俺は/私は死にたくない!~死亡√は断固拒否です~   作:黒三葉サンダー

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少しずつこのイカれた作品に評価が重なっていくのを見て、作品ってのはこうやって意味を持っていくんやろうなぁとかよく分からん感慨に浸ってた俺氏。

前書きも後書きも脊髄反射で書いてるようなもんだから深い意味は特にない。
無いったらない。


思い違いと呼ばれてしまうもの

「知ってる冬空だ……」

 

相変わらずのもう吹雪の中で、俺は何故か仰向けで寝転がっていた。

積もった雪特有のモフッとした感覚はあるものの、やはり寒さは感じられないことに少し物足りなさを感じつつ起き上がる。

 

さて、ここに来るのは二回目だけども今回は誰もいない。ラムはまたあの洞窟にいるんだろうか。てか俺一人でラムのところまで辿り着けるのか?

むーん、誰か使いはおらんかね!

 

「にゃー!」

「おう!?なんだお前!?どこから出て……あの穴か」

 

寂しくなって一人ごちていると、いきなり足元から猫の鳴き声が聞こえてビビる俺。

声の元を辿ると俺の足に体を擦り寄せている真っ白な猫が一匹、頭にちょこんと雪を乗せてにゃーにゃー鳴いていた。その近くにはおそらく猫が掘って出てきたのであろう穴がポッコリと空いていた。

なんやこいつ。めっちゃ可愛いんだけど。ぐうかわ過ぎて抱きしめて撫でまわしたいんやが。

 

「にー!にゃー!にゃうー!」

「おう、どしたどした。抱っこか、抱っこをご希望なんか。喜んで抱っこしてやるぞこのやろー」

 

俺の足に向かってテシテシと猫パンチをしてくる白猫の気持ちを代弁したつもりだったが、どうやら違うらしい。

え?なに?あっち?ついてこいって?

 

「にゃあー!」

「分かったわかっ──ちょ!?速い!速いよ白猫さん!置いてかないで!」

 

今度こそ代弁が当たってたらしく、白猫が嬉しそうに一鳴きすると物凄い速度で雪上をダッシュし始めた。それもあっという間に姿が見えなくなる程に。

雪駄もなしにその速度だとぉ!?こやつ、雪猫やったか!?(意味不明)

 

軽く戦慄しつつも必死に白猫を追いかける。といっても白猫の姿は見えなくて、最早ここまでか……と思いきや。

なんとあの猫、この吹雪の中で巧みにも自分の足跡を残していっていたのだ!

やだ!素敵!その足跡についていくわ!

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで白猫の足跡を辿っていくこと体感十分。

ついに俺は件の洞窟へと到着した。

薄々思ってはいたが、やっぱりあの猫はラムの使いだったのだろう。白猫に感謝しながら洞窟の中へと足を踏み入れた。

中を進んでいくと、ぼんやりと松明の灯りに照らされた木の扉があった。

とりあえずノックしないで入るのは礼儀違反なので、ノックをしてから扉を開けると、前と同じようにテーブルと椅子が用意された小部屋に彼女はいた。

脚を組みながら優雅に紅茶を嗜んでいるが、場所が洞窟のせいか微妙に格好がついていないのがネックだ。

 

「来たわね。待ってたわよ」

「来たぞ。道分かんなかったけど」

「にゃあ~」

 

本人の許可を得てから対面の椅子に座ると、さっきの白猫がゆらりと尻尾を揺らしながら俺の膝の上に乗っかり寛ぎ始める。

うーむ、これは懐かれているでいいのか。触って良いんか?良いんよな?触るぞワレ。

 

「へぇ。チィがそんなに懐くなんて珍しいわね」

「チィ?この猫の名前か?」

「えぇ。幸召術式七番、幸運の猫(シシアシチィ)。それがその子の本来の名前よ。だからチィ」

「ほー、なんかよく分からんが宜しくな。チィ」

「にゃあん」

 

ラムが物珍しそうに俺と俺の膝上で寛ぐ白猫、チィを見ている。

交渉術式?なるものらしいが、どこからどう見てもただの白猫である。何にせよ挨拶は大切だ。

チィの両脇に手をいれて抱き上げると、猫特有の体がだらんと伸びる現象を楽しみつつ挨拶すると、眠たげな顔で一鳴きしてきた。何ともまぁ人懐っこい猫だ。初見の相手に対して警戒心が無さすぎるぞ。

 

