蘭とお兄ちゃん   作:火の車

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満足しました...!


あの時から......

 あの出来事から少し経って、蘭たちのライブの日になった。

 俺はライブ会場に向かっていた。

 

裕也「(ライブに行くのはいい。でも、前のモカは...)」

蘭「__お兄ちゃん!」

裕也「蘭!...と、モカ。」

モカ「こんにちはー、裕君ー。」

裕也「お、おう。」

蘭「今から行くとこなの?」

裕也「そうだぞ。」

蘭「じゃあ、一緒に行こ。

お兄ちゃんのチケットなら、あたし達と同じとこ、入れるから。」

裕也「そうなのか?じゃあ、一緒に行こうか。」

モカ「れっつごー。」

 

 俺たちはライブ会場に向かった。

________________________

 

 ライブ会場に着いた。

 

蘭「__お待たせ、皆。」

巴「おー!来たか、蘭!」

モカ「モカちゃんもいるよー。」

ひまり「あ!モカも一緒に来たんだ!」

裕也「俺もいるぞー。」

つぐみ「先輩!来てくれたんですね!」

 

 つぐみがこっちに小走りで来た。

 

裕也「(小犬?)」

つぐみ「先輩?」

裕也「...いや、なんでもない。」

 

 俺はつぐみの頭を撫でた。

 

つぐみ「...///」

裕也「(なんか、耳と尻尾が見えてきた。)」

モカ「......」

蘭「モカ?」

モカ「んー?どーしたのー蘭ー?」

蘭「なんか、難しい顔してたけど。」

モカ「きのせーだよー。」

蘭「そう?」

ひまり「モカがそんな顔するわけないじゃーん!」

モカ「だよねー、ひーちゃん。」

巴「お前らー、そろそろ出番だぞー。」

蘭「じゃ、行こっか。お兄ちゃん、しっかり見ててね。」

裕也「りょーかい。」

つぐみ「私もいつも以上に頑張りますね!」

裕也「は、張り切り過ぎたらダメだぞ?」

巴「気合入れてくぞー!」

ひまり「よーし!えいえいおー!」

蘭、モカ、巴、つぐみ「......」

ひまり「なんで!?」

蘭「いや、流石に...ね?」

ひまり「蘭だって先輩の事お兄ちゃんって呼んでるのに!」

蘭「...そんなの、勝手じゃん。」

モカ「蘭はいいけどー。ひーちゃんのはねー。」

ひまり「もー!」

裕也「ははは、ひまりは相変わらずだなー。」

ひまり「どういうことですか!?」

裕也「まぁ、それは置いといて。」

ひまり「え?私にとっては意外と重大な問題なんですけど?」

裕也「頑張れよ、皆!」

蘭「いつも通りだよ。」

モカ「だよー。」

巴「そうだな!先輩にあたし達のいつも通りを見せてやろうぜ!」

つぐみ「そうだね!がんばろっ!」

ひまり「そうだね!...後でお話聞きますからね、先輩。」

裕也「...客席に行きまーす。」

 

 俺は席に向かった。

________________________

 

 俺は席に来た。

 そして、蘭たちがステージに出てきた。

 

蘭『アフターグロウです!さっそく一曲目、行くよ...!』

 

 そうして、蘭たちの演奏が始まった。

 蘭たちの演奏は、すごく熱い、

 王道、バンドの中ではこう言われてるんだろう、

 と思った。

 

裕也「...成長したんだな、皆...。でも。」

 

 俺は違和感を感じていた。

 

裕也「(モカのギターが、あんまりにもすごすぎる。

いや、俺は所詮素人だから、気のせいなのか?でも...)」

 

 俺がステージを見てると。

 

モカ『...』

裕也「!」

 

 モカと目が合った。

 その目はどこか何かを言いたそうな、

 そして、どこか遠くに行ってしまうような、

 そんな目だった。

 

裕也「(モカ。モカは何て言ってるんだ?

