バビル・イン・ザ・ブラッド   作:橡樹一

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5話 真祖の激突

 突然現れた冥駕へ、少女はつまらなさそうに視線を向けた。

 

「何者かは知らぬが、(ワタシ)の語らいを遮り愉悦を妨害した罪は重いぞ。

 が、今この身は気分がいい。疾く去るならば、この気分を得るきっかけとなったそこな巫女に免じて見逃してやろう」

 

 どこまでも不遜に言い捨てる少女は、その外見とは真逆の威圧感を放っている。気の弱い者ならば気絶しかねない圧を正面から受けてなお、冥駕は態度を崩さなかった。

 

「申し訳ないですが、まだここから去るわけにはいかないんです。この場所に留まる必要がありまして」

「そうか。ならば死ね」

 

 冥駕が立ち去らない意思を明らかにした瞬間、少女は戸惑いのかけらもなく魔力を解き放った。一切の術式が関与しないただの魔力の塊が、棒立ちの冥駕めがけて突き進む。

 ただの魔力の塊ではあるが、その量と密度は生半可な攻撃魔術を上回る破壊力を得ている。指向性を持たせたそれが直撃すれば、たとえ獣人であっても無事では済まないだらう。

 大型トラックの衝突をも上回る威力を秘めた魔力の塊は、冥駕が突き出した零式突撃降魔双槍(ファングツァーン)の一撃で霧散した。

 ある種の魔術攻撃ともいえる現象が一切の抵抗も余波もなく消え去る様子を目にしても、少女は動じない。

 

「おや、少しは興味を惹くことができると思ったのですが……少々予想が外れましたね」

(ワタシ)が同じ現象で心動かされると思っていたのか。随分と安く見られたものだ」

 

 意外そうに頭を傾ける冥駕に、少女は侮蔑を隠そうともしない。少女の魔術的視力は、零式突撃降魔双槍(ファングツァーン)の表面を覆う術式を鮮明に捉えていた。彼女があやつする規格外の眷獣を打ち消した、雪霞狼(せっかろう)に刻まれている神格振動波駆動術式と同質の刻印だ。

 

「心意気は認め、貴様を殺すのは後にしておこう。まずは(ワタシ)としても目的を果たさねばならん。

 ――()け、〝カマシュトリ〟」

 

 不意に発動した雷撃に、備えていたはずの雪菜は反応ができなかった。それが彼女を狙った一撃であれば、剣巫の未来視もあって十分に対応ができただろう。しかし、天を覆う黒雲から放たれた雷撃は雪菜の背後に建つ医療棟を狙ったものだった。

 剣巫が持つ霊視は、あくまでも自らを守ることを目的としたものだ。自分やその周囲を害する行為以外には反応が鈍く、今回のように離れた場所を狙っての一撃は人間の移動速度では間に合わない。

 雪菜が時間を稼ぎ、少女と冥駕との問答をがあってもなお周辺の避難は終わっていない。治療病棟には、簡単には動かせない患者も大勢いるのだ。

 しかし、少女の攻撃に一切の容赦は無かった。先の一撃で防衛魔法も避雷針も壊滅しており、冥駕は動く意味が無い。雪菜の身体能力では雷撃を先回りすることなどできず、たとえ間に合ったとしても雪霞狼(せっかろう)の効果範囲では病棟すべてを守ることは不可能だ。防御手段を持たない建造物は、一撃で硝子細工のように粉砕されるだろう。

 

「……ぬ?」

 

 しかし、その予想はあっけなく覆された。周囲一帯を粉砕せんと放たれた雷撃は、地上から放たれた雷撃によって迎撃されたのだ。少女の眷獣が放った雷撃を一方的に撃ち破った新たな雷撃は、獅子の姿を模した巨大な眷獣へとその姿を変えた。雷鳴を含んだ咆哮が周囲に響き渡り、その威容を際立たせている。

 

獅子の黄金(レグルス・アウルム)!」

 

 見慣れた雷光の獅子の姿に、思わず雪菜が叫ぶ。同時に、少女はようやくかと笑みを浮かべて視線を動かす。

 その瞳に映されたのは、眷獣を従える古城の姿だ。全身に紫電を纏い、雪菜を守るように進み出た。

 

「無事か、姫柊?」

「先輩――」

「選手交代だ、浅葱を頼む」

 

 捨て鉢気味の古城を、雪菜は気遣うように見る。今この場にいるのは、魔術の世界に完成のある人間だけではないのだ。古城が眷獣を使役し雷を迎撃した光景は、当然浅葱にも目撃されている。

