開戦数分前、Fクラスの出入口にて。
「さて、もうすぐDクラスとの試召戦争が始まる訳だが、やる気は十分か?」
『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
いよいよ始まる、Dクラス戦を前にクラスの士気は最高潮だと言わんばかりの雄叫びが聞こえる…行ける、行けるな、今回の戦争は。
「今回の戦争は新校舎と旧校舎を結ぶ渡り廊下の占拠が重要となる。だが俺達は最底辺のFクラス、タイマンに持ち込まれては勝ち目が薄い。故になるべく多くの人数を掛けて押し切るんだ。そこでまず前線部隊は14人ずつの2部隊、加えてスイッチを総指揮官とする。スイッチの攪乱戦術で相手方の出足を挫き、其処を叩くんだ」
[了解だボッスン、俺の腕前を見せてやる]
「良い返事だ。それとは別に、シュウを指揮官とした別働隊も編成する。メンバーはシュウを含めて8人、1階から迂回して敵の横っ腹を叩いてくれ」
「よし、任せろボッスン!」
「情報部隊は6人、須川を指揮官とする。各自散開し、報告と連絡を怠るな」
「任せて貰おうか坂本氏」
「俺と翔子、それと近衛部隊の5人は此処で待機、情報部隊等との連絡に当たり、俺の指示を待て。あ、翔子は補充試験をずっと受けていてくれ、良いな」
「…わかった、佑助」
「それじゃあ皆、心して掛かれよ!」
『イエッサ―!』
作戦会議は完了し、そして、
キーンコーンカーンコーン
戦争の火ぶたが切られた。
「行けお前ら、目指すはAクラスのシステムデスクだ!」
『うぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
俺の指示と共に飛び出していくクラスメート達、こうして俺達の打倒Aクラスを目標とした戦いは、本格的に幕を開けた。
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「布施先生、Dクラス
「承認します!」
[Fクラスの土屋康太が応じます]
『援護するぞスイッチ!』
『内野に加勢しろ!』
Fクラス
土屋康太 41点
他14名 平均74点
VS
Dクラス
内野孝行 145点
他13名 平均132点
…ちっ流石に苦手分野ではこの辺か、俺の技量を以てしても持つかどうか…
しかし今回はあくまでクラスの50人を総動員した『戦争』、俺1人じゃあない。
そう思い立ち、俺の召喚獣…紺色の改造学ラン、銃剣付きの二丁拳銃を装備している…を突っ込ませる。
[さあ行くぞ、お前ら]
『おっしゃぁぁぁぁ!』
『底辺が舐めるなぁ!』
そして、双方の召喚獣が激突、
パパパパパパパパァン!
…する前に小さく鳴る破裂音と、
バタバタぁ!
「な、何だよこれ!?」
「何で急に倒れたんだ!?」
「何か踏んづけたのか!?」
いきなり将棋倒しになるDクラス側の召喚獣達…
[今だ、相手を突き飛ばして四散させろ]
「行くぜDクラス共ォ!」
「底辺だからって舐めんじゃねぇぞぉ!」
対する俺達Fクラスは全く問題無し、その為難なくDクラスの前線を崩し、多対1の状況に持ち込めた…無論、俺がしでかした事である。
俺の銃撃によって相手の、今まさに踏み込もうとする軸足の足首を狙い撃ちし、それによって相手を転倒、その後方をも巻き込んで将棋倒しにさせたというのが真相だ…俺の保健体育の知識が此処で活かされるとはな。
今の俺の点数で銃撃してもダメージは無いに近い、だがそれでもこうして効果的な部分を狙い撃ちすれば行動を制限するのも出来る、そして動けない相手への攻撃は味方に任せ、俺は再び妨害に移る…何も俺が倒さずとも良い、倒す手助けをすれば良いんだ。
「っ!土屋の仕業だ!アイツが何かしたからだ!アイツを止めろ!」
『了解!』
相手もやられてばかりじゃあ無い、仲間の攻撃にさらされていないDクラスの面子が、その1人である内野の指示で俺に迫るが、
パァンパァンパァン!
バタン!
「なっ!?またかよ!」
[隙ありだ]
「くっ!」
更なる銃撃でまたも転倒、それに気を取られている隙を突き、俺と内野のタイマンに持ち込む。
「最底辺の分際で!」
[そこだ]
ガシィッ!
ドゴォォォォォン!
内野孝行 75点
「なっ速い!?」
跳びかかる内野の召喚獣を跳び箱の様に飛び越えつつ、相手の首根っこを両膝でクラッチ、バック宙の要領で頭から叩き付ける…リバースフランケンシュタイナーと呼ばれるプロレス技だ。
更に、
グイッ!
ガシィ!
ドガァァァァン!
