余談ですが、作者の自宅には稼働するアールジーコが現存していたり、フラッシュプリズムもあったり、握手して書いてもらったさとう珠緒さんのサイン色紙もあります。年齢がなんとなくバレますね。
〜I.O.P社 16Lab内 ペルシカの研究室〜
いくつものモニターと戦術人形用のメンテナンスデッキが置かれ、所狭しと色々な用途不明にパーツが置かれている室内。
ペルシカの研究室内には、コーヒーカップか2つ置かれ、テーブルを挟んで二人の人物が座っていた。
一人は部屋の主であるペルシカ。もう一人は、G&K社の赤いロングコートに身を包み、モノクルを着け固い表情をしているヘリアンだ。
直接彼女がこのラボを訪れることは珍しい。しかも詳しい内容も伝えず突然の来訪だったため、ペルシカも少し困惑気味だ。
「それでどうしたの?ヘリアントス上級代行官殿」
「うん、そうだな…」
「え、ちょっと本当にどうしたのよヘリアン」
普段は茶化すとすぐに睨むわ、問題があるとズバズバと切り込んでくる友人が、この日は珍しく歯切れが悪い。よく見ると顔色も悪く、コーヒーを啜りため息までついている。
「…昨日行ってきたぞ。D10-6地区に」
「え、あぁ〜…」
そう言うと唇の端をヒクつかせながら、ペルシカもコーヒーを口にする。勢いで押し付けてしまった我が子(オート9)だが、問題無くやっているとはいえ、そもそもその経緯と結果に問題があり過ぎることを自覚しているペルシカ。
クルーガー社長は受け入れてくれたが、中間管理職であるヘリアンやライト指揮官の気苦労が増えてしまった事は間違いない。
「えっと〜、それでどう…でした?」
思わず敬語になってしまうペルシカ。
「え、あぁ、マーフィの事だが」
「そうそうマーフィの事よ。なんかやらかした?」
そう聞かれたヘリアンは、黙ってコーヒーの液面を見つめた。
〜〜〜
「お久しぶりです!ヘリアントス上級代行殿!」
「無沙汰をしている、ライト指揮官。そう固くならないでくれ。今日はそこまで堅苦しい用件じゃない」
しっかりとした敬礼で挨拶を交わした二人だったが、ヘリアンのその言葉にふぅっと息を吐く。
「まぁ一応は、と思いまして。それで最近はいかがですか?こっちとこっちの方は?」
そう言って、笑いながら顎を触る動きとコップを飲むような動きを行った。ヘリアンも苦笑いしつつ
「社長は相変わらずだよ、あっちこっちと飛び回って大忙しだ。それで雑務はこっちに投げて来るんだから全く…」
「そういうところだぞあのヒゲェ…」
「まぁそんなわけで、こっちの方はなかなか…な…」
悲しげな表情で項垂れるヘリアン。付き合いが長いだけに、彼女のプライベートのポンコツっぷりも勝手知ったる物で、カリーナと共に何度か相談にも乗っている。
戦況も落ち着いてきているのだから、長期休暇でも取ったらとも思うが、それでも仕事をこなす真面目な彼女こそ魅力的な部分なのだろうが、本人は気付いていないようだが。
「ゴホン、まぁそれは良いとして、むしろ今日はヒ…社長から直接彼を見てくるように頼まれたんだ。噂のオート9を」
「あ〜、そうですか。マーフィを…」
そう言うと、ライト指揮官は困ったように頭をかく。ヘリアンは不思議そうにそれを見ていた。
〜〜〜〜〜
「だ、誰か助けて〜」
「ハッハッハー!誰も助けになんて来ないぞー!?」
「そうだそうだ!」
ロープで縛られた黒い服の少女がサブマシンガンを突き付けられている。突き付けているのは、世紀末な棘付き肩パッド風の衣装を付けた、赤い帽子と眼帯の二人の少女だ。
「フッフッフッ、お楽しみはこれからだぞ」
「そうだそうだ!」
「きゃーやめてー」
「可愛い」 「可愛い」
「えっ?」
「基地で一番可愛い」「クール可愛い」
「なにこれあの」
「可愛い可愛い」 「可愛い可愛い」
「やめ…ちょっと聞いてな…」
「可愛い可愛い。闇にwww身を置く者www可愛い」
「可愛い可愛い。照れながらもノリノリのハロウィン衣装超可愛い」
「やめろーっ!あとステン!スコーピオン!あなた達バカにしてるでしょ!?」
『大変!このままじゃあの女の子が恥ずかしくて街を歩けなくなっちゃう!「カリン!?」みんなも一緒に大きい声で助けを呼んで!?せーのっ』
「「「『助けてー!!』」」」
カリーナの呼び掛けに、ステージの下で見つめる子供たちも大きな声を張り上げる。
「まてー!!」
「だっ誰だ!?」
とーおっ、という掛け声とともにステージの上に飛び出してきたのは、銃を構えたG41だ。
「G&Kだ!その可愛い子をはなしなさい!」
「おのれG&K!いつもいつも邪魔をして!この可愛い子は私達のおもちゃにするんだ!離さないぞ!」
「そうだそうだ!」
「やめて…ホントやめて…」
すでに人質役のウェルロッドは、縛られているはずの両手で顔を覆って下を向いている。耳まで真っ赤だ。
「それに、こんな子供たちの前で撃てるのか?私達血みどろだぞ!?」
「そうだそうだ!」
「ステン!あんたさっきからセリフ忘れてるよね!?」
「くそう、ひきょうなーっ!」
G41がぐぬぬといった表情でたじろぐ。
シュルシュルシュル カツン!
