バビル・イン・ザ・ブラッド   作:橡樹一

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 投稿が遅れてしまい、申し訳ありません。
 年末ということもあり、今後も安定するまでは最低でも月一の更新となりますのでご了承ください。
 またバビル2世が古城の過去に関わっていないため、今章と次章はオリジナルの展開が多くなります。


焔光の夜伯編・その裏で
1話 傍迷惑な失踪


 その知らせがバビル2世の耳に入ったのは賢者(ワイズマン)騒動がひと段落し、当事者である学生の間にも落ち着きが戻ったころだった。

 

「ヴァトラーの魔力が消失した?」

『はい。数日前にやつの本拠地であるオシアナス・グレイヴから絃神島内へ移動したと思うと、移動先でぱったりと。

 公社の人員を動かして捜索はしているんですが、とっかかりも見つからない状態でして』

 

 困り果てた矢瀬の口調に、バビル2世の眉を顰めた。

 

「何者かに暗殺された……とは考えにくいな。やつは旧き世代の吸血鬼だ。不意打ちで心臓をえぐれば致命傷に近いだろうが、まず即死はしないだろう。その間に眷獣で反撃するに決まっている」

『そういった戦闘の痕跡も残っていません。本人の意思で死ぬならまだありえますが、第四真祖という極上の興味対象がいる状態で死のうなどと考えるとは思えない』

「それは僕も同感だ。やつが簡単に死を選ぶような性格ならば、もう少し楽なんだが。

 まあいい、こちらでも調べてみよう。最後にアルデアル公の魔力反応が感知されたのは?」

『ちょっと待ってください……ありました。最後の記録は絃神島27号廃棄区画内です』

 

 矢瀬の報告に、バビル2世は口元を歪める。

 

「〝抹消地区〟か。ヴァトラーめ、面倒なところに……」

『どうしますか? こちらの人員を送り込むこともできますが』

「いや、今日の午後にでも僕が動こう。直接見たほうが恐らく早い」

 

 丁度午後は予定が空いていたため、バビル2世は自分で行動することにした。あのヴァトラーが行方不明になった場所だ。何があるのかわからない以上、下手な人員を送り込んでは無駄死にとなりかねない。動かすことができる最強の駒である自分自身を選ぶことは、道理にかなっている。

 

『……わかりました。念のため遠距離からサポート可能な人員を何人か着けます。単独行動は流石に危険すぎますからね』

「助かる。補助があるとないとでは負担が大幅に違う。

 出発時刻は13時半とする。特に連絡などは送らないから、こちらの行動に合わせるよう伝えてくれ」

『了解です。

 何があるかわからない場所ですので、言うまでもないでしょうがお気をつけて』

 

 矢瀬の心配そうな声音を最後に、通信は切られた。バビル2世は姿勢を変えずに通信機をいじり、新しい相手と通信を始める。

 

「こんにちは、南宮攻魔官。知らせたいことがあります」

『その呼び方は面倒事か。

 まったく。賢者(ワイズマン)騒動からまだ1月も経たない間に新しい問題とは、お前も中々トラブルに愛されているな』

 

 通信相手である南宮那月は喉の奥でからかうように笑うが、続く報告でその声を消す。

 

「トラブルが飛び込んで来るんですよ。

 それはさておき、その面倒事の内容です。アルデアル公ディミトリエ・ヴァトラーが失踪した区画の調査依頼です」

『……その情報は私の方でも掴んでいる。そんな不確定な情報を元に公社は切り札を切ったのか?