「で、チィが懐くのが珍しいってどゆこと?こやつ初めて会った時からめっちゃ体擦り寄せて来てたんだけど」

「チィは幸福を司る召喚獣よ。能力としては特定の相手にのみ幸福を与えるの。例えそれがどんな形でもね。でもその能力のせいか余り他人に対しては良い反応を見せないんだけれど……」

 

チラリとラムが眠りこけてるチィを見るが、当の本人は欠伸をかますなど我関せずである。お前の話やぞ、これ。

 

「何故かあなたには気を許してるみたいね。良かったじゃない。近々あなたに幸福が訪れるかもね?」

「そりゃありがたい。出来れば俺の推しと運命的な出会いが出来る幸福が欲しいが。どうかねチィちゃん」

「にゃ?」

 

ダメ元で頼んではみたが、反応を見る限り俺の言葉は全く伝わってないだろう。間抜けな顔でこちらの様子を窺っている。

なんやこの猫、生意気やな。ほれ顎下撫でまわしたるわ。

 

「ま、あたしの契約者としては見所があるわ。将来的にはあたしの召喚獣を全て使役出来るくらいには成長して貰わないといけないし」

「そう、それだよ。そもそも召喚獣って何のことだ?あの巨人の魔法だって、あんなの出来るのか」

「は?え?なに、あんた。もしかして召喚獣のこと知らない訳?嘘でしょ?」

「いえいえ、嘘なんかじゃないですよ奥さん」

 

ラムは真顔で「誰が奥さんじゃ」と俺の体をテーブル下から蹴ると、やれやれといった様子で召喚獣の説明を始めた。

 

「そんじゃしっかり聞きなさい。まず、召喚獣というのは前魔王が従えてた魔獣の事よ。まぁ魔獣と言っても大元は魔法なのだけれど。完成した術式に魂を埋め込むことで形を成し、術者を主と認める。そして主の命令に絶対遵守の魔獣が生まれる。それが召喚獣よ。ここまではよくて?」

「お、おう。つまりチィやあの巨人は元は魔法で、魂を埋め込んだから姿を持って生まれてきたって事だな?そんでそいつらを召喚獣と呼んでると」

「そんなところね。だから主以外の命令には従わないし、懐きもしない……筈なんだけど。チィは別格みたいね。多分他の召喚獣はチィみたいにいかないわよ」

 

ほうほう。じゃあ俺があの時巨人に指示が出せたのは主であるラムが表層に出てたから、その指示には従ったって訳か。んで俺が完全にラムと入れ替わってたら、あの巨人の制御が効かなくなって俺の身もヤバかったと。

 

……は!?あれってもしかして命懸けだったのか!?

 

「ってあれ?召喚獣ってのは前魔王が従えてたんだろ?なんでラムの命令に従ってたんだ?それじゃあまるでラムが魔王……みた、い……」

「あら?ようやく気付いたの?」

「……待て。待て待て待ってくれ!あれって!

?まさか前魔王って……!」

「そうよ。気付いた所で、改めて自己紹介をしましょうか」

 

ラムはティーカップを置くと、不敵な笑みを浮かべながら前魔王の時の名前を告げた。

 

 

 

「あたしの名前はアリステル・フォン・ヌーザ。魔王アリスとはあたしのことよ!」

「そんな、馬鹿な……!!」

 

 

あまりの衝撃に体が震え、信じられないものを見てるかのように彼女を凝視する。

そんな俺の様子が嬉しいのか、まるで悪戯が成功した子供のように笑いながら尚も話を続ける。

 

「ふふ、騙してたようで悪いけれど。もうあなたはあたしと魂で契約しているの。今更契約破棄は許されないわ!大人しく自分の運命を受け入れなさい」

「あり得ない……そんなことあり得ない!!だってそうだろう!?」

「あーはっは!もう手後れなのよ。だから──」

 

そうだ!そんなことあってはいけない!これは何かの間違いなのだ!

何故ならば……

 

 

 

 

「魔王は!魔王の名前はヴィルヘルムで、男だろうが!!!」

 

 

「………はぁ!?!?」

 

 

 

魔王ヴィルヘルムは男であり、魔王アリスなんて存在しない筈なのだから!!

 

 

 

 

 

 

……余談だが、この後すぐに声が五月蝿かったせいか寝惚けたチィに手を甘噛されてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 




きっとこの話を読んだ君たち読者はこう思っているだろう。
「魔王とか召喚獣とかよう知らんけど、チィ可愛い」と……!

早めに学園編を書くべき?

  • ササッとゲーム本編にいこう
  • ゆっくり幼少編やってこう
  • お前の信じたシナリオを行け!
  • アリシアちゃんのイチャイチャはよ!
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