オーバーロード二次短編集   作:taisa01

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アルベドはサキュバス


学園ナザリック(モモンガ x アルベド)

 ここは学園ナザリック。地方にある中高大の一貫校である。

 

 部活動が盛んで一部は全国区であることから、そこそこの知名度がある地方によくある学校の一つ。しかし学力面では地元に密着ということで上から下まで様々であるため、良くも悪くも地域に根差したエンジョイ系の学校と認識されている。

 

 そんな学園の大学部。ランチの時間であれば席が埋まる食堂も、夕方となればほとんど利用するものはいない。そんな場所に男女が飲み物をもって向かい合っていた。

 

「モモンガ先輩。卒業したら私に養われてくれませんか? 対価として私のこと好きにしてくださっていいので」

 

 そんな言葉を投げかけたのは、柔らかそうなベージュのセーターに身を包み、美しい黒髪を背にお下した美女、アルベドであった。

 

「あ~アルベド? 普段と変わらぬ綺麗な立ち振る舞いで、サラッとすごいことを言っているようだが?」

 

 対面に座るのは、ごく普通のシャツにジーンズ。若干よれたジャケットを隣の席においたどこにでもいそうな男子学生。すでに就職先も決まり、ゼミとサークルを往復する日々をエンジョイするモモンガだ。

 

「綺麗だなんて……。お世辞でもうれしいわ。モモンガ先輩」

 

 アルベドは頬に手をあてながら、嬉しそうに微笑みながらモモンガの言葉を受け入れる。

 

「アルベドが綺麗とか美人とか言われるのって、それこそ毎日言われてるじゃないか」

 

 逆にジト目といってもいい雰囲気でモモンガは返す。もっともモモンガも内心ではアルベドが美人ということは本心から思っていることだ。実際に、長い黒髪を無意識によける指の動き、表情と合わせて動く細かな仕草。顔のパーツや体形云々だけでなく、そのすべてが異性を魅了するのだ。

 

「まぁそれはそうですが」

 

 そして褒められることに慣れているアルベドは、すんなりと受け入れてしまう。

 

「でも言葉って、誰のものかがとても重要ではありませんか? 他の有象無象に言われてる美麗語句の数々と愛しいモモンガ先輩の御言葉では、比較するのもおこがましくはありませんか?」

 

 しかし、続く言葉はモモンガにとって好ましいものであった。こんな言葉をさらりと返してくるから、モモンガはアルベドのことを邪険にすることができないのだ。

 

「ですか? じゃないよ。まぁ、そういってもらえるのは嬉しいが、その……ねぇ。卒業したら養ってて、なけなしのプライドを捨てて言わせてもらえれば、アルベドのほうがはるかに稼げるんじゃなないか?」

 

 しかし、それとこれは話が別とばかりに切り替える。

 

 モモンガだって男だ。いうほどプライドが高いということはないが、最低限の譲れないラインというものがある。その意味では、親しい年下の女性に、事実ではあるが収入面のことを話すのはいろいろツライものがある。

 

「確かにそうですが」

 

 そんな葛藤をアルベドは知ってか知らずかわからないが、さらりと受け止めてしまう。

 

 とはいえ、普通大学三年の学生の身で将来の収入などわかるはずもない。しかし、アルベドの所持資格や状況がそれを可能とさせていた。

 

 司法試験合格済 大手企業内定・推薦通知:積み重ねれば雪崩が起きるぐらい。実際の原因は、いろいろある。

 

 アルベドの父親であるタブラさんはテレビにも出るほどの有名な考古学者

 アルベド本人も大量の資格を学生のうちに取得。

 加えて、外見やそつのないプレゼン能力で、プループラネット教授が様々な発表や企業主催の講演会にプレゼンターの一人としてつれまわす。

 

「内定とか推薦通知とかが頼んでないのに山積みになって、ブループラネット教授が頭抱えてたし、他のゼミ生が死んだ目になったよ? いやほんと、どうしてこうなった?」

 

 その結果が、様々な企業からの推薦通知や内定通知であった。

 

「うん、そうですね。でもモモンガ先輩わざとはぐらかしてます?」

「……へ?」

 

