初めての京太郎視点!
初めての麻雀描写!
ではどうぞ!
※作中に出てくるmは萬子、sは索子、pは筒子です。ご了承下さい
ー京太郎sideー
東場 0本場 親 宮永咲 ドラ 2m
京太郎(西家)手牌
13m345p456s白白撥中中 ツモ9m
こうして半強制的に三麻が始まってしまった。
まあ、いつも通りに勝てば、咲も見逃してくれるだろう。
出だしの手牌としては上々だ。
9萬を捨てて2萬を待って、その後に撥て立直をかけるも良し、萬子を捨てて、大三元を狙うも良しだ。
まだ現在親番の咲が最初の牌を河に捨てる。9pだ。
どちにせよ、咲の狙いは完全に理解できる。嶺上開花で和了することだろう。
そのためにはカン素材を集める必要がある。つまる所、必然的に手が遅くなってしまうのだ。
部長は全く想像出来ない。
そもそも知ってる筈がない。インターハイで優勝してたとしても俺は知らん。
まあ、知るつもりもないが。
まあ、ここはこれで。
俺は右手で9萬を空の河に放り投げた。
そうして場は6巡程進んで、俺の手牌はこのような変化を遂げた。
3m345p456s白白白撥中中 ツモ中
3萬を捨てて撥で和了ると、小三元に役牌二つ、立直が付いて5役、ツモだと6役になる。
逆に撥を捨てて、3萬を狙うとすると、役牌二つに立直一つ、ツモでも50符4役の満貫だ。
河にはまだ撥も3萬も見えていない。
まあ、まだ東一局だ。
高い点を狙う必要性もないし、当たりそうな方で行こう。
「立直。」
俺は撥を手に取り、河に曲げて捨てた。
そして、次に咲が6索を捨てる。これから見るに、もう咲は手牌が揃って後はカン待ちなのだろう。
何時もよりは早いと思いつつ、次に部長の方を見る。
部長は北を抜いた後に東を場に出す。
部長の河はまだヤオチュウ牌のみ、揃ってる可能性はかなり低い。
ただ気になるのは、萬子と筒子の1・9牌は捨てられているのに索子だけは捨てられてないのだ。
まだ断定は出来ないが、清一色の可能性は十分にあると言っていい。
俺は山から新しい牌を手に取る。
その瞬間感じる、手に馴染む感覚。
部長の手などこの局では関係無いな。
それしても久しぶりだな、この感覚。
きっとこれがそうだ、俺の牌だ。
俺は牌を確認することなく卓の角に打ち付ける。
「ツモ。立直、一発、ツモ、役牌、ドラ2に裏ドラは、と」
俺は裏ドラをめくる。
めくった結果は、8萬だった。
「残念、乗ってないから7役で跳満、4500:7500。」
3年ぶりの麻雀での和了がまた跳満って……。
俺は跳満に愛されてるのか?
取り敢えず二人から点棒を受け取る。
これで点数は、
俺 47000
咲 27500
部長 30500
となる。
一歩リード出来たのはかなり良い感じだ。
東場 二局0本場 親 竹井久 ドラ 北
京太郎(南家)手牌
367m28s15679p南南北
この手なら自風牌で無理矢理役を付けるか、メンタンピンを立直かけて和了するかのどちらかがセオリーである。
ただ、メンタンピンを狙うには南二枚を切らなければいけない。これはかなり大きい。
もし欲しい牌が来なかった時に、この南で鳴きを入れる事で役を付けれるというのはかなり大きなメリットだ。
部長の一手目は西。
唯一読み取れるのは、まだ手牌は完成してないということだ。
…いや、完成してたら天和か。
あまりにも長く麻雀から離れてたから、イマイチ感覚が掴めないな。
まあ、これが本当に人生最後の麻雀になるとも思うし、別に感覚取り戻す必要は無いか。
それに、本気でやる必要も無いしな。
367m28s15679p南南北 ツモ 南
余計メンタンピンが狙いにくくなった。というかもう役牌をメインで鳴いて和了すればいいか。
そう思い、取り敢えず北を抜く。
「北抜き。」
そう掛け声を入れて、山から一枚手牌に加える。
367m28s15679p南南南 ツモ6s
迷うことなく俺は1筒を河に投げる。
その後、咲が5筒を捨てる。
その瞬間、俺に何か、覇気のようなものが咲からぶつかってくる。
ピリピリとする空気を感じる。鳥肌が立ったのが感覚で分かる。
身構えるが、すぐにその覇気はすっと消えてなくなった。
恐らく気のせい…ではない。多分咲は、恐ろしい和了を作ろうとしている。
いいや、或いはもうテンパイしている。
これを俺が乗り切るには咲より先にカンしなきゃならない。そうすれば咲のテンパイは崩れる。
それだけはわかる。
根拠は、中1の時、まだ俺が麻雀をやっていた六月頃だ。
当時は俺と咲と咲の母親、もう一人、咲の姉である照とは良く打ち合っていた。
その時に何度もカンをしたのだが、その度に咲の悔しそうな顔が記憶に残っている。
最初に咲とやった時にカンした時は、
「私の嶺上牌が〜!」
とか言ってあたふたしてて、見ててとても面白かったのを覚えている。
その後、咲の当たり牌に見事振り込んで、満貫8000点食らってしまったが。
とにかく、咲は嶺上開花が得意とかそういうレベルじゃない。
必ず嶺上開花で和了するという意思がとても強いのだ。
そして、ここまで強い覇気を放ってくるということは、相当ヤバイ雰囲気だ。
だが杞憂にも、その後二巡過ぎ、部長の河に四つ目の捨て牌を置く順番になった。
「じゃあ早速立直するわよ!」
何故か楽しそうな口調で立直をかける部長。
四巡目の立直、かなり速度が速い。
部長が曲げて捨てた牌は東だ。ダブ東を捨てての立直、これはかなり大きい点数かもしれない。
場にはまだ東は一個も現れてない上、俺の手配にも東はない。
まだ、ダブ東は十分な可能性があった。
なのに、何故捨てたのか?
