バビル・イン・ザ・ブラッド   作:橡樹一

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2020/6/21 用語集追加


10話 ありえざる状況

 夜の闇に包まれた無人島に、バビル2世のしもべが1体、怪鳥ロプロスの咆哮が響き渡る。怪鳥の咆哮は、威嚇と共に高周波を含んだ攻撃でもある。狙いを定められれば、鍛え抜かれた獣人ですら一時的に行動不能状態へ陥らせることが可能な咆哮。それを正面から受けた賢生が膝から崩れ落ちた事を、誰も責めることはできないだろう。

 

「お前のような後方にいる人間が持つ制御装置(リモコン)は、大抵ろくなことに使われていないからな。まず無力化させてもらうぞ」

 

 淡々と告げられるバビル2世の宣告に反応すらできず、賢生は片腕で頭を押さえる。十分に手加減されているためか制御装置(リモコン)に異常はないが、このままではそう遠くない内に制御装置(リモコン)か賢生の脳どちらかに深刻なダメージが入るだろう。

 実は賢生を仕留めたとしても既に夏音は制御を外れており、制御装置(リモコン)を使ったとしても止めることはできないのだが、それをバビル2世は知らない。心を読めば容易く把握できるだろうが、わざわざそれをする理由が無いのだ。

 極論的にはこの場で賢生が倒れても戦局に影響はないのだが、今後の開発を考えるとメイガスクラフト社としては多大な損失となる。そればかりか、今回の兵器は実験段階で使用者を守りきれなかったと瑕疵がつくのだ。それを許容するベアトリスではない。

 

「やらせるか、出て来な商品たち!」

 

 ベアトリスが懐から新しい制御装置(リモコン)を取り出し、勢いよく起動スイッチを入れる。

 停泊していた揚陸艇の上層甲板を突き破るようにして、2体の〝仮面憑き〟がロプロスへと襲い掛かった。結果として高周波から解放された賢生は、頭を振りながら天を見上げる。

 

「〝仮面憑き〟だと!?」

 

 古城の声に、雪菜とラ・フォリアも眼前の敵から視線を外し、ロプロスへと襲い掛かる2条の光を目視した。

 

「どういうことだよ、さっき模造天使(エンジェル・フォウ)の素体は7体って言ってただろ!」

「そのはずだ。私は儀式に必要な最低数しか用意していない」

 

 古城たちだけでなく、味方のはずの賢生からも睨まれたベアトリスは、どこかやけくそ気味に怒鳴り返す。

 

「量産しないと兵器として売れないでしょうが!

 ロウ、お前もとっとと呼びな!」

 

 名を呼ばれたキリシマは眼前のラ・フォリアを無視し、船へと跳躍した。

 

「ヘイヘイっと。BR‐N型、展開しろ!」

 

 キリシマの声に反応し、鉄球使いの自動人形が群れをなして揚陸艇から現れる。それを見たバビル2世の顔が驚愕に歪んだ。

 

「馬鹿な、何故お前たちがそれを従えている!?」

 

 バビル2世の見せた動揺に、愉悦を隠しきれないベアトリスが醜悪に笑む。

 

「廃墟の技術者も、あんた相手の設計なんだから喜ぶだろうよ。BR‐N型――バラン、やっちまいな!」

 

 鉄球使いの自動人形(オートマタ)――バランが一斉に鉄球を振り回し、バビル2世目掛けて投擲した。当然跳躍してそれを避けるが、次々と投げつけられるそれにバビル2世も迂闊に近づけない。賢生の前に、バランの群れという厚すぎる壁が形成された。

 空ではロプロスと模造天使の攻防が続いている。小回りの利く模造天使(エンジェル・フォウ)は、大振りな怪鳥の攻撃を掻い潜り的確に攻撃を当てている。だが、ロプロスの魔術物理複合装甲を貫くだけの火力は無いらしく、未だその装甲は健在だ。これが完成間近の夏音であれば話は別だっただろう。結果ロプロスは攻撃がさほどの脅威でないと判断し、命令遂行のために賢生を狙うが、高周波が放たれる前に模造天使(エンジェル・フォウ)が顔面を攻撃し狙いを逸らす。互いに決め手がない、泥仕合の様相を呈している。

