ゾンビランドミカ 作:裏方さん
お身体、くれぐれもご自愛願います。
さて、今回はゲリラライブ編。
佐賀城イベントを通しアイドルをめざすことを決めたサキ達。
そんな中、急遽行われることになったゲリラライブ。
その結果・・・・・・
ではよろしくお願いします。
”カシャ、カシャ”
「ふぅ~、でぇきった!」
ダンスの編集完了っと。
あとはこの編集したDVDをみんなのところに。
へへ、でも自分の踊ってる動画を編集するってなんか恥ずかしい。
だけどさ、これで少しでもみんなの力になれるなら。
・・・・・・ゲリラ・・・ライブっか。
急だよね。
これも彼女達のためなんだって巽さん言ってたけど、
大丈夫かなぁ~
・
”ひょい、ひょい”
『刹那のソウルにCut IN♬』
”ピタ”
『はぁ、はぁ、はぁ、た、巽さんどう?』
『・・・OKだ』
『はぁ~、お、おわった~
もう動けない』
『ご苦労だったな』
『で、でもさ、巽さん』
『なんじゃい』
『明後日、ほんとにライブするの?
急すぎない?』
『・・・あいつらが本当にアイドルをやっていくというのであれば、
自分達が今いる位置を知る必要がある。
目指すべき目標がいかに遠くにあるかをわかるためにな。
そして、それはなるべく早い方がいい』
『巽さん』
『お前はこのビデオを編集してあいつらに渡してやってくれ。
愛や純子はともかく、他のやつらは覚えるのが大変だろうからな』
『う、うん』
・
自分達のいる位置っか。
巽さん、さくらちゃん達をアイドルにするためいろいろ考えているんだ。
さくらちゃん達も歩き始めようとしている。
みんな動き始めてる。
それなのに、わたしは・・・・・・
わたし何がしたいんだろう。
う~、わからん。
くそ!
”ゴクゴク”
ぷふぁ~、美味しい。
へへ、この紅茶わりとうまく淹れられたと思うんだ。
この透き通ったきれいなオレンジの色。
蒸らし方が大事なんだよね、蒸らし方が。
・・・てさ、ほんとは味なんかわからないんだけど。
でも不思議と心が豊かになる気がする。
あ、そういえば、
『お茶のあるところには希望がある』
たしかどっか外国の作家さんが言った言葉だ。
”ゴク”
「ふぅ~」
・・・・・・きっとわたしにも希望が見つけられる。
そう信じたい。
「うん!」
さてっと、みんなにこのDVD持っていっていかないと。
あんまり時間ないと思うし。
んじゃ、パソコンシャットダウンし・・・
ん!
な、なんだこのフォルダー?
”開けたら殺す”
・・・何ていう名つけてんだ!
逆にちょ~すげー気になんだけど。
はっ! も、もしかしてこれ巽さん・・・・・・
ぐふ、ぐふふふふ。
き、きっとエッチな画像保存してんだ。
巽さんのスケベ。
”キョロキョロ”
へへへ、残念でした~
わたしはもう死んでま~す。
だから開いてもいいよね~
それじゃ。
”カチッ”
「・・・・・・」
な、なにー、パスワードだと。
パスワードかけてんのか!
くそ、巽のくせして生意気な。
ええーい、絶対見てやる。
”カシャカシャ、カシャカシャ”
・
「ゲリラライブは明日の朝、唐津駅の駅前広場で行う」
「あ、明日!」
「今日一日で歌や振りがどうにかなるわけないでしょ」
「そんなもん寝ずに覚えろ。
まぁゾンビィのお前らに睡眠なんて必要ないがな」
”スタスタスタ”
・
「z・o・m・b・i・e・l・a・n・d・s・a・g・aっと」
”カチャ”
「・・・・・・うー!」
これも違うのかー!
パスワードなんなんだ。
くそ、こうなったらなんとしても見たい見たい見たい、見たーい!
うんにゃ、絶対見てやるー
他に巽さんがパスワードにするとしたら・・・・・・ま、まさか。
「S・A・K・U・R・Aっと」
”カシャカシャカシャ”
あ、開いた!
・・・・・・巽さん・・・ま、まぁいいけどさ。
そんなことより、どれどれ巽さんはどんなエッチな映像を。
”わくわく”
「でへへ」
「何してんじゃい」
「え?
げ、げぇー、巽さん!
あ、い、いや、あの、その」
「え~い、DVDの準備ができたのなら
さっさとあいつらにもっていかんかい、このボケー!」
「は、はい、ごめんなさ~い」
”ダー”
「まったく油断も隙も無い」
”カチャ”
「・・・・・・ふぅ~」
・
・
・
”スタスタスタ”
くそ~、あと少しでフォルダーの中を見れたのに。
でも今度こそ隙をみて。
「・・・・・・」
さ、さ、さてっと、みんなもうレッスンしてるかなぁ。
あとから差し入れに飲み物もってこないと。
”ガチャ”
「えっと~、こんにち・・・・・・わ」
「目覚めReturner 願えばいいんだ♬
気持ち 光り始めたんだ♬」
”シュパッ、シュパッ”
愛ちゃん、純子ちゃん、二人で振りを合わせてる。
へぇ~、もう歌もダンスも覚えたんだ。
すごっ、さすが元トップアイドル!
それに比べこっちは・・・・・・
「なんだこれ、グラサンの置いていった資料じゃなんもわからん。
なぁさくら、ここんとこの振付わかるか」
「え~と、あ、そこは多分こんな感じだと」
”フリフリ”
「さくらちゃんここは?」
「リリィちゃんここはね」
苦戦中っか。
へへ、さくらちゃんみんなから聞かれて、これじゃ自分の練習
できないや。
よし、ここはやっぱりこのDVDの出番。
「ご苦労さま、さくらちゃん」
「あ、ミカさん」
「あんね、これ一人一人のダンスの振付を録画してきたんだけど、
見てみる?
