蘭とお兄ちゃん   作:火の車

5 / 39
つぐみメインです!


つぐみの問題

裕也「へ...?彼女?」

つぐみ「あ、す、すみません!言葉が足りてませんでした!」

裕也「?どういう事?」

つぐみ「実は最近、困ったことがあって...」

裕也「困ったこと?」

つぐみ「はい...」

 

 つぐみは肩を落としている。

 

つぐみ「実は最近、店に困ったお客さんが来てて...」

裕也「困った客?」

つぐみ「はい。私がシフトの時に必ず来て、いっつも触ろうとしてきたり、彼氏いるか聞かれたり。」

裕也「迷惑だな。」

つぐみ「はい。」

裕也「つまり、彼氏役がいればそいつも諦めるかもって事か。」

つぐみ「はい...。迷惑ですよね...」

裕也「んー、別にいいぞー」

つぐみ「え?いいんですか?」

裕也「つぐみも妹みたいなもんだからなー。

困ってるなら助けるよ。」

つぐみ「先輩...ありがとうございます!」

裕也「でも、彼氏じゃなくて__でもいいか?」

つぐみ「えぇ!?は、はい!」

 

 俺たちは羽沢珈琲店に向かった。

________________________

 

つぐみ「__あ、あの人です。」

 

 店の窓から見えるのは、丸々太った眼鏡の男だった。

 

裕也「...わー、ひっどい。」

つぐみ「先輩?」

裕也「いや、なんでもない。じゃ、作戦開始だ。」

つぐみ「作戦?そんものがあるんですか?」

裕也「いーや?今考えた。」

つぐみ「今?」

裕也「まー、つぐみ、耳貸してみ。」

つぐみ「?はい。」

裕也「えっとなー」

 

 俺はつぐみに耳打ちした。

 

つぐみ「えぇ!?///」

裕也「このくらいすれば、ダメージありそうだろ?」

つぐみ「うぅ...はい///」

裕也「じゃあ、おいで、つぐみ。」

つぐみ「///」

 

 つぐみは俺の腕に抱き着いた。

 

裕也「よし、行こうか!」

 

 俺たちは店に入った。

________________________

 

裕也「こんにちはー!」

つぐみ「た、ただいま!」

つぐみ母「おかえりー!つぐみ...って、どうしたのその子!?」

裕也「覚えてない?裕也だよー」

つぐみ母「え?裕也君?」

裕也「うん、ただいま、つぐみのお母さん!」

つぐみ母「まぁ!こんなに大きくなって!あなたー!」

つぐみ父「どうした?...って、つぐみ!?」

つぐみ「た、ただいま、お父さん。」

つぐみ父「母さん、つぐみが彼氏を連れてきてるぞ...?」

つぐみ母「この子、裕也君だよ!」

つぐみ父「裕也君だって!?」

裕也「そうだよー。」

つぐみ父「そう言えば面影がというか、ほぼ顔は変わってない...」

裕也「まぁ、皆は分かってるから。」

つぐみ父「それにしても、大きくなったなー!

もう追い抜かれたよ!」

つぐみ母「そうねぇ!こんなにかっこよくなって!」

裕也「ははっ、ありがと!」

つぐみ母「それで、今日はどうしたの?

つぐみとの結婚の報告かしら?」

つぐみ「お母さん!?///」

裕也「うーん、俺としては別にそれでもよかったんだけどね。」

つぐみ「ふぇ!?///」

裕也「...でも、今日はつぐみを助けに来たんだよ。」

つぐみ父「!そうか、つぐみに聞いて...」

裕也「うん、だから。俺に任せておいて。」

 

 俺はそう言って問題の男の方に行った。

 

裕也「__ねぇ、君。」

男「な、何かな?」

裕也「よければ、俺と相席しないかな?」

 

 俺は向かいの席に座った。

 

男「ちょ!勝手に__」

裕也「つぐみー!ちゅーもんー!」

つぐみ「は、はい!」

男「!」

 