 おそらく自ら秘密を暴露した古城よりも、真実を見せつけられた浅葱のほうが動揺が大きいはずだ。しかし、今の古城たちにそれを気遣う余裕はない。強大な眷獣を従える謎の少女だけでも十分な脅威であるにもかかわらず、なにをするのか予想ができない監獄結界からの脱獄囚が控えているのだ。

 即座に浅葱の安全を確保するために動く雪菜だったが、古城に声をかけずにはいられなかった。

 

「先輩、あの方は……」

「ああ。似ているな、アヴローラに」

「だとすれば、本物の第四真祖であるかもしれないんですよ⁉」

「だったら、なおさら俺が戦わなかならないだろ。

 それに、あいつは凪沙を狙ってるのかもしれないんだぞ! この病院には手を出させない。ここから先は、真祖同士(俺たち)戦争(ケンカ)だ!」

 

 古城の怒気と共に、雷光の獅子が咆哮した。魔力によって構成された雷の獅子が、閃光と熱を撒き散らしながら少女目掛けて襲い掛かる。

 常人であれば死を覚悟する光景に、少女は獰猛な笑みを浮かべた。古城のそれに匹敵する膨大な魔力が噴き出し、呼応するかのように上空の暗雲が脈動する。

 

獅子の黄金(レグルス・アウルム)か。懐かしいな(・・・・・)

 ならば征け、〝カマシュトリ〟」

 

 暗雲から放たれた雷撃が、雷光の獅子と正面からぶつかり合った。膨大な電荷を纏う眷獣同士の衝突は衝撃波を生み、爆風が周囲を蹂躙する。

 

獅子の黄金(レグルス・アウルム)を、止めやがった、だと⁉」

 

 古城の眷獣を知る者からすれば信じられない光景だった。戦いにおいて最も多用されその破壊力に信を置かれる雷光の獅子の突撃が、空中で止められているのだ。獅子と雷撃は互いに押し合い、一進一退の状況を作り上げている。

 

「第四真祖を名乗るだけあって、眷獣の力を最低限は引き出せているようだな。だがまだ甘いぞ!」

 

 古城とは対照的に、少女は熱風に髪を躍らせながらも獰猛な笑みを崩さずにいる。その足者が赤く発光し、灼熱の炎が飛び出した。

 

「さあ征くがいい、〝シウテクトリ〟!」

「くっ、疾く在れ(きやがれ)、〝双角の深緋(アルナスル・ミニウム)〟!」

 

 少女に呼び出された灼熱の奔流が、古城が呼び出した轟音と衝撃波によってあっけなく押し返される。召還を解除することで逆流する爆炎流を消した少女は、とても楽しそうに笑い始めた。

 

「素晴らしい、予想以上の実力を身につけているな!」

 

 花が咲いたような笑顔を浮かべたまま、少女は地を蹴り跳躍した。魔族としても常識外の加速を得た少女は、右腕を古城めがけて突き出した。その指先は少女の細腕には不釣り合いな、凶悪な鉤爪へと変化している。見方によっては、獣人のソレにも思えるだろう。

 

「こいつ!」

 

 古城の反応は素早かった。自らの運動能力では回避不能と即座に判断を下し、霧の眷獣である甲殻の銀霧(ナトラ・シネレウス)の権能を発動したのだ。

 本来であれば自らと少女の肉体を霧へと変じて回避を図ったのだろうが、古城が積み重ねた訓練と実戦経験がその行動に待ったをかける。古城は本能的に地面を霧へと変じ、その中へ倒れ込むようにして少女の一撃を回避することに成功した。

 霧に紛れ距離を取りつつも警戒を怠らない古城に対し、少女は感心したように頷いた。

 

「霧の眷獣〝甲殻の銀霧(ナトラ・シネレウス)〟か。肉体変化をすればそのまま胴体をえぐってやろうと思ったのだが……地面を変化させることで今の一撃を避けるとはな。名ばかりの真祖かと思っていたが、なかなかどうして期待させてくれる」

「その腕……そうか、お前は!」

「ようやく、いや、よく気づいたと褒めるべきかな。

 だが遅いな。征け、〝ソロトル〟!」

 

