ラウンズ殺しと呼ばれた男の戦いが始まる
皇歴2010年8月10日神聖ブリタニア帝国は日本の地下資源であるサクラダイトを狙って、宣戦布告した。そこでブリタニア軍は初めて人型機動兵器『ナイトメアフレーム』を実践に投入した。日本は瞬く間に制圧されていった。
そんな中、避難する少年たちの中に俺は居た。そして、俺の隣にいた少年は立ち上がり、こう宣言した。
「僕は……、スザク、ジン僕は……。ブリタニアをぶっ壊す!