バビル・イン・ザ・ブラッド   作:橡樹一

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7話 那月宅での一幕

 修道院跡の検分は数時間程度で終わり、浩一は矢瀬と共に絃神島の住宅街に聳える高級マンションの前に立っていた。

 

「話には聞いてましたけど……本当に大きいですね、那月ちゃんの持ちビル」

「彼女ほどにもなれば、仕事の報酬も莫大なものになるからね。たしか、本土のほうにもう一棟買おうかとも話していたよ」

 

 さらりと告げられた担当教師の買い物事情に、矢瀬は引きつった笑みを浮かべることしかできなかった。

 人工島管理公社に深く関わる財閥の一族である矢瀬だが、一族内での立場は実のところかなり低い。公社の使い走りのような仕事を回されているのも、彼の能力と相性がいいからといった理由だけではないのだ。

 ゆえに、矢瀬の生活水準は肩書きほど高くはない。一般の高校生と比べればかなり贅沢な暮らしができる程度の金は動かせるのだが、それでも経済感覚は庶民の枠をわずかに超える程度。そんな矢瀬からすれば、気軽にマンションを丸ごと買う計画など想像できないのだ。

 そもそも矢瀬の隣に立つ浩一も、世界的に有名な攻魔師の1人である。当然彼が受け取る報酬も知名度に合ったものとなるうえに、彼は那月とは違い世界的に行動することで有名な攻魔師なのだ。無用な軋轢を避けるため、世界各地にセーフハウス代わりの物件をいくつも所有している。そんな彼からすれば、規模こそ違うものの那月が物件を買うことは何らおかしなことではない。

 そして、浩一……バビル2世の居城は大要塞バベルの塔だ。オーバーテクノロジーの塊である塔の居住性からすれば、高級マンション程度驚くような設備ではない。

 

「入り口で固まっていても仕方がない。入るぞ」

 

 あらためて思い知った生活の格差に打ちのめされる矢瀬の背を押しながら、浩一は自動ドアをくぐった。慣れた手つきで端末を操作し、インターホンを鳴らす。

 

「慣れてるみたいですけど、浩一さんは那月ちゃんの家に来たことあるんですか?」

「ああ。情報共有や今回のような作戦会議で数度な。ここほどセキュリティ的に信用できる場所は中々ない。聞かれてはまずい話をするにはもってこいだぞ」

 

 予想とは違う回答をされ、どう答えるか悩む矢瀬をよそに端末が反応した。

 

『遅かったな山野攻魔官。今鍵を開けたから入ってこい。

 ……なんだ、おまけがいるのか』

「はは、どーも」

「遅れた理由も含めて、初めに説明します。それでは」

 

 音もなく開いたガラス戸を通る浩一に続いて、矢瀬もエレベーターホールへと入った。すでに到着していたエレベーターに乗り込んだ矢瀬は、無言に耐えきれず口を開く。

 

「あの、浩一さん。遅れた理由とか俺を連れてくるとか、事前に知らせてなかったんですか?」

「そんなわけないだろう? あれは彼女なりの冗談だから、そう怯えることはない。君を連れてくることと予定よりも到着が遅れると話しただけだから、まずはその理由の説明から入るのは変わらないけどね」

 

 あいかわらず担当教師の冗談はわかりにくいと矢瀬が考えている間に、エレベーターはマンションの最上階へと到着した。降り立った場所がすでに玄関となっており、この階全てが那月の家だということがわかる。

 エレベーターの到着時間を読んでいたのか、浩一と矢瀬が玄関に入るとほぼ同時に那月がやってきた。

 

「すでに準備はしてある。早く靴を脱いで上がれ」

「では、失礼します」

「お、おじゃまします……」

 

 勝手知ったるといわんばかりの浩一とは対照的に、矢瀬はおっかなびっくりと那月宅へ上がった。那月に先導されリビングへと入った一行を、1人の人物が出迎えた。

 

「あ……お客様、でしたか?」

「か……はじめましてこんばんは! 那月ちゃん、彼女は?」

「そういえばお前は初めて会うのだったな。私が面倒を見ている叶瀬夏音だ。叶瀬、私の教え子の一人で、矢瀬基樹だ」

 

 新雪のような髪の色に、氷河を思わせる瞳を持った美少女、叶瀬夏音がパジャマ姿で立っていた。どうやらこれから寝るつもりだったらしく、来客を出迎えるのにはかなり無防備な格好だ。