 ずいぶんと軽率な動きだ。私が知る公社とはまるで違う。おおかた、お前が勝手に動くのだろう?』

 

 言外にお見通しだぞと含ませながら、那月は笑みを溢していた。

 

『おまえのことだから、すでに動く算段はつけているのだろう? そうでなければ、定期連絡以外で仕事用の端末に連絡を寄越すとは思えない。

 大方、動いている間学園が手薄にならない用途の心遣いだろうがな。まったく、律儀なものだよおまえも』

「さすがにばれますか。付き合いが長いとこういう時に話が早くて助かります。

 今日午後の時間を使って、抹消地区へ向かいます。その間一般の通信でのやり取りは難しいでしょうから、何かあれば衛星通信の端末を使ってください。

 大丈夫だとは思いますが、学校はよろしくお願いします。何かがあった場合すぐには連絡が取れないうえ、そう簡単に帰ることができる距離でもないので」

『こちらは任せろ。そうそうおくれをとるつもりはないし、万一何かが来たとしてもお前が来るまでは持ちこたえてみせるさ。』

「感謝します、南宮攻魔官。礼はまた後ほど」

『期待して待つとしよう。せいぜい私を喜ばせるんだな』

 

 バビル2世の要請に、那月は2つ返事で応えた。互いに軽口を交え、通信が切られる。

 

「ロデム、適当に目立たない服を頼む。いつ向かいどれほどここを空けるか、盗み見している連中に教えることもないだろう」

 

 そう言いつつ鏡へ向かうバビル2世の顔は、すでにどこにでもいるようなくたびれた中年の顔になっていた。服は波打ち、あっという間に着古されたありふれた服一式へと姿を変える。

 

「よし、こんなものか」

 

 変装と変身の二段構えで正体を隠したバビル2世は、扉に手をかけ音を立てずに通り抜けた。用務員室は学校でも人気のない場所に作られており、人の目に触れず校外へ出ることは容易だ。

 監視の目からも人の目からも完全に逃れたバビル2世は、一路貸出船が停泊する区域へと歩き出した。

 

 

 

 道中で矢瀬が手配した支援要員と合流したバビル2世は、彼らが用意した公社の許可証を利用し船上の人となっていた。

 海上で一度船を停泊させ、盗聴の危険が無いことを確認し今回の段取りが話し合われる。

 

「では、貴方1人で抹消地区へと向かうと? そんなことをされれば、我々の立場がありません」

「だが、真祖に近い吸血鬼を下した存在が潜む場所だ。君たちでははっきり言って無駄死にする危険が大きいし、定期報告に僕の周囲の警戒とやってもらうことは多い。決して蔑ろにするわけでも、ただ船で待ってもらうわけでもない」

 

 行動指針に難色を示す支援要員だが、これは仕方の無いことだ。彼らは矢瀬が用意しただけあり、相応の経験と腕をもっている。吸血鬼の真祖が支配する夜の帝国(ドミニオン)が相手ならばいざ知らず、たかが絃神島抹消地区への潜入から外されるとは思ってもみなかったのだ。

 とはいえバビル2世の主張にも納得できる部分があるため、結果として必要以上に反発することなく指針を受け入れた。感情のまま反対を続けるほど、彼らは子供ではないのだ。

 

「では、上陸しよう。きちんと距離をとり、異変があればすぐさま全体へ連絡をするように」

 

 バビル2世の最終確認に全員が無言で頷き、一行はついに抹消地区へと足を踏み入れた。人目につく前にすぐさま散開し、数秒後には変装したバビル2世が1人無防備に散策しているように見える状態となる。

 軽く周囲を見渡し、ひとまず敵意を持つ存在がいないことを確認して歩き出したバビル2世に声がかけられた。

 

「そこの若いの、この先に行くのはやめておけ」

 

 声の元へと視線を向ければ、小柄な老人が廃墟の陰から姿を現すところだった。見た限りでは抹消地区のどこにでもいる、ただの老人に過ぎない。つまり、老体でありながらこの無法地帯で生き抜くことができる存在だ。飄々とした態度も、実力に裏打ちされた余裕から来るものとみて間違いない。

 