 古城が体勢を立て直すさまを見守る余裕すら見せる少女は、余裕をもって次なる眷獣を呼び出した。

 3体目の眷獣は、骸骨の巨人だった。本来あるべき肉は全てが失われており、その代わりとしてか骨に覆われた空間には闇が満たされている。

 扉のように肋骨が展開し、収められていた闇が砲弾として放たれた。その危険性を、古城は肌で理解する。闇の正体は、空間そのものをえぐり取る異空間だ。同種の眷獣を従える古城だからこそ、その性質を即座に察知することができた。

 同時に、古城が背筋を凍らせる。骸骨の巨人が放った攻撃は、古城をまるで無視したものだったからだ。その軌道は、凪沙が入院している医療棟を狙っている。思えば雷撃と稲妻の獅子が押し合った以外、少女は一貫して医療棟を狙い続けていた。

 それに気づいた古城だったが、理解したところで攻撃は既に放たれている。空間ごとえぐり取る攻撃を止める方法は限られており、古城は戸惑いなくその手段をとった。

 

疾く在れ(きやがれ)、〝龍蛇の水銀(アルメイサ・メルクーリ)〟!」

 

 水銀の色を持つ双頭の龍が、巨大な咢で闇色の魔弾を次々と喰らっていく。空間をえぐり取る闇であろうとも、属する空間ごと飲み込む龍の権能には逆らえなかったのだ。

 だが、同格の眷獣であるソロトルの攻撃はいかに次元喰らい(ディメンション・イーター)であろうとも大きな負担となったようだ。双頭の龍は苦悶の声と共に姿を消し、主である古城は大量の魔力を一度に失い膝をつく。

 大きな隙を晒してしまう古城だったが、消耗したのは少女も同じだったようだ。どこか満足したような笑みを浮かべ、従えていたすべての眷獣の召還を解除した。

 

「見事。我が〝ソロトル〟の穿滅空間を、次元ごとえぐり取るとは。貴様はその機転をもって、あの〝焔光の宴〟を生き延びたのだな」

「焔光……の……宴……?」

 

 その単語を聞いた古城は、胸を締め付けられるような感覚に襲われた。失われた記憶が、胸を刺すような痛みを与えるのだ。

 

「よほど良い師に恵まれたのか、中々に練り上げられていたぞ。今少しその素質を見極めたかったのだが、潮時のようだ。まあ、目的は果たせたのだから贅沢も言えんか」

 

 自らの眷獣が覆い隠していた要綱に目を細めながら、意味深に少女は笑う。するとまるでタイミングを計ったかのように、医療棟の一部が崩落した。いかに第四真祖の眷獣であろうとも、乱射された穿滅空間の全てを防ぎきれたわけではない。取り逃した一部が医療棟を襲い、外壁と地面を大きくえぐり取っていたのだ。

 

「なん、で……」

 

 露わとなった光景に、古城は息を呑み目を見張ることしかできなかった。

 

 

 

 古城と少女が激突し始めた時刻とほぼ同時に、雪菜は冥駕と睨み合っていた。その背後には浅葱が庇われており、状況は雪菜にとって極めて不利なものと言える。

 しかし雪菜の予想とは裏腹に、冥駕は零式突撃降魔双槍を構えることすらしない。敵意すら見せず、ただ余裕を含んた笑みを浮かべてる。

 

「そう構えなくとも、戦う意思はありませんよ。少なくとも、今はね」

「脱獄囚の主張を、何の裏付けもなく鵜吞みにできるとでも?」

 

 雪菜は取り付く島もないが、冥駕はその態度を予想していたようだ。むしろそれが当然の物であると受け入れており、芝居がかった態度を崩さない。

 

「私はそちらのお嬢さんと少し話をしたかっただけなんですよ。先ほども言いましたが、今はまだ戦う時ではありませんので。

 それにこの場で矛を交えた場合、無事では済まないのは貴女です。獅子王機関の剣巫、彼女の献身も知らぬまま後釜に収まった少女よ」

 

 雪菜に向かい、僅かに感情を漏らす冥駕。その憎しみと殺意に、思わず雪菜は体を強張らせる。

 そんな雪菜の後ろに庇われている浅葱だったが、彼女はただ守られるような殊勝な性格をしていない。雪菜の体の陰でPCを操作し、自らも状況の打破のため動いていたのだ。

 

「動かないで!