 つぐみがこっちに来た。

 

男「つぐみちゃん、こんにちは!」

つぐみ「はい、こんにちは...」

男「今日も可愛いね!」

つぐみ「あ、ありがとうございます...」

裕也「あ、注文してもいい?」

つぐみ「!はい!」

裕也「そうだなー、じゃあ、俺はこれとこれ。

あ、君も何か頼む?」

男「じゃあ、コーヒーのおかわりをもらおうかな。」

つぐみ「かしこまりました。少々お待ちください。」

 

 つぐみは注文を通しに行った。

 

つぐみ「(どうするつもりなんだろ...先輩...)」

 

 つぐみの不安は募る。

 

裕也「ねぇ、君。」

男「なんだい?」

裕也「つぐみは可愛いかい?」

男「当り前さ!可愛くないわけないだろう!」

裕也「食い気味だなー」

男「将来の彼女だからな!」

裕也「(うわー、引くわー)」

男「君こそ、つぐみちゃんとどんな関係なんだ?

さっきは、かなーり親しそうにしてたが。」

裕也「関係?言う必要ある?」

男「...ないな。つぐみちゃんは僕のものだからね!」

裕也「(つぐみ、可愛そうだなー。)」

つぐみ「お、お待たせしました、ご注文の商品です。」

裕也「来た来たーありがとー」

男「ありがとう、つぐみちゃん。」

 

 つぐみは商品を置いた。

 

男「ねぇ、つぐみちゃん。いつになったら僕の気持ちに答えてくれるんだい?」

つぐみ「え?あの...」

男「さっきはこの男と親しそうにしてたけど、浮気は良くないよ」

裕也「(浮気って、俺は浮気男扱いですか、そうですか。)」

男「そろそろ、僕の彼女に__」

裕也「なるわけないよ。残念ながら。」

男「!?」

 

 会話に割り込んでみた。

 

裕也「さっきから、つぐみに手を伸ばし過ぎだよ、君。」

男「な、なんだお前は!僕はつぐみちゃんと...」

裕也「もう少し、つぐみの顔見て話したらー?

すっごい嫌そうな顔してるから。」

男「な!?」

 

 男はつぐみの顔を見た。

 

裕也「...分かったでしょ?見たものが答えだよ。」

男「い、いや、まだこれから...」

裕也「(めげないなー。もう少し真っ当な行動してればよかったのに...。まぁ、仕方ないかー)」

 

 俺はつぐみに近づいた。

 

つぐみ「せ、先輩...?」

裕也「...まぁ、これで終わるかもねー」

 

 周りの状況を確認した。

 

裕也「(うーん、あ!知ってる人いっぱいいるじゃん!ラッキー!)」

男「おい!つぐみちゃんから離れろ!」

 

 そう言って男はつぐみの手を掴もうとした。

 

裕也「はーい、ストーップ。それは容認しかねまーす。」

男「!?」

 

 俺は男の手を遮った。

 

裕也「つぐみは俺の婚約者だよー」

男「な、何だって!!??」

つぐみ「!!??」

周りの人「えー!!??」

 

 すごい反応だ。

 

裕也「君、つぐみに彼氏いるか聞いたことあるでしょ?」

男「そ、そうだ!あの時はいないって...」

裕也「そう、彼氏はいないよね?

でも、婚約者がいた。」

男「!そ、そんな...」

 

 その時、誰かが店に入ってきてた。

 俺たちはそれに気づいてなかった。

 

裕也「...つまり、君がつぐみに手を出そうとするのは、気分が悪いんだよ。ね?」

男「...」

裕也「約束しないかい?もう二度とつぐみに近寄らないって。」

男「こんな...こんなのは認められない!!」

裕也「!!」

 

 男は俺につかみかかってきた。

 

裕也「__おー危ない危ない。」

男「お前さえ!お前さえいなければ!!!」

裕也「いやー、俺がいなくても君はないと思うけどなー?」

 