 矢瀬からすれば顔も名前も、なんならば義理の父すら知っている相手なのだが、夏音からすれば初対面の男性だ。いきなり名を呼ばれれば、いくら聖女と呼ばれる性格でも多少の不信感を抱かれるだろう。

 那月もその意図を即座にくみ取り、自然と互いの紹介を終えた。

 

「そうでしたか。はじめまして、叶瀬夏音でした。よろしくお願いします」

「こいつ相手によろしくする必要はないぞ。今日の用事が終われば特に家に招く予定もない人間だ。

 貴様も初対面の人間をじろじろと見るな。彼女持ちが聞いてあきれるぞ」

「べ、べつにじろじろなんて見てないじゃないですか! てかそういうあることないこと古詠さんに吹き込むのほんとやめてくださいね⁉」

 

 嗜虐的な笑みを浮かべる那月に大慌ての矢瀬を見て、夏音はおかしそうにクスクスと笑みをこぼしている。

 

「ところで叶瀬さん、そろそろ寝たほうがいいんじゃないかな?」

 

 浩一の言葉に、夏音は思い出したように時計を見た。すでに時刻は11時を過ぎており、宿泊研修への出発時間を考えるとこれ以上の夜更かしは危険だろう。

 

「そうでした。すみませんが、お先にお休みさせていただきます」

 

 ぺこりと一礼した夏音は、寝室へと消えていった。いつのまにか矢瀬へのからかいをやめていた那月が、完全に戸が閉まったことを確認してから無言で歩き出した。黙ってそれに続く浩一に、矢瀬も何も言わずについていく。2人の表情が真剣そのものだったからだ。

 那月が寝室とは反対方向に据え付けられた木製の扉を開き、浩一と矢瀬が入ったことを確認してから扉を閉める。それと同時に扉の彫刻が光を放ち、すぐに消えた。

 

「これで防諜は完了だ。さてバビル2世、何故遅れたのかから説明してもらおうか」

 

 那月の要求に、浩一の変装を解いたバビル2世は端的に状況の説明をした。説明が進むにつれ、那月の表情が険しいものになっていく。

 当然だろう。自分の保護対象に危険が迫っているという状況下で、愉快な気分になれるわけがない。特に、普段の言動からは考えられないほどに南宮那月という人物は保護対象に深い愛情を抱く人間なのだ。襲撃者の身勝手な理由で、藍羽浅葱が死にかねない状況に陥れられたことも機嫌を損ねる理由に一役買っている。

 

「状況は理解した。で……人工島管理公社としては、逃げた〝賢者の霊血(ワイズマンズ・ブラッド)〟と潜伏している天塚汞に対してどんな対策を立てるつもりだ?」

 

 那月の鋭い視線が、矢瀬を貫いた。元々気を抜いているはずもないのだが、それでも思わず背筋を伸ばすほどの迫力だ。

 

「事前情報から、まずは〝賢者の霊血(ワイズマンズ・ブラッド)〟の対策を進めています。不滅の不定形体とはいえ、動きを止める方法はいくつかありますからね。最も効率的な方法を模索しているとのことだったので、日が変わる前には手法を絞り込めるでしょう。

 天塚については、申し訳ないですが手掛かりが少なすぎます。バビル2世との戦闘データを元に、島の魔力センサーに同種の魔力反応が無いか監視プログラムを走らせるので精一杯ですね」

「それに関しては、ロプロスを空中で巡回させていますよ。公社に許可を取って、塔のコンピューターに島全体の監視カメラの精査も行わせています。活動を再開すれば、すぐにでも補足できるはずです」

「なるほど……だが特区警備隊(アイランド・ガード)のほうで少々面倒な動きがあるとも聞いているぞ?」

 

 那月の追及に、矢瀬は頭を掻く。少々痛い面を突かれたのだ。

 

「こっちでも抑えようとはしてるんですけど、どうしても一部の隊員が血気にはやってまして。

 ここ最近は事件が連続していて、特区警備隊(アイランド・ガード)に負傷者や殉職者が増えているのはご存じでしょう? 言い方は悪いですが、今までの襲撃者たちは相応の思想や行動理由が明確にあったからこそ、ある程度仲間がやられても納得というか不満を呑み込めた部分があったみたいなんです。

