「ようやく手に入れたよ桂花ちゃん!!」
「やめ……て…それは……」
赤い宝石が桂花の手から奪われる。
世界がひび割れる、時間の能力者はたった一人の少女に敗れ去った。
不気味な笑みを浮かべる少女は手に持つ鎌を桂花の首筋に当て骸の山に腰掛ける。
「デウスも桂花ちゃんが食べたいってさぁ」
「シュミガワリィナ、
ケタケタと音を立てて笑う鎌から伸びる影は大きく、それこそ化け物のような姿をしている。
「貴方は私の式神なんだから従ってよぉ」
「イヤダネ、シュミガワリィ」
ようやく終わりが見えた、長きに渡って続いてきた能力者の時代が終わる。
世界に蔓延る「時計神」の呪いはようやく終わり人の時代が始まる。
「クロノス」はようやく終わり、力を持たない人間が世界を作っていく。
ここは【創造星アドミグレリーア】
数多の神々の干渉を受け、そして全てから隔絶された惑星。
神々の支配が終わる、別次元との融合を果たす時が来た。
今までの歴史が崩れて、混ざって終わり行く。
世界はリセットされる。
創星の龍は一人泣きました。
神と言う友達が死んだから泣きました。
彼の涙は大いなる海を作りました。
創星の龍は叫びました。
神と言う友達を殺した民に叫びました。
彼の叫びは大地を裂き山が出来ました。
創星の龍は眠りにつきました。
誰もいない場所にいるのはもう嫌だったのです。
彼はこの銀河そのものになりました。
僕らが彼を見ている時、彼も僕らを見ているのでしょう。
それから何千、何万、何億、何兆と言う時が経ち時は今へと続いていく。
神々のお話は御伽噺として世界に残り、能力者は伝説の物となり人間は今と言う時を過ごしているのです。
創星神話 12章第3篇 世界の創世
「今日はここでお終い。難しい絵本だけど楽しかったかしら?」
「うん、すごく面白かったよ」
「……姉さん、これって本当のお話なの?」
「さぁね、もう誰も知らない大昔のお話よ。もしかしたら本当にあるのかも知れないしないのかもしれない。」
「もしあるのなら僕も能力が使いたいよ姉さん!!」
「皆が使える魔法だって能力よ?貴方もすぐに使えるようになるわ」
「じゃあ僕練習して誰よりも強くなるよ!それでこのお話に出てきた人みたいになる!」
「それは良いわね。貴方ならきっと出来る筈よ、だって姉さんの弟なんですもの」
「姉さん超強いもんね、父さんも母さんも敵わないって言ってたよ?」
「どこで聞いたのよ…」
「父さんが言ってたよ?」
「あぁ…さぁ早く寝なさいエイド、明日は早いわよ」
「なんで?」
「明日からは魔法の練習。強くなりたいんでしょ?早く寝ないと強くなれないわよ?」
「それは嫌だよぉ!………お休み姉さん」
「お休みなさい…エイド」
感想くれたらやる気出すかも、わからないけど