今日はロゼリアのライブ当日だ。
バンドのライブに行くのはこれで二回目になるな。
俺は楽しみな気持ちと共にライブハウスに向かっていた。
裕也(前は色々あったけど、今回は楽しめそうだなー。)
リサ「和田くーん!」
裕也「ん?今井?」
俺がライブハウスに向かってると、後ろから今井が走ってきた。
リサ「和田君もライブハウス向かってるの?」
裕也「そうだぞ。ってことは今井も向かってる途中か?」
リサ「うん!折角だし、一緒に行こうよ!」
裕也「別にいいぞ。」
リサ「じゃあ、行こ!」
俺は今井と二人でライブハウスに向かう事になった。
今井の足取りはかなり軽やかに見える。
裕也「__楽しそうだな、今井。」
リサ「え?」
裕也「いや、さっきからずっと楽しそうに歩いてるからな、そんなにライブが楽しみなのか?」
リサ「うん、そうだよ!でもね。」
裕也「でも?」
リサ「......少し、不安もある、かな。」
裕也「不安?」
リサ「うん。あたしさロゼリアで一番、楽器が下手だから。」
裕也「今井が?」
リサ「うん。だからさ、少しでもマシになるように、皆の足を引っ張らないように、後悔しないように練習はいっぱいしてるつもり。」
裕也「......頑張ってるんだな。」
俺は今井の手を見た。
今井の爪は練習した痕跡ある。ボロボロだ。
年頃の女の子だ、もっと気を使うものだと思う、特に今井は。
リサ「でも、不安は絶対に消えてくれない。」
裕也「......そうか。」
リサ「だからさ、本番は割り切って思いっきり演奏するだけだよ!だからさ、楽しみにしててね!」
裕也「あぁ、楽しみにしてるよ。今井たちの演奏。」
リサ「ありがと!」
話してるうちにライブハウスに着いた。
俺はそこで今井と分かれた。
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受付「__はい。これで大丈夫です。」
裕也「ありがとうございました。」
俺はライブハウスに着くとすぐに受付に行った。
俺は関係者席の方に通された。
裕也「__すごいなー。前も思ったが人ですごい温度になってる。」
ライブ会場に行くと、もう観客であふれてた。
本当にすごい温度だ、これで始まる前というのがまたすごい。
ロゼリアはそれだけ人気のあるバンドなんだろう。
リサ「和田君。」
裕也「今井?もう着替えたのか?」
リサ「うん!どう?」
今井は俺の目の前で回って見せた。
すごくきれいな衣装だ、今井にもよく似合ってる。
裕也「......綺麗だな。」
リサ「え?」
裕也「衣装。」
リサ「あ、そういう。」
裕也「今井に良く似合ってる。作った人すごいな。」
リサ「これ、作ったの燐子なんだよー!」
裕也「これを白金が?すっごいな。」
リサ「ふふーん!そうでしょー!」
裕也「あぁ。また話を聞いてみたいな!」
俺はしばらく今井と話していた。
友希那「__どこに行ったのかと思えば、やっぱり和田君の所だったわね。」
紗夜「かなり仲がよさそうに見えますね。」
あこ「付き合ってるんじゃ......ってないか、裕也兄だもん。」
燐子「あこちゃん......?」
紗夜「でも、仲が良いのは確かですね。」
友希那「本当は......というのもあり得るんじゃないのかしら?」
あこ「いやいや、ないですよー。」
紗夜「なぜそう言い切れるのですか?」
あこ「だって、裕也兄シスコンだし。いっつも蘭蘭、言ってますよ?」
燐子「そうだったんだ......」
紗夜「まぁ、風紀を乱すようなことがなければ私はなんでも構いませんが。」
友希那「私もバンドに支障がなければ。」
リサ「__じゃあ、そろそろ行くんね!」
あこ「あ、リサ姉来ますよ。」
紗夜「戻りましょうか。」
友希那「そうね。」
こうして、ロゼリアは楽屋に向かった。
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しばらく待ってると、舞台にロゼリアが出てきた。
会場はさらに盛り上がりをまし、空調機器が効いてるにも関わらず外と変わらないような温度になってる。
舞台上の湊が口を開いた。
友希那『__こんにちは。ロゼリアです。』
観客「わぁぁぁぁぁぁあ!」
友希那『さっそく一曲目、BLACK SHOUT、行くわよ!』
湊がそう言うと演奏が始まった。
演奏が始まると、振られるペンライトの数が増えた。
所詮、素人の感想だけど、本当にすごい技術だと思う。
蘭たちとは種類が違うとも感じる。
リサ(__今日、いい感じ!)
