蘭とお兄ちゃん   作:火の車

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許嫁

 朝、俺が朝ごはんを食べてると

 

 突然、携帯が鳴った

 

裕也「__ん?」

 

 俺は携帯を取った

 

 相手は父さんだった

 

裕也「もしもしー?」

雄介『おう!息子か!』

裕也「あぁ、息子だぞー。』

 

 俺と父さんは決まったようなやり取りをして

 

 少し、盛り上がった

 

裕也「それで、何の用?」

雄介『あ、今日、お前のとこ行くわ。』

裕也「は?」

雄介『ついでに、お前の許嫁も連れて行くわー。』

裕也「はぁ!?なにそれ!?」

雄介『じゃあ、用意しとけよー。あ、飲み物は高級緑茶で頼む!』

裕也「図々しいな!?あるけど!」

雄介『あるのか!?』

裕也「まぁ、いいや。俺は今日家にいるし、待ってるよー。」

 

 そう言って俺は電話を切り

 

 朝食を再開した

__________________

 

裕也(__許嫁って誰だ?)

 

 俺は家の掃除をしながらそんな事を考えていた

 

 小さいときにそんな話した記憶はないし

 

 そんな女の子いたっけなぁ......

 

 そんな事を考えてると、家のインターフォンが鳴った

 

裕也「あれ、父さんたちもう来たのか?」

 

 俺はそう思い、玄関に向かった

__________________

 

 玄関に来て、扉を開けた

 

蘭「__お兄ちゃん!」

裕也「あれ、蘭?」

 

 扉を開けると、そこには蘭が立っていた

 

 この可愛さ、本日も異常なし

 

 一目見れば神に感謝したくなるくらいだ

 

蘭「お兄ちゃん?」

裕也「あ、なんでもないぞ!どうした?」

蘭「えっと、暇だから遊びに来た。」

裕也「そうかそうか!」

 

 いやー、可愛い妹が遊びに来るって言いな

 

 俺は父さんが来ることなんて完全に忘れ

 

 蘭を家に入れようとした

 

雄介「__我が息子よー!」

裕也「あ、父さん。」

蘭「え?おじさん?」

雄介「君は蘭ちゃんか!久しぶりだなー!」

?「もう、静かになさい!」

雄介「いて!」

裕也「あ、母さんも来たんだ。」

 

 この人は俺の母さん

 

 名前は和田桜

 

 母さんは父さんの頭に手刀を入れて

 

 父さんを黙らせた

 

桜「元気そうね、裕也。蘭ちゃんも大きくなってて嬉しいわ。」

蘭「ご無沙汰しています、桜さん。」

裕也「いやぁ、2人の顔久し振りに見た。」

雄介「父さんもな、1か月くらいすれば寂しいって言って帰ってくると思ってたんだ。」

桜「私もよ......」

裕也「2人は俺を何歳だと思ってるんだ?」

 

 両親は俺を小学生くらいに思ってる節がある

 

 なんで、この年になって寂しがるんだよ

 

裕也「まぁ、いいや。入りなよ。」

雄介「待て、後一人が__」

?「おじさーん!おばさーん!」

雄介「お、来たな。」

裕也、蘭(あれ?この声って?)

 

 やばい、許嫁って話忘れてた

 

 てか、この声、聞いたことあるぞ

 

雄介「来たか!風花ちゃん!」

風花「はい!」

裕也「風花!?」

蘭「風!?」

風花「やっほー!2人とも!」

 

 俺はかなり驚いたが

 

 4人を家に入れた

__________________

 

 俺は皆をリビングに通して

 

 お茶を淹れて、皆に出した

 

裕也「はい、飲み物だよ。」

雄介「高級緑茶か!」

裕也「父さんは水だけどね。」

雄介「なんだと!?」

裕也「冗談だよ。」

 

 俺はそんな冗談を言いながら飲み物を置いた

 

 飲み物を配り終えて、俺も椅子に座った

 