やはり、そうなるとこう考えざる負えない。
ダブ東より遥かに点数が高い、例えば清一色をテンパイしてる…などである。
部長の今までの捨て牌は、
西、6索、1筒、そして今回のダブ東だ。
これから見るに、もう既に6索の時点で方向性は決まっていたのかもしれない。
次に捨てるのは俺だ。これに振り込むのは少々リスクが高すぎる。
そう思ってどれを捨てるか迷っていると、咲から声が聞こえてきた。
「それカンです!」
ああ、これは…。
完全にやられた。
多分、このまま咲は和了するだろう。
ただ、一番の問題は点数だ。
東でカンするという行為に深い意味があるのかどうか、そこが個人的には問題だ。
そんな事を考えているうちに、咲は東を卓の端っこに弾いて、山から嶺上牌に手を伸ばす。
……これで、和了なのか?
しかし、その予想はすぐに裏切られることになる。
「あ、もう一個カン!」
そう言って暗カンをする咲。見えたのは5萬。
それを横に弾くと、またもや山から牌を取る。
咲は、それを確認すると、
「更にもう一個カン!」
と言って、今引いたらしき8筒を暗カンする。
「……へ?え?」
部長は、この状況の異常性をようやく認識出来たらしい。
これでカン三連続、最早神業である。
そうして山から牌を引く咲。
その時、一巡目に感じた威圧感を再び感じた。
その様はまるで王者、嶺上牌を引く姿は神がノアの方舟に乗る生き物を選ぶかの如く、圧倒的威圧感だ。
そうして、3回目の嶺上牌を引いた咲が起こした行動は、要らない牌を河に捨てるでもなく、嶺上開花で和了するでもなく、
「最後にもう一個カン!」
カンだった。
もうここまでくると、呆れしか出ないんだが。
3回目の暗カンは撥だ。
「そんな!四槓子⁉︎」
そんな部長の声など無いかの様に、嶺上牌を引く咲。
そして、引いた牌を卓に叩き付ける。
「嶺上開花、四槓子、32000点です」
最後の牌は中だった。
対子で揃った中だ。
……これ、絶対あり得ないだろ。
ともかく、部長の責任払いにより点数は
咲 27500→59500
部長 30500→−500
となり、部長のトビで終局だ。
ホント、咲の異常性を垣間見た気がする。
どうやったらカンを4連続で出来るんだよ。
「………仕込んでるのか?」
「仕込んでないって…。そもそもこれ全自動卓だし…」
思わず思ったことを声に出してしまった。
「……す、スゴイわね………。」
いや部長、スゴイのレベルじゃないです。
分かってると思うから声には出さないけど。
「本当は、須賀君の実力見ようと思ったんだけれど、まさか宮永さんがここまでの実力を持っているとは思わなかったわよ。」
「まあ咲も魔物の巣窟である宮永家の一人ですからね。」
姉はインターハイ優勝、母も元プロとか言っていた。
唯一そのような経歴の無い咲の父も、麻雀の役しか覚えていないのに役満を半荘一回のうちに2回、最高4回出す化け物である。
「ま、魔物って…。そんな言い方無いよ京ちゃん………。」
「実際そうだろ?ホント、咲の家行っても夏まではトップ率10%位だったじゃん俺。一応全国優勝してるのに」
因みに一番トップ率が高いのは咲の母である。流石元プロである。
現在は普通の専業主婦だが、プロ麻雀カードというカードだと、とてもレアな存在らしい。
単品だとカードショップで1枚1万程度で売られているらしい。ソースは咲。偶然寄ったカードショップで見つけたらしい。まあいいか。
「とにかく京ちゃん、これで最強じゃなくなったよね」
「…?ああ、今回は2位だな」
「じゃあ、改めて麻雀やろうよ」
いや、チョイ待て。
「何故そうなる?」
俺にも色々予定があるんだよ。
Twitterに実況、パズドラに塾の課題。
……マシなのが一個しかないのは気のせいだ。
「だって、麻雀打ってる京ちゃん、楽しそうだったもん」
「……そうか?俺としては懐かしんでやったという感じはあるが」
そう言い返すと、何故か咲の表情が不貞腐れた物になった。
と思ったら、いきなりまたこんな事を言い出した
「…敗者に情けは無用、京ちゃんには否定権は無い…っていうのはどう?」
「いや、どうとか言われても」
「まあまあ、まだ仮入部期間は二週間はあるだから、別に今すぐどうこうって話じゃないわよ?」
そう部長は言った。
「うーん、そうですね。じゃあひとまず今日はこれで」
「まだ最終下校時間まで五時間あるよ?」
いや、それなら咲だけ残れよ。
俺は関係ないって。
つか何で咲はそんな内部事情知ってんだよ!