 でも、今回の相手からはそれらを感じ取ることができないんです。ただ理不尽に襲撃され、警備隊の隊員が無造作に殺されているという印象が強い。それだけに、どうしても不満を呑み込むことができないみたいでして。

 これで作戦行動中に天塚が出てきたら、命令を無視して無謀な攻撃をされかねないんですよね」

「明確な芯を持つ犯罪者ではなく、ある種の愉快犯が相手では感情の処理もうまくできんか。所詮は犯罪者が相手だというのに、随分と贅沢を言うものだな」

「感情の処理ができないようでは兵士として未熟とはいえ、あくまでも治安維持部隊でしかない彼らにそこまでの規律を求めるのは難しいか……」

 

 那月とバビル2世が渋い表情となり、報告した矢瀬も肩身が狭い。

 その装備と練度から勘違いされがちなのだが、特区警備隊(アイランド・ガード)はあくまでも治安維持部隊であり外敵へ対抗するための戦力ではないのだ。高い火力も最新鋭の装備も、魔族が暴れた場合それだけの力が無ければ制圧すらできないという現実の裏返しであり、訓練も捕縛や無力化を重視している。

 あくまでも警備隊でしかない彼らに軍隊並みの規律や精神性を求めることの無茶は那月にも浩一にもわかっているのだが、それでも現状感情を優先されかねないという危機的状況では文句を言いたくもなるのだ。

 

「まあ、暴走するにしても無謀な攻撃をするようなやつはいないでしょうから、そこまでの被害は出ないと思いますけどね。

 それと、宿泊研修の同行教師に笹崎先生他数名の攻魔師を捻じ込めたので、移動中の警護は何とかなりそうです」

「あの仙姑(せんこ)がついてくれるのか。よほどのことでもない限り、安全は確保できるな」

「あいつに私の保護対象が守られるのは癪だが、実力は確かか……」

 

 笹崎に苦手意識を持っている那月は複雑そうな表情を浮かべるが、矢瀬とバビル2世はその実力と人柄に信を置いているため、十分な安心材料として受け入れていた。

 

「さて、あとは……」

 

 話を先に進めようとした那月の眉間に皺が寄る。同時に、バビル2世も表情を一気に険しくした。そんな2人の様子を怪訝そうに見ていた矢瀬だったが、直後校舎の専用端末に送られてきた連絡を見て目を見開くことになる。

 

「まったく、まさかこうも早く来るとは思っていなかったな。まあ、手間が省けたと考えるべきか」

「矢瀬くんはここで待機していてくれ。さて、少々灸をすえる必要があるな」

 

 剣呑な雰囲気を纏った攻魔師2人は、矢瀬が止める間もなく空間転移で消失した。同時に、矢瀬の耳に聞こえていた人工生命体(ホムンクルス)の活動音まで消えている。

 

「……まあ、自宅の傍で大規模破壊をするような人じゃないか」

 

 半分現実逃避のように呟く矢瀬の手には、異様な魔力反応が付近で確認されたと表示される情報端末が握られていた。

 

 

 

 通気口のダクトから、粘液状の塊が零れ落ちた。艶やかに光を反射する液体金属生命体であるそれは、コンクリートの床上で流動し、植物の早回しのような動きで人の姿を形成した。赤白チェックの帽子をかぶり、白いスーツで身を固めた錬金術師、天塚汞だ。

 彼が出現した場所は高級マンションの地下駐車場であり、周囲の車は魔族特区の技術が使われた高級車ばかりである。

 車マニアであれば目を輝かせるであろう光景を、天塚は一切の興味を示さずに歩き去る。

 このマンションの周囲には強力な攻魔結界が張り巡らされており、並の犯罪者では近づくことすらできない警備体制となっていた。しかし、天塚ほどの腕を持つ錬金術師を止められるほどの結界など早々展開できるはずがなく、現にこうして天塚はやすやすと結界の内部に侵入していた。

 そして結界内部に侵入してしまえば、残るのは平凡な防犯装置しかない。天塚は目標を達成するべくエレベーターホールへと向かい、突如虚空から出現した鎖にその身を絡み取られた。

 

「ここが私の持ちビルと知っての行動か? だとすればいい度胸だな、コソ泥」

 

 侮蔑を隠そうともせず、虚空から滲み出るようにして那月が姿を現した。人形のように整った見た目だけに、暗闇に立つ姿は恐怖を感じさせる。

 

