蘭とお兄ちゃん   作:火の車

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終わり

 羽丘の文化祭は準備段階からすごく盛り上がってる

 

 まぁ、生徒会長が日菜だし、当たり前か

 

裕也「__大和、これはここに置いて良いのか?」

麻弥「はい!あ、優しく置いてくださいね?」

裕也「分かってるよ。」

 

 俺のクラスは楽器の貸し出しをして

 

 大和や日菜が指導するらしい

 

 日菜が人の指導なんてできるか心配過ぎるんだが

 

麻弥「それにしても、和田さんはかなり力がありますね!」

裕也「そうか?別に普通だよ。」

麻弥「いえいえ!あの機材を一人で運んでましたし!」

裕也「そうなのか。」

 

 他の男子も持てる奴は持ててるし

 

 まぁ、平均よりあるくらいかな

 

カリナ「__やっぱり、和田君はたくましいね♪」

裕也「......はぁ。」

麻弥(すごい溜息ですね。)

 

 まじで、北川さえいなかったらいい文化祭なのに

 

 今すぐ転校してくれないかな

 

裕也「仕事しろ、働け。」

カリナ「えー?だって、男子の皆が私の分してくれるからー。」

裕也「そうかそうか。じゃあ、帰れ。」

麻弥(か、かなり辛辣ですね。)

カリナ「えー!ひどーい!私も皆で思いで作りたいー!」

裕也「じゃあ、俺に関わるのをやめろ。下水女。」

 

 俺がそう言っても北川は聞く耳を持たない

 

 それどころか笑みを浮かべてる

 

 それがたまらなく気持ち悪い

 

カリナ「なんで、そんなに私を嫌ってるのー?」

裕也「むしろなんで嫌われてないと思う?」

カリナ「え?だって、私、可愛いでしょ?」

裕也「寝言は寝て言え。」

カリナ「これは男子皆が言ってる事だよ?」

裕也「あっそ。」

 

 俺は北川を無視して大和の方を向いた

 

裕也「大和、次の仕事は何をすればいい?」

麻弥「えっと、もうそこにある機材を運び込めば終わりですね。」

裕也「分かった。行ってくる。」

 

 俺はそう言って

 

 機材が置かれてる場所に向かった

 

 ”麻弥”

 

麻弥(うーん、やっぱり、おかしいですね。)

 

 北川さんと話すときの和田さんは異常です

 

 元から、ジブンや日菜さんはそんな事はありませんが

 

 クラスメイトにも興味を示してる様子はないです

 

 そんな和田さんがあんな露骨に嫌うなんて

 

 前の学校で何かあったのでしょうか?

 

日菜「__どうしたの?麻弥ちゃん?」

麻弥「あ、日菜さん。なんでもないですよ。」

日菜「うっそだー。ムムッて顔してたもん!」

麻弥「あ、あはは。」

 

 流石に日菜さんはよく見てますね

 

 下手に誤魔化すなんてできないですね

 

日菜「言ってみなよ!」

麻弥「実は和田さんと北川さんの事を考えてまして。」

日菜「あー。」

麻弥「あそこまで嫌悪感を示してる和田さんも珍しいなと思いまして。」

日菜「確かに、基本的には優しいもんねー。」

 

 日菜さんは少し考えこんでるようです

 

 日菜さんでも考えるなんて、珍しいです

 

日菜「まー、あたし達が首突っ込む話でもないね。」

麻弥「まぁ、そうですけど......」

日菜「裕也君は自分で何とか出来るよー、多分!」

麻弥「は、はい。そうですね。」

 

 ジブンは多少の不安を感じましたが

 

 文化祭の用意もあるので

 

 今はそれに専念することにします

__________________

 

 ”裕也”

 

 それから、なんだかんだあって

 

 放課後になった

 

 準備は順調に進み、もうすぐ終わる

 

裕也(__今日の晩御飯はどうしようか。)

リサ「裕也ー!」

裕也「ん?リサ?湊も。」

蘭「お兄ちゃん!」

裕也「あれ?蘭たちも?」

 

 廊下を歩いてると

 

 蘭たち5人とリサと湊が来た

 

 皆も帰りの時間か

 

裕也「皆も帰りか?」

蘭「うん。ちょうど準備がひと段落下したから。」

リサ「あたし達も今日は終わりだよ!」

ひまり「あー、疲れたー!」

裕也「あはは、お疲れ。」

 

 流石に皆も疲れてるみたいだ

 

 まぁ、あのテンションの中で作業をしたら、疲れるよな

 

 俺もかなり疲れたし

 

つぐみ「先輩も今、帰りですか?」

裕也「あぁ、そうだよ。」

巴「じゃあ、アタシ達と帰ろうぜ!」

裕也「いいよ。」

友希那「それじゃあ、早く帰りましょう。」

カリナ「__あ、みーっけ♪」

裕也「!!」

 

 俺はその声を聞いた瞬間

 

 声のした方を向いた

 

裕也「何か用?」

カリナ「えー?和田君を見つけたから話に来たんだよ?」

裕也「......」

 

 いや、おかしい

 

 北川は仕事がないって言って、誰より早く帰ったはず

 

裕也(......つけてた?)

