蘭とお兄ちゃん   作:火の車

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”裕也からメールが来た時の反応(現時点ヒロイン編)”

蘭「お、お兄ちゃんから!な、なんだろ?///」

モカ「裕君からー?珍しいー。何かなー?」

ひまり「あ!裕也先輩からだ!......って、やっぱり登録名をお兄ちゃんにしてるの恥ずかしい///」

巴「お!裕也先輩からだ!なんだなんだ!」

つぐみ「あ!お兄ちゃんからだ!......って、また癖で///気をつけないと!///」

リサ「裕也から?どうしたのかな、裕也ってメールほとんどしないし、何か困ったことかな?って、早く返信返信!」




蘭の家に行こう

 夏休み二日目だ。

 今日は家に蘭が来てる。

 バイトもないし、久し振りに蘭と二人の時間を過ごせる。

 

蘭「ねぇ、お兄ちゃん。」

裕也「どうした?」

蘭「この後、時間ある?」

裕也「あるぞ。バイトもないし。」

蘭「じゃあさ、あたしの家に来てくれない?」

裕也「蘭の家?」

 

 そう言えば、こっちに帰ってきてから行ってなかった。

 と言うか......

 

裕也「......完全に忘れてた。」

蘭「お父さんが拗ねてるから、そろそろ、うざくなってきた。」

裕也(不憫だな、おじさん。)

蘭「それで、来てくれる?」

裕也「行くよ。」

蘭「ありがと。」

裕也(感謝されるほどなのか?)

 

 俺は若干困惑しながら、外に出る用意をした。

 そして、家を出た。

__________________

 

裕也「__暑い。」

 

 外はまさしく地獄のような暑さだった。

 毎年、テレビで聞く記録的猛暑って言うのもあながち間違ってないのかも。

 

蘭「ほんと、なんでこんなに暑いんだろ。」

裕也「あれだな、皆でプールとか行きたいなー。」

蘭「いいね、行こうよ。」

裕也「じゃあ、俺は水着買いに行くかなー。」

蘭「あっ、あたしも買いに行かないと。」

裕也「じゃあ、一緒に行くか?」

蘭「えぇ!?///」

裕也「?」

 

 なんか驚いた顔をしてるな。

 何か起こしいこと言ったか?

 

裕也「蘭?」

蘭「い、いや!何でもないよ!///」

裕也「そうか?」

蘭「う、うん!水着、買いに行こ!」

裕也「お、おう。」

 

 俺たちはそんな話をしながら蘭の家に向かって行った。

__________________

 

 結構歩いて、蘭の家に着いた。

 相変わらずでかい家だな。

 

裕也「__何と言うか。」

蘭「お兄ちゃん?」

裕也「昔はかくれんぼするのにちょうどいいなくらいだったのに、今は一定の緊張があるな。」

蘭「そう?」

裕也「そうだぞー。」

 

 年を取ると、昔出来なかったことが出来るようになる半面、子供だからこそできたことが出来なくなる。

 

 今が正にその状態だよ。

 

蘭「まぁ、入ろ。」

裕也「あぁ。」

 

 俺と蘭は家に入った。

__________________

 

蘭「__ただいま。」

蘭パパ「蘭と......裕也君か。」

裕也「久しぶり、おじさん。」

 

 家に入ると、昔とあんまり変わらない風貌のおじさんがいた。

 

蘭「お父さんが連れて来いって言ってたから連れて来た。」

蘭パパ「いらっしゃい。久しいな。」

裕也「8年ぶりだからね。でも、おじさんの作品は見てたよ。」

蘭パパ「そうか。」

蘭(お父さん、緊張でガチガチ。お兄ちゃんじゃなきゃ会話成立しないよ。)

 

 おじさん、緊張してるなー。

 こんなので緊張するのに何でなんな人前に出られるんだろう?