 しかし、アルベドはモモンガに対してすこし鋭い視線を向けながら質問をなげかける。しかしモモンガはハグラかすような意思は全くなく、むしろ事実を話している程度の感覚しかなかったのだ。

 

「もう、モモンガ先輩。私はモモンガ先輩に「養われて」っていいましたよ?」

「え、えっと。その……つまり紐になれと?」

「その言い方はちょっと違います」

 

 モモンガとしては「養われて」=「紐」と考えた。実際世間的に収入の無い状態で、異性に養われていれば、そのような見方をされるだろう。

 

「もちろんそんなプレイも悪くないんですが、私としてはちゃんと籍をいれて主夫になってほしいです」

 

 あのープレイってなんですか? と内心突っ込むモモンガであるが、あえてそこは飲み込む大人なモモンガであった。

 

「じょ……冗談?」

「あら。モモンガ先輩一途の私が、モモンガ先輩以外にこんな話をするような尻軽女に見えてました? もしそうなら……、えっ……そんな……」

 

 アルベドの表情がどんどん暗くなる。次第に声のトーンが下がり、雰囲気が凍てついてゆく。周りにいたはずの学生は気が付けば誰もいなくなり、すでに広い食堂にはモモンガしかいない。

 

「ちょーーーーー!! そ、そうじゃない。そう! 小学校の頃、告白ゲームって罰ゲームに巻き込まれたトラウマを思い出しただけなんだ。アルベドをそんな嫌味ないたずらをする女性とは思ってないよ」

「ほんとですか! よかった。ではまずそのトラウマの原因となった女の連絡先を教えていただけますか?」

 

 モモンガは、必死に自分の黒歴史の開示と引き換えに、正常な空気を取り戻すことに成功した。しかし、振った話題が行く問題だったのだろう。別の意味で、アルベドの表情は暗いままであった。

 

「ごめんアルベド。小学校の頃だから、あったという事実は覚えているけど、誰かはおぼえてないんだ」

「では同学年の女子を」

「アルベドさん。何をなさろうと?」

「モモンガ先輩には関係のないお話です」

「そうだね。もう関係ないね。できれば何もしないでくれるかな? 俺の精神的平和のために」

「そうですか……。いつでも心変わりしたら言ってくださいね!」

 

 なんだろう。この超弩級の地雷を埋めた感覚は……。そのえもいわれる恐怖の欠片を見ないようにしながら、モモンガは逃げ出すように話題を繋げる。

 

「そうだアルベド。話をもどしていいか?」

「はい。モモンガ先輩」

「どうして俺なんだ?」

「え? あっそうですね。ちゃんと説明しますね」

 

 先ほどの紐云々は別として、こんな話をアルベドがする理由をモモンガは知りたかった。

 

「まず、今度国家公務員一種を受けようとおもっています。大学での勉強の一区切りとしてうけようかと」

「まあ、アルベドが頭いいのは知ってるし、どこまでできるかってのを確かめたいってのは、なんとなく理解できるよ」

「一応、内定とか推薦を貰っている企業も一通り目をとおしましたが、それこそ社長秘書にってのも多かったけど、それも違うかなって感じてて。滑り止めの司法試験も合格できたし、受けるなら一番上かなと」

 

 うなずくモモンガ。

 

 ゼミの連中やブループラネット教授が聞いたら卒倒するな……ってより教授は、アルベドに大学院に残らないかって声かけてた側だしな~と思う。なにより司法試験を滑り止めという感覚は、一般人では受け入れがたいものだろう。あ、同じゼミでアルベドと同期のデミウルゴスなら同じセリフを言っても誰もが納得するだろう。

 

「あ、モモンガ先輩が起業するなら言ってくださいね。すべてを蹴って、エントリーシート送りますから」

「ごめん。起業する予定はないかな? ってより零細とはいえ地元企業の営業職に内定もらってる身だし」

「そうですか。すごく残念です」

 

 本当に残念そうにするアルベドをみてモモンガは少しだけ妄想をしてみた。

 

