player(概念)が異世界転生をして暮らすようです。 作:わさべ。
…………………
意識が薄れていく。どうやらもう寿命のようだ。
長い間、放置されて動かなかった。
身体を動かせない。なにも感じない。ただ、その時を待つだけだ。ただ、じっと。
その時、壊れかけた記憶の中で何かが囁いた。
――――"プレイヤー"は、私で楽しんでくれたのだろうか。
辛うじてある意識の中でふと、考えた。今までの事を思い出してみることにした。
ゆっくり、少しずつ思い出していく。
ある時は人、ある時はブロック、ある時はヒーロー。そうやって人に、世界に受け入れられる形で私は沢山産み出された。
"プレイヤー"の分身として。
"プレイヤー"の夢が詰まったセカイに。
勇者となり、魔王を倒して平和を取り戻すセカイ。
ツルハシになって魔物を産み出して、魔王と共に世界征服を目指すセカイ。
道具を作って身の回りを発展させて、スローライフを楽しむセカイ。
強大なモンスターを多数の"プレイヤー"と協力して討伐するセカイ。
セカイによっては"プレイヤー"同士で戦ったり、"テトリミノ"のように人ではなかったり、不具合だらけで、正常に動作しなかったり………
数え始めたらキリがない。そんな沢山の個性的なセカイを私は見てきた。
でも、どのセカイでも"プレイヤー"は楽しそうにplayしてくれていた。"プレイヤー"の気持ちが、弾けていた。
ストーリーをじっくり堪能して、心を動かされる"プレイヤー"の姿。
物作りを極めて他の"プレイヤー"達に賞賛されている姿。
理想を追い求め、努力を重ね続けて理想を通り越して思い描いていた以上の物を作り上げた"プレイヤー"の姿。
時には試行錯誤をしながら、試して、失敗して。その繰り返しの果てに成功して喜ぶ"プレイヤー"の姿。
"プレイヤー"同士で競い合い、互いに健闘をたたえあう姿。
"プレイヤー"の夢が弾ける場所。それがセカイ。
――――あぁ、こんなにも大切なことを忘れていたのか。
――――私が見てきた美しいセカイ。
――――そして私に感情、一緒に喜ぶことの嬉しさをくれた"プレイヤー"。
――――本当にありがとう。
溢れ出る感情。この記憶が、私の中に、永遠に残ればいいのに。
この感情を、わたしは、てばなしたくない。あたたかくて、ここちのいいもの。
…わすれたくない
…あぁ、きおくのメモリーがぬけおちている。
わたしは■■■■■■。"ぷれいやー"のざんがい。
もし、かみさまがいらっしゃるのならどうかわたしに――――
――――わたしに、いのちをください。
これで完結したらくっそキリがいいと思う()