 

蘭パパ「裕也君、久し振りに話そう。あの部屋に来てくれ。」

裕也「了解。」

蘭「じゃあ、あたしは部屋にいるよ。」

裕也「話が終わったら蘭のとこ行くよ。」

蘭「わかった。」

 

 そうして、俺とおじさんは和室に蘭は自室に行った。

__________________

 

 一見すれば時代を間違えるような和室。

 その真ん中で俺とおじさんは向かい合って座っていた。

 

蘭パパ「__改めて、久し振りだな。裕也君。」

裕也「久しぶり、おじさん。」

 

 少し、間を置くとおじさんが口を開いた。

 

裕也「それにしても、おじさんは変わらないね。」

蘭パパ「そうか。」

裕也「それで、話って何?」

蘭パパ「そうだな。」

 

 おじさんは少し目を閉じてから、また口を開いた。

 

蘭パパ「今の蘭は裕也君にはどう写る?」

裕也「そうだね、昔の引込思案な性格から考えれば、かなり良くなったと思うよ。」

蘭パパ「やはり、そうか。」

 

 おじさんは難しい顔をしてる。

 でも、反対ってわけじゃなさそう。

 

裕也「まぁ、おじさんの事だから、最初は反対したんでしょ?」

蘭パパ「......あぁ。」

裕也「まぁ、それでも蘭は幼馴染といい方向に向かってるし、結果的にはよかったんだと思うよ。」

蘭パパ「そうか。」

裕也「もう、蘭は守るべき存在じゃなくて、見守るべき存在になったんだよ。おじさんも分かってるよね?」

蘭パパ「あぁ、わかってる。」

裕也「俺もおじさんも蘭たちを見守ろうよ。もう、そういう時期だよ。」

蘭パパ「......相変わらず、裕也君は年相応じゃないな。」

裕也「そうかな?」

 

 俺はそう言いながら立ち上がった。

 

裕也「じゃあ、俺は蘭の所に行くよ。」

蘭パパ「あぁ。蘭の事を頼むよ。」

裕也「分かってるよ。いつまでも、俺は蘭たちを見守るから。」

蘭パパ「そういう事ではないんだがね。」

裕也「ん?」

 

 おじさんは俺の方を見てる。

 どうしたんだ?

 

 そう思ってると、おじさんは立ち上がって俺の肩に手を置いた。

 

蘭パパ「......蘭を頼むよ。裕也君。今も、この先も。」

裕也「それは、どういう意味?」

蘭パパ「時期にわかる。その時が来るはずだ。」

 

 そう言って、おじさんは和室を出て行った。

 俺もその後に和室を出た。

__________________

 

蘭「__あ!お兄ちゃん!」

裕也「お、来たのか蘭。」

 

 俺が和室から出ると、向こうから蘭が歩いてきた。

 

 こうしてみると、蘭は疑いようがなく......

 

裕也「うん。可愛いな。」

蘭「ふぇ......?///」

 

 俺は蘭の頭を撫でた。

 うん、髪もサラサラで撫で心地もいい。

 

蘭「......///」

裕也「蘭は最高の妹だよ。」

蘭「うん、ありがと///」

裕也(俺はずっと、この子を見守りたいな。)

蘭「お、お兄ちゃん......?///」

裕也「出かけようか。プール用の水着も買いたいからな。」

蘭「うん!」

裕也「折角だし、俺がプレゼントするよ。バイト代が入ったからな。」

蘭「え?いいの?」

裕也「いいんだよ。甘えといて。」

蘭「じゃあ、甘える///」

裕也「じゃあ、行こうか!」

 

 俺と蘭は家を出て、二人で出かけた。

 

 蘭と二人で過ごす時間はすごく楽しかった。

 

 

 

 

 




”蘭パパの願い”

蘭パパ「出来る事なら、蘭が嫁に行くなら裕也君の所がいいな。裕也君なら全部安心して任せられる。私が生きてるうちにどうか......孫の顔も見たいな。」

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