多分、その資料よりはわかりやすいかと」
「え、本当ですか。
ありがとうございま~す。
愛ちゃん、純子ちゃん、ミカさんがダンスの振付ビデオを」
「わたしはもう覚えたからいい」
「わたしも大丈夫です」
「そ、そうなんだ。
じゃあ、ミカさん早速だけどお願いします」
ま、まぁ二人は別格だからね。
さっきの見てたらわかるし。
じゃ、じゃ~二人の分は覚えなくてもよかったかなぁ~
・・・う~、せっかく徹夜して7人の分覚えたのに。
それに、たえちゃんの分だっていらなかったし。
ん、あ、そういえば、ゆうぎりさんは?
”キョロキョロ”
あ、いた。
な、なんか正座して瞑想してるんだけど?
も、もしかしてそれで覚えてたりして・・・・・・
「ミカさん?」
「あ、ごめん。
じゃ、まずさくらちゃんのからね」
”カチ”
・
・
・
「あ~、ビデオ見ても難しいな。
これ明日までに覚えれるのかよ」
「リリィも自信な~い」
「あ、あのさ、よかったらわたし教えよう・・・かな?
一応、わたしみんなの振付覚えてるから。
ほら、さくらちゃんも自分の分覚えないといけないし」
「お前すげぇな。
みんなの振付、よく覚えられたな」
「う、うん。
じゃあさ、まずリリィちゃんからね」
・
・
・
「だからサキちゃん、そこ恥ずかしがらない!」
「だ、だけどよ」
「あのね、恥ずかしがってる方が目立つから」
「え~い、こ、これでいいか」
”ふりふり”
「サキちゃん可愛い。
くすくす」
「て、てめぇ、ちんちく!」
・
・
・
「刹那のソウルにCut IN♬」
”ピタ”
「はぁはぁ、どうだミカ?」
「うん、OKだと思う。
それじゃ、あとはみんなとのフォーメーション覚えないといけないね」
「フォーメーション。
マ、マジか」
「うんマジ。
さくらちゃん達もね」
「そうだね。
サキちゃん、リリィちゃん、早速、休憩してから全員練習しよう。
ね、愛ちゃん、純子ちゃんもよかと?」
「ええ」
「そうですね」
「あっ、ゆうぎりさん。
あの~振付けもう覚え 」
「さくらはん、任せておくなさいまし」
マ、マジか。
ゆうぎりさん、ずっと瞑想していただけなのに覚えたっていうのか。
そ、そういえばゆうぎりさんも、生前は結構有名な花魁さんだったっけ。
なにげに凄いメンバーなんだよね。
”わいわい、がやがや”
でもなんかさくらちゃん、すごく楽しそう。
すっかりサキちゃん達と打ち解けて。
愛ちゃん達とは・・・・・・まだちょっとみたいだけど。
あ、そうだ。
「じゃ、わたし何か飲み物持ってくるね」
「ミカさん、わたしも一緒に」
・
”スタスタスタ”
「へぇ~、佐賀城のイベントの時にそんなことがあったんだ」
そっか、それでイベントから帰ってきてから、さくらちゃん達の雰囲気
変わったんだ。
・・・でも、たえちゃんステージで頭取れたんだ。
よくゾンビィって気が付かれなかったよね。
「・・・あの~ミカさん」
「ん、なにさくらちゃん?」
「ミカさん、幸太郎さんと付き合っとるんですか?」
「え?
は、はぁー!
い、いや付き合ってなんかないから。
で、でもなんで?」
「あ、サキちゃんが付き合ってるんじゃなかとかって。
それにお二人、なんかいい感じだし」
げ、そ、そんな風に見られていたのか。
そりゃさ、巽さんってときどきめっちゃやさしいし。
そんで、ナデナデって頭を撫でられた時なんか、わたしすごくうれ・・・
いや! ないない。
巽さんはさくらちゃんが好きで。
このプロジェクトもさくらちゃんの希望をかなえたいからで。
だから
「さくらちゃん、それは絶対ない!」
「え?」
「だって考えてみ。
あのちょ~テキトーな奴だよ。
あんな人と付き合ったらさ、いつも振り回されて疲れるだけだし。
それに、知ってる?
あの人、同じ服ばっかり5着も持ってんだよ、上下まったく同じやつ。
まったく、どんなこだわりだよっていうの」
「そ、そうなんだ。
・・・あっ」
「それにさ、知ってる?
あいつ、パソコンにエッチな画像とか保存してるの」
「あ、あの~」
「きっと夜中にコソコソそれ見てるんだよ。
いや~キモ!」
「ミ、ミカさん」
「だから、あんなキモ男と付き合うことなんて絶対ないって」
「キモくて悪かったな」
「え?」
「お前なんか、もう絶対メイクしてやらんからの」
”スタスタスタ”
「あ、い、いや、ち、ちがう!
巽さん待って~、違うって~」
「ふん!」
「あ~ん、話聞いて。
お願い」
”ギュ~”
「え、え~い、腕離さんかい」
「いや~、メイクして~」
”ドタドタ”
「・・・・・やっぱりがばい仲よかと」
・
・
・
”コンコン”
「巽さ~ん」
「・・・・・・」
ん、あれ? 巽さんいないのかなぁ。
”ガチャ”
あ、いるじゃん。
・・・まだ怒ってるのかなぁ。
「巽さん。
あ、あのさ、晩ご飯できたよ。
腕によりをかけてつくったから、きっとメッチャ美味しいよ。
だから、さ、さっきのことは平にご容赦を」
「・・・・・・」
”カシャ、カシャ”
ん、なんかすごく集中してパソコンしてる。
気が付かないのかなぁ。
でも、なにしてんだろう?