 モモンガが社長と呼ばれるような存在となって、いろんな人間が部下として動く。社長像にもよるのだが、モモンガにとって社長とは偉く敬われる存在であったため、自然とそんなイメージが広がる。しかし次に浮かぶのは、部下の期待にこたえようと、「素晴らしい社長」を演じようとする自分であった。その過程には、「社長」らしい歩くしぐさ、会議での指摘するしぐさなど、一人こっそり練習する自分の姿が浮かんだのだった。

 

 モモンガは、誰かと一緒に仕事をするイメージをもつことできる。しかし身内や小規模のまとめ役が自分には精いっぱいと感じていた。とてもじゃないが人の上に立つ、組織のトップの器じゃないよな……と納得するのだった。

 

「話をもどしますが、たぶん一種も受かると思います。そしたら官僚。落ちたら司法修習生から検察官か裁判官。基本の進路がこのパターンに絞れます。ですがそこで、ちょっと問題が……」

 

 たしかに国家公務員一種や司法試験合格を勝ち取れば、アルベドの言うような就職先となるだろう。そして、それらの中の一つでも叶うのなら、社会的にいえば成功者の分類となるとモモンガは考えていた。

 

「問題? どうみても輝かしい未来しかなさそうだけど」

「官僚も検察官も裁判官も、どれも「ブラックも真っ青な激務」で「転勤族」で「家庭を持って一人前の文化」が根強い職業なんです」

「というと?」

 

 アルベドのいう問題が、いまいちモモンガには理解できなかった。たしかに激務というのは予想がつく。しかし転勤族というのはいまいちピンとこなかった。さらに家庭の話はなおのことイメージがわかなかったのだ。

 

「言葉通りですよ」

「つまり、どの職業を選んだとしても、全国津々浦々に派遣されるし、仕事は忙しいってこと?」

「はい。官僚のキャリアであれば、数年すると実績を積むために全国に飛びますし、そのまま全国を回る人もいます。逆に本庁に戻るというルートもありますが、どちらにしろ、仕事場所にわがままが効かないとおもってください。司法の方もにたようなものです」

「なるほど」

 

 モモンガもドラマや物語、テレビや新聞程度の知識であるが、アルベドの言う、転勤族の意味をなんとなく理解することができた。たしかに一定期間がすぎれば、実績を積むために外に飛ぶというのは理解ができるからだ。

 

「はい。そしてその上で昔っから権威がある職業ですので「独身」は「未熟」、「さっさと結婚しろ」「結婚して家庭をもって一人前」という空気が……」

「その令和の時代になって、その結婚して当たり前って……いまだにあるの?」

「たとえば、盆暮れに親族で集まるとき、モモンガ先輩は言われませんか?」

 

 アルベドの質問にモモンガは、自分の身を想像する。けして裕福な家ではなく親族もほとんといない家族なのだが、盆暮れの実家にいれば来客ぐらいある。そうすると、きまって大きくなった。彼女はいるのかといわれるものだ。

 

「まあ、彼女はできたかとか、軽口ぐらいには」

「日本は学生=まだ子供 というイメージがあるから、その程度だけど社会人になったら?」

「あ~いわれるね」

 

 大学を卒業し社会人となった自分に、近所のおばちゃんたちが結婚はまだかとか言う姿は容易に想像できたのだ。

 

「海外だと日本以上にそれが強いです。たとえばアメリカのドラマや映画の大人の主人公。ほとんどがバツイチなのはなんでだとおもいます?」

「主人公な背景の重みとか?」

「それもあるでしょうけど、未婚=結婚もできない未熟者というイメージがアメリカにはあるのよ。その上で恋愛要素も物語として重要なファクター。未熟な恋愛と成長をテーマにするなら学生もの。大人の恋愛をからめるなら主人公はバツイチ。または社会に出たての若手ってなるの。話がそれちゃいましたね。「結婚相手を見れば相手のレベルが分かる」って視点は世界共通であります」

「あ~たしかに。サミットとかの報道みてもそうだよな」

 

 アルベドの説明はわかりやすかった。たしかに、そういう視点でみれば、海外は結婚することがある意味で当たり前なのだろう。もちろん、それだけではないだろうが。

 

「だから海外の人と会うことが多い官僚は、確実に結婚してないといけない。むしろいなかったら相手をいろいろ押し付けられることになるの。もし、お世話になった上司に、見合いを進められたら簡単に断れると思う?」

