夏休みが終わり、今日は始業式だ
周りの生徒は夏休み気分なのか
まだ、浮足立ってるようにも感じる
裕也(__もう、9月なのかー。)
春に転校してきて、もう秋に入ろうとしてる
時間が過ぎるのは早いなぁ
俺はそんな事を思いながら教室に入った
日菜「あ、おはよう!裕也君!」
裕也「おはよう、日菜。」
日菜「久しぶりだねー!」
裕也「そうか?」
俺は自分の席に鞄を置き
椅子に座った
日菜「裕也君、夏休み何してたのー?」
裕也「蘭と(以下略)」
日菜「うん、知ってた。」
裕也「じゃあ、何で聞いた?」
日菜は呆れたように首を振った
分かってるなら聞かないでほしい
裕也「なぁ、日菜?」
日菜「どうしたの?」
裕也「なんか、クラスが騒がしくないか?」
日菜「あー、なんか、転校生が来るらしいよ?」
裕也「転校生?珍しいな、こんな時期に。」
季節ももう秋
この時期に転校なんて早々しないぞ
日菜「裕也君も転校してるじゃんー。変わんないよ。」
裕也「まぁ、それもそうだな。」
そもそも、転校生が来ても俺には関係ないな
別に進んで話すこともないだろうし
男子「__おい、和田!」
裕也「ん?」
俺が日菜と話してると
男子が話しかけて来た
俺は珍しく思いながら、男子の方を見た
男子「今日来る転校生の事、教えてくれよ!」
裕也「え?」
男子「噂では、和田と同じ学校から来るらしいんだよ!」
裕也「そう言われても、誰か分からない。同じクラスだったかもわからないしな。」
男子「あ、そっか。」
裕也「悪いな。」
男子「いや、俺も早とちりした!すまん!」
男子はそう言って、俺から離れていった
俺は日菜の方に向き直った
日菜「裕也君って、蘭ちゃんとかと話すときと他じゃ態度違うよね?」
裕也「そうか?別に変らないと思うけど?」
日菜「変わるよー。なんか、興味がなさそうって言うか。」
裕也「気のせいじゃないか?俺は皆に興味津々だよ。」
日菜「ごめん。それはそれでキモイね。」
裕也「ひどい。」
日菜のシレっと来る毒舌には
流石に心が抉られる
麻弥「__おはようございます!お二人とも!」
日菜「あ、麻弥ちゃん!」
裕也「おはよう、大和。」
麻弥「もうすぐ、始業式ですよ?日菜さん、行かなくていいんですか?」
日菜「あー、そろそろ行かないとねー。」
日菜はそう言って、席を立った
そして、教室を出て行った
麻弥「あ、和田さん。」
裕也「なんだ?」
麻弥「さっき、そこで転校生を見かけたんですよ!」
裕也「へぇ。」
麻弥「なんだか、すごく派手な人でしたよ!和田さんと同じ学校から来たと聞きましたが?」
裕也「派手、だって?」
麻弥「はい?」
裕也「......いや、ないな。」
麻弥「?」
派手な奴、そう言われて思い当たる奴はいる
でも、羽丘に来るような奴じゃないし、ないな
俺は転校生の事を頭から流し
始業式の時間を待った
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しばらくして、クラスは体育館に移動した
普通、始業式って退屈な物なんだけど
日菜『__皆ー!久しぶりー!』
うちの生徒会長は日菜だ
速攻で原稿を投げ捨て
自分勝手に話し始めた
日菜『いやー、夏休み終ったねー!皆は今、どんな気分?』
日菜がそう問いかけると
周りの生徒は少しため息をついた
流石に日菜もこれは困るんじゃないか?
日菜『うんうん、るんっ♪てしてるね!』
裕也(あ、話聞いてないんだな。)
日菜『2学期は文化祭とか、楽しい行事はたくさんあるよ!皆、一緒に楽しもうねー!』
そう言うと、周りの生徒は盛り上がりを見せた
これはすごい、流石、現役アイドル
会場を盛り上げる天才だな
裕也「すごいな、日菜。」
麻弥「まぁ、日菜さんですから。」
裕也「それで納得できるのがすごい。」
もう、日菜だからって理由だけで
あらゆるものの説明が付くんじゃないか?
