蘭とお兄ちゃん   作:火の車

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最終日に

 一晩明け、父さんと母さんは帰り

 

 家に残ってるのは蘭と風花だけだ

 

 まぁ、風花に関しては別に気にすることなんて無いけど......

 

蘭「__おはよ、お兄ちゃん......」

裕也「おはよう蘭!こんなに早起きして偉いぞー!」

蘭「うんっ......///」

 

 蘭がいる時点で俺の心は舞に舞ってる

 

 今なら地球も叩き割れそうだ

 

裕也「朝ごはん、用意してるからな。」

蘭「うん、いただきます。」

 

 蘭は席に座り

 

 俺は蘭の前に朝ごはんを置いた

 

 俺の朝ごはんは和食がほとんどだ

 

蘭「美味しい。」

裕也「そうかそうか。」

 

 蘭はまだ眠たそうで

 

 いつもより少し空気が緩んでる

 

 まるで、昼下がりの猫みたいだ

 

蘭「お兄ちゃん。」

裕也「なんだ?」

蘭「髪の毛、梳かして。」

裕也「わかったー。」

 

 俺はそう答えた瞬間

 

 テーブルの引き出しに入れておいた櫛を出した

 

 こんなこともあろうかと、備えておいたんだ

 

裕也「蘭の髪は綺麗だなー。」

蘭「そうかな?」

裕也「おう、サラサラで女の子らしいよ。」

蘭「そう......///」

 

 俺はそう言いながら蘭の髪を整えた

 

 この時間、幸せだなぁ......

 

風花「__甘やかしてるねー。」

蘭「!///」

裕也「なんだ、風花も起きたのか。」

風花「うんー、朝ごはん頂戴。」

裕也「分かった。あ、蘭、髪はこんな感じで良いか?」

蘭「うん、ありがとう。」

 

 蘭がそう言った後

 

 俺は風花の分の朝ごはんを用意した

__________________

 

 俺はいつも通り、掃除をしてる

 

 万が一のために蘭の周りには空気清浄機を置いた

 

風花「裕也。」

裕也「なんだ?」

 

 掃除をしてる途中

 

 風花が話しかけて来た

 

 蘭は作詞中でイヤフォンをつけてる

 

風花「裕也は蘭をかなり甘やかしてるよね。」

裕也「否定はしない。」

風花「わお、即答だね。」

裕也「当り前だろ。蘭は世界一可愛い妹だぞ。」

風花「知ってるよ。事実、蘭は誰よりもかわいいし。」

裕也「だろ。」

 

 やっぱり、風花は話が分かる

 

 でも、今日はやけに話しかけてくるな

 

裕也「話はそれだけか?蘭の可愛い話なら一週間は話し続けれるが。」

風花「裕也は、いつから嘘つきになったの?」

裕也「?」

 

 風花は低い声でそう言ってきた

 

 俺は首を傾げた

 

裕也「何のことを言ってるんだ?」

風花「だから__」

裕也「風花。」

風花「なに?__っ!」

 

 俺は風花の口を塞ぎ

 

 耳元に口を近づけた

 

裕也「今の俺は蘭のお兄ちゃんでいさせてくれ。」

風花「!」

 

 俺はそれだけ言うと

 

 風花から離れた

 

裕也「いつか、時効が来る。だから、風花は何も心配しなくてもいいよ。」

風花「......分かった。」

裕也「さてさて、次は洗濯しないとー。」

 

 俺はそう言って、洗濯物籠を取りに行った

 

風花(私が言いたいのは、そういう事じゃないのに......)

__________________

 

 俺は一通りの家事を終えた

 

 特にやることもないので、ソファに座って

 

 頑張ってる蘭の姿を眺めていた

 

蘭「......」

裕也(頑張ってるな!)

 

 蘭もこんなに熱心に打ち込めるものが見つかって

 

 俺は凄く嬉しい、昔を知ってるからなおさらだ

 

裕也(頑張ってる事だし、コーヒーでも淹れてやるかな。)

 

 俺はそう思い、立ち上がると

 

 家のインターフォンが鳴った

 

裕也(ん?誰だ?)

 

 今日は特に予定はなかったはずだけど

 

 俺はそんな事を考えながら、玄関に行き

 

 そして、扉を開けた

 

裕也「__どちら様ですかー。」

ひまり「裕也先輩っ!!」

裕也「!?」

 

 扉を開けると、そこには

 

 リサ、モカ、ひまり、巴、つぐみがいた

 

裕也「どうしたんだ?」

リサ「どーしたもこうしたもないよ!」

つぐみ「そうですよ!」

裕也「え?何かあったのか?」

 

 皆、すごい剣幕だ

 

 やばい、俺何かしたか

 

 全く記憶がないんだが

 

モカ「なんで、夏休み中、あたし達に会いに来てくれなかったのー?」

裕也「え?」

巴「そうだぞ!」

裕也「えっと、何を言ってるんだ?」

 

 いや、実際には分かってるけど

 

 変に頭が追い付いてないと言うか

 

リサ「こっちはバイトのシフトとかさりげなく教えてたのにー!」

裕也「あー、確かに。この日はないよー、とか、すごい言ってたな。」

巴「まさか、祭りから終わりまで音沙汰がないとは思わなかったぞ!」

ひまり「夏休み、何してたんですか!?」

裕也「えっと、蘭の家行ったり、蘭と買い物行ったり、蘭と家でゆっくりしたり、あ、チャーシュー作ったりもしてた!」

 