その時、一枚のカードが空を切り、人質のロープを切ったまま地面に刺さる。カードにはJP…ではなく、G&K社のロゴマーク。ロープが切れたウェルロッドは、、顔を覆ったままG41の元へ走り出した。
「だいじょうぶですか!?可愛いお嬢さん!」
G41に抱きとめられながら、諦めたようにコクコクと頷くだけのウェルロッド。
「くそーっ!誰だ!?」
「誰だ誰だー!」
そう叫びながらキョロキョロと周囲を探す適役二人。
『あ、あそこよ!』
カリーナが指差すと、組まれた櫓の上に銀色のボディが煌めいていた。
「とう。」ガシュウン!
そのまま櫓から飛び降り、軽く膝を曲げて着地すると、犯人役二人の方を指差す。
「やめろ。可愛い少女を拐かす悪人め。ズバッと参上。ズバッと解決。定刻通り只今参上。G&K社所属 オート9。Fight for Justice。」
ワーワーワーワーキャッキャキャッキャ
「「………」」
苦笑いをするライト指揮官と、珍しく口をぽかんと開け、なんとも言えない表情をしているヘリアン。
ステージの上では、結局銃撃戦が始まっており、観客の子どもたちはワイワイと声援を送っている。
「ライト指揮官、あれはその…何?」
「えっと…本日の基地見学ツアープログラムによると、『G&K社の活動を宣伝するための一貫としてのヒーローショー』だそうです」
「成程。「「グワーッ」」あ、爆発した」
派手なカラーパウダーの爆発とともに、こっそりとステージを降りるスコーピオンとステン。
そうしてステージの真ん中で、茹でダコになりつつ顔を覆ったままのウェルロッドをお姫様抱っこしたオート9とG41が、銃を構えてポーズを決めると、子供たちから大きな拍手が巻き起こった。
「は〜い、それではみんな〜。このあと記念写真を撮ったら、『基地見学ツアー』を再開しますわ〜。次は司令室で指揮官さんに質問コーナーですからね〜」
「「「は〜〜い!」」」
出演者たちと楽しそうに写真撮影に向かう子どもたち。スコーピオン達と悪の組織ごっこをしている子や、G41とともにウェルロッドをからかい一緒に追いかけられている子。それに混ざるように、表情こそ無いもののしっかり対応しているオート9の腕にぶら下がったり肩車をされている子供達。
「馴染んでいるな、彼は」
「えぇ、それはもう。彼も、皆もです」
そうつぶやく二人も、自然と笑顔になっていた。
司令室にて子供達の相手をする予定の指揮官と別れ、ヘリアンはやりきった顔をしているG41たちに囲まれた、オート9の元に向かった。
〜〜〜
「いや〜、皆楽しんでいるようでなによりだわ〜」
「確かに。あれだけの激戦区だった頃の面影は、ほとんど鳴りを潜めていたよ」
そう言うとペルシカとヘリアンの二人は、当時を思い出すかの様にコーヒーに口を付ける。
「で〜?何をさっきから言い淀んでるのさ、君らしくもない」
「ぐぬっ」
やはりさっきから様子のおかしいヘリアン。特にあちらで問題があったわけではなさそうだ。それなのに、
「わざわざ私に直接会いに来たってことは、なにか話があるんでしょ?」
「あぁ…実は…」
ペルシカ、しかしここでふと違和感に気付く。
「…ていうか、さっきから気になってたんだけど、君が戦術人形の事を愛称で呼ぶの初めて聞いた」
「んななななななんの事だ!!?」
そう叫んで椅子を倒しながら立ち上がると、腕で顔を覆うように隠す。
だがそれでは隠しきれないほど、頭から湯気が上がっている。
その様子に、全くもって想定外といった顔をして口をあんぐりと開けたペルシカ。
「えぇ〜〜〜〜…そっち〜〜〜〜…?」
「うぅぅ……///」
「言い残すことはありますか?」
「スミマセンデシタ」
「誰にでも救われる価値があるのでは…」
「よく締まった、理想的な背筋だった。」
「ウェルロッドちゃん可愛いー!」
「正義の鉄槌!!」
「「「「グワーッ(。)」」」」
お読みくださった皆様、ありがとうございました。今井さん可愛い。それはさておき
さあメインヒロインの登場です
え、G41ちゃんがメインヒロインじゃないのかって? 御冗談を、彼女は女神だ(ぐるぐる目)
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