 地上では、雪菜がじりじりと追い詰められていた。

 ベアトリスが握る眷獣は、槍の常識から外れた変幻自在の動きで雪菜に襲い掛かり、剣巫の未来視を持ってしても対応し回避するのが精いっぱいなのだ。反撃に転じることができない以上、雪菜は敗北へゆっくりと近づいている。

 

「その顔、そそるわぁ……もっといろんな表情を見せてもらえると嬉しいんだけど」

 

 悦に歪んだベアトリスの笑みに、雪菜は嫌悪感を露わにする。嗜虐心を満たすため、より一層激しく責めるベアトリスを弾丸が襲った。眷獣が反射的に弾き落とす。結果として追撃が緩み、雪菜は間合いを開け息を整えている。

 

「助太刀します。元々はわたくしを追ってきたようですので。

 個人的な恨みが無いわけではありませんし」

 

 雪菜の背後に、銃を構えたラ・フォリアが立っていた。肉体的には人間に近い吸血鬼にとって、拳銃は即座の致命とはならなくとも十分に負傷しうる武器だ。それを弾くとなると、眷獣も今までのように変幻自在の動きができるわけではなくなってくる。雪菜&ラ・フォリアとベアトリスの戦いも、膠着状態に陥り始めた。

 女性たちの戦場から僅かに離れ、古城は夏音が振りまく光の刃をひたすらに避けていた。天から降り注ぐ光は勢いこそ変わらないものの、正確性は段々と増している。時折眷獣で反撃をするも、最初の焼き増しのように何の効果も発揮しない。逆に眷獣制御に意識を割いた一瞬の間に、光の刃が古城の眼前に迫って来た。

 

「くっ! 〝獅子の黄金(レグルス・アウルム)〟!」

 

 咄嗟に召喚された雷の獅子が、光の刃へ真っ向から襲い掛かる。だが、仮にも神の御使いが生み出した奇跡のかけらに、そうそう対抗などできるわけがない。獅子は振り下ろした爪を真っ向から両断され、そのまま首を落とされて消滅した。しかし、その反応中にはわずかとはいえ時間が経過する。そのわずかな時間を利用し、古城は刃を回避。攻撃が効かない以上、定められた敗北を僅かにでも遠ざけるため、古城の耐久戦が再開された。

 そしてバビル2世は、バランへと正面から挑みかかっていた。

 バラン、というよりも自動人形(オートマタ)は、味方の損失に酷く無頓着な行動パターンを組まれていることが非常に多い。人的被害と比べて、同系統のものを造り上げればすぐに穴埋めできるため、同士討ちを恐れて攻撃を取りやめるより無視して味方ごと破壊した方が有意義な場合が多いのだ。バランも例外ではなく、かつてバビル2世が多数のバランに囲まれた時も同士討ちで数を減らした。今回もその狙いは正しく、バビル2世が飛びかかり盾にしたバランが鉄球の雨を受け文字通り粉砕される。

 残された破片が宙を舞い、模造天使(エンジェル・フォウ)たちに襲い掛かった。夏音へと飛来した破片は空しく透過し、2体の模造天使(エンジェル・フォウ)は視線すら向けずに無造作な動きで叩き落とす。

 

念動力(テレキネシス)の無駄遣いだな」

 

 飛ばした破片の戦果を見届け、バビル2世は次のバランへと飛びかかった。そこで、予想外の事態が発生した。バビル2世の飛びついたバランが、突如自爆したのだ。大量の煙と多くの破片が撒き散らされ、至近距離で食らったバビル2世はたまらず吹き飛ばされた。揺れる視界では、文字通り船上でキリシマがニヤついている。手には、ごてごてとした制御装置(リモコン)が握られていた。

 

「貴様、やってくれたな!」

 

 見た目から、以前のバランと同じだと無意識に思い込んでいたのだ。自らの失態に臍を噛むが、事態はそれだけに留まらなかった。

 自爆の音に気を取られた古城が、脚をもつれさせたのだ。

 

「しまっ……」

 