は、ま、まさかあのエッチな画像を。
巽さんも男だからね。
・・・・・・ぐへへへ。
”そ~”
気付かれないように後ろに回ってっと。
どれどれ、どんなエッチなやつを。
”チラ”
「へ、な、なに! エッチなのじゃない」
「うぉー、び、びっくりした。
何してんじゃい」
「へ、あ、あの~晩ご飯ができたからって。
でも巽さん、これ何してるの?」
「あいつらのホームページじゃい」
「へ~」
”ぐぃ、ピタ”
「え、え~い、顔近いわい。
か、髪の毛がこそばいじゃろうが」
「いいじゃん、サービスサービス。
ふぇ~、巽さんこんなこともできんだ」
「あたりまえじゃい。
そうだ、お前ビデオぐらい撮れるじゃろ。
明日、あいつらのゲリラライブを撮影しろ。
このホームページにアップするからの」
「え、う、うん。
あ、それよりも、冷めちゃうから早くご飯食べちゃって」
・
・
・
「気合が足りねえんだ!」
「気合いっぱい入れてるもん」
「喧嘩はおやめなんし」
「えへへ」
”スタスタスタ”
「・・・・・・・」
”ガチャ、バタン”
「・・・ごめんなさい」
”スタスタスタ”
「あ・・・」
”ガチャ、バタン”
「さくら、今はやる気あるやつだけでやるしかねぇ」
「・・・うん」
「もう一回最初からだ。
音楽流すぜ」
・
”ガチャ”
「巽さんごめん、ちょっとビデオカメラの使い方が・・・
ん、あれ?」
”キョロキョロ”
巽さん、どこいったんだ?
さっきまでここでホームページ作ってたはずなのに。
お風呂にでも行ったのかなぁ。
「・・・・・・・」
チャ、チャーンス!
巽さん、お風呂に入ったら20分は出てこないからね。
早速パソコン立ち上げってっと。
”カチ”
ぐふふふ、今度こそあのフォルダーの中を。
・
「出来るわけないでしょ」
「本気でそう思っているのか?」
「あ、あたりまえでしょ」
「ならば、なぜお前らはアイドルだった。
あいつらはゾンビィだが生きようとしている。
お前らはいつまで腐ったままでいるつもりだ」
”スタスタスタ”
・
よ、よしそれじゃパスワードを
S・A・K・U・R・Aっと。
”カシャ、カシャ”
へへ、さて巽さん、どんなエッチな画像保存してんだ。
カチッとな。
”カチッ”
ん、あれ、フォルダーの中は写真一つだけ?
ま、いっか。
それじゃこの写真をっと。
”カチッ”
・・・・・・・・・・・・さくらちゃん・・・か。
ーーーーーーーー
”ブロロロン”
「「・・・・・・・」」
な、なんか車の中の雰囲気が重い。
だって愛ちゃんと純子ちゃん、車に乗ってからずっと黙って外見てて
一言もは喋らない。
どうしちゃんだろう。
メイクの時も喋らなかったけど。
もしかして緊張してるとか。
い、いや二人にそれはないっか。
”ちら”
それに比べて、さくらちゃん達はなんかすっごく緊張してるのわかる。
メイクする時も顔色悪かったし。
・・・・・・まぁ、メイク前はゾンビィだからね。
”ドクンドクン!”
げっ、リリィちゃん心臓飛び出してる!
ど、どんだけ緊張してんの。
もうすぐ唐津駅に着くけど、こんな雰囲気で大丈夫かなぁ。
う~ん、やばいよねなんとかしないと。
えーと、そ、そうだ、
「いや~、今日はほんと天気いいねぇ~
空なんかも、さすが唐津だけにからつっと晴れて」
「「・・・・・・」」
げ、す、滑った!
く、空気おも!
雰囲気なんかさらに悪くなったし。
はっ、なに!
なんかみんなの目が・・・いや~そんな冷めた目で見ないで。
うううううう、みんなの緊張和らげようと思っただけなのに~
「「・・・・・・」」
だ、だめだ、耐えきれん!
「た、巽さん、ここらへんで降ろして」
「ん、なんでじゃい」
「わたし駅のホームから撮影するから。
ほらここ高架だから公園全体撮れると思う」
「そうか」
”キキキー”
「じゃあ、ライブ終わったら合流するね」
「ああ。
また後でな」
”ガチャ”
「うん」
”バタン”
ふぅ~、なんとか脱出できた。
でもあんな雰囲気で、ほんとライブできんのかなぁ。
すごく心配なんだけど。
・
「この駅前という戦場で、道行く人々に奇襲をかけ撹乱し勝利をもぎ取ってこい!」
「「・・・・・・」」
「ハイOK,ハイGOGOGOGOGOGO。
ハイGO、ハイGOGOGO。
ハイGO、GOGO」
ハイGO・・・GO」
”ゾロゾロ”
あ、みんな出てきた。
そろそろだ。
えっと、ビデオはっと。
うん、バッテリーも十分。
よし、じゃ早速。
あれ? 愛ちゃんと純子ちゃんは?
車から出てこないんだけど・・・・
「え~、うちらフランシュシュって言います。
気合入れて歌うけん、よろしくー!」
は、はじまった。
やば、とにかく録画スタートっと。
みんな、頑張れ。
「目覚めReterner 目覚めたなら♬」
・
「振り返ってみて ぐるぐるぐるぐる♬」
”ドン”
「あっ、いたい」
「リリィちゃん!」
あ、リリィちゃんぶつかった。
ちょっと心配だったんだ。
個々の振付覚えるのに時間かかって、フォーメーションの練習あんまり
できなかったからなぁ~
”ゾロゾロゾロゾロ”
ん、げ、見てた人みんな行っちゃう。
そっか、さくらちゃんダンスやめたから。
やばいやばい、は、はやく続けないとこのままじゃ誰もいなくなる。
「みんな、落ち着いていこう」
さくらちゃん頑張れ~
「・・・・・・」
え、ど、どうしたの?
なんかさくらちゃん、固まってる・・・・・・あ、歌詞忘れたんだ。
ど、どうしょう。
・・・わたしが代わりに。
あ、でも、ここからじゃ遠くて、間に合わない。
「あ~、でも少し怖いの~♬」
へ?