「なんだ、別に護衛は必要ないぞ」

「いや、べつにセールストークをしに来たわけではない。もちろん親切心でもないがな。

 少し前に余所者が地区中心の酒場で問題を起こしたせいで、この地区全体がピリピリしているんだ。もちろん余所者のあんたが歓迎されるわけはない。それでこの地区の馬鹿が余計なことをして、本島の関心を買えば面倒なことになるからな。儂はそれを防ぎたいのよ。

 繰り返すが若いの、しばらくこの地区に入るのはやめといたほうがいい。面倒事に巻き込まれたくはないだろう?」

「すまないが、こちらとしても入る必要があるんだ。できる限り騒ぎは起こさないようにするから」

 

 この抹消地区に住んでいる人間は、そのほとんどが真っ当に生活できない社会不適合者か脛に傷を持つ裏社会に属するものだ。

 バビル2世からすれば自分の目的を曲げてまで配慮する必要性を感じない相手ではあるのだが、打算有りとはいえ警告をしてきた善良性に対してできる限り穏便に済ませると約束し歩を進める。

 

「そうか、なら仕方がない。

 儂の生活費になってもらおう」

 

 完全に背を向けたバビル2世へ向けて、老人の腕が伸ばされた。何の変哲もなかった腕は即座に赤く発光し、周囲に熱を撒き散らし始める。後数秒もしないうちに、老人が編み上げた魔術は火炎の銛を放ちバビル2世を襲うだろう。

 老人にとっては残念なことに、その数秒後が訪れることはないが。

 

「それだけの威力の魔術を行使したんだ、殺意ありとして対応させてもらう」

 

 宣言と共に放たれたバビル2世の後ろ回し蹴りが、老人の腕を一瞬で蹴り砕いた。鉄をも簡単に溶かす熱を操ることができるバビル2世にとって、発動前の魔術が放つ程度の熱など障害にもならない。平然と立つバビル2世とは対照的に、腕を折られた老人は激痛のあまり悲鳴すら上げられずに腕を抱えて蹲る。

 

「見逃す理由はないし、攻撃されたという言い訳も立つ。運が悪かったな」

「ま、待ってく……」

 

 脂汗を流して苦しむ老人の頭を鷲掴みにすると、バビル2世の頭髪が赤く輝き始めた。瞳にも同様の変化が生じ、高まる圧力に老人は叫ぶが即座におとなしくなる。

 魂が抜けたような表情の老人へ、バビル2世は淡々と言葉をかける。

 

「さて、さきほど言っていた余所者の特徴は? なるほど、ではそいつは正確にはいつこの地区を訪れた? 面倒だな。ならば騒ぎがあった酒場はどこだ?」

 

 答えを聞かず次々と質問をぶつけるバビル2世。意味のない行動にも見えるが、バビル2世は質問の答えをすべて手に入れていた。バビル2世が持つ能力の1つ、読心術だ。倫理的に敵視されるうえ強い精神力を持つ相手には効果が薄いため使用を控えることが多いのだが、今は他人の目が無いに等しことに加えて相手は負傷で弱った老人だ。

 敵とみなした相手に手加減や遠慮をするバビル2世ではない。質問をすることで情報を得やすくしながら徹底的に記憶を読み取り、自分が公社や協力者から得た情報が正しいか否かを裏付けしていく。

 

「ヴァトラーが数日前に抹消地区へ来ていたことに間違いは無いか。多少衣装を変えた程度でばれないとでも思っていたのか? いや、単に普段のスーツが汚れて側近から苦言を受けたくないだけか」

 

 老人の記憶に、抹消地区の奥へと進む優男の姿があった。後姿ではあるが、さんざん迷惑を被る原因となった男を見間違えるはずがない。世界有数の戦闘狂(バトルジャンキー)にしてアルデアル公国の君主、ディミトリエ・ヴァトラーだ。

 普段の白いコートではなく黒革のライダースジャケットを着ているが、その気品から街の雰囲気と全く馴染んでいない。事実老人の記憶の中では異物を排除しようと試みる無法者にヴァトラーが包囲され、間一髪危険性に感づいた無法者たちが引いたために全員見逃される光景があった。