 申し訳ないけれど、犯罪者とおしゃべりを楽しむ趣味は持ち合わせていないのよ」

 

 浅葱が震える足を気合で押さえつけながらも、雪菜の影から進み出て凄んだ。その背後には、数台の警備ポッドが銃口を冥駕へと向けている。雪菜と冥駕が睨み合っている間にMARのネットワーク経由で近場の警備ポッドをハッキングし、意のままに動く護衛に仕立て上げたのだ。

 数台程度といっても侮ることはできない。対魔族用として設計された警備ポッドは、ただの人間相手には過剰なほどの戦力として機能するのだ。浅葱の指示1つで、並の人間ならば一瞬で挽肉と化すだけの火力が冥駕目掛けて解き放たれるだろう。

 

「くっ……はは……ははははははっ!」

 

 その光景を見た冥駕が、突如堰を切ったように笑いだす。あまりの豹変ぶりに雪菜は硬直し、浅葱は予想外の反応に緊張が振り切れた。

 

「な、なによ!」

「このわずかな時間で、厳重にプロテクトされている警備ポッドを意のままに操るプログラムを組んだうえハッキングしてそれを流し込んだ。それがどれだけでたらめな能力なのかを自覚していないのですか?」

 

 青年の指摘に、浅葱だけではなく雪菜もが呆気にとられた。たしかに、浅葱のハッキング技術は目を見張るものがある。公社からの徴用を考えても、世界有数といえるだろう。しかし、なぜそこまで冥駕は特別視するのかがわからない。

 

「監視していた甲斐がありました。貴女こそ、間違いなくあのお方が待ち続けていたものだ」

 

 そう告げると、冥駕は服の裾を翻した。仕込まれていた術式が起動し、冥駕の背後に存在する空間が歪み始める。

 

「空間制御術式!」

 

 雪菜は術式を読み取り、強化した四肢を活かし弾けるように飛び出した。今ここで冥駕を逃がすわけにはいかない。幸い、彼女が持つ槍はあらゆる術式を無効化する。展開する空間に掠りでもすれば、術式そのものが消失するのだ。冥駕が零式突撃降魔双槍で雪菜を止めようと立ちはだかり、それを回避するため雪菜は剣巫としての視力を解放した。

 

「……えっ」

 

 そして、本来映し出されるはずの未来が見えないという事実に困惑した。次いで、零式突撃降魔双槍と打ち合った雪霞狼から光が消失する。魔力に対して絶対の優位性を誇るはずの七式突撃降魔機槍は、その権能を打ち消されたのだ。

 

「な、にが」

 

 眼前の光景が信じられない雪菜だったが、自身の身体強化すらもが打ち消されたという事実を認識し距離を取った。初めての現象を前にして、情報収集を優先したのだ。

 

「残念ですが、貴女の剣巫としての実力が優れていればいるほど私には勝てませんよ。私の槍、冥餓狼は周囲のあらゆる霊力と魔力を打ち消します。その槍の根幹が霊力によるものである以上、私の敵にはなりえない。

 危険という理由で封印された武装ですが、私の肉体にはぴったりの武装でね」

「そんな……霊力と魔力を同時に失って、生きていられるはずが」

「体質なんですよ。私の肉体は、あらゆる術式の影響を受けない。まあ、影響を受けないと言っても物理的に傷つかないわけではありませんがね」

 

 そう話している間にも、冥駕の背後では術式が組み上がっている。この睨み合いに、浅葱の声が割り込んだ。

 

「だったら、これは効くんじゃないかしら!」

 

 警告無しに、浅葱の指示の下警備ポッドが備えられた火器を一斉射撃した。並みの魔族ならば即死するであろう特殊合金の雨を前に、冥駕は一切の反応を示さない。

 

「あなたの準備を前にして、備えが無いとでも?」

 

 冥駕が地面を強く踏むと、あらかじめ仕込まれていた術式が発動し空中ですべての弾丸が制止した。一方向にのみ展開する単純な防御術式だが、一切の呪力を含まない弾丸程度では突破できない鉄壁の守りだ。

 

「そろそろ面倒な相手が追い付いてくる頃ですので、私はこれにて。

 いずれまたお会いしましょう、〝電子の女帝〟藍羽浅葱――いえ、カインの巫女よ」

 

 そう言い残し、冥駕は冥餓狼の連結を解除した。霊力が復活した雪菜が追撃に入る前に、彼は何かを投げつつ背後で完成した空間制御術式に飛び込む。

 

「藍羽先輩、下がって!」

 

 投擲された物体を見た雪菜は、咄嗟に懐から呪符を投擲し簡易的な結界を構築した。

 直後、魔力を掻き乱す呪式手榴弾が炸裂した。範囲に加え雪菜の結界により被害は無かったが、周辺の魔力反応は掻き乱され追跡は不可能だろう。

 

