元野球人
[空振り三振!!!]
[春の甲子園大会その栄光に輝いたのは周知院学園]
ウォォォォォォォォォ
と叫ぶ妹の声が部屋中に響き渡る
[うるさいなぁ、こっちは勉強してんの叫ぶなら外に行って)
少年が忌ま忌ましそうに言った
彼の名前は能見 晋太郎《のうみ しんたろう》
元ピッチャーだ
[兄貴はいちいちうるさいなぁいいじゃん別に]
[俺は良くないの、というか俺が野球嫌いなの知っててやってんだろ]
[さぁ?どうでしょう]
そしてさっきから手を焼かせてんのが能見 千春 《のうみ ちはる》妹だいつもこうして口論している
[観ていいからせめて俺のいないところで、観てよ!]少しキツめに言っても
[そんなん人の自由じゃん、いちいち細かいこと言うから彼女もできないで童貞なんだぞ☆]
ピキピキきたがここはグッと我慢した
[ていうか兄貴ってなんで野球いきなりやめたの?]
[唐突過ぎないか、ていうかなんでそんな事知りたいの?]
[だって怪我とかじゃないし、それどころか中学の時全国だって出てたし、なんでかなーって]
[なんでかって、うーんまぁ野球に対する情熱がなくなっちまったってだけだ]
正直自分でもわからない敢えて言うのならば中学時代の全国決勝のあの試合かな、あまり思い出したくない記憶がフラッシュバックしてる、9回裏四球でランナー一塁三塁一発出ればサヨナラ抑えれば優勝大事な場面だった、俺は前の試合で完投したから抑えで起用されていたでも俺には絶対抑えきる自信があった
[佐藤が残したランナーとはいえ俺が抑えからねーとエースじゃねぇ]
監督からも仲間達からもこいつなら抑えてくれるという絶対的信頼があった
けど一瞬にして信頼は音を立てて崩れた
[初球は内側いっぱいのストレートだぁぁ]
完璧なコースだった絶対打たれない自信があったしかし現実は無情だった、俺はその初球を見事に持っていかれサヨナラホームランを浴びた
[はは、まさに一球に泣くだな]
そのあとも散々だったチームからも責められ監督からも幻滅された、今まで俺がどれだけチームのために頑張ってきたが、そしてその事が原因で俺は大好きだった野球が大嫌いになった、
[チッ、何思い出してんだか、まぁいい取り敢えず俺バイト行ってくるから夜飯は作っといたから自分で食ってろ]
[了解♪]何か企んでる顔だ一様釘は刺しておこう
[あと勝手に俺の部屋入って勝手に金持って行って食いもん買うなよ]
[チッ、バレたか]と小声で言うが全部丸聞こえだ
[取り敢えず行ってくるわ]
[行ってら〜]
こっからは天国だぁ俺はあの人の顔を見るだけで幸せとルンルン気分でバイト先の飲食店に行く
[こんにちはー早坂さん]
[こんにちは能見さん]と落ち着いた声で返してくれた
このすんばらしく可愛く大人の雰囲気を醸し出してる女性が〈早坂愛ちゃん〉だ俺と同学年で同じクラスではギャルっぽいがなんかこっちではクールビューティなんだよなぁギャップあって可愛んだよなぁでも
[能見さん私いつ貴方にドライブスルーやれって言ったかしら?]
[あれ言ってませんでしたっけ☆♪]
[は?]
マジトーンのは?がきたヤバイヤバイなんとかしてやり過ごさなければ
[やだなぁそんな怒ると顔が老化しますよ笑笑]
これでやり過ごせるはずだ
[.....能見さん次こんな事したらどうなるかわかってますよね?]かなーりドスの効いた声で言われた、普通の人間なら謝るところだがこの男重度のドMなのである罵倒もご褒美なのだ
[もっと言ってください出来れば蹴りながら]
心の声が漏れてしまった、そして早坂はキモと捨て台詞を吐いて現場に行った
その日は一切早坂が喋りかけてこなかった
本日の勝敗 能見が早坂に割と真面目に引かれたため敗北
こんな駄文を読んでくれてありがとナス今後も上げていくのでよろしくお願いします
能見 晋太郎 身長183センチ 体重68キロ 高校2年
恵まれたスタミナと143キロ越えのストレートを持った速球派サウスポーしかしコントロールが悪く甘く入るケースが多い
変化球 ストレート ツーシーム フォーク カットボール スライダー カーブが武器キレは一級品だかコントロールがまだまだ
性格 、いつもめんどくさそーにしているが基本的優しく仲間想いそしてやる時はやる男だか、過去にあることが起きてその事を思い出したり、他人に拒絶されたりすると深く傷つく
趣味 子供の面倒を見たり 子供と遊んだりすること