今日の魔女の仕事~魔女達が照らす明日~   作:ジョン5

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魔女と大捜索1

「……準備完了」

 

森の中で一人の少女がつぶやいた。少女の髪型は紫色のサイドテールで、手には一本の剣を持っていた。そして、少女は巨大な火の玉の魔物と対峙していた。

 

「……実験開始」

 

そう言うと少女は魔物に近づき、魔物の体に、手に持った剣を突き刺した。

 

 

 

 

「捜索依頼?」

 

自宅のテーブルで椅子に座りながら、紅茶を啜ったウォルタが言った。その隣にはフレイが座っている。

 

「ええ、そうよ。依頼者は私の知り合いのギルド、シトリーのメンバーよ」

 

向かい合った椅子に座ったウォルタの先輩の魔女、マリーが答えた。

 

「探し出してほしいのは、同じくシトリーのメンバーの一人、ルリという魔女。私も会ったことがあって、ちょうどあなたと同じくらいの少女ね」

 

マリーは懐から、取り出した写真をウォルタとフレイに見せた。そこには緑のショートヘアーの少女が写っていた。

 

「二日前、シトリーのみんなは、グルの森に魔物退治の仕事に行ったの。それで目的の魔物は無事倒した

のだけど、その帰り道に突如現れた、別の魔物の攻撃を受けて、彼女たち深手を負った。命からがら、森から脱出した彼女たちだったけど、逃げる途中でメンバーの一人、ルリとはぐれてしまったの」

 

マリーは話を続けた。

 

「他のシトリーのみんなはケガで現在入院中。そこで私のギルド、ガープが彼女の捜索依頼を請け負ったの。でも人手は多い方がいいでしょう。あなた達ヴィネアにも協力してもらえないかしら?」

 

マリーは真剣な面持ちでウォルタとフレイに尋ねた。

 

「もちろん、やらせていただくわ。ルリって子の安否も気になるしね」

 

ウォルタが言った。

 

「こうしちゃいられない! 早く、ルリって人を助けに行かないと!」

 

そう言うと、フレイは椅子から勢いよく立ち上がった。

 

「ちょっと、落ち着きなさい! 行くにしても、それなりの準備が必要よ」

 

ウォルタがフレイの肩を抑えて制した。

 

「そ、そうだな……」

 

フレイは再び椅子に着席した。

 

「ふふ、でもその心意気は頼もしいわ。実際に事態は一刻を争うもの。彼女たちを襲った魔物も気がかりだし、心してかかりましょう」

 

マリーはそう言うと、二人に両手を差し出した。

 

「ええ、よろしくね」

 

「任せとけ!」

 

二人はその手を握り返した。

 

「ありがとう。それじゃあ30分後に広場で落ち合いましょう!」

 

二人にそう告げると、マリーはウォルタの家を後にした。

 

「フレイ、捜索はマリーの言う通り時間との勝負、気合い入れていくわよ」

 

「ウチはいつでも気合十分、心配いらないよ」

 

二人は仕事の準備に取り掛かった。

 

 

 

 

ウォルタ、フレイ、マリーとそのギルドのメンバー3人は定刻通り広場で落ち合った。そして一行はザワの森の北側に位置する、グルの森へとやって来た。

 

「早速だけど捜索に取り掛かるわ。捜索は二班で行う。私はウォルタとフレイに同行し西側を探すわ。あなたたち3人は東側をお願い」

 

マリーが他の3人のメンバーにそう指示すると、3人は森の入口から東に進むように歩き出した。

 

「では、ウォルタ、フレイ頼むわよ」

 

「ええ、マリー。それで彼女を探すための手がかりだけど、この写真だけってことはないわよね」

 

ウォルタは手に持ったルリの写真をマリーに見せて言った。

 

「もちろん。これを使うわ」

 

そう言うと、マリーは腰のポーチから水晶のようなものを取り出した。

 

「なんだ、それ?」

 

フレイが尋ねた。

 

「これはルリの魔力を少量ながら閉じ込めた水晶よ。彼女のギルドのメンバーが使用してるものを借りてきたの。私たちが彼女に近づくと、その魔力に共鳴してこの水晶が光を放つわ。最も、かなり対象に接近する必要があるのだけど」

 

マリーは少し申し訳なさそうな表情で答えた。

 

「なるほど、そいつは便利だな」

 

フレイが水晶を見つめながらそう言った。

 

「でしょ。さあ、私たちも出発しましょうか。ここ、グルの森はただでさえ多くの魔物が潜んでいるわ。十分、気を付けね」

 

マリーは懐に水晶をしまうと二人に言った。

 

「ええ」

 

「ああ!」

 

三人は森の中へと足を踏み入れた。そして、しばらく歩いたところで、三人の前方に見えた茂みが大きく動いた。

 

「早速、お出ましのようね」

 

ウォルタは腰のホルスターから魔法銃を抜き放った。

 

 

 

 

「……にしても、多すぎよ!」

 

眼前の魔物に銃弾を浴びせながらウォルタは言った。三人はこの森に入って既に三回、それも数十匹の魔物の襲撃を受けていた。

 

「……不味いわね。彼らに構っていては、捜索が進められないわ」

 

マリーは左手の甲で頬の汗を拭いながら言った。そして、ひと呼吸おいて、ウォルタとフレイに叫んだ。

 

「ここは私が何とかするわ。二人は先に進んで、捜索を続けて!」

 

そう言うと、マリーはウォルタに水晶を投げ渡した。

 

「マリー! 平気なの?」

 

ウォルタは水晶を受け取ると尋ねた。

 

「心配ご無用。なんたって私、ウォルタの先輩なんだから!」

 

マリーはウォルタの方を振り返り、ウィンクをした。

 

「……根拠はよくわからないけど、了解したわ。フレイ! 行くわよ!」

 

「すまない、マリー! ここは任せた!」

 

二人は魔物の群れの合間をかき分け、疾走した。魔物たちも二人を追いかけようと、方向を変え走り出した。しかし、彼らは背後からの衝撃波によって、吹き飛ばされた。

 

「二人の仕事の邪魔はさせないわ。あなたたちはお姉さんが相手よ!」

 

そう言うとマリーは両手で構えた巨大なメイスに魔力を込め、、襲い来る魔物の群れに向けて振り下ろした。

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