 

「向かった先にあるのは……随分と目立つ酒場だな」

 

 老人の記憶から必要な情報をすべて読み取ったバビル2世は、最後に老人から自分に関する記憶の全てを抹消する。そして出てきた廃墟内部へ老人を放り込み、記憶から読み取った酒場へと向かった。

 

 

 老人の記憶に従い目的地へとたどり着いたバビル2世の眼前には、酒場ではなく建築現場が広がっていた。この抹消地区にある建物は元々廃墟であり、それらが利用されている以上建物が崩落してその復旧をしていることは何の不思議もない。

 だが、復旧をする者のほとんどがギガスと呼ばれる希少な巨人種であるのならば話は別だ。彼らは非常に荒っぽい性格をしており、集団で建物を破壊するのならばまだしもその逆をする光景などまず見られるものではない。

 非常に珍しい光景だが、のんびりと観察をし続ける時間は無い。ギガスたちもバビル2世に気がついたようであり、恐らく代表であろう全員に指示を出していたギガスがバビル2世へと歩み寄った。

 

「何の用だったのかは知らないが、ずいぶんと間が悪いな。見ての通り店は休業中だ。酒にしろ取引にしろ、別の酒場をあてにするんだな」

 

 服装からしてバーテンダーらしいギガスが、吐き捨てるように言い放つ。随分と機嫌が悪そうだが、酒場の関係者だとすれば店がこの惨状なのだから仕方が無いと言えるだろう。

 

「いや、目的は酒でも取引でもない。先日この男が店に来たと思うが」

 

 バビル2世が懐から取り出したのは、聞き込み用に持ってきたヴァトラーの顔写真だ。紙の上に印刷された優男の顔を見たギガスは、露骨に顔を顰める。

 

「お前、あの男と何の関係だ」

 

 怒気すら吹き出すバーテンダーの様子に、他のギガスもバビル2世に気がついたようだ。このまま襲われるかと警戒するバビル2世だったが、意外なことにギガスたちはバビル2世を半包囲するだけで一切の攻撃をしてこない。

 

「なるほど、お前たちはヴァトラーに手ひどくやられたのか。

 そんなことはどうでもいい。この男はここで一体何をしていた。それさえわかれば僕はおとなしくこの場から去るし、ある程度の対価も払う。もちろん、偽りや誤魔化しに容赦はしないが」

 

 バビル2世の提案に、ギガスたちがざわめく。彼らからすれば、情報は力づくで奪い取り聞き出すものだ。ただ聞き出すだけでは嘘か誠かわからないうえ、万が一悪意を持った罠だった場合取り返しがつかないからだ。

 戦闘経験が少ないギガスはヴァトラーから受けた鬱憤を晴らすために、嘘八百にどんな対価をつけるかと皮算用を始める。だが数人のギガスたちが、下品た表情を浮かべたギガスたちを手で制した。従軍経験を持つ、一帯のギガスによるコミュニティの顔役たちだ。

 命のやりとりをした経験を持つ彼らは、バビル2世の赤く輝く瞳を見た瞬間に強烈な恐怖を感じ取ったのだ。虚偽を述べようものならば、この男を下に見て不当な利益を奪おうとするならば、実行犯だけではなく止めなかった周囲のギガスにも危険が及びかねないと。

 

「バーテン、話してやれ。酒場の建て直しで金は要るだろう」

 

 顔役たちから店主には酒場の復興資金を得るため、周囲のギガスにはコミュニティの交流場のためという手を出さない理由を提示され、バビル2世を警戒していたギガスたちはは黙って酒場の建て直し作業を再開した。その様子を見た顔役たちは、僅かに安堵の息を吐く。だが、バーテンダーは彼らの予想とは真逆の行動をとった。

 

「何も知らねえな。よそを当たれ」

 

 その場の全ギガスが硬直し、次いで顔役たちが掴みかからんばかりの勢いでバーテンダーへ詰め寄った。

 