規格外だな
そう思ってるうちに、始業式は終わった
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始業式が終わり、教室に戻ってきた
クラスメイトはまだ異様な盛り上がりを見せてる
そんなに転校生が楽しみなのか
裕也(今頃、蘭は何してるかなー。)
日菜「また、蘭ちゃんの事考えてるー。」
裕也「な、なぜ分かった!?まさか、超能力者......!」
日菜「顔に出てるんだよー。」
裕也「ま、まじか。」
俺って、そんなに顔に出る奴だったのか
まぁ、蘭がそれだけ可愛すぎるって事だな
うん、それで間違いない
担任「__入ってきてー!」
?「はーい!」
裕也「!」
蘭の事を考えてて周りが見えてなかった
入ってきてって言ってたな
噂の転校生か
俺は教壇の方に目を向けた
カリナ「北川カリナです!」
裕也「は?」
日菜「裕也君?」
俺は自分の目を疑った
それこそ、一回入れ替えてリセットでもしたい
カリナ「このクラスの和田君と同じ学校から来ました!」
担任「そうなんだ。仲は良かったの?」
カリナ「はい!だって、元カレですから!」
担任「え?」
裕也「は?」
北川の言葉でクラスの空気が凍った
俺は席から立ち上がった
裕也「事実無根だ。俺はこんな奴と付き合ったことはない。」
男子「そ、そうなのか?」
裕也「あぁ、俺に今まで彼女なんていない。」
俺は静かにそう言った
クラスメイトは皆、納得したみたいだ
カリナ「まぁ、元彼は嘘だけど、告白はしたよねー?」
裕也「知らないな。全く覚えがない。」
俺はそう言ってから席に着いた
どっと疲れた
担任「ま、まぁ、仲良くしてあげてね!和田君も!」
裕也「......」
担任「返事は?」
裕也「お断りします。」
麻弥(珍しい。和田さんが先生に反抗するなんて。)
俺は目を閉じ、周りの情報をシャットアウトした
担任「じゃあ、席は和田君の隣で。」
裕也「は?」
担任「これを期に、仲良くしなさい!」
裕也「......」
担任は俺の横の席を指さしている
これは拒否が出来ない
俺にこの場で席を決める権限なんてない
カリナ「よろしくね!和田君!」
裕也「......」
日菜(裕也君、なんだか怒ってる?)
それから、時間は過ぎていき
クラスは解散した
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放課後、俺はさっさと席を離れようとした
すると、担任に呼び止められた
担任「北川さんの案内をしてあげて!」
裕也「嫌です。」
担任「してくれないと、内申点を減らします。」
裕也「出来るならどうぞ。俺も出るところに出るだけです。」
担任「ぐっ......やるね。」
俺はため息をつきながら担任を見た
この人、残念な人だな
担任「その可哀想な人を見る目やめて!?」
裕也「さようなら、先生。」
俺はそう言って、教室を出た
そして、校門に向かって歩いた
蘭「__お兄ちゃん!」
裕也「ん?蘭?」
向こうから蘭が来た
小走りでこっちに向かってきてる
天使かな?
蘭「今、帰り?」
裕也「あぁ、今から帰るよ。」
蘭「じゃあさ、一緒に帰ろ?」
裕也「あぁ、いいぞ。」
やっぱり、蘭と話すのは心が癒される
さっきまでの疲れが嘘みたいだ
カリナ「和田君ー!」
裕也「......」
蘭「誰?」
もう、なんだこいつ
折角、蘭と話してたのに
裕也「......なんだ。」
カリナ「もー!なんで、私の案内してくれないのー!」
裕也「時間がないから、以上。」
俺はそう言って
蘭の手を取った
蘭「!///」
裕也「行くぞ、蘭。」
蘭「え、あ、う、うん......///」
俺は蘭の手を引き
北川から離れた
カリナ「......ふーん、あれが、和田君の。」
男子「き、北川!」
カリナ「んー?」
男子「よければ、俺が学校の案内をするぞ!」
カリナ「別にいい。もう大体見学で見てるし。」
男子「え?」
カリナ「じゃあねー。」
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学校を出てしばらく歩いた
まだ、外は少し暑い
蘭「__お、お兄ちゃん、どうしたの......?」
裕也「うん?あー、なんでもないよ。」
俺は蘭の頭を撫でながらそう言った
蘭は嬉しそうに目を細めてる
蘭(いつもの、お兄ちゃんだ///)
裕也「いきなり手握ってごめんな。」
蘭「ううん!全然!むしろ嬉しかった!」
裕也「そっか。」
本当に蘭は可愛い
もう、何個の奇跡が重なったんだってレベルでかわいい
必死で嬉しかったって訴えてくる姿なんて
もう、俺の鼻から赤い液体が噴き出してぶっ倒れるレベルだ
裕也「あ、昼ご飯食べに来るか?」
蘭「うん!行きたい!」
裕也「そうかそうか。じゃあ、早く帰ろうか。」
蘭「うん!」
そうして、俺と蘭は俺の家に向かった
今日1日を通して言えることは
やっぱり、蘭は可愛いと言う事だな!