 

 そう考えるのが一番、納得できる

 

 北川が学校に残ってるメリットはないし

 

 何らかの狙いで、俺が学校を出るのを待ってた?

 

 でも、今までは俺1人の時だけだった

 

カリナ「うわー、和田君の友達、女の子しかいないねー。」

裕也「......それの何が悪い。」

つぐみ「えっと、誰ですか?」

リサ「2学期から来た転校生の子だよ。」

カリナ「そうそう!北川カリナだよ!」

 

 何を企んでるんだ

 

 いや、何を企んでたとしても、碌な事にならない

 

カリナ「それにしても、和田君ってひどいよねー。」

裕也「っ!」

カリナ「こんなに女の子を騙してさー。」

リサ「どういうこと?裕也が騙してる?」

モカ「そんな事、ありえないでしょー。」

裕也(まさか、北川は。)

カリナ「和田君はいつ、そこの子達を嬲って遊ぶの?」

 

 北川がそう言うと

 

 蘭たちは目を見開いた

 

蘭「え......?どういう事......?」

カリナ「やっぱり知らないよね。」

巴「待て、一体どういう事だ?裕也先輩はそんな事をする人じゃねぇだろ。」

カリナ「それがね、しちゃう人なんだよ。和田君はそれが理由で転校したんだから。」

友希那「どういうこと?」

 

 皆、かなり困惑してる

 

 話の筋がつかめていないのか

 

カリナ「おかしいと思わなかった?なんで、和田君が転校してきたか。」

つぐみ「そ、それは、一人暮らしをするためで......」

カリナ「そんな訳ないよね?それだけなら高校生でする意味ないじゃん。」

ひまり「確かに、言われてみれば......」

カリナ「ほら、和田君、教えてあげなよ。」

裕也「......」

 

 北川は俺に笑顔を向けて来た

 

 その顔はまるで、ピエロみたいだ

 

カリナ「和田君は1クラスの生徒全員を殺しかけたって!」

裕也「......」

蘭「え......?」

リサ「い、いや、嘘だよね?裕也だよ?」

裕也「......」

 

 蘭たちは俺の方を見てる

 

 早く弁明してほしいと言う気持ちが伝わってくる

 

 でも、これに関しては俺に言えることはない

 

巴「お、おい。何か言ってくれよ?」

つぐみ「そんなこと、ありえないですよね......?」

裕也「......北川の言ってることは事実だよ。」

ひまり「!?」

裕也「俺は確かに、前の学校で暴力沙汰を起こした。」

カリナ「ふふっ、あはは!」

 

 俺が話を終えると

 

 北川は高笑いを始めた

 

 完全に勝ちを確信してる

 

裕也「だが、北川の発言には1つ、嘘がある。」

カリナ「え?なにー?」

裕也「俺はまだ、全員に復讐してない。」

カリナ「!」

 

 俺は北川を睨みつけた

 

 北川は明らかに動揺した

 

裕也「まだ、主犯が残ってる。」

カリナ「ふ、ふーん。向こうでもやっとの事で見逃してもらえたのに、また罪を重ねるんだ。」

裕也「俺は別に向こうの奴らに許されたいなんて一切思ってない。俺は絶対に許さないから。」

 

 俺はそう言って、北川に歩み寄った

 

 北川は後ずさっている

 

裕也「北川も、あの学校の教師、生徒も。俺はまだ、許してなんてない。」

カリナ「っ!!」

 

 俺がすごむと北川は走って逃げていった

 

 俺は軽く息をつき、皆の顔を見た

 

裕也「......」

 

 全員、困惑してる

 

 俺の方をチラチラ見たり

 

 目があったらそらしたり

 

 俺との距離を測りかねてるのが分かる

 

リサ「ゆ、裕也。」

裕也「......どうした。」

巴「あたし達は全員、何の理由もなく裕也先輩が暴力なんて振るわないって分かってる。」

モカ「だから、説明してほしいな。」

裕也「分かった。」

ひまり、つぐみ「!」

裕也「でも、一つ。」

 

 俺は蘭に近づいた

 

 蘭は俺に目を合わせようとしない

 

 目には涙が溜まってる

 

裕也「蘭。」

蘭「お兄、ちゃん......?」

 

 蘭はおずおずと顔を挙げた

 

 蘭と目が合うと、俺は話しを始めた

 

裕也「俺は今まで、蘭のお兄ちゃんとして、蘭の事を愛し続けてた。」

蘭「う、うん......?」

裕也「これからの話を聞いて、蘭が傷つかないように言いたいことがある。」

 

 胸が痛い

 

 出来れば、もう少し待ってほしかった

 

 でも、話さなくちゃいけないならこうする方がいい

 

裕也「今日で俺と蘭の関係は終わりにしよう。」

蘭「え......?」

モカ「っ!!!」

 

 俺がそう言った後の蘭の顔は

 

 見てるだけで辛くなるほど

 

 悲しそうな表情だった

 

 

 

 

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