ツッコミどころが多すぎるわ!
……………。
…つかその前に普通に腹空いた。飯食いたい。
咲は今日入学式だったこと忘れてんのか?半日授業で終わったじゃねえか。
そんな中午後1時まで過ごしてりゃ普通腹減るに決まってる。俺はそうだ。
それとも何か、あいつは麻雀さえあれば腹の虫さえも克服できるのか?
麻雀で勝った回数=栄養に繋がるの魔王なのか?
そんな下らない事を考えて、勝手に戦慄していると、咲が俺に話しかけてきた。
「京ちゃん、お腹空いたでしょ?」
「あ、ああ。勿論に決まってるぜ」
この会話の流れならば、
実は私もお腹が……
あ、そうか。じゃあ昼飯食いに行こうぜ?
うん!そうだね!
じゃ、すいません部長、失礼します。
………みたいな流れに発展できんじゃないか⁉︎
そう思い、俺は咲の言葉を待つ。
「そうだよね、男の子だもんね。昼ごはん、行かない?」
気遣いはすばらっ!なのだが、咲自身の事は全く分からない。
「なあ、咲は腹減ってないのか?」
「ううん、全然?」
やはり魔王なのだろうか?
「じゃあ、2時まで昼休憩にしましょうか!」
部長はそう宣言した。
というか、気づかぬうちに俺たちが部員扱いされてる気がするのは気のせいか?
「じゃあ咲、学食行こうぜ」
「うん」
「それじゃあ行きましょうか」
「は、はい」
どうやら部長もついて来るようだ。
まあ別にいいんだが。
「ここ、よく見ると意外と広いんだな」
「うん、メニューも沢山あるね」
周りにはあまり人は居ない。
まあ、普通はそうだろう。
だって、何回も言ってる気がするが今日は入学式だ。
部活はともかく新入生のほとんどは一時間前に帰っている。
「二人とも、この学食で一番美味しいメニュー、知ってる?」
部長が突然そう切り出す。
この学食のメニューで一番美味しい一品……。
やはりカレーや牛丼にラーメン、それとも意表を突いて海鮮丼などだろうか?
予想が全くつかない。
「…サラダ?」
最初に咲がそう言った。
「ハズレよ宮永さん。確かにサラダは女子には人気あるけど、そこまでじゃないのよ」
まあ、学生の頼むランチじゃないよな。量的にも足りないと思うし。
「じゃあ普通にカレー、ですか?」
俺は無難にハズレのない選択肢を選ぶ。
「ハズレのはずれ、大外れよ須賀君!」
「なぜ⁉︎」
…少し強く言われたから、俺も驚いてしまった。
カレーは、普通ならばマズイ筈はない。むしろ安定だと思うんだが。
インスタントでも固形ルーからでもそれなりのは出来るはずだ。
「実はこの学食のカレー、学食のおばさん達が一番適当に作っているのよ」
……なぜ適当に作るんだ。
つか一番適当ということは、二番目や三番目も存在するのかよ……。
「それでね、一番美味しいのは……
実はタコスなの。」
た………こ……ス?
あの、ナンみたいなやつで野菜とかソースを包んで食べるやつ…だよな?
「タコスと、他数品だけ張り切って作っていてね、他のメニューはハズレが多いの」
ますます意味が分からない。
学校は何でこんな人たちを雇っているんだ。
「だから、気をつけた方がいいわよ。特にトンカツ定食、アレは駄目よ。ソースの味以外しないから」
「本当に何をやってるんだこの学食のおばさんは」
「自分たちの好きな料理だけ半端じゃない力を注いでるわ」
「………タコス、買ってきます」
タコス、とても美味しかったです。
横で咲と部長もタコス食べて、部長は二個目を注文してた。
かくいう俺は五つ食べてしまった。
…このタコス、中毒になりそうで怖いな。今後控えようか。
そうして再び麻雀へカムバックすると、そこには何故か三人新しい女子がいた。
「部長、やっと来たじゃけえ…」
……誰ですか?
グダグダですいません
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