裕也「それで、今日は何しに来たの?」

雄介「いやぁ、お前の入れる茶は美味いな。」

裕也「俺の話聞こうな?鼻にケチャップ詰めるよ?」

雄介「ごめんなさい。」

 

 父さんは謝ってから咳ばらいをし

 

 座りなおした

 

雄介「今日はな__」

桜「あなたの許嫁の事で話をしに来たの。」

蘭「っ!?」

裕也「まず、そこからなんだけど。許嫁って何?」

風花「なんか、私の両親と裕也の両親で決めたらしいよ。」

裕也「なるほど(?)」

 

 親が決めた許嫁とか、漫画かよ

 

 俺は頭を抱えた

 

裕也「それを聞いて俺はどうすればいいの?父さんを殴ればいいの?」

雄介「なんで!?」

桜「そうよ。」

雄介「桜!?」

 

 まぁ、冗談は置いといて

 

 許嫁とは、また問題だな

 

蘭「ふ、風ってお兄ちゃんの許嫁だったの......?」

風花「そういう事になってるねー。」

雄介「それで、どうする、裕也?」

裕也「何が?」

桜「風花ちゃんと結婚する?」

 

 母さんにそう言われると

 

 俺は考え始めた

 

裕也「......うーん、どうしよ。」

桜「いいじゃない。いい子だし、蘭ちゃんとも仲が良いし。」

裕也「うーむ。」

 

 どうしたもんか

 

 前までなら別にいいよって言えたけど

 

 今はなぁ......

 

蘭「お、お兄ちゃん......?」

裕也「ん?」

蘭「お兄ちゃん、結婚しちゃうの......?」

裕也「え?」

蘭「やだ......」

裕也「え?」

蘭「結婚しちゃやだ......」

裕也、風花「......」

 

 蘭は泣きそうな顔でそう訴えて来た

 

 なんで泣きそうなのかは分からないけど

 

 これで、俺の答えは決まりだな

 

裕也「蘭がそう言うなら、ダメだな。」

雄介「え?判断基準そこ?」

風花「うん、蘭が言うなら駄目だね。」

雄介「風花ちゃんも!?」

裕也「いや、だってなぁ?」

風花「だよね?」

 

 一応言うが、俺と風花は仲が良い

 

 小さい時から親同士が仲良くて

 

 よく遊んだり、一緒に旅行に行ったりしてた

 

 じゃあ、なんで仲が良かったか?

 

 それは、俺と風花に共通の価値観があったからだ

 

裕也、風花「蘭が言うなら、それが最優先。」

雄介「お、おう。」

桜「知ってたわ。」

 

 両親は呆れてるみたいだ

 

 だが、俺と風花にはこれが一番重要なんだ

 

 だって、蘭が可愛いから

 

裕也「じゃあ、そういう事で。」

風花「関係は破棄の方向でお願い。」

雄介「おう、オッケー。」

桜「分かったわ。」

 

 というわけで

 

 許嫁は解消された

 

 俺は椅子から立ち上がった

 

裕也「さて、なんか疲れたし昼ご飯作ろ。」

桜「あら、私が作るわよ?」

雄介、裕也、風花「!!??」

蘭「?」

裕也「い、いや、いいよ!!俺が作るから!!」

雄介「そ、そうだぞぉ!?」

風花「さ、そうだよ!!おばさんは座ってて!お願いだから!!」

桜「そう?」

 

 あ、危なかった

 

 母さんが料理なんてしてみろ

 

 この家が殺害現場になる

 

雄介「あ、今日、泊っていい?」

桜「あら、いいわね。」

風花「私もー!」

裕也「いや、勝手に決めてるし。別にいいけど。」

蘭「お、お兄ちゃん、あたしも......」

裕也「よしいいぞ。何泊でもしていってくれ。」

雄介、桜、風花「この扱いの差。」

裕也「当り前だろ。」

 

 それから、俺は皆と昼ご飯を食べた

 

 その後、皆、この家に泊まり

 

 俺は色々な苦労をした(主に母さんの料理)


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