 普通であればすぐに立て直せるが、足場は天使の刃でボロボロになった砂交じりの岩場なのだ。踏み出した足は脆くなっていた岩を踏み砕き、古城が決定的な隙を晒してしまった。

 天使の光刃が、無防備となった古城の胸を容易く貫通した。直後に巻き起こる爆風に、死に体の古城はされるがままに吹き飛ばされる。

 

「せ、先輩!」

「古城!」

 

 悲鳴を上げる雪菜の動きが止まり、その隙に襲い掛かる槍をラ・フォリアが本体を射撃することで防ぐ。

 2人はベアトリスを牽制しながら、古城へと駆け寄った。

 夏音の光が着弾した地点は高熱で融解し、白煙が立ち上っている。古城の身体は吹き飛ばされ、その地点から離れたことは不幸中の幸いと言えるかもしれない。だが、受けたダメージは深刻なものだ。光の刃が貫通した胸部は元より、全身に爆風で飛ばされた破片が突き刺さり、傷口自体が引き裂かれたように大きく歪んでいる。原型を留めていることが奇跡と言ってもいいだろう。

 

「先輩、暁先輩!」

 

 古城の身体に縋り、雪菜は叫ぶ。ラ・フォリアは憂いを秘めた目で、上空の夏音を見上げた。

 

「もう終わりか。世界最強の吸血鬼とか言われてる割には随分とあっけなかったな。そう思わないか?」

 

 バビル2世に向けて、キリシマがしらけたように声をかける。バビル2世はそれを無視してバランの鉄球を捌き続けるが、キリシマは思い出したようにバランを自爆させるため思うように攻め込むことができない。

 突然、暴風が戦場全体を襲った。

 

「なんだ?」

 

 キリシマが最初に気が付いたのは、船の上から戦場を俯瞰していたからだろう。徐々に強くなる風の中に、白い模様が浮かび始めている。獣人の視力で捉えると、それは氷の粒だった。

 

「おいおいおい……BB! 賢生! 何かヤバいぞ!」

 

 第四真祖の眷獣が暴走した可能性を視野に入れたキリシマは同僚に警告を発し、同時にバビル2世に近かったバラン数機へ向け一斉に自爆の信号を送る。爆風と破片でバビル2世の動きを阻害し、同時に広がった濃い煙幕を突き破って大量の鉄球が飛来する。

 予想していたのか軽々と回避するバビル2世だったが、突然その動きが止まった。

 

「氷、だと!?」

 

 地面につけた足が氷漬けになっている。咄嗟に頭上を見上げると、上空に絶叫する夏音の姿があった。

 

OAaaaaaaaaaaa(オアアアアアアアアアアアア)――!」

 

 血の涙を流し、模造天使が慟哭する。一秒ごとに強くなる風と氷に、バビル2世が能力を使おうと力んだ瞬間。自動人形(オートマタ)ゆえの捨て身で接近していたバランの1体が放った鉄球が、ついにバビル2世を捕らえた。凍結で鈍くなっていたバランが投げたものとはいえ、鉄の塊が直撃したバビル2世はたまらず吹き飛ぶ。鉄球から生える棘が身を抉り、戦闘服が血で濡れる。さらに、吹き飛んだことで冷気の発生源である夏音により近づいてしまった。竜巻のような風と氷の渦が、あっという間に周囲を凍結させ始める。

 

「くっ……」

 

 悔しそうな表情を浮かべ、バビル2世は氷に飲み込まれた。彼を追撃していた多数のバランも、同じく埋もれていく。

 最大の障害が氷に埋まった様を見て、ベアトリスと賢生は揚陸艇へと引き上げていった。が、ここで上空のロプロスが行動した。氷に埋もれた主を救うべく、バビル2世が倒れた地点を爪で削り始めたのだ。

 

「丁度いい。ロウ、バランにもあの鳥をやらせな。商品ちゃんにも攻撃を続けさせるよ」

 

 言うが早いか、模造天使(エンジェル・フォウ)2体がロプロスへ追撃を開始した。ロプロスが上空を迎撃するために首を上げると、隙のできた足もとに鉄球付の鎖がまきつく。空へと舞いあがろうとするロプロスをさらに鉄球が襲い、さらに上空から模造天使(エンジェル・フォウ)の攻撃が降り注ぎ、ロプロスの離陸を全力で阻止し続けた。その結果、何体ものバランと共にロプロスの脚が凍りついた。膨らむように氷は侵食を続け、ついにロプロスをその場に縫いとめることに成功する。