「そんなことないから、ほらね♬」
あ、愛ちゃん、純子ちゃん。
車から出てきくれたんだ。
よ、よかった~
「無敵、夢見るキモチ♬
超、超、超、超、大、大、大、DIE!」
へ~、やっぱり二人が入ると全然違う。
やっぱ元トップアイドルは伊達じゃない。
なんか一気に華やかになった。
他のみんなも引っ張られて、なんかいい感じ。
へへ、みんないい表情。
「届け届け、熱いキモチ♬
刹那のソウルにCut IN♬」
「以上! フランシュシュでしたー」
・・・終わったー、何とか最後まで踊りきった。
でもこの動画、ホームページにアップできるかなぁ~
・・・ま、まぁいっか、初めてのライブだもん。
みんな頑張った。
さてっと、それじゃ急いでみんなに合流して。
「撤収じゃ~い、ハイGOGOGOGO!
GOGOGOGOGO、ハイGO!
ハイGO、GO、GO~」
え?
”ブロロロロ~ン,キュルルル、ブォー”
あ、あれ?
え、えっと~
い、いや~ちょっと待ってほしいな~
「・・・・・・」
ま、マジか!
げぇ~、行っちまった、ひ、ひど!
ど、ど、どすんだよ。
わたしどうやって帰ればいいの~
・
”ブロロ~ン”
「ね、ねぇ、幸太郎さん」
「なんじゃいさくら?」
「あの~ミカさんは?」
「え?
・・・・・・あ、あ゛ー」
・
・
・
”ギシ、ギシ”
うへ~、く、くそ、あ、足が・・・
う~ひどい目にあった。
くそ、巽の野郎おいてきやがって。
結局、ここまで歩かされて、道だってよくわからないのに。
絶対許さねぇからな、ふん!
”カシャカシャ”
ん?
あっ、今日のゲリラライブ、もうネットに載ってる。
・・・・・・やっぱ厳しいなぁ~
でも、まぁこうなるよね。
たえちゃんがゲソ食べてたのは仕方ないとしても、途中でダンスやめちゃったし、
歌詞も忘れたからね。
”コンコン”
「ミカいる?」
え、あれ、この声って愛ちゃん?
どうしたんだろ?
さっき純子ちゃんに紅茶持っていった時は、そろそろ休むって言ってたはずだけど。
”ガチャ”
「愛ちゃんどうしたの?
そんなパジャマ姿でうろついてたら、巽さんに襲われちゃうよ。
へへ、あれでも一応男だから」
「そんなこと・・・あるわけないじゃない。
あなたも自分の顔、鏡で見て知ってるでしょ」
「・・・・・・」
「そんなことより、あなた今日のライブ撮影してたでしょ」
「う、うん」
「だったら見せてほしんだけど。
あ、今パソコンで見てるのってライブの時の映像?
ちょっと見せてもらうわね」
”スタスタ”
「あ、ちょっと待って、これは」
「・・・・・・学園祭の方がマシ。
なにこれ。
今日のライブに対する書き込み?」
「・・・・・・まぁ、最初の方はちょっとあれだったからね。
それと、今の時代はさ、こうやってなんでもすぐネットで
拡散されちゃうんだ。
いいことや・・・・・・特に悪いことなんかはさ、すぐこうやって叩かれて」
「・・・・・・」
「あ、で、でもさ、愛ちゃんも純子ちゃんもさすがだね。
ダンスなんかすごくキレキレでさ。
なんか二人が出てきてから、一瞬で雰囲気変わったように見えた」
「どこが!
あんなあの全然ダメ。
まったく動けてない。
ここで言われているように、本当に学園祭以下の状態。
それは自分自身が一番よくわかってる。
やっぱり大分なまってる、もっと練習しないと」
「・・・そ、そっかなぁ」
「それと、今日わたし達はアイドルとして最もしてはいけないことをした」
「いけないこと?」
「さくらが途中でダンスをやめた。
わたし達がアイドルを、本物のアイドルを目指すというのなら、
それは絶対にしてはいけないこと」
「愛ちゃん」
「もともと練習不足なんだからリリィが転ぶのは仕方ない。
でも、さくらがダンスをやめたのはアイドルとして失格。
「・・・・・・」
「やっぱりわたし達には厳しさが足りない」
「愛ちゃん」
「・・・・・・あのさ、ちょっとお願いしたいことがあるんだけど」
「う、うん」
・
・
・
「ぐるぐるぐるぐる♬」
「あっ」
”ドサ”
「大丈夫、リリィちゃん」
「う~ん、やっぱりここの移動難しい」
「さくら!」
「え、愛ちゃん?」
「あなた昨日もそうやって途中でダンスやめたでしょ。
昨日はゲリラライブだったけど、もしあれがちゃんとしたステージで
そして同じことをしたらわたし達は終わってた。
ステージを途中で投げ出すようなアイドルなんて誰も認めてくれない。
あなた本当にアイドル目指すつもりあるの?
いい、本物のアイドルを目指すというのなら、そんな仲良し小好しの甘さはいらない。
あなたには、いえ、わたし達にはもっと厳しさが必要」
「で、でも」
「だからわたしから提案がある。
入って」
え、あ、やっぱ愛ちゃんやる気なんだ。
どうしょう。
いやー、こんな雰囲気で出て行くなんてメッチャきついんだけど。
や、やだな~
・・・で、でもこれがみんなのためになるのなら。
”ガチャ”
「あ、あの~、こんちはです」
「いい、今日からミカにフランシュシュに入ってもらう。
そしてこの中の一人が補欠になってもらう。
わたし達に足りないもの、それは競い合う心と現状に対する危機感。
誰よりも強い向上心をもって、他の誰よりもうまくなるという心を持たなければ
本物のアイドルなんてなれない」
「そ、そうかもしれないけどよ」
「だから・・・・・・
さくら、あなたには外れてもらう」
「え?」
「愛、ちょっと待て!」
「愛ちゃん」
「・・・愛さん」
「あなたは昨日アイドルとしては絶対してはいけないことをした。
だから、外れてもらう」
「何勝手なこと言ってんだ、あ゛ー
そんなことはリーダーであるあたしが絶対許さねぇ」
「・・・いいわ。
それなら、勝負しましょう」
「勝負だと?」
「そう、さくらとミカで勝負してもらう」
「勝負ってタイマン、タイマンか」
「・・・ダンスバトルよ。
さくらとミカにダンスで勝負してもらう」
「ダンスバトル?
