裕也「__おはよう、加那原。」
朝、俺は加那原の前に立ち挨拶をした
周りの生徒は驚いた顔をして俺を見てる
暦「おはようございます、和田君。」
裕也「おう。」
加那原も挨拶を返してくれた
今までみたいな暗さもなく
普通の友達みたいに自然に
俺はそのことが嬉しかった
裕也「今日の課題は終わらせてるか?」
暦「はい。もう、終わってます。」
裕也「じゃあ、俺と確認しようぜ。間違いなんてあったらマズいしな。」
暦「はい。」
俺と加那原は机の上に課題を広げた
そして、ペンを持った
裕也「__ここはその公式使った方がよさそうじゃないか?」
暦「そうかもしれないですね。」
裕也「こっちの方が正確に数値が出せるし、こっち使ってみようかな。」
A子「__ねぇ、加那原~。」
裕也「!」
暦「......はい。」
確認の途中、女子のグループが加那原に近づいて来た
それぞれの手にはノートが握られてる
B子「いつも通り、これお願いー。」
暦「この量は、流石に間に合わないです......」
c子「あ?間に合わせるの。」
D子「あたしらが留年してもいいってわけ?」
暦「そ、そういう訳じゃ......」
裕也「滑稽だなー。」
女子グループ「!」
裕也「あ、声に出てたか?それは済まなかった。」
俺は挑発するようにそう言った
女子たちは俺の方を睨みつけて来た
A子「なに?和田君。」
裕也「いやね?課題って自分でするもので、出すも出さないも自己責任じゃん?なのに、人にやらせて、挙句に私達が留年してもいいのって、滑稽だろ?」
B子「私達は友達として頼んでるんだよ?助け合うのは当然じゃん?」
裕也「じゃあ、お前らって加那原に何かするわけ?」
B子「は?なんで?」
裕也「いやだって、助け合いだろ?何か間違ったこと言ったか?」
想像以上に脳が腐ってるなー
何が助け合いだよ
裕也「あれ?お前らって今までずっと加那原に課題させてたよな?何も返してないの?」
c子「えーっと、返してるよ、ちゃんと。」
E子「そうそう!あれだよ、あれ!」
裕也「まぁ、何もしてないって分かってるけどな。」
加那原から聞いた話だと
こいつら、課題は全部、加那原に丸投げ
それで、お礼を言われるどころか
感謝しろと言われる始末だとか
裕也「強いていうなら、さらに勉強できるんだからそれでお相子だね、だよな?」
A子「は!?何で知って!?」
裕也「見たから。」
俺はA子の目を見た
困惑してるな
ばれないようにしたはずなのにって感じかな
裕也「まぁ、俺としてはこのことを教師に報告してもいいんだけどなー。」
A子「っ!?」
B子「やめてよ!」
裕也「じゃあ、自分たちでしたらいいよ。そうすれば、俺は何もしない。」
俺がそう言うと、女子たちは離れていった
俺はしてやったりという顔をした
暦「あの、良いんでしょうか......?」
裕也「いいんだよ。」
俺は軽く笑いながらそう言った
加那原は不安そうにしていた
__________________
それから1週間
俺は加那原と多く行動した
それの効果もあったのか
加那原への被害は無くなり
平和な日々が続いていた
カリナ「__ねぇ、和田君。」
裕也「......なに?」
朝、席に座ってると
北川が話しかけて来た
カリナ「最近、加那原さんと一緒にいるけど、どういう関係なの?」
裕也「友達。」
カリナ「お願いなんだけど、やめてくれないかな?」
裕也「は?なんで?」
カリナ「だって、和田君が他の女といるのがいやなんだもん......」
裕也「何言ってんだ?(何言ってんだ?)」
思ったことがそのまま口に出た
なんで、こいつは俺の交友関係に口を出すんだ
親でもそんなことしないぞ
カリナ「クラスの皆も迷惑してるよ?そこも考えて。」
裕也「迷惑って加那原に押し付けてた雑務の事だろ?」
カリナ「そう......と言えばそうだけど。」
裕也「じゃあ、それはお前らがかけてた迷惑が帰ってきてるだけだ。お前らが悪い。」
カリナ「......っ!」
俺がそう言うと
北川の目がカッと開いた
カリナ「何よ!私はクラスになじめない加那原さんを仲間に入れてあげただけじゃない!」
裕也「仲間?召使の間違いじゃないの?」
カリナ「そもそも、なんで和田君が加那原さんの味方するのよ!?私の事はフッたくせに!」
裕也「そんなの、俺の自由だろ。」
カリナ「なんでよ!?私の方がずっと可愛いのに!」
裕也「あーはいはい。そうですか。」
自信過剰すぎるだろ
こいつの可愛いの定義ってなんなんだろ
裕也「話はそれだけか?だったらさっさと仲間の所にでもいたら?俺は何言われても無駄だし。」
カリナ「なんで、なんでよ......」
A男「お、おい、裕也。」
裕也「なんだ。」
A男「何も、そんな風に対応しなくてもいいんじゃないか?北川だって悪気があるわけじゃ......」
裕也「悪気がない、ね。」
悪気しかないくせに
こういう時は被害者かよ
マジで、こいつら嫌いだ
裕也「まぁ、ともかく。加那原は俺の友達だ。これからもな。」
カリナ「......そう。」
北川は俺から離れていった
俺は加那原の所に行き
いつも通りの時間を過ごした
