俺は/私は死にたくない!~死亡√は断固拒否です~ 作:黒三葉サンダー
はじめまして!わたしはアリシア・ユーストラス!まだまだ育ち盛りの六歳です!皆よろしくね!
………まさか自分が幼女になるなんてこれっぽっちも思ってみなかったぜ。
改めて挨拶しよう。俺の今世の名前は先程の通りアリシア・ユーストラス。元々は冴えない平社員であり、ゲーム好きなモテないおじさんだった。特出したことは特になかったし、頭が良かったわけでもないが自分が出来ることはどんどんやって仕事を増やしてきたし、信頼を勝ち得て上司とも上手くやっていけていた。
そんで今後の会社の行方を左右するほどのプロジェクトを任されて、「おっしゃあこれからやってやるぜ!」って矢先にこれだ。
早い話、俺は会社の誰かに殺されたわけだ。理由は多分妬みとかやっかみじゃないかと考えている。
普段冴えないあんな奴がどうして一大プロジェクトの主任に任されたんだとか、上司はなんでパッとしないあんな奴を気に入ってるのかとか、色々陰口を言われたものだ。確かに業績だけみればお世辞にも良いとは言いづらかったけどな。でもこちとら地道に積み重ねて頑張ってたんだよ。親に甘やかされて育ってきた奴らには耐えられん程の屈辱だったってことかね?だがこっちは愛の鞭打たれて育ってきたんだ。若いもんと一緒にするでない!
おっと、話が逸れたな。まぁそんなこんなでいつの間にかこの世界に生まれた俺は絶賛親と姉の有り余る愛情を一身に受けてすくすくと順調に育っている。正直心地よすぎてダメになりそう。
なんという甘い密。こりゃゆとり世代を馬鹿に出来ない。姉がかっこ可愛い過ぎてほんとつらい。
ちなみに俺が転生したこの世界、元々は〈princess knight〉と呼ばれていた有名なゲームであり俺もプレイしたことがある。内容としては孤児である主人公のクレストがとある貴族に拾われ、メインヒロインと共に王都の騎士学園へ通う物語となっている。そこでクレストは様々なヒロインと出会い、イチャついたりなんなりで物語が進んでいくのだ。
ここまで言えばもうお分かりいただけただろう。
そう!このゲームはギャルゲーである!!
貴重な姫騎士のくっころが見れたり、√次第でヒロインが亡くなってしまうこともある癖のあるゲームなのだ!
しかも全ヒロインと主人公にも死亡√が作られているという徹底ぶり。
そしてその中でもダントツに死亡√が多いのがルクシア・ユーストラスというヒロイン。つまり我が姉なのである!
あぁ!なんということだ!なまじヒロインの中でも一番強いこともあり、戦うことになる敵が強キャラばかり!しかも本人は仲間の為に命を散らすことも厭わないまさに騎士のような人物!ヒロイン三人と主人公の四人がかりでも圧倒するようなイカれた戦闘力を持つ頼れるお姉さま!そして俺はその実妹だ。
なんとこのゲーム、実は戦闘システムがあるのだ。それぞれ各主力キャラにはスキルや特技があり、ステータスの成長具合にもバラつきがでるRPG要素もある。
あぁそうさ。戦闘があるんだよ!そのせいで死亡√盛り沢山だよちくしょう!
ユーストラス家は世界的に名が広まっているため敵もこちらをバリバリに警戒するし、戦力もルクシアを殺すために集中させたりしてくる。そうなれば同じユーストラスの名前を持つ俺だって例外じゃない。いや逆にルクシアを嵌める罠として俺が利用されることだって充分有り得るのだ。しかも相手は魔王復活を企む魔族ども、その実力は魔王幹部レベルと言われていたくらいだ。
いや洒落にならんって!ルクシアがリタイアしてしまえば前半から中盤がマジで詰みゲーになりかねん!そうなれば俺の命も危うい!平穏に暮らそうともヒロインの妹という星のもとでイベントから逃れられる保証は限りなく低い。
俺はもう死にたくない!だからと言ってルクシアを見捨てるなんて気も更々ない!ならばどうするか?
徹底抗戦だ!死亡√は断固として認めん!んなもんクーリングオフ制度使うまでもなく受け取らねぇわ!