んなもんさくらが勝つに決まってんだろ。
なんたって根性が違う。
な、さくら」
「そ、そげんことなかと」
「それじゃどちらのダンスがうまいか、わたし達が見て判断しましょう。
負けた方は当分控えに回ってもらうから」
・
・
・
「バシっと決めたい このSucceed♬
止まっちゃいけない このProceed♬」
”シュパッ、パシッ”
「ま、マジか」
「ミカちゃん凄い」
へへ、だってさ昨晩、あれだけ愛ちゃんに練習してもらったんだもん。
それこそ眠らずに。
だから、自然と身体がこの曲に反応して勝手に動いてる。
少し身体ギシギシいってるけど、なんかすごく楽しい。
「届け届け熱い気持ち
刹那のソウルにCUT IN♬」
「はぁはぁはぁ」
お、終わった。
ふぅ~、ちょ~気持ちよかった。
なんか生きてるって感じして。
「・・・・・・」
へ、あっ、さくらちゃん。
「さ、リーダー、どっちが勝ったか判定して」
「・・・・・・ミカ・・・だ」
「うっ」
・・・さくらちゃん
「じゃ、他のみんなの意見は?」
「「・・・・・・」」
「それじゃ決まりね」
・・・さくらちゃん。
なんかなんか。
やっぱりこんなのやめたほうが。
「あ、あは、そうだね」
え、さくらちゃん。
「うん、愛ちゃん、わたしもそう思ったと。
ミカさんのダンス、すごくキレがあった。
今のはわたしの負け。
・・・・・わたし、もっと練習するけん。
がばい練習して、そしてもっとうまくなってもう一回挑戦する。
だからミカさん、それまでフランシュシュをお願します」
”ペコ”
「・・・・・・」
「じゃ、じゃあわたし、ちょっと」
”ダー”
「さ、さくら」
”ガチャ、バタン”
「「・・・・・・」」
「さ、なにしてるの。
練習するわよ」
「愛、お前これでいいのかよ」
「なにが!
言っておくけど、今日はさくらだったけど、次にさくらと代わるのは
この中の誰かわからないからね」
「「・・・・・・」」
・
・
・
”ドタバタ、ドタバタ”
「飯じゃい飯じゃい」
”ガチャ”
「ミカ、晩ご飯できたか?
出来てるんならさっさと呼びに来んか~い。
このいけずが」
「あ、幸太郎さんちょっと待って」
「へっ? さ、さくらなんでお前が晩ご飯作ってんだ」
「あ、いや~、まぁいろいろありまして。
今日から当分の間はわたしが・・・」
・
・
・
”カタ"
「こ、幸太郎さん、はい、どうぞ」
「お~、お~、できたか。
もう腹ペコじゃい。
・・・・・・な、なんじゃ~い、この黒い塊は!
墨、墨食わせる気か」
「あははは、ちょっとハンバーグ焼いてるときに考え事しちゃって。
幸太郎さん、もう一回作り直すからそれ返し 」
「・・・・・・まったく」
”パク”
「う、に、にがー」
”パクパク、パクパク”
「こ、幸太郎さん」
「た、た、たまにはこんなのもいいだろう。
よく言うじゃろう、良薬口に苦しとな」
”パク”
「・・・・・・幸太郎さん」
・
・
・
”スタスタスタ”
う~ん気になる
さくらちゃん大丈夫だったかなぁ。
ご飯にお風呂の掃除、それに洗濯物の片付けとかやること結構いっぱいあるんだよ。
あ、そっだ! 巽さんのシャツのアイロンかけとかないと。
「よかたいよかたいよかっと」
え、さくらちゃんの声?
家の外から?
「よかよかよか」
さくらちゃん、ここで練習してんだ。
「よかよかよかよかっと。
ふぅ~
・・・わたし負けんと。
がばい練習して、きっとあの場所に戻って見せる」
さくらちゃんすごい必死に頑張ってる。
競争心と危機感。
愛ちゃんの言ってたことってこういうことだったんだよね。
今のさくらちゃんを見たらきっとみんなも同じように。
・・・よかった。
あとは適当な頃合い見てさくらちゃんと交代してっと。
『・・・・・・それでいいのミカ』
えっ、だ、だれ?
『わたしはお前だ。
それよりほんとにそれでいいのか?』
だ、だってもともと愛ちゃんとはそういう話だったから。
『みんなが認めた通り、わたしのほうがダンス上手いじゃん。
だったら、わたしがこのままやった方がみんなのためになるんじゃない?』
みんなのため?
『そう、みんなとわたしのため。
それにさ、アイドルになったら記憶も戻るかもしれない』
記憶が。
・・・・・・わ、わたし。
ーーーーーーーー
”ガバッ”
「は、い、今何時?
8、8時!
やばか、寝過ごした。
今日から幸太郎さんの朝ご飯作らないといけんかった」
”ドタバタ、ドタバタ”
「まだ起きてないといいんだけどなぁ、幸太郎さん」
”ガチャ”
「おお、さくら、どこいってたんじゃい。
なかなか今日の朝ご飯は美味かったぞ」
「え?」
「昨日の晩ご飯の出来から心配しとったんだが、なんじゃいやればできるじゃないか」
「あ、あの~」
「うんうん、お前はできる子だと前から思ってたぞ」
「あ、い、いや、あの」
「それより、シャツのアイロン終わってるか?」
「シャツ?
・・・あ、ちょ、ちょっと待ってて」
”ダー”
「そ、そうだったと。
昨日、幸太郎さんに言われとった。
やばい、すっかり忘れてた。
急いでアイロンかけんと」
”ガチャ”
「えっとシャツどこだっけ?