「あんたが魔族殺しの南宮那月か……」

 

 ぐにゃりと、天塚の体が溶けるようにその形を変えた。その異様な光景に、那月は僅かに眉を動かすだけで驚いた様子を見せない。

 

「神々が鍛えた〝戒めの鎖(レージング)〟から面白い抜け出し方をするな。奇術師にでも転向したらどうだ、天塚? 案外稼げるかもしれんぞ」

「目的を叶えたら、考えてみるよ――!」

 

 天塚の腕が鞭のようにしなり、那月の足首へと高速で迫る。その先端が振れそうになるほんの数舜前に、那月の姿が掻き消えた。陽炎のように揺らいだ彼女の体は、いつのまにか天塚の背後へと移動している。

 

「私の体に物質変性はきかんぞ、錬金術師?」

「どうやらそうみたいだね」

 

 特に動揺することもなく、天塚は空調ダクトへと触手を伸ばした。だが、ダクトの入り口で触手は甲高い音とともに弾き飛ばされる。

 

「なるほど……術者の実力と比べて随分と穴だらけの結界だと思っていたけど、目的は外部からの侵入防止じゃなくて内部からの逃走防止だったわけか。たしかにあなたほどの実力者ならそっちのほうが確実だね」

「アルディギアの腹黒王女を筆頭に、複数の依頼先からお前の捕縛を頼まれているからな。このまま〝監獄結界〟に放り込んでやろうと思ったが、貴様ただの切れ端か。紛らわしい魔力の波長を振りまくな面倒な。

 ちょうどいいから聞いておこう。何故今更叶瀬夏音を狙う? 彼女(アレ)養父(ちちおや)からはもう必要なものを奪っただろう?」

「それは彼女を邪魔だと思ってる人がいるからさ」

「……なに?」

 

 那月の表情が初めて揺らいだ。

 叶瀬夏音はアルディギアの王家に強い繋がりを持ち、本人も非常に高い霊媒体質を持っている。だがそれ以外では目立たない生徒であり、敵を作るような性格ではない。

 

「だいたい、あの子だけが生き残ってちゃ不公平じゃないか。5年前の惨劇は、きっちりと終わらせないとね」

 

 それだけ言うと、天塚は自らの胸の中央を触手で貫いた。埋め込まれていた黒い宝玉がその一撃で粉砕され、天塚は人としての輪郭を失う。

 

「貴様……」

「油断したね〝空隙の魔女〟! いくら聞かないといっても、肉体を砕かれれば多少のダメージはあるんだろう? 今すぐ粉々にしてやる!」

 

 絶句する那月へと、無数に枝分かれした職種が襲い掛かる。彼女の主武装である鎖では、乱舞する液体金属の刃を防ぐことはできない。だが、それを理解してなお那月は余裕の表情を崩さなかった。

 那月の眼前で、液体金属の刃が虚しく弾き飛ばされた。ほとんどの物質を容易に切断するはずの攻撃を受けたのは、宙に発生した強力な防護結界だ。非実体の力場は斬撃の影響を一切受けず、揺らぎすらせずに存在し続けている。

 

「数時間ぶりだな、天塚。破片越しに見ているんだろう?」

 

 武神具を発動させたまま、浩一に変装したバビル2世は不敵な笑みを浮かべた。だが、それに対する返答はない。怪物と化していく天塚の分体は、すでに言葉を放つ機能を失っているのだ。

 

「ちょうど〝霊血〟のサンプルが欲しかったとこだ。怪物風情には贅沢だろうが、私の権能の一部を身をもって味わえ」

 

 結界に守られた那月の背後から、巨大な機械仕掛けの腕が現れた。黄金の鎧に包まれたそれは、ただ片腕が出現しただけで周囲の空間を歪め始める。〝空隙の魔女〟である南宮那月がその身に宿す守護者の腕が宙を薙ぐと、天塚だったモノの周囲の地面が底なしの虚無へと姿を変えた。

 当然金属生命体は逃れようともがくが、その場から動くことすらできていない。卓越した空間制御により、空間そのものが移動を阻害する罠と化していたのだ。

 

「つまらんな。

 アスタルテ、あとは任せる」

命令受諾(アクセプト)実行せよ(エクスキュート)、〝薔薇の指先(ロドダクテュロス)〟」

 