俺は無事に生き延びて推しとイチャラブするんじゃい!
あぁお父様、お母様。孫の顔を見せる事が出来なくてごめんなさい。孫はお姉さまが作ってくれる筈なのでそちらにご期待ください。
「はぁ……前途多難だな」
目の前の姿見鏡に映る美少女が憂鬱そうにしている。
金髪のゆるふわショートヘアに母譲りのおっとりしたタレ目、背は小さくて胸もペッタンコな美少女、それが今の俺だ。蝶よ花よと愛でられて育てられてきた結果か?いや関係ないか。そもそもまだ六才だし、これからが本番だろう。お母様は大変立派なものをお持ちだし、俺の未来は残念ながら明るい。
ほら、元は男な訳だし違和感があるんだよ。いやもうこの体に違和感は無いけどさ。そもそも生まれ持った体ですし。
うんうんと鏡の前で唸っていると控え目なノック音が聞こえてきた。
「アリシア。入るぞ」
「お姉さま?どうぞ~」
ルクシアの声が聞こえた瞬間すぐさま表情筋を整える。その間僅か一秒足らず。シャラン♪と音が聞こえそうな回れ右で振り返った時にはおっとり笑顔でゆるゆる挨拶!先程まで憂鬱そうだった少女は一体どこへ、ここにいるのはその笑顔で家族みんなを虜にする生まれながらの天使だ!
「お姉さま、如何なさいましたか?」
「父上が呼んでいたぞ。アリシアももう六才だから、適正を調べなきゃいけないんだ」
そう言って少し残念そうに笑うルクシア。俺やお母様とは違ってちょっとつり目がキリッとした凛々しさを感じさせる。事実我が姉はお父様の血を色濃く継いだのだろう。女性でありながらスマートな佇まいと女性をコロッと堕としてしまいそうな甘いフェイス、それでいてまだ成長途中でありながらも女性らしさを感じさせる身体つきにギャップ萌えが!
「まぁ!それではわたしもようやくお姉さまと同じ騎士様になれるのですね!」
「ふふ、そうだな。もっともまだ私も見習い騎士同然。アリシアの期待には答えたいが、まだまだ騎士と呼ぶには未熟だよ」
「お姉さまの実力でしたら騎士様と呼ばれても誰も文句は言いませんわ。それに、お姉さまがまだ未熟と仰られるのならわたしは少しだけ嬉しいです。お姉さまと一緒に立派な騎士様になれるチャンスがあるのですから!」
俺の言葉に照れ隠ししてるのか、肩にかかったおさげを弄り始めていたルクシア。つかマジで俺よりも二歳しか変わらないのに大人とまともに剣打ち合えるってなんだよ。同年代の子供たち全員お姉さまに打ちのめされてるじゃん!お姉さまはちゃっかりこの頃からファンクラブ出来始めてるんだって裏設定おじさん知っちゃったよ!
それとルクシアと共に強くなるというのは俺の現在の目標だ。
本編ではルクシアが一人で大立ち回りしていた為に詰みゲーぎりぎりで回避出来ていたが、もはや転生してこの世界の住人になってしまった以上姉一人に負担を掛けさせたくはないのが気持ちだ。
「っ~!もう!そんな可愛いことを言ってくれるな!本当なら私も父上もアリシアには危ないことをさせたくはないんだからな!」
「お姉さまもお父様も心配性なんですから。それにもしわたしが危なくなってもお姉さまが守ってくれるのでしょう?」
「当たり前だろう?私の可愛い妹を見捨てる筈なんて無いだろう。何があってもアリシアは私が守ってやるさ!」
「うふふ、ありがとうお姉さま。わたしもお姉さまを守れるように強くなりますから!」
「アリシアぁ!本当に可愛いなぁもう!」
「わっぷ」
八歳とは思えない将来有望なお身体に抱きしめられる。頭一つ分身長が違うため、俺の頭はルクシアの胸の中へと収まるのだ。
あ~^お顔が柔らかな感触で天国なんじゃ~^
結局この後お父様が直接呼びに来るまでルクシアとイチャつき続けたのだった。
早めに学園編を書くべき?
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ササッとゲーム本編にいこう
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ゆっくり幼少編やってこう
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お前の信じたシナリオを行け!
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アリシアちゃんのイチャイチャはよ!