 

「これであの鳥もじっとしてるしか」

 

 ベアトリスの言を遮るように、ロプロスが高周波で周囲を無差別に薙ぎ払った。凍りついた木も、海も、岩も一瞬で砕け散る。さらに口内からロケット弾を発射し、動きを封じる氷の破壊を開始したのだ。

 

「なんだい、あの化け物は……ロウ、攻撃を揚陸艇に向けさせるんじゃないよ!」

 

 自らも模造天使(エンジェル・フォウ)に指示を出し、動きを封じられたロプロスに多数のバランと2体の天使が襲いかかった。固定砲台と化したロプロスは、足元に埋まる主を守るためか、今まで以上に荒々しく抵抗をする。

 全てを包み込む吹雪は激しさを増し、つられるように戦闘も激化の一途を辿っていった。

 

 

 

 夜の闇に包まれる海上に浮かぶ船で、銃声が響いていた。船体に刻まれた社章から、メイガスクラフト所有の船であることがわかる。

 

「しつこいわね!」

 

 その船内、煌坂紗矢華は愛用の〝煌華麟(こうかりん)〟を振り回し、容赦なく放たれる銃撃を空間断層で防いでいた。

 

「もう、何体いるのよ!」

 

 彼女が愚痴をこぼす。浅葱の情報を元に沿岸警備隊(コースト・ガード)の巡視船を動かしたのだが、移動中にこの船に遭遇したのだ。メイガスクラフトの社章を掲げている以上、今の紗矢華に見逃す選択肢は無い。事情聴取のために船内に乗り込んたところ、大量の自動人形(オートマタ)から熱烈な歓迎を受けたのだ。

 

「まったく、なんでこんな所で銃撃戦の的にならなきゃいけないのよ! それもこれも暁古城が……」

 

 自動人形(オートマタ)を一旦振り切り、物陰で一息つく。

 

「なにやら暴れている奴がいると思えば……獅子王機関の舞威媛がこんな所で何をしている?」

「っきゃあああああ!」

 

 突然声をかけられ、紗矢華が思いっきり悲鳴を上げた。とっさに剣を構えるが、声が聞こえたはずの方向には誰もいない。

 

「いきなり剣を向けるとは、ずいぶんと物騒な教育をされているようだな」

 

 視線の先で空間が揺らぎ、ビスクドールのような少女が出現した。フリルで飾られたドレスを身に纏い、夜にも拘らずレースの日傘をさしている。

 

「南宮那月、どうしてここに……?」

 

 構えた剣を引きながら、紗矢華は尋ねた。那月は問いかけを無視し、紗矢華目掛けて鎖を放つ。

 

「何を……!」

 

 鎖は紗矢華を通り過ぎ、背後に迫っていた自動人形(オートマタ)数体を纏めて貫いた。鎖が引き戻され、残骸と化したそれを那月は真剣な目で観察する。

 

「なるほど、たしかに既存の技術ではないな。連中が開発できるようなものでもない。矢瀬の資料通り、バビル2世の案件か」

 

 那月は眉をしかめて残骸を投げ捨てる。行儀悪く落ちた部品を1つ蹴り、紗矢華の足元へと転がした。

 

「連携と状況通信に通信魔術を利用している。これをどうにかするのはお家芸だろう?

 既に船内にいた人間は確保してある。存分に働け」

「押し付けないでほしいんだけど!?」

 

 那月の傲岸不遜な物言いに、紗矢華は文句を言いながらも〝煌華麟(こうかりん)〟を変形させた。〝六式重装降魔弓(デア・フライシュッツ)〟は剣から弓へとその姿を変え、同時に能力をも変質させる。

 スカートの下から縮められた鏑矢を取り出し、展開させて弓につがえる。この鏑矢によって人間には不可能な詠唱を行い、失われた大規模魔術を行使する。それが〝煌華麟(こうかりん)〟のもう1つの能力である。