 那月と浩一の背後に控えていたアスタルテが、抑揚のない声で前に進み出た。身に着けているのは、背中がむき出しになっている改造メイド服だ。その背中から巨大な虹色の翼が出現し、絞り込まれるように怪物の両腕へと変化した。腕は宿主の意思に従い、一切の躊躇なく金属生命体をその剛腕で貫く。

 

「オオオオォォォォォ……」

 

 あらゆる物理攻撃をすり抜けるはずの金属生命体が、非力な人工生命体(ホムンクルス)の少女が召喚した腕になすすべなく蹂躙されていた。

 彼女は眷獣共生型人工生命試験体。世界で唯一その身に眷獣を宿し、召喚することを可能とする存在なのだ。そして彼女が操る眷獣は、魔力を奪い喰らうことができる。

 

「自己増殖型の金属生命体か。不滅の肉体という触れ込みに嘘は無かったのかもしれんが、相手が悪かったな」

「南宮攻魔官、警戒は怠らないでください。奥の手があってもおかしくはない」

 

 那月と浩一が会話をする間にも魔力を喰われ続けた金属生命体は2人が油断なく睨みつける中、光沢を失い白く変色した。魔力を完全に失い、ただの金属の塊へと戻ったのだ。

 

「5年前……か」

 

 砕け散った黒い宝玉を拾い上げながら、那月は静かに嘆息した。

 

「南宮攻魔官、何か心当たりが?」

「ああ、おまえはまだこの島にあまり関わっていないころの話だったか。上に戻ったら詳しく説明する。

 アスタルテ、戻るぞ」

命令受諾(アクセプト)

 

 アスタルテの返事を合図に、3人の姿が揺らいで消えた。

 彼らが去った地下駐車場に一切の戦闘痕は残っておらず、ただ排気管が振動する音だけが響いていた。




 ストライク・ザ・ブラッド 用語集

 人物

 アスタルテ
 世界で唯一の、眷獣をその身に宿す人工生命体。
 感情が希薄な人工生命体の例に漏れず、彼女も話し方や表情からは感情をうかがい知ることは難しい。
 しかし那月との生活でそういった点はかなり改善されているようであり、主譲りのわかりにくい冗談を行動で行うことが増えてきている。

 緋稲古詠 ひいな こよみ
 矢瀬の交際相手であり、彩海学園に通う女子高生。
 年上のために古城たちとは交流が無く、一時期は矢瀬が彼女持ちと言い張るためにつくりあげた架空の存在であると勘違いされていた。

 種族・分類

 守護者 しゅごしゃ
 魔女が悪魔との契約の証に手に入れる、外部演算装置兼監視装置。
 魔女とは霊的な回路を通じて繋がっており、魔女が魔女たる絶大な魔術を行使するための力を授ける第三の腕とも呼べる存在。
 魔女の実力によって守護者の実力も変化し、那月の守護者はあまりの力に部分顕現だけで周囲に影響を及ぼすほどの危険性を秘めている。

 人工生命体 ホムンクルス
 錬金術によって人工的に作り出された生命体の相称。
 左右対称の顔や希薄な感情が特徴としてあげられるものの、それはあくまでも誕生直後の話であり、生活によって感情豊かになったり自意識で行動するなど独自の成長が可能。

 薔薇の指先 ロドダクテュロス
 アスタルテがその身に宿す人工眷獣。
 最大の特徴は触れた相手から魔力を喰らう性質であり、一度捕まれば魔力強化を基本とする魔族では脱出不可能な持続拘束が可能となる。

 戒めの鎖 レージング
 南宮那月が振るう武装の中でも、最も多用される武具。
 神々が鍛えたという肩書に相応しい強度を誇り、多く使われるものの対抗できる存在が非常に少ないという点からも武具としての優秀さが伺える。
 あえて問題点を挙げるならば、あくまでも鎖であるための火力に乏しく決定打に欠ける。その部分を魔術でカバーできるからこそ、那月の強力な武具たり得ている。

 バビル2世 用語集

 用語

 バビルの塔
 バビル2世が普段居住する施設であり、砂の嵐に隠された大要塞。
 内部の装飾は一見造られた時代に即した古めかしいものに見えるが、見えない部分で超科学がふんだんに使用されているため、過ごしやすさは最高級のホテルにも劣らないものとなっている。
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