確かクローゼットの中に。
・・・え、全部アイロン掛けてある。
なんで?」
・
・
・
「ホラね振り返ってみて。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる♬」
「サキ、そこ入り遅い。
リリィも周りよく見て。
またぶつかるよ」
「・・・・・・」
「ごめん愛ちゃん」
「それじゃ、もう一回初めから」
「・・・・・・チッ」
”スタスタスタ”
「サキ、どこ行くの」
「ちっと休憩だ」
・
・
・
「いかんいかん。
朝ご飯もシャツのアイロンもきっとあれミカさんだ。
わたし昨日からなんもまともに出来てない。
せめてちゃんと掃除ぐらいはせんと。
よし、それじゃまず窓拭きから」
”キュキュ”
・
「「刹那のソウルにCut IN♬」」
「はぁはぁはぁ、じゃ、ちょっと休憩」
「はぁ、はぁ、はぁ」
ふぅ~、やっと休憩。
あ、飲み物。
みんなに飲み物持ってこないと。
・・・でも結局サキちゃん戻ってこなかった。
愛ちゃん、みんなのためだって言ってたけど、このままじゃ・・・
「愛はん、サキはんのことよろしかったでありんすか?」
「・・・・・・」
「リリィ、サキちゃん呼んでくる」
「放っておきなさい。
やる気のない人がいたらみんなの迷惑になる。
それならいない方がいい」
「・・・でも」
う~なんかムード悪い。
この前まではみんな和気あいあいで練習してたのに。
このままじゃ駄目だってわたしにもわかる。
うん、まずはサキちゃん呼んでこよう。
そんでみんなでちゃんともう一回話し合いして。
「あ、あの、わたし、何か飲み物持ってくるね」
”テッテッテッ”
・
”きゅきゅ”
「ふぅ、きれいになったっと。
でも、あと掃き掃除と雑巾がけ。
はぁ~大変。
こんなのミカさん毎日やっとったのかなぁ。
あ、そうだ今何時?
やばい、お昼ごはんの準備しないと」
”とぼとぼ”
「・・・・・・今頃、みんなレッスンしてるかなぁ。
・・・目・・・覚・・め・Returner♬
願え・ば・いいんだ・・・奇跡、感じてみたいんだ♬」
・
”スタスタスタ”
「ち、まったく愛のやろう、気に入らねえ。
くそ、族のころだったらよ、ぶん殴って言うこと聞かせてやるとによ」
「素敵、ワクワクなほど 超大、大、大♬」
”ひょい、ひょい”
「ん、さくら。
あいつ、ここで練習していたのか」
「刹那のソウルにCUT IN♬」
「・・・・・・やっぱり納得できん」
”スタスタ”
「はぁはぁはぁ。
あ~すっきりした。
さてさっさと掃除終わらせんと」
「さくら」
「え、あ、サキちゃん」
”ぐぃ”
「え、サキちゃん?」
「いいからちょっとこい」
「あ、まってわたしまだ掃除が、それに昼ご飯を」
「そんなもんあとだ」
・
・
・
”タッタッタッ”
やば!
ついでにお昼ご飯の準備してたら遅くなっちゃった。
・・・でもサキちゃんもさくらちゃんどこ行ったんだろ。
あ、でも急がないともう休憩終わってるよね。
ん、あれ、ドア開いてる。
「だからなに!」
「納得いかねえって言ってんだろ」
え、愛ちゃんとサキちゃん?
な、なんかまずい雰囲気。
「サキ、わたし達は本物のアイドル目指すんじゃなかったの。
だったら、なぁなぁじゃ無理。
ポジションを競い合って実力で奪い取るぐらいじゃないといけない。
あなたもリーダーなら 」
「だから補欠か。
あたしはそれが気に入らねえんだ。
仲間だったらもっとこうなんか違う方法あんだろ」
「どんな方法」
「そ、それは・・・」
「さ、サキちゃんもういいよ」
「よくねぇんだ、さくら。
いいか愛、フランシュシュのリーダーはあたしだ。
今からさくらも一緒にレッスンする」
「認めない」
「あ゛ーん!」
げ、愛ちゃんとサキちゃんが。
やばい、このままじゃほんとにフランシュシュが駄目になっちゃうよ。
ど、ど、ど、どうする、な、なんとかしないと。
・・・・・・く、くそ!
「もういい。
サキ、あなたとはもう一緒には 」
”ガチャ”
「あ~あ、なにやってんだか」
「あ゛ん!」
「ミカ」
「サキ、なんだよお前。
折角、愛を唆してやっとこのポジション手に入れたのによ。
わたしはアイドルになりてえんだ、邪魔すんじゃねえ」
「てめぇ」
「ミ、ミカ」
「それによ、この前のダンスバトルでわたしがさくらに勝ったんだ。
文句なんてな~んもねえだろう。
それをグダグダ言いやがって、ほんと女々しい奴だな」
「・・・お前やんのか」
「へ、また暴力?