なんで、そんな顔をしてるんだ?)」

 

 モカを見てるうちにライブが終わった。

 俺はしばらくの間、動けずにいた。

 

裕也「(__モカの所に行かないと、ダメな気がする。)」

 

 俺は待機室に走った。

________________________

 

 待機室に来た。

 

蘭『__モカはどこ行ったの!』

裕也「!」

 

 俺は扉を開けた。

 

蘭「お兄ちゃん?なんで・」

裕也「蘭、さっきのはどういうことだ...?」

蘭「さっきの...?」

裕也「モカがって。」

蘭「実は...」

 

 蘭から事情を聞いた。

 モカはライブが終わった後、

 気づいたらどこかに消えたらしい。

 

蘭「__って、訳なの。」

裕也「まさか、あの目の...」

蘭「目?」

巴「どういうことだ?」

裕也「ライブ中のモカの目が。」

つぐみ「確かに、今日のモカちゃん、おかしかったような...」

ひまり「なんて言うか、違ったよね。」

裕也「...探さないと。」

蘭「お兄ちゃん?」

裕也「行ってくる。」

 

 俺は走り出した。

________________________

 

裕也「(__モカ、モカが行きそうな場所...)」

 

 俺はいろんな場所に行った。

 だが、どこにもモカはいなかった。

 

裕也「どこにいるんだ、モカ...」

リサ「__あれ?和田君?」

裕也「い、今井か?」

リサ「ちょ!どうしたの!?そんな泣きそうな顔して!」

裕也「モカ、どこにいるか知らないか。」

リサ「え?モカ?あたしは見てないけど...」

裕也「そうか、悪いな。」

リサ「待って!」

裕也「?」

リサ「モカの居場所、分からないの?」

裕也「...うん。」

リサ「モカの行きそうな場所は?」

裕也「回った。」

リサ「じゃあ、何かヒントみたいなのは?」

裕也「ヒント...あ。」

リサ「!何かあったの?」

裕也「あった、あそこかもしれない!

ありがとう、今井!」

リサ「うん!何かわからないけど、頑張ってね!」

裕也「うん!」

 

 俺は目的の場所に向かった。

________________________

 

 ”モカ”

 

モカ「__久しぶりにここに来たなー」

 

 モカはある倉庫の中にいた。

 

モカ「あの時はかくれんぼでここに来て...あ、ここだ。」

 

 モカは体育座りした。

 

モカ「こんな感じでー、隠れてたなー。」

 

 モカは昔を思い出していた。

 

モカ「あの時は今と違って寒くて、誰も来てくれなくて、

寂しくて、泣きそうになってー...」

 

 モカは涙を流していた。

 

モカ「...モカちゃんは、なんで、こんなやり方しかできないの...?・

嫌いなんて言って、お兄ちゃんを傷つけて。

ほんとはずっと、あの時から...」

 

 モカは顔を伏せた。

 

モカ「お兄ちゃん...迎えに来て...。」

 

 モカはそう呟いた。

 

モカ「なーんて、来るわけ__」

 

 その時、勢いよくドアが開いた。

 

モカ「...!」

裕也「はぁはぁ...ここにいたか、モカ...!」

________________________

 

モカ「な、なんで...?」

裕也「思い出したんだよ。」

モカ「!」

 

 俺はモカに近づいた。

 

裕也「__こんなに、泣いちゃって。」

モカ「お兄、ちゃん...」

裕也「全く、こんな所に一人で隠れたらダメだろ?」

 

 俺はモカの頭を撫でた。

 

モカ「なんで、モカちゃんを、探したの...?」

裕也「なんで?そうだな...。」

 

 俺はモカの目を見てこう言った。

 

裕也「約束しただろ?『モカがどこにいたって、俺は絶対に見つける。』ってな。」

モカ「...思い出したんだねー。」

裕也「思い出したよ。」

 

 俺はモカの隣に座った。

 

モカ「モカちゃんね、昔は皆に嫌いなところがあったの。」

裕也「?」

モカ「それは、皆、お兄ちゃんに見てもらって、

仲良くしてて。」

 

 モカはどこかを見てる。

 

モカ「だから、あのかくれんぼの時は嬉しかったなー。

モカちゃんも見ててくれたって、分かったからー」

裕也「モカ...」

 