 紗矢華の唇から澄んだ祝詞が唱えられ、天高く矢が打ち出される。鏑矢の効果は如何無く発揮され、上空に展開された魔法陣から放たれた呪力により、呪力装置だけでなく駆動系までもを焼き尽くされ、自動人形(オートマタ)はその全てが沈黙した。

 

「よくやったな。褒美にいくつか情報をやろう。

 数時間前に、バビル2世が失踪していたアルディギア王国の装甲飛行船〝ランヴァルド〟の残骸を発見した。少ないが、無事だった乗組員は全員救助されている。

 さらに、沿岸警備隊(コースト・ガード)が小1時間前に遭難信号を受信した。発信先はアルディギアの救命ポッドからだそうだ。丁度、お前が向かおうとしている島から出されたようだぞ?」

 

 紗矢華の表情が目まぐるしく変わった。王女の無事を喜んだ直後、古城と同じ島に閉じ込められていることが分かったのだ。女神の再来とまで讃えられる美姫と、あの暁古城が無人島で出会ったらどうなるのか。彼女の脳内で記録されている古城の性格では、どう楽観的な想像をしてもろくな結果にならないと結論付けられた。

 

「もうこの船の乗員は制圧したんでしょう? 速く迎えに行って、一件落着にしましょう!」

「さて、そう上手く行くかな」

 

 行動を急かす紗矢華に、那月は冷たい返事を返した。その眼は丁度紗矢華の背後を捕らえている。つられて振り向くと、彼女の視界に異物が飛び込んできた。

 

「なによ、あれ」

 

 水平線の彼方にあってなお、異様さに気が付く異常現象が発生していた。

 数キロに及んで海面が凍りつき、さらにはねじれた氷の塔が天を貫くように聳え立っている。この船に乗り込んだ時点では影も形も無かったため、氷の塔は1時間もしない内に出現したことになる。この大異変の発生源が目的地の無人島であることは疑いなく、雪菜やラ・フォリアも巻き込まれているということになる。

 

「どうやら、あの第四真祖(バカ)はまた厄介ごとに巻き込まれたようだな」

 

 那月の呟きに応えるように、船が大きく揺れ動いた。突然のことにバランスを崩し、紗矢華はしりもちをつき、那月は近くのコンテナに捕まって揺れを凌いだ。

 

「今の揺れは、海中を何かが通ったのか!?」

 

 珍しく焦った様子の那月と慌てた紗矢華がほぼ同時に船の淵から海面を覗くと、海中を巨大な何かが凄まじい速度で島へと進んでいく様が見えた。魔術を扱う2人には、その物体が魔術的に非常に高密度の術式を纏っていることがわかる。

 

「なるほど、呼び寄せていたのか。これなら、船が着くまでに事は収まるかもしれないぞ」

 

 どこか得意げに笑う那月へ、紗矢華は何が何だかわからないといった表情を返した。




 ストライク・ザ・ブラッド 用語集

 種族・分類

 煌華麟 こうかりん
 獅子王機関が実用化した武神具の1つに付けられた銘であり、獅子王機関の舞威媛である煌坂紗矢華に授けられた制圧兵器。
 使用難度の高さから量産されなかったため、実質的に煌坂紗矢華の専用武具と化している。

 六式重装降魔弓 デア・フライシュッツ
 獅子王機関が開発した武神具であり、空間切断による高い近接性能と鏑矢の呪術詠唱による広範囲制圧能力を併せ持つ優秀な兵器だったのだが、使いこなせる人員がいなかったために量産されなかった悲運の兵装。

 バビル2世 用語集

 用語

 バラン
 ヨミの帝国が対バビル2世対策に生み出した戦闘ロボット。
 巨漢を模した外見であり、当時鉄壁を誇っていたバベルの塔防衛装置のすべてに耐え抜く装甲と装置の尽くを破壊する鉄球による恐ろしい戦闘力を誇った。
 ヨミ配下の工作員と共に塔に潜入し、工作員が全滅する中バビル2世を打ち取る戦果を挙げるがそれはロデムが変身した囮であり、塔から出てきたところをポセイドンに捕捉され抵抗すらできずに文字通り磨り潰された。
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