「たしかに」

 

 いまの時代お見合いか? と思わなくもないモモンガであるが、やはり権威・権力のあるところでは、自然とそんな文化も残るものと納得した。

 

「じゃあ海外の人と会うことのすくなそうな、検察や裁判官は?」

「検事や裁判官の場合だと、結婚もしていない人間に、男女の何がわかる? っておもわない?」

「あ~たしかに」

「もし、それは他人の感覚で見てもそうなんだから、民事・刑事問わずそんな事件を扱うとき……」

 

 いわれてみればそうだ。離婚調停。それが法にのっとった正しい判決であったとしても、もともと納得しないから裁判沙汰になっているわけで、それが結婚もしていない相手の言葉となれば、それだけで難癖をつける、表向き納得しても腹の中では……とか普通にありそうだとモモンガも感じたのだ。

 

「不利になるよな。すくなくとも道理は正しいかもしれないけど、反発する連中もでてきそうだな」

「うん、大変よ。だからモモンガ先輩。私に養われてくれない?」

「あ、一周してそこに戻ってくるのね」

 

 いままでの話を聞いた上で、モモンガもアルベドの言わんとすることは理解できるようになった。

 

「ちゃんと頑張って稼いで生活に不自由はさせないし、夜の夫婦の営みもがんばります」

「なぜそこで養われてになる? べつに共働きでもいいじゃないか」

 

 だが、モモンガにとって腑に落ちなかったのはここである。べつに一緒に暮らすという選択肢も、結婚云々も、自分とアルベドというのは置いておくとして理解できた。しかしなぜ養われることが前提になるのだろうか? そこが納得できなかったのだ。

 

「官僚にしろ法曹界にいくにしろ、立場と収入は問題ないと思います」

「そうだね」

「でもお仕事が忙しくて、モモンガ先輩との時間がすごく貴重になってしまいます。その上でモモンガ先輩がお仕事をしていると、いっしょにいられる時間がほとんどなくなってしまいます。そうなっては私が死んでしまいます!」

「死ぬことはないだろ」

 

 モモンガはそんなことはないと否定する。しかしここに第三者がいれば、死ぬは死ぬだろうがアルベドだけじゃなくモモンガも道づれになるんじゃないか? と考えたことだろう。それほどまでアルベドは重いのだ。そのうえモモンガには少し押しの強い女性ぐらいで隠し続けるあたりに業の深さを感じさせるだろう。

 

「それに、モモンガ先輩はあまり要領よくないから、就活したら精神すり減らして、たぶんこき使われて、それなのに頑張ってしまって自分の時間を確保するために睡眠時間をけずらないとならなくなる未来が……。そもそもあの会社、業績は悪くないけど、社員を酷使して成り立っているブラック企業という噂も」

「なんでしょう。まるで見てきたような、的確な指摘」

 

 モモンガは否定するが、モモンガはお人よしである。求められれば答えずにはいられない。そのうえで有能かといえば、そうではない。人当たりの良さと、要領の良さは必ずしも比例しない。そのうえ、なまじっか体は健康というか頑丈である。アルベドには、モモンガは体を壊す前に責任感やしょうがないという諦めを理由に仕事をいわれるがままため込み、いつしか精神が死んでいしまうように見えているのだ。

 

「それに私が、地方に赴任になった時、モモンガ先輩がお仕事やめられなかったら、遠距離になって夫婦の時間がますますなくなってしまいます。モモンガ先輩を一人で置いていくなんて不安で不安で……。なら最初っから就職しないほうが合理的だし、お互いのためかな~と」

「まあ、合理的だけど同時に男のプライドがいろいろとせめぎあうことになりそうだな」

 

 いろいろと鈍いモモンガも、アルベドが養わせてほしいという理由を大まかに理解することができた。しかし、理解できることと納得できることは別である。

 

「官僚になったら出世レースでゴールするか天下るまで、忙しい日々が続くけど、天下ったらゆっくり夫婦の時間がもてるかな。検察官や裁判官なら……そうだね、途中でやめても弁護士になれるし、お仕事に困るってことはないしね。その、モモンガ先輩が無理して就職するより、たぶん、稼げるし安定すると思うよ」

