今日の魔女の仕事~魔女達が照らす明日~   作:ジョン5

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魔女と決戦4

「作戦会議は終了? じゃあ、続きと行きましょうか!」

 

ウォルタはニールが繰り出した突進をかわすと、二つの魔導石をバッグから取り出し、魔法銃にスキャンした。

 

『ラピッド』

 

『デュアル』

 

魔導石から音声が鳴り、二丁のガトリング型の銃が出現した。ウォルタはそれらをニールに向けて構えると、彼女の翼目掛けて引き金を引いた。しかし、放たれた銃弾は彼女の華麗な身のこなしによって、かわされた。

 

「ほう、やる気になりましたか。そうこなければ!」

 

そう言って、笑みを浮かべたニールに、別角度から炎の斬撃が襲い掛かかった。フレイが放った斬撃だ。斬撃は左の翼をかすめた。

 

「狙いは、翼か……面白い!」

 

ニールは急降下による突進を、ウォルタとフレイは翼を狙う攻防が幾度となく繰り返された。

 

「……動きが早すぎる、一瞬でも彼女の動きを止める必要があるわね」

 

ニールの攻撃をかわしながらウォルタが言った。

 

「どうするんだ?」

 

同じく攻撃をかわすフレイが尋ねた。

 

「私に考えがあるわ。こいつの出番よ!」

 

そう言うとウォルタは背中に背負っていた、カンカからの餞別である魔法砲を構えた。

 

「何だ、あの馬鹿でかい魔法銃は?」

 

空中に戻ったニールが呟いた。

 

「ウォルタ、そいつって確か、弾速が……」

 

「分かってるわ! フレイ耳を貸して!」

 

ウォルタはフレイの言葉を遮り、耳打ちをした。

 

「……分かった、あそこに誘い込めばいいんだな」

 

「頼むわよ!」

 

フレイはウォルタの言葉に頷くと、剣を構え空のニールに対して炎の斬撃を連続して放った。

 

「ふん、そんな攻撃、何度やっても当たりませんよ」

 

ニールはフレイの放った斬撃をことごとくかわした。

 

「これならどうだ!」

 

フレイは再び斬撃を放った。

 

「……だから、当たらないと……」

 

「ウォルタ! 今だ!」

 

ニールの言葉を遮るようにフレイはウォルタに合図をした。そして、ウォルタは魔法砲をニールに向けて構え、その引き金に指を掛けた。

 

「食らいなさい!」

 

引き金が引かれた魔法砲からニールに向かって、巨大な魔法弾が放たれた。しかし、ニールはこれも軽々とかわした。

 

「そんな遅い弾、私がよけられないとでも?」

 

ニールが口元に笑みを浮かべた。

 

「いいえ、よけてくれてありがとう」

 

ウォルタが対抗するように口元に笑みを浮かべた。

 

「何を…」

 

ニールがそう言いかけた、次の瞬間、彼女の背後にあった時計塔に、よけた魔法砲の弾が当たり、その時計塔は木端微塵にはじけ飛んだ。

 

「なっ⁉」

 

ニールは何とかその飛来して来た時計塔の破片を左の翼でガードした。しかし、そのせいで、彼女の動きは空中で一瞬止まることになった。

 

「今よ! フレイ!」

 

「ああ!」

 

ウォルタの言葉に答えたフレイは、ニールに向けて炎の斬撃を放った。そして、放たれた斬撃はニールの注意がそがれ、フリーになった右の翼に命中し、これを切り裂いた。

 

「しまった!」

 

片翼を失ったニールはバランスを崩し、地上へと落下した。

 

「……やっと、下りてきたわね。こうなれば私達の勝ちも同然よ」

 

そう言うとウォルタは銃の照準をニールの翼に合わせた。

 

「くっ! まだまだ!」

 

ウォルタが引き金を引こうとした次の瞬間、ニールは両手から巨大な漆黒の火の玉をウォルタ目掛けて繰り出した。

 

「そいつで焼き消えろ!」

 

しかし、ニールの叫びもむなしく、放った火の玉は一閃の斬撃によって、切り裂かれ消滅した。それはフレイの振り下ろした剣によるものだった。

 

「そんな攻撃効かないよ」

 

ウォルタの隣に立ったフレイが言った。

 

「……くそ、何なんだ……何なんだお前らは……何なんだその力は!」

 

地面から立ち上がったニールが眼前の二人に言った。

 

「これが魔女の力よ。一人では小さな物かも知れないけど、他の誰かと手を取り合うことで、その力を何倍もの大きさにできる。この力で私達は幾度も魔物を退けて来た。今更、あなたがその魔物の力を手にした所で、たかが知れているわ」

 

そう言うとウォルタは再びニールに向けて銃を構えた。

 

「認めるか、そんな力……」

 

「ええ、認めさせてあげるわ、この一撃で!」

 

ニールの言葉を遮り、ウォルタは魔法銃の引き金を引いた。放たれた銃弾はニールの残りの片翼を打ち抜いた。

 

「馬鹿な、私が……最高の実験成果である私が……負ける?」

 

そう言い残すとニールはその場に倒れ込んだ、そして、その翼は、まとっていた邪悪なオーラと共に消滅し、彼女の体は元の人間の状態へと戻った。

 

「……やった……勝ったんだなウチら」

 

決戦を終え、肩の力を抜いたフレイが言った。

 

「ええ、でもまだ仕事は終わってないわ、街と神殿前の魔物がまだ残っているもの……でもまあ、取り敢えず……」

 

そう言うとウォルタはフレイに向けて右拳を突き出した。

 

「……ああ」

 

フレイもウォルタに向けて同じく右拳を突き出した。

 

「お疲れ様、フレイ」

 

「お疲れ、ウォルタ」

 

二人は互いの拳を打ち付けた。

 

 

 

 

そして、二人と魔女達の活躍により、戦いは終結した。結果としてクリア神殿は無事守り切ることができ、都市も建物のへの被害は出たものの、奇跡的に死者はゼロに抑えることができた。そして、ニールの身柄は都市と連携を取る、魔女部隊に引き渡された。

 

こうして、激しい戦いは幕を閉じたように思えたのだが。

 

「ありゃりゃ、ニールの奴、負けちまったよ。やっぱダメだね、“入れ物”じゃ」

 

「……そうね、でも、いいデータ収集にはなったわ」

 

そう言って、都市を見下ろす、二人の少女の姿が高台にあった。

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