うちの新人は色々うるさい   作:リリマル

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お読みくださる皆様に感謝を

今回は所謂、幕間となっております。ストーリー(あってないようなもの)に絡んだり絡まなかったりの、短いお話をお送りいたします。時系列は各タイトルの前後くらいと思って頂けると幸いです。

余談ですが今回のピックアップでうちの79式が5LINkになりました。副産物で代用コアが100個を超えました(察して)。謎の三連トンプソンは何だったのか…


裏さい1

〜存在感の裏で〜

 

「反省しましたか?」

 

 

「ごめんなさい…」

「申し訳ない。」

 

 

 室内射撃訓練場での、スコーピオン と オート9 による白熱したマンターゲットアタック(という名の撃ちまくり大会)が始まると、あまりの銃声に意を決して止めに入ったものの聞く耳を持ってもらえないばかりか、やいのやいのと見物に来た他の人形たちに挟まれ、耐えられなくなってしまったのだろう 9A-91 が泣き出しそうになった辺りで ウェルロッドMk.Ⅱ の雷が落ちた。

 それから小一時間、撃ちまくっていた当事者の二人は、延々と続くウェルロッドのお説教を受けていた。

「(彼に正座は意味あるのでしょうか?)」

「(シュールな絵面ね…)」

 何となく巻き込まれた形になった9A-91と、元々巻き込まれていた 92式 は、興味津々で覗きに来た他の人形たちとともにその光景を見守っていた。ちなみにG41は、巻き込まれたくない見物客の皆に撫でられたり愛でられたりしている。

「まったく…じゃあ最後にスコーピオン?」

「はい…」

 明らかにぐったりしているスコーピオンをウェルロッドがジロリと睨む。

「ここはマンターゲットの訓練場です。撃ちまくりたいなら、外の対物射撃場辺りでやってください」

「でもでも!仲間だろうと敵だろうと、誰にも負けたくな「闇に葬りますよ?」…はい…すみません」

 切り捨てるように言うウェルロッドの迫力に、何も言えなくなるスコーピオン。完全に蛇に睨まれたサソリだ。

「それからオート9さん?」

 真ん中に正座するオート9に視線を向けるウェルロッド。巨躯のメタリックボディが見事な正座をしている様は、92式の言葉通り、シュールの極みと言える。

「なぜ五点速射で撃ち続けるんです? 何百発撃つ気ですかあなた」

「そうしなければいけない気がした。」

「まじめな顔して何言ってるんですか!?」

 思わず声が大きくなるウェルロッド。色々と規格外な新人のペースに飲まれつつある。

「はぁ…弾薬だってタダじゃないんですから、無駄打ちは控えてください?」

「了解した。」

 

「(あ、わたくしの嫌な予感はこれでしたか)」

 

 二人の会話を聞きつつ、倉庫番である92式はオート9から当初感じた嫌な予感の正体に気付いた。今後の弾薬等の在庫チェックが大変になりそうな予感に、そっと頭を抱えるのであった。

 

 

 

 

 

「そういえばオート9、貴方リロードを全然していないように見受けられましたが…?」

 

 

 

「リロードは、気分だ。」

「え…?」

 

 

 

 

 

〜動きの裏で〜

 

 

 

「だから!なんで!駐車場の出入りの時に車体の底を擦るのですか!」

「申し訳ない。故意ではない。」

 基地の地下駐車場にて、オート9と PP-19-01 がそんなやり取りをしながら歩いている。01は紙袋を一つ、オート9は巨大な段ボール箱を抱えていた。

 オート9は完全に前が見えないと思うのだが、パッシブセンサーがどうのこうので問題ない。そうで、良い姿勢のまま足音を響かせ歩いている。

「あ、マーフィ!01ちゃん!おかえり〜」

 中庭に面した外廊下で、ベンチに腰掛けていたG41が、足音を聞いて駆け寄ってきた。

「隊長、お疲れ様です」

「隊長?。」

 そう言ってペコリとお辞儀をすると01と、二人を交互に見て小首を傾げるオート9。その姿に01は、 

え?と呟きながら彼の顔を見上げる。

 

「オート9さん、G41さんの事ご存知なのですよね?」

「Gr G41。ARタイプ戦術人形。着任初日から、案内役をしてくれた。」

「…この基地の主力も主力、第1戦闘部隊長なのですがそれは?」

 

 

 

 壊れた扇風機かのように、首を素早く二度動かしてG41の方を見る。

 キョトンとした顔で二人の方を見ているこのケモミミ少女が、歴戦のこの基地の中でトップの部隊を率いているのだ。マスコットのように全人形・全職員から愛されているのも事実だが。

 

「そうか、それはそうとGr G41。」

「(それはそうと!?)」

 何事もなかったかのように話を変えるオート9は、呆気にとられる01を尻目に、巨大なダンボールの中から長方形の箱を出し、G41に手渡す。

「ん〜? なになに〜?」

「お土産だ。」

「お土産!やった〜!!」

 そう言いながら、箱を掲げてクルクル回るG41。中庭でその様子を見ている他の人形たちは、微笑ましそうにその光景を見ている。

「街で人気のドーナッツです隊長。皆さんで食べてください。その…ご心配おかけしました」

 にこやかに語りかけお辞儀をする01の様子に、耳を動かし喜ぶG41。

「そっかー!マーフィ、01ちゃんありがとー!じゃあ早速ご主人様たちにも配ってくるね!」

 

 

「ではGr G41。これも持っていくといい。」ポスポスポスポスポス

「おぉぉおおぅ?」

 G41の眼の前には同じ箱が何段にも積まれ、バランスゲームのようになってしまった。

「だから買い過ぎだと言ったのですよ…あぁあぁ隊長、大丈夫てすか?」

 

 

「だぁああぃじょおぉおぶううぅ」

 

 

 大丈夫そうには見えない様子で、ふらつきながらもダース単位のドーナッツを運んでいくG41。それを見送りつつ、ため息をつく01と、宿舎に向けて歩き出すオート9。

「まったくもう、ちなみに残り全部食べるんですか?」

「問題ない。」

 苦笑いを一つこぼすと、駆け出してオート9を追いかける01。出発前の暗い雰囲気は彼女にはもう無かった。

 

 

 

 

 

 建物の中まで入り、周りからの視線が切れると、フラフラと歩いていたのが嘘のようにピタリと立ち止まり、ワイワイと話しながら歩く二人の方を、朱碧に輝く瞳で一瞥するG41。

 

「本当に良かったわ、Vityaz。立ち上がれたのね。ありがとうマーフィー」

 

そう呟くとニコリと微笑み、司令室に向かって歩き出した。ドーナッツの箱は、先程とは違い微かにも揺れてはいなかった。




あ、作者はG41が大好きです(唐突な告白)

ご静読ありがとうございました。さて、このあとの展開どうしよう…感想、評価お待ちしております。ご要望など含め、どしどし!どしどしお願いします!

あと、よければフレンド申請などもお待ちしております 

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