「おい、何考えてやがる。俺たちにあんなふざけた真似した戦闘狂の話だぞ!」

「ただ話すだけで金も入るし意趣返しにもなる。言わない理由は無いだろうが!」

 

 顔役たちの凄みにも、バーテンダーは考えを変えない。

 

「俺には俺の理由がある。何も知らないお前たちは引っ込んでろ!」

 

 今にも殴り合いが始まりそうな剣呑な雰囲気が高まるが、側で見ていたバビル2世にとっては何の関係もなかった。

 

「すまないが、お前たちの水掛け論を待つ余裕はない」

 

 怪訝そうにバビル2世を見る顔役たちとバーテンは、視界に赤い光が映り込んだとたんに意識を失う。周囲で作業をしていたギガスたちは、バビル2世へ視線を向けてすらいないにもかかわらず地面へと倒れ込んだ。

 

「さて、ヴァトラーがここに来た理由は何だ。お前は何を隠している?」

 

 数分後、荒れた酒場をおとなしく再建するギガスたちの姿がそこにはあった。戦闘の跡はどこにもなく。ギガスたちにも不審な様子はない。

 記憶に1時間ほどの空白があることに、彼らが気がつくことはなかった。




 ストライク・ザ・ブラッド 用語集

 人物

 ディミトリエ・ヴァトラー
 第一真祖に連なる吸血鬼であり、アルデアル公国の君主。
 自らの気分次第で奔放な行動を繰り返すため、側近たちは常にその動向を警戒しフォローできるよう備えている。
 戦闘狂ではあるのだが考えなしの猪武者ではなく、目を付けた相手が十分成長するまで待つなどある程度理性が効く。

 南宮那月 みなみや-なつき
 欧州では名の通った攻魔官であり、空隙の魔女の二つ名を持つ女傑。
 外見からは想像できないほど尊大な性格と傍若無人さで知られているのだが、外見に似合って非常にかわいいもの好きという一面を持つ。
 本人はこの一面を恥ずかしいと思っているようであり、例外の数名を除いて知ったものはあらゆる手段で追いつめ例外なく記憶を消されている。

 矢瀬基樹 やぜ-もとき
 暁古城の親友であり、後者に所属する第四真祖の真の監視役であり、バビル2世を支援する伊賀野の後継者と自らを呼称する存在の三足の草鞋を履く男。
 公社の重鎮の一族の出という立場を利用し、自らの行動に必要なものは多少の横紙破りを使っても手に入れている。
 最近の悩みは、仕事が膨大であるため彼女と私的な会話すらできない日々が続いていること。

 賢者 ワイズマン
 200以上昔、錬金術師たちによって生み出された完全な人間。
 液体金属の肉体に膨大な魔力を持ち、単体としては破格の能力を誇っていたが傲慢さ故に封印された。
 自らが生み出した人工生命体を利用し復活するが、肉体を原子単位で海に還元され消滅している。


 施設・組織

 絃神島 いとがみじま
 東京の南方海上330キロメートル付近に浮かぶ人工島であり、世界でも限られた魔族が正式に暮らすことができる魔族特区の1つ。
 通常建築技術だけではなく魔術も多用して作られたため、建築に失敗し破棄された区域が少なからず存在する。
 ここ数ヶ月急増している魔術テロや魔術事件に対する予算増大のため、財政が逼迫を始めている。

 オシアナス・グレイヴ
 正式名称オシアナス・グレイヴⅡ。
 黒死皇派のテロにより破壊された、オシアナス・グレイヴの同型艦。
 現在アルデアル公国の大使館としての機能を付与されており、内装もそれに従って相応のものになっている。
 元々がクルーズ船であるため、居住性が高くヴァトラーの部下たちも不自由はしていないようだ。