 モカがそんな事を思っていたなんて、

 初めて知った。

 

裕也「俺は、ずっと、皆の事を見てるよ。」

 

 俺は立ち上がった。

 

裕也「蘭もひまりも巴もつぐみも、勿論モカも。

俺は皆、しっかり見てる。だからさ__」

モカ「裕君...?」

裕也「一緒に帰ろうか、モカ。」

 

 俺はモカに手を差し出しながらそう言った。

 

モカ「!!その言葉。」

裕也「手でも繋いで帰るか?」

モカ「それもいいですなー。」

 

 モカは俺の手を握った。

 

モカ「皆に謝らないとねー。」

裕也「俺も一緒に謝るよ。」

 

 俺たちは外に出た。

________________________

 

モカ「おー、お星さまきれー。」

裕也「そうだなー。」

モカ「あの時もこんな感じだったけー?」

裕也「あの時は陽が落ちるの早かったからなー。」

モカ「...そう、あの時から、ねー。」

裕也「?」

 

 モカが何かい言った気がしたが、聞き取れなかった。

 

蘭「__モカー!お兄ちゃーん!」

巴「二人ともー!」

ひまり「どこに行ってたのー!」

つぐみ「探したよー!」

 

 皆が走ってきてる。

 

モカ「おー、みんなが来てるー。」

裕也「そうだなー。あ、そろそろ手、放すかー。」

モカ「あー、ちょっと待ってー。」

裕也「?」

 

 モカが耳に口元を近づけて来た。

 

モカ「...あのかくれんぼの時から、ずっと、

お兄ちゃんの事が好き。」

裕也「!?」

 

 モカはそう言うと手を放して、皆の所に行った。

 

ひまり「もう!どこに行ってたの!」

モカ「ごめんごめんー。」

巴「あんま心配かけんなよなー。」

つぐみ「でも、モカちゃんが無事でよかったね!」

モカ「モカちゃんは天才なので大丈夫なのでーす。」

蘭「もう、あんまり勝手なことしないでよ...って、お兄ちゃんどうしたの?」

裕也「な、なんだ!?」

蘭「いや、なんか顔が赤いなと思って。」

裕也「は、走ってたからじゃないかー?あはは。」

蘭「そう?」

裕也「そうだぞー。」

蘭「ならいいや、あ、お兄ちゃんも打ち上げ来る?」

裕也「いやー、今回は遠慮しとくよ。

皆で楽しんできてくれ。あ、お小遣いもあげようじゃないかー!」

 

 俺は蘭にいくらかお金を渡した。

 

蘭「ちょっと、流石にもらえないんだけど。

お兄ちゃんも困るでしょ?」

裕也「大丈夫大丈夫。バイト始めたから。

...じゃあ、今日はもう帰るな!じゃあな!」

蘭「ちょ!お兄ちゃん!?」

 

 俺は走って家に帰った。

 

裕也「(__ど、どういう事なんだ、モカー!)」

 

 俺はかなり動揺した。

________________________

 

 ”モカ”

 

蘭「これ、どうしよっか?」

ひまり「うーん、どうしよ...」

巴「貰ったなら使えばいいんじゃねぇの?」

蘭「でも...」

つぐみ「流石に、ね?」

巴「また、その分のお礼をすればいい!

今日は裕也先輩に奢ってもらおうぜ!」

モカ「モカちゃんもそれでいいと思うよー。」

蘭「そう...なのかな?」

ひまり「じゃ、じゃあ、そういう事にしとこっか?」

巴「じゃあ!行くぞー!」

つぐみ「おー!」

 

 アフターグロウは歩きだした。

 

モカ「(いつも通りだねー、皆はー。

やっぱり、居場所はここだよねー。)」

 

 モカは空を見た、

 

モカ「(お兄ちゃん、モカちゃんの気持ち伝わったよねー?

いつか、お兄ちゃんもモカちゃんの居場所になってくれたらー...)」

 

 モカは空に向かってほほ笑んだ。

 

 

 




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