紗夜(いい調子ね、今井さん。)
あこ(リサ姉、良い感じ!)
燐子(すごい......です。)
友希那(リサなら、これくらいできて当然よ。)
裕也(__今井、楽しそうだな。)
遠目からでも分かる。
ロゼリアの皆は少し口角が上がってる、皆楽しいんだろうな。
裕也(不安なんて、感じなくていいんじゃないか。楽しそうで、努力の成果も出てて。)
今井が言った通り、俺はこのライブに来て後悔する事なんてない。
来てよかった、もっと聞きたい、そう思える。
でも、時間は過ぎるもので、ライブはすぐに終わってしまった。
友希那『__ロゼリアでした。』
ロゼリアが舞台から降りても、会場の熱気は収まらない。
俺もその一人だ、気持ちが舞い上がったまま、地に足が付かないと言うのだろうか。
裕也(本当にすっごい!ファンたちの気持ちもわかるな!__ん?)
俺が内心で盛り上がってると、誰かからメールが来た。
相手は今井だった。内容は『皆が合いたいって言ってるから来てー!』との事だった。
裕也「会いたいってのは嘘だな。まぁ、行くけど。」
俺は指定された通りの場所に向かった。
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指定された場所に来た。
ロゼリアが舞台から降りてしばらく経ってるから着替えも終わってるだろう。
友希那「__こんにちは、和田君。」
裕也「よー、湊。」
紗夜「こんにちは、和田さん。」
あこ「やっほー!裕也兄!」
燐子「こんにちは......」
裕也「よー、皆......って、今井は?」
友希那「リサなら少し遅れるって言ってたわ。」
紗夜「......いえ、それにしても遅すぎます。私たちが楽屋を出てからかなり時間が経ってます。」
あこ「どうしたのかな?」
裕也「俺が行ってくるよ。皆はライブで疲れてるだろ?」
俺はそう言って、ロゼリアの楽屋の方に向かった。
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ロゼリアの楽屋に来てみると、誰もいなかった。
裕也(どこ行ったんだ?)
俺は悪の通路を見回した。
すると、客が通る通路の段ボールの陰に誰かがいた。
裕也「今井?」
リサ「え?わ、和田君?」
裕也「どうしたんだ?こんなとこで。」
リサ「......ごめん。」
裕也「え?__って、今井!」
今井は突然、どこかに走って行った。
裕也「今井......?」
prrrr
誰かから電話が来た。相手は湊だ。
裕也「どうした?」
友希那『和田君?リサとあったの!?』
裕也「会ったけど、走って行った。」
友希那『さっきリサが泣きながら走って行ったの!何か知らない!?』
裕也「何!?どういう事だ?」
友希那『分からないわ......どういう事なの?』
「__あのベースの子さ、なんでロゼリアにいるの?」
裕也「!」
「分かるー。正直浮いてるよねー。」
「下手だし!」
裕也(まて、まさか。)
友希那『和田君?』
裕也「......今井を追いかけないと。」
友希那『え?』
裕也「悪い、きる。」
友希那「え?ちょ__」
俺は電話を切った。
裕也(考えたくない、でも、今井は聞いてしまったんだ。だとしたら。)
不安が頭をよぎる。
リサ『少しでもマシになるように、皆の足を引っ張らないように、後悔しないように練習はいっぱいしてるつもり。』
あの時の今井の顔を思い出す。
裕也(今井......って、これは?)
俺は青い石を拾った。
見覚えがある、でも、なんで今井が座ってたところに。
裕也(まさか、でも、だとしたら。いや、今は今井を探さないと!)
俺は走り出した。
確信がある、ただ、ある条件がいる。
裕也(もし、もしも、今井があの時の女の子ならどこに行ったか分かるかもしれない!)
俺は石を握りしめ、走った。
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