 俺はまたつぐみの方に行った。

 そして、手を取った。

 

裕也「宣言しまーす!俺はつぐみと結婚するよ!」

つぐみ「!///」

男「ま、待て!__」

つぐみ父「いい加減にしろ!」

男「!」

つぐみ父「いつもいつも、つぐみに迷惑をかけて、もう二度と店に来るな!!!」

つぐみ「お父さん...」

裕也「(相変わらず、怒ると怖いな。)」

男「...」

 

 男は魂が抜けたように店を出ていった。

 

裕也「まぁ、傷ついた分はコーヒー代ってことで。

コーヒーは奢りな。」

蘭「__お兄ちゃん...?」

裕也「!蘭!来てたのかー、気付かなかった!」

つぐみ「」

蘭「うん。そんな事はいいの。」

裕也「?どうしたんだ?」

蘭「さっきの、どういう事...?」

裕也「さっきの?」

蘭「...つぐみと結婚。」

裕也「あー、あれは、あの男を諦めさせるためだけど?どうした?」

つぐみ「そ、そうだよ、蘭ちゃん!」

蘭「...ふーん。」

裕也「(なんで蘭は拗ねてるんだ?)あ、蘭!」

蘭「...何?」

裕也「これから夕飯なんだけど、家来るか?」

蘭「!お兄ちゃんの家?」

裕也「そうそう!一人だと寂しくてなー」

蘭「じゃあ、行ってあげるよ。早く行こ。」

裕也「おー、ノリノリだな。じゃ、お会計だな。」

つぐみ「あ!私がします!」

つぐみ父「いや、お金はいいよ。」

裕也「え?」

つぐみ父「つぐみを助けてくれたお礼だよ、気にすることはないよ。」

裕也「うーん、じゃあ、今回は甘えておくよ!」

つぐみ父「あぁ、そうしてくれ。」

つぐみ母「そうそう!どうせ、お父さんの晩酌が減るだけだから!気にしなくてもいいよ!」

つぐみ父「ちょ、お母さん...

裕也、つぐみ「あはは...」

つぐみ父「あー後。」

裕也「?」

つぐみ父「裕也君に本当につぐみを任せられるなら安心なんだがね。」

つぐみ「お父さん!///」

裕也「うーん、前向きに検討しましょう。」

つぐみ「裕也先輩!?///」

裕也「ははは!顔真っ赤だぞー!」

つぐみ「も、もう!///」

裕也「まぁ、また来るよー!」

つぐみ「はい!ありがとうございました!」

 

 俺たちは店を出た。

 

つぐみ「(...結婚かー。確かに私も出来るなら...///)」

つぐみ父、母「(ニヤニヤ)」

つぐみ「...ありがと、お兄ちゃん...///」

 

 フラグ、成立。

________________________

 

裕也「__蘭ー?」

蘭「ふんっ。」

裕也「なんでそんなに拗ねてるんだー?」

蘭「別に、拗ねてないし...」

 

 さっきから蘭はへそを曲げっぱなしだ。

 

蘭「...やっぱり、お兄ちゃんもつぐみみたいな子が好きなの...?」

裕也「ん?なんで?」

蘭「だって、つぐみのお父さんに前向きにって...」

裕也「まぁ、つぐみの事は好きだぞ?」

蘭「っ...!」

裕也「でも、他の皆も同じくらい好きだし。

つぐみが特別かと言われるとなー」

蘭「!」

裕也「まぁ、俺はつぐみもだが蘭も好きだぞー」

蘭「そう、ありがと。(今は、これでもいいかな。)」

裕也「早く帰ろー。あ、蘭が好きなビター系なお菓子もあるぞー」

蘭「うん!早く帰ろ、お兄ちゃん!」

 

 俺たちは家に向かって歩いて行った。

 

 

 




感想などお願いします!

つぐみの話を書くのは多分初でしたよね?
中々楽しかったです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。