あんたそれしかないの、あったまワル~
だからヤンキーなんて嫌なんだよ」
「マジ表出ろ」
「さ、サキちゃん、ミカさんも落ち着いて」
”ぎゅっ”
「さくら、手離せ」
「サキちゃん、暴力は駄目だって」
「ちっ、仕方ねえな。
じゃあさ、もう一回バトルしてやるよ、サキ」
「なんだと」
「聞き分けのねぇお前のために、もう一度ダンスバトルしてやるって
言ってんだよ。
それで、さくらがわたしに勝てたら補欠代わってやるよ。
その代わり、わたしが勝ったらフランシュシュのリーダーもらうからな。
そしてサキ! もう二度とお前にでかい口叩かせねぇ」
「上等じゃねえか。
さくら、いいかこんな奴に負けんじゃねえぞ」
「あ、い、いや、でも」
「さくら、お前アイドル続けたいんじゃなかと」
「あ、う、うん」
「決まりだな。
サキ、勝負は明日だ。
さてっと、わたしは疲れたから休憩してこよ~と」
”スタスタスタ”
「明日からわたしがリーダーか。
・・・サキ、お前こき使ってやるからな」
”バタン”
「・・・・・・」
”へなへなへな”
こ、怖かった~
す、すげ~怖かったよ~
マジ死ぬかと思った。
絶対、寿命ちぢまったし。
・・・・・・いや、もう死んでるから。
で、でも、もう後戻りできないよね。
やるしかない、やるしかないんだ。
だったらわたしは・・・
”スタスタスタ”
・
・
・
”シュパッ、シュパッ”
「届け届け、熱いキモチ♬
奏でるソウルにCut IN♬」
”ドサッ”
「はぁ、はぁ、はぁ」
だめだ、も、もっとキレをよくしなくちゃ。
も、もう一回初めから。
うんしょっと。
”スク”
「ミカ」
「え、あ、愛ちゃん」
「なんであんなことを言ったの」
「え、な、何のことかなぁ~」
「あんたがわたしを唆したって嘘を」
「あ、あれ。
あ~、あれは本心。
わたしさ、わたしだってアイドルになりたかったんだ。
だから愛ちゃんの提案、ラッキーって思ってたんだよ。
まさに渡りに船ってやつ。
だから、愛ちゃんの誘いに乗ったフリしてたんだ。
だってさ、巽さんに何回お願いしても駄目っていうから。
・・・・・・だからこのポジションは絶対に渡さない!」
「ミカ」
「ほら、練習してんだから邪魔しないで。
明日は絶対に勝つんだから」
「・・・・・・」
”スタスタスタ”
愛ちゃん。
・・・・・・わたし負けないから。
・
・
・
「届け届け、熱いキモチ♬
刹那のソウルにCut IN♬」
”ピタ”
「よし、さくら大分よくなった。
あたしが見ててもわかる」
「うん、リリィもそう思う」
「はぁはぁ、う、うん」
「いいか、ぜってぇ明日負けんじゃねえぞ」
「さくらちゃん、リリィも応援するね」
「うん、負けんばい。
わたしは必ずあの場所に戻って見せるっちゃ。
・・・あ、でもそろそろ巽さんの晩ご飯作らんと」
「さくら、そんなもん、あたしが作ってやる。
お前は練習続けろ」
「サキちゃん。
あ、で、でも」
「いいから任せとけって」
「うん」
・
・
・
”シュパッ、ピシ!”
「所為がでるな、ミカ」
「巽さん」
「純子から聞いた。
お前、本気でアイドルやりたいのか」
「・・・巽さん。
巽さん、わたしは!」
”スタスタスタ”
「ん、あれは幸太郎はんと、ミカはんでありんすな。
いったいこんなところで何を」
・
・
・
「・・・だから!
だからわたしは後悔したくない。
明日はわたしができる最高のダンス踊って見せる」
「・・・・・・そうか。
なら勝手にすればいい」
”スタスタスタ”
「・・・ミカはん」
・
・
・
”ガチャ”
「サキちゃんありがとう。
晩ご飯できた?
・・・え、こ、これ」
「いや~、里芋の煮っころがしを作ろうと思ったんだけどな。
ちょっと失敗して」
”ガチャ”
「お~いさくら、晩ご飯できてるか~
今日の昼ご飯もなかなか美味かったぞ。
ん、サキなんでお前もいるんじゃい?」
「あ、ば、晩ご飯はサキちゃんが」
「・・・ん?
で、晩ご飯は 」
「あ、あの~ここに」
”カタ”
「・・・・・・な、なんじゃいこの黒い塊は。
墨! また墨かー!」
「うっせ。
そんなもん食っちまえば一緒だろうが」
「こ、こんなもん食えるかボケ!」
「いいから食べろ!
ほら口開けろ」
「や、やめろサキ」
”パク”
「ぐぅおー、に、にがー」
ーーーーーーーー
”ガチャ”
「今日は逃げんできたな、ミカ」
「はぁ?
なんでわたしが逃げないといけないの?
あんたバッカじゃないの?」
「チッ!
んじゃはじめっぞ。
さくら、負けんじゃねぇぞ」
「さくらちゃん、ガンバだよ」
「それじゃ、さくらもミカも準備はいい?
始めるから」
「まてぇ~い!」
”ガタン”
「お前ら俺のいないところでなに面白いことしとるんじゃい」
「幸太郎さん」
「なんだ、グラサン邪魔すんな!」
「安心しろ、邪魔はせん」
「だったらおとなしく 」
「チーム戦じゃい」
「はぁ?」
「この勝負は3対3のチーム戦で競ってもらう。
お前らはグループだろうが。
だからやるならチームでやらんかい。
ダンスの出来だけじゃない。
さくらとミカ、お前らと他のメンバーとの息の合い方でも勝負してもらう」
「そうか。
ならよ、わたしはさくらのチームだ」
「リリィも」
「・・・・・・」
「さくらのチームはサキとリリィか。
ミカ、お前と一緒に踊ってくれる奴はいないようだな」
「・・・・・・」
「グラサン、勝負あったな。
見ての通りこいつには誰も 」
「わたしがミカと踊る」
「愛ちゃん」
「・・・・・・勘違いしないで。
不戦敗は許さない」
「・・・・・・」
「ならミカはん、わちきも一緒に踊らせてもらうでありんすな」
「ゆうぎりさん・・・・・・ありがと」
「お前ら決まったらさっさと準備せんかい。
始めるぞ」
・
・
・
”シュパッ、シュパッ、ビシッ!”
「目指せ目指せ最上! 最良!