__________________
放課後になった
俺は加那原と帰ろうと声をかけて
教室を出た
教師「__おい、和田ー。」
裕也「はい?」
教師「少し頼み事があるんだが、ついて来てくれないか?」
裕也「はい。悪い加那原、行ってくる。」
暦「はい、和田君。」
そう言って、俺は加那原と別れ
教師について行った
?「今だ。」
暦「__っ!!」
__________________
俺は教師の後ろについて歩いている
すると、教師は口を開いた
教師「前の件について、話を聞きたい。」
裕也「!」
教師「さっきは加那原の手前、話を出せなかった。」
裕也「なるほど。」
一応、教師に話してみたけど
こんなに早く動きがあるなんて
助かるな
教師「ここだ。」
裕也「はい。早く話をしましょう。」
俺はそう言って教室の中に入った
教師「......」
裕也「先生?」
俺が教室に入り
振り向いた瞬間、教師は扉を閉めた
裕也「なっ!」
俺は扉に駆け寄り
激しくたたいた
裕也「何で閉めるんですか!?」
教師「北川の命令だ。」
裕也「北川だって!?」
扉は何か外から塞がれてて開けられない
俺は扉を叩いた
裕也「まさかあんた、北川に加担してるのか!!」
教師「仕方ないだろ。俺だって自分が可愛いんだよ。」
裕也「くっ!」
市議会議員の娘ってのがここで作用してきやがった
これは開けろと言っても聞いてくれそうにない
裕也(しかも、このタイミングで俺を閉じ込めるって事は、加那原が!)
俺は周りを見た
どうにかして、ここから出ないと
俺は呼吸を整え、大きく飛んだ
裕也(教師振り切るぞ。)
俺は扉の上の隙間にぶら下がり
上についてる窓を開けた
裕也(来た!)
俺は窓によじ登り
廊下側に飛び移った
教師「なに!?」
裕也(急げ!)
俺は加那原を探すために
廊下を走り出した
裕也(どこだ、どこにいる、加那原!)
__________________
加那原を探し、走り続けてると
どこからか笑い声が聞こえた
その声は全部知ってる、クラスのだ
俺は物陰に身を隠した
B男「__いやー、すっきりしたー!」
c男「おいおい、そういう事言うなよー。」
A男「そうだぞ。」
カリナ「ありがとうねー!皆ー!」
E子「あの泣き顔、最高だったねー!」
裕也(何のことを言ってるんだ?)
教師に連れられてから20分ほど
その間に何があった
そう考えてるうちにクラスメイトが通り過ぎていった
裕也(ともかく、行かないと。)
俺は全員が来た方へ急いだ
__________________
少し行くと、一つの教室があった
滅多に使われない教室だ
でも、かぎが開けられてる
俺はその教室に入った
裕也「__!」
暦「......和田、君......」
裕也「!」
教室の真ん中では加那原が倒れている
衣服がかなり乱れてて下着まで見えてる
そして、何か、変なにおいが......
裕也「加那原!大丈夫か!」
暦「和田、君......」
裕也「っ!!」
加那原は泣きながら
俺に力なく抱き着いてきた
裕也「何が、ここで......?」
暦「私、私......」
かなり震えてる
何となく、想像はついてる
でも、そんな、犯罪行為だぞ
裕也「あいつらに何された?」
暦「......」
加那原は言いづらいのか口をつぐんでる
俺はその様子を見て、怒りに狂いそうだ
あいつら......!
裕也「ごめん、俺が離れたばっかりに......!」
暦「なんで、和田君はそんなに悔しそうなんですか......?」
裕也「っ!」
加那原は静かな声でそう言った
そして、続けてこう言った
暦「私は、もう綺麗じゃないんです......」
裕也「......」
暦「私の純潔はさっき、ここで奪われました。」
俺はそれを聞いて、さらに激しく心臓が動いた
あいつら、マジでそんな事をしてたのか
逆に、頭が真っ白になった
裕也「あいつら......!!」
暦「こんな時に言いたくないんですが......」
裕也「なんだ?」
暦「私は、和田君が好きです。」
裕也「え?」
加那原は突然、そう言い放った
俺は驚きで目を見開いた
暦「この2週間、一緒にいて、楽しくて。私の事も応援してくれて、気付いたら好きになっていました。」
裕也「加那原__」
暦「暦と、名前で呼んでください。」
裕也「暦......」
俺がそう呼ぶと
暦は嬉しそうに笑みを浮かべた
暦「和田君......」
裕也「なんだ?
暦「和田君は、こんな汚れた私でも、受け入れてくれますか......?」
裕也「__!!」
俺は今まで、暦は友達と思って接してきた
俺は激しく困惑した
どう答えるべきなんだ、これは......
裕也「俺は......」
同情だけで付き合って、暦は幸せなのか?
俺は暦をどう思ってるんだ?
暦は自分の夢を追いかけてて尊敬してる
でも、これは好きとつながるのか?
裕也「......答えられない。」
暦「......っ。」
裕也「少し、考えさせてくれ......」
暦「......はい。」
俺がそう答えてから
暦の服装を直し、その日は家まで送って行った
その間、暦はずっと、暗い顔をしてた
今思えば、
俺はこの時に気付かないといけなかったんだ