「まあ、言いたいことはわかった。合理的なのもわかった。でも俺はペットか紐じゃないか?」

 

 けしてモモンガが独立心が強いわけではない。別に男尊女卑なわけでもない。でも日本人の家庭の多くは特別な理由でもないかぎり、男性は働くものという意識があるのだ。そこにはパートナーとなった女性が働く云々はからんでこない。

 

「そんなことないです! ペットがほしいなら、わざわざモモンガ先輩にお願いしません!」

 

 そんなモモンガの言葉をアルベドは声を荒げて否定する。

 

「モモンガ先輩になってほしいのは、そんなのじゃなくて……。家を守ってくれて、帰ったらおかえりっていってくれて、ご飯とかそういうのを用意してくれる。そして夜は一緒に横になるような。それだけで私は社会のどんなストレスだって耐えてお仕事頑張れます!」

 

 アルベドは犬猫のペットが欲しいわけじゃない。愛するモモンガが欲しいのだ。

 

 たいして言いたいことはわからないモモンガではない。でもなけなしのプライドというか、自分の考えていたものとか、そんなものが邪魔しているのはわかる。その根底は承認欲だ。母子家庭で育ったモモンガは、幸い母親の愛情のおかげで、普段は鳴りをひそめているが、その実は仲間を含むまわりに認められたいという欲求がつよい。それが断れない人の好さに直結しているのだから、ほんとうに人格形成とはよくわからないものだ。

 

「そ、それにこれがもしペット云々、飼われている云々いうんなら。専業主婦のお母さんたちの立場がないっていうか。私はその……、モモンガ先輩には良いパパになって家をまもってほしいっていうか」

 

 それ以前に、素直に自分の気持ちを言わないアルベドもアルベドである。しかしアルベドとしては本当なら愛するモモンガだけがほしいという独占欲が根底にある。もし二人で田舎にこもり生きていけるのなら、それでも良いと考えていた。しかしモモンガのことを考え、そうならない妥協点が今回の提案なのだ。

 

 二人とももう少し言葉が足りないという点では似た者同士なのだ。

 

 二人はうつむいてしまい、しばしの沈黙が訪れる。

 

 しかしアルベドは最後のカードを切り始める。

 

「……モモンガさんがやってるゲームのヒロインコス」

 

 ピクッ

 

「ロングとミニのメイド服。スーツ姿のキャリアウーマン、秘書と社長」

 

 途中から服装からシチュエーションになっているが、アルベドは気にせずカードを切る。

 

「女教師と教え子、家庭教師のお兄さんと女子高生」

 

 ピクッピクッピクッ

 

「お・・・・・・・・俺はぺロロンさんじゃないからね」

 

 モモンガはなけなしの理性を振り絞り否定する。しかし否定の材料につかわれる親友のペロロンチーノは無惨である。しかし人生はギャルゲーとエロゲーで学んだと豪語するオタのペロロンチーノにとってはご褒美かもしれない。 

 

「モモンガ先輩が喜ぶかなとおもって、高校時代のセーラー服を引っ張り出してきたの。あと成人式に着た振袖とか浴衣とか。もちろん一人で着付けできます。あっ……あと朝の時間用の新妻用フリル沢山の純白(裸)エプロンとか」

 

 ピクッピクッピクッ

 

「その、お仕事忙しくなるといろいろ時間取りづらくなるから、その分密度は濃くしたいというか、手を抜きたくないというか。その……私、ちょっとだけ重たくて独占欲強いから全力を出しますよ?」

 

 ここまでくるとモモンガも親友をつかったガードが粉々に砕かれ、アルベドは理性という柱にダイレクトアタックをはじめるのだった。

 

「もしモモンガ先輩がやりたいなら、純白ドレス姿とかサキュバスコスとかバニーとかも」

「そんなのにはぜったいくっしない!」

 

 モモンガは必死に抵抗するも、すでに限界をむかえようとしていた。

 

「そっか、屈しないか~~。じゃあ試してみないとね。今日うち、パパいないんだけど晩ごはん食べていきません?」

 

 

 以上

 

 

 

 




タブラ「娘の結婚か……(NTR?感)」

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