怖いものなどない! ナイ! ナイ!」
「なんだこいつ・・・・・・すげぇ。
動きキレッキレじゃねえか。
昨日よりももっと 」
「サキちゃん、止まってる」
「あ、わりぃ」
「「ビシッっと変えたいこのChanging♬
ステップやめないこのdancing♬」」
”シュシュ、パッ”
「どうだ純子」
「見ての通りです。
今日のミカさんのダンスは今までで一番。
見ていて引き込まれます。
それに愛さんやゆうぎりさんとも息があってて」
「そうか」
「・・・でも」
「でも、なんだ?」
「ミカさんのダンス、見ていて悲しくなります。
なぜなのかわかりませんが」
「そうか」
「「刹那のソウルにCut IN♬」」
はぁはぁはぁ
終わった。
わたしが持ってるもの全て出し尽くした。
もう思い残すものはない。
あとは巽さんに・・・
「はぁはぁ、判定はどっちだグラサン」
「そんなもん、決まってんだろが」
「・・・チッ、やっぱりそうか」
「ああ。
勝負は・・・さくらの勝ちじゃ~い!」
「は? はぁー!
な、何言ってんだグラサン!」
「あ~あ、やっぱりそうか~
くそ、負けちまった。
もう少しでリーダーになれるとこだったのにな~
・・・仕方ない、わたしの負けだ」
「お、おい、お前もなにを 」
”ガチャ”
「負け犬は去るのみ」
”スタスタスタ”
「グラサンちょっと待て。
あたしでもわかった、今のあいつのダンス半端じゃなかった。
なんか本気の魂っていうもん感じた。
だから今の勝負は 」
「さくらの勝ちじゃい。
お前は何もわかっとらんの~」
「はぁー!
この勝負は誰がどう見たってあたし達の負けだったじゃねえか。
個人のダンスといい、チームとしての完成度といい。
何がわかってないって言うんだグラサン!」
「いいかよく聞けサキ」
「お、おう」
「・・・・・・俺はまともな飯が食いたいんじゃ~い。
も、もうあんな苦いのはいらんのじゃ~い!」
「はぁー!
なんだそれ。
そんなの理由になってないだろうが!」
「え~い、うっさいわい。
俺がさくらの勝ちと言ったら勝ちなんじゃい」
「納得いかねぇって言ってんだろ!」
「納得いかなくても納得しろ、このボケ~」
「なんだと!」
「まぁまぁサキはん。
幸太郎はん、幸太郎はんが話さないのなら、わちきから話すでありんす」
「ゆうぎり姉さん、何か知ってんのか」
「なんでお前が?
や、やめろゆうぎり!」
”ぼこっ”
「ぐへぇ」
「てめぇは黙ってろ!
姉さん、何知ってるんだ」
「あれは昨晩のことでしたなぁ。
ミカはんと幸太郎はんが 」
・
『わたしは、愛ちゃんの言いたいこともわかる。
本物のアイドル目指すなら競争心は絶対に必要だもん。
なぁなぁで出来るもんじゃないってわたしもそう思う。
・・・でもさ、それだけじゃきっと駄目なんだと思うんだ。
わたしたちはゾンビィ。
みんな誰も頼れるものがいないんだ。
とうちゃんもかあちゃん、兄弟や友達もいない。
わたし達にいるのはこの仲間だけ。
だからメンバーのこと温かく思いやる気持ちってさ、
きっとそれと同じくらい大事なんだって思う。
だからさ 』
”ぺこ”
『お願いします巽さん』
『断ったらどうする』
『・・・巽さん、ゲリラライブの時、わたし置いてったよね。
帰ってくるの、めっちゃ大変だったんだけど。
足なんかギシギシて軋んじゃって。
断ったら一生恨むから』
『お前の一生はもう終わってるだろう』
『そ、そうだけど』
『・・・・・・お前は、お前は本当にそれでいいのか』
『うん。
それにさ、わたしさくらちゃんのダンスも歌も大好き。
なんかさ、頑張ろって感じにさせてくれるの。
そんなのどんだけ頑張ってもわたしにはできない。
それってさ、今のフランシュシュにとって、とっても大事なものだと思う。
だからフランシュシュに必要なのはわたしなんかじゃない。
・・・さくらちゃんなんだ』
『・・・・・・』
『へへ、みんなとダンス出来てとっても楽しかった。
もっとさ、みんなと一緒に踊りたかったけど、明日が最後。
・・・だから!
だからわたしは後悔したくない。
明日はわたしができる最高のダンス踊って見せる』
『・・・・・・そうか。
なら勝手にするがいい』
・
”ぐぃ”
「おい、グラサン!
今の話マジか」
「・・・・・・」
「な、なんなの!
あの馬鹿」
”ダー
「あ、愛!
ちょっと待て」
”ダー”
・
・
・
”とぼとぼ、とぼとぼ”
終わった。
これで良かったんだ。
愛ちゃんもサキちゃんもみんなのこと思う気持ちは同じ。
二人が傷つけあう必要なんて何もないんだ。
だとしたら、きっとこれが一番いい解決方法。
うん、これしかない。
で、でも
「・・・う、うぐ・・・うううう、ううううう」
・・・もっと、もっとみんなと一緒にいたい。
”パシッ!”
くそ、負けない!
そう決めたんだ、わたし負けないって。
そんで、そんで最後は笑ってって。
”ニコ”
「さようならみんな。
・・・ありがと」
”ペコ”
・
”ダー”
「ミカ!」
”ガチャ”
「あなた、勝手なこと言わな・・・・・・・なんで」
”へなへなへな”
「・・・ミカ」
”タッタッタッ”
「愛、落ち着・・・・・・って、お、おいマジか」
”タッタッタッ”
「はぁはぁ、あ、愛ちゃん、ちゃんと話し・・・合お・・・う。
えっ!
な、なんで、なんでミカさんの荷物なかと。
ま、まさか、さ、サキちゃん!」
「あの馬鹿!」
最後までありがとうございます。
前回投稿から約2か月も・・・・・・
大変遅くなりすみません。
最近、なかなかパソコン使える時間がなくて・・・・・・
うー、自分だけのパソコンが欲しい!
・・・す、すみません、言い訳っす。
次話は何とかもう少し早く投稿できればと。
さて、みんなの前からいなくなったオリヒロはどこに。
さくら達は? 巽は?
次話、また見に来ていただければありがたいです。
ではでは