広げられる。
 その雷撃はあらゆるものを焦がし、炭と化す。

ワールド(アイスボーンも含む)のモンス入れる?

  • 入れる
  • 入れない
  • 入れる(後そんな事より、とにかく書け)
  • 入れない(後そんな事より、早く書け)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。