 公社 こうしゃ
 正式名称人工島管理公社。文字通り、人工島である絃神島を管理する行政と物流を管理する商社の両面を持つ。
 政治的に難しい立場にある絃神島を運用するため、後ろ暗い部分も多く公になれば国際的非難を受ける部門も少なからず存在する。
 非常に広い分野に関わっているため本社だけではそのすべてをカバーできず、民間の人材に短期雇用といった形で依頼を出すことが多い。

 夜の帝国 ドミニオン
 吸血鬼の真祖たちが統治する国であり、世界に3つ存在する。
 平和条約である聖域条約が結ばれるまで周辺諸国とは血で血を洗う争いを繰り返しており、そのため当該国とは未だ深い怨恨が残っている。
 加えて非常に豊かな地下資源が眠っていることでも知られており、その資源を狙った小競り合いも後を絶たない危険地域である。
 だが、内部は主に君主制が敷かれ選挙も行われているごく普通の国に過ぎない。

 抹消地区 まっしょうちく
 絃神島に散見される、その存在すらも公的に抹消された区域。
 抹消理由は様々であるが、そのすべてに違法な手段を常とする集団が住み着いている。
 地図にすらないこの地区を知る者は少ないが、ある程度島の暗部を知っている者からは必要悪として見逃されている状態。

 種族・分類

 ギガス
 世界的に見ても希少な魔族であり、例外なく先天的に非常に強力な精霊術師。
 生活様式はあまり発達していないものの、精霊術を利用した武器加工技術だけは他の追随を許さない。
 その技術力の高さは有名であり、アルディギア王国の切り札である擬似聖剣が参考にしたほど。

 眷獣 けんじゅう
 吸血鬼がその身に宿す異界からの召喚獣であり、吸血鬼を魔族の王たらしめる最大の要因。
 最弱の眷獣であっても最新鋭の戦闘機を凌駕する戦闘能力を有しており、対吸血鬼の戦闘はこの眷獣をどう処理して本体に攻撃を当てるかの一点が重要視される。
 吸血鬼以外でも条件次第では使役が可能であるようだが、召喚時に対価として膨大な生命エネルギーを要求するため、無限の負の命を持つ吸血鬼以外では数分持たずに干からびて死ぬこととなる。

 旧き世代 ふるきせだい
 吸血鬼の世代分けの1つであり、真祖に非常に近い区分である吸血鬼の総称。
 それ以下の吸血鬼とは保有する魔力も宿す眷獣も桁違いであり、単体で軍と戦うことすら可能な個体すら存在する。
 例外なく強力な個ではあるのだがそのぶん総数が少なく、一般人からすれば見かけることすら珍しい存在。

 バビル2世 用語集

 人物

 バビル2世
 バビル2世主人公。
 本編では成長として敵にもある程度の慈悲を与えてはいるが、原作では敵対者はたとえ雇われた普通の人間であろうともわりと容赦なく殺害する覚悟を持つ。
 ヨミの人心掌握術が並外れているため、見逃しても回復すれば再び襲ってくる可能性が高いため仕方のない戦法ではある。だがその一面である仲間想いを利用して、敵の戦闘機を盾にロプロスで接近するなどどっちが敵なのかわからないと言われることもしばしば。

 種族・分類

 ロデム
 バビル2世の三つのしもべ、その内の1体。
 普段はバビル2世の服に変化しており、生半可な攻撃ならば遮断する防護服として活用されている。
 主であるバビル2世とは精神的につながっており、精神波を通じて会話が可能。
 無音で指示を飛ばせるため、非常に柔軟な対応を可能とする。

 用語

 読心術
 バビル2世が使う異能の1つであり、あまりにも強力であるため当作品では意図的に弱体化されている。
 バビル2世原作では超能力意外抵抗することもできないうえ、目を合わせる必要もなく整備室の人員を瞬時に支配下に置くなど一切の遠慮なく使われていた。
 本編ではある程度の精神力の持ち主には通じないため使い勝手は落ちているものの、本文のように使われる側からすればほとんど対策が存在しない反則じみた能力となっている。
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