内野孝行 DEAD
うつ伏せになった召喚獣の頭を両膝でクラッチしたまま胴体を手で掴み、身体を反転させつつ跳ね上げ、ジャンプしつつ叩き付ける…ジャンピングパワーボムと呼ばれるプロレス技だ…決まったな。
「戦死者は補習ゥ!」
『ぎゃぁぁぁぁぁ!』
戦死を知らせる表示と共に現れた鉄人によって連れ去られる内野を始めとした数人…む、Fクラスの顔もいるだと…!
[お前達、点数は大丈夫か?]
「すまねぇスイッチ!大分削られちまった!」
[構わない、状況は不利だがDクラス相手に御の字という奴だ。後ろの部隊にチェンジして、補充して来い]
「分かった、頼むぜ!」
「くそ、内野がやられた!此処は退却「逃がさねぇぜゴルァ!」なっ、別働隊だと!?」
シュウの声…別働隊か、助かった!
「スイッチ、援護するぜ!
[頼むぞ、シュウ]
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「ボッスン、戻って来た前線部隊の連中の話だと、スイッチの部隊とシュウの別働隊が、相手の前線部隊を挟み撃ちにしたらしい」
「そうか、被害は大きけれど、こっちが押している感じだな」
スイッチやシュウがいると言えど、地力で押されると思っていただけに思わぬ収穫だ。
相手はまさかFクラス相手に押されるとは思っていなかっただろう、焦っている筈。
動くとしたら、今…だな。
「坂本氏!Dクラス代表の平賀氏が動いた!どうやら反転攻勢に出る腹積もりの様だ」
「そうか、分かった!よし、お前ら出るぞ!」
『了解!』
来た来た…ステルス爆撃と行きますか!
「大丈夫か!点数を削られた奴は戻って補充を、後は合流して強行突破だ!此処が、此処が大事な大事なジャンピングチャンスだ!」
『了解!』
お、いたいた…って、Dクラスの代表あいつかよ…
Dクラス代表らしき、指示を出している男子、
クイズ研究部部長にして、さすらいのクイズマン(自称)『フラガ』という顔が。
文月学園の団体という団体にクイズ対決を吹っ掛け、敗北したら何か私物を没収するというはた迷惑な奴で、俺達スケット団も同様に吹っ掛けられた…まあ、あいつら曰く初黒星をつけてやったがな!
ただ没収する私物は全て持ち物検査で没収されそうな物でしかもその後鉄人に預けているとの事から「一種の抜き打ち試験」として、教師陣は問題視こそしても処分が無いと言う状態である…おいおい…
「お前らは此処で待機していろ。一緒にいると怪しまれるからな」
『分かった』
さて…爆撃開始だ!
「む、お前はスケット団のボッスン?何故此処にいる?」
どうやら俺がFクラス代表だと気づいてない様だな…行くか!
「Fクラス代表坂本佑助、Dクラス代表平賀源二に英語R勝負を挑む!」
「…へ?」
「承認します!」
「
「あ、さ、
英語R
Fクラス
坂本佑助 100点
VS
Dクラス
平賀源二 139点
「え、え!?」
「さようなら…クイズマン」
ドズドズゥ!
平賀源二 DEAD
2年生の記念すべき最初の試験召喚戦争となった、FクラスvsDクラス戦は、こうして呆気なく終わった。
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「まさか…ボッスンがFクラス代表だったとは…まさに大誤算だ…!」
「悪いな、これも戦略って奴さ」
俺がフラガに奇襲し勝利、その知らせにFクラスの連中からは勝どきが、Dクラスの連中からは悲鳴が上がる中、戦後交渉が始まった。
「ルールに従って設備は明け渡す。だがもう遅くなったし、交換は明日でも良いか?」
「いや、設備交換はしない」
俺の提案に騒然とする周囲…まあ普通はそうなるが、な。
「落ち着けお前ら、俺達の最終目標はAクラスだ。此処で安住する訳には行かない。まあ…タダで、とは言わねぇがな」
「設備がこのままなのは有難いが、何だ…………………その条件とは!?」
…何なんだその無駄に長い溜めは、語尾の強調は?
まあいい、乗ってくれたのは有難いな…尤も、あの最底辺の設備に放り込まれてクラスメートに恨まれるよりは余程マシという奴だろうが。
「俺達は明日、Bクラスに宣戦布告する。そこで、Bクラスの情報収集を行って欲しい。戦前は勿論、戦時中も四六時中な。それで設備交換はチャラにするぜ」
「分かった。Aクラスに勝てる事を祈っているぞ」
「おいおい、どうせ俺達がAクラスに勝てると思ってないだろ?お前の言葉を借りて言うなら、逆転はほぼ不可能、希望が潰える瞬間が迫って来る…!って奴だぜ?」
「それはどうかな?ボッスンもそうだが恐らくキリエもいるだろう?おまけにスイッチにシュウ、そして他はバカだが、それ故に統率の取れた50人…言い返させて貰うが、状況は不利もまだまだ逆転圏内、盛り返すタイミングは今だ!って所かな」
「はは、期待に答えさせて貰うぜ」
フラガと今後の健闘を誓い合い戦後交渉は終結、解散となった…