 俺がそう言うと

 

 5人は俺に怒鳴りかかってきた

 

つぐみ「蘭ちゃんばっかりじゃないですか!」

巴「蘭が関係しないのがチャーシュー作りってなんだよ!?あたしにも食わせろ!」

裕也「あぁ、いいぞ。また作るな。」

巴「おう!サンキュー!」

モカ「ともちんー、絆されてるー。」

巴「はっ!」

 

 はたして、この5人は何を怒っているんだろう

 

 俺は特に怒られることはしてないと思うんだが

 

 困ったな

 

裕也「まぁ、取り合えずあがるか?暑いし。」

5人「あがる!」

裕也「お、おう。」

 

 俺は圧が強い5人を家に上げた

__________________

 

 リビングに行くと

 

 蘭は皆に気が付いたみたいで、作詞の手を止めた

 

蘭「あれ、みんなどうしたの?」

巴「どうしたじゃねぇよ!」

蘭「え?」 

つぐみ「流石に先輩に甘え過ぎだよ!蘭ちゃん!」

蘭「き、急になに......?」

 

 みんなに詰め寄られ

 

 蘭は明らかに困惑してる

 

裕也「まぁまぁ、そんなにカリカリしないで。」

5人「元はと言えばだれのせい(ですか)!?」

裕也「す、すいません。」

 

 これは、父さんが言ってた

 

 怒った女は簡単には止められないだ

 

 まじで、止められる気がしない

 

ひまり「蘭ばっかり裕也先輩といて!」

モカ「もう少し、裕君離れしなよー?」

蘭「だ、だって、折角のお兄ちゃんとの夏休みだったから......」

裕也「っ!」

 

 蘭は小さな声でそう言った

 

 目が少し、涙で潤んでる

 

リサ「裕也は別に、蘭だけのものじゃないんだよ?」

蘭「分かって、ます......」

ひまり「私達だって、裕也先輩と夏休み楽しみたかったのにー。」

蘭「......ごめん。」

裕也「__やめろ。」

5人「!?」

 

 俺は蘭と5人の間に立った

 

 5人は驚いた顔をしてる

 

裕也「俺の文句に蘭を巻き込むな。怒ってるなら俺を殴るなり刺すなりすればいい。」

ひまり「え?そ、そんなこと__」

裕也「これ以上、蘭を巻き込むなら、俺は皆から姿を消す。」

モカ「え......?」

 

 俺がそう言うと、5人は固まった

 

 蘭も目を見開いてる

 

裕也「蘭だけは、絶対に......」

蘭「お兄ちゃん......?」

裕也「っ!」

風花「__はいはーい!喧嘩かなー?」

 

 蘭の声で正気に戻った瞬間

 

 風花が俺たちの間に割って入ってきた

 

風花「ほら、皆、落ち着いて。」

つぐみ「え、えっと、はい。」

風花「みんなが知っての通り、裕也はあんなだからさ?私だって、裕也のシスコンに泣かされた身だしー。」

リサ「え?」

風花「私、裕也の許嫁だったんだけどー。」

5人「え!?許嫁!?」

 

 5人は驚きの声を上げた

 

 まぁ、驚くよな

 

 俺も驚いたし

 

風花「昨日、蘭がいるからって許嫁、破棄になったんだよねー。」

裕也「嘘つくなよ。お前も即答で破棄って言ってただろ。」

風花「あれ?そうだけ?」

裕也「そうだよ......」

 

 俺はため息をつきながら風花にそう言った

 

 風花はとぼけた態度をとってる

 

 俺も俺だが、風花も風花でだな

 

ひまり「い、許嫁って、そんなの現実であったんだ。」

風花「まぁね~。私もここに来る前日に初めて聞いたけど!」

巴「め、めちゃくちゃだな。」

モカ「流石のあたしも焦ったよ~。」

風花「あはは!ごめんごめん!ここは裕也がみんなに何か奢るってことで許してあげて!」

裕也「え?」

 

 風花は笑いながらそんな事を言い出した

 

 俺は気の抜けた声を出してしまった

 

風花「夏休みの埋め合わせって事でー。裕也別に、お金に困ってないでしょ?」

裕也「ま、まぁ、困ってはないけど。」

風花「じゃあ、決定ー!行こ、皆!」

モカ「おー。」

 

 どうやら、俺がみんなに奢るのは決定事項らしい

 

 俺はため息をつきながら立ち上がった

 

蘭「だ、大丈夫なの?」

裕也「大丈夫。蘭も行こうな。」

蘭「うん。」

 

風花「私はアイス買ってもらおうかな!」

巴「いいな!アタシもアイスにしよう!」

ひまり「私は新作のコンビニスイーツ!」

リサ「あたしはちょっと高いケーキ!」

つぐみ「あ、それって、あの青いパッケージのですか?」

リサ「うん☆」

モカ「モカちゃんはやまぶきベーカリー。10個くらいかなー。」

 

 皆は遠慮なく買うものを話してる

 

 まぁ、皆の怒りが収まるなら別にいいか

 

 俺はそんな事を思いながら

 

 蘭と玄関の方に歩いて行った

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