「逃げられた……いえ、理由があって見逃されたというべきですね」

 

 苦々しい表情のまま、雪菜は手榴弾により荒れた地面を睨みつける。そして気持ちを切り替えるようにかぶりを振り、浅葱の無事を確認するため踵を返した。




 ストライク・ザ・ブラッド 用語集

 人物

 藍羽浅葱 あいば-あさぎ
 ストライク・ザ・ブラッドヒロイン。
 世界的に見ても上位の腕前を持つ、天才的プログラマー。本来異能とも呼ぶべきほどのスキルなのだが、それを自覚はしていない。
 基本的に戦闘能力は皆無であるが、土壇場で肝が据わる性格のため突飛もない行動をすることはしばしば。それが突破口になることもある。

 暁古城 あかつき-こじょう
 ストライク・ザ・ブラッド主人公。
 シスコン気味と呼ばれるほどに妹思いだが、それは過去の事件で妹が生死の境をさまよったため。
 浩一との訓練と宿す眷獣の制御が合わさり、並の吸血鬼が相手ならば歯牙にもかけずに打ち倒すだけの実力を身につけている。

 姫柊雪菜 ひめらぎ-ゆきな
 ストライク・ザ・ブラッドメインヒロイン。
 少々嫉妬深い性格をしているのだが、公私を割り切る性格のため今のところ問題になることはない。
 自らが身につけた技術に絶対の信頼を置いているため、それが通用しない場合は動揺しやすいという少々脆い点を抱えている。

 種族・分類

 双角の深緋 アルナスル・ミニウム
 12存在する第四真祖の眷獣が1体。
 音と衝撃を司る双角獣であり、影響範囲と防ぎにくさでは眷獣の中でも上位に位置する。
 本編のように、炎や水といった不定形の攻撃に対しては広範囲の衝撃波で打ち消すといった防衛法が可能。

 龍蛇の水銀 アルメイサ・メルクーリ
 12存在する第四真祖の眷獣が1体。
 空間を喰らう双頭の龍であり、その口は空間を喰らいこの世界から消失させる次元喰らいの権能を持つ。
 攻撃力という意味では間違いなく最上位であるが、それは手加減ができないということであるためあまり使用されない切り札的存在。

 カインの巫女
 去り際に冥駕が言い残した謎の言葉。
 現段階では浅葱を現す固有名詞という点以外一切が不明。

 カマシュトリ
 謎の少女が従えている眷獣の1体。
 天を覆う黒雲であり、そこから放たれる雷撃でもある規格外の規模を持つ眷獣。
 その一撃は破壊の化身と称される第四真祖の眷獣と互角の押し合いをするほどであり、全力で放たれればMARの敷地程度更地になってもおかしくはなかった。

 ソロトル
 謎の少女が従えている眷獣の1体。
 骸骨の巨人であり、その内側に穿滅空間と呼ばれる異空間を収める。
 異空間を闇の弾丸として打ち出すことが可能だが、空間ごと闇の弾丸がえぐり取られたため攻撃は不発となった。

 電子の女帝 でんしのじょてい
 浅葱の異名であり、ハッカーの間ではかなり有名な呼称。
 浅葱自身はこの呼び方を嫌っており、呼ばれると顔を赤くして取り消すよう言いつける。
 しかし通りがいいためか、ハッカー間ではこの呼び方が定着しつつあるようだ。

 甲殻の銀霧 ナトラ・シネレウス
 12存在する第四真祖の眷獣が1体。
 霧の本体を甲殻が覆う特異な外見であり、物体を霧と化す強力な権能を秘めている。
 実力が拮抗する相手では霧化しても強引に実体化される危険性があるため、強敵との戦いでは搦め手に使用することが多いトリッキーな眷獣。

 冥餓狼 めいがろう
 零式突撃降魔双槍の銘。
 霊力と魔力を打ち消す失敗兵器であり、神格振動波駆動術式の実現化前の実験機でもある。
 本来霊力と魔力を打ち消された人間は即死するため、現状絃神冥駕専用の武装となっている。

 獅子の黄金 レグルス・アウルム
 12存在する第四真祖の眷獣が1体。
 霊媒である雪菜との相性が良かったためか、古城にとって特に扱いやすい眷獣となっている。
 雷撃としての攻撃だけでなく、獅子の肉体を活かした格闘戦もこなすことができる非常に強力な眷獣であるが、同格との戦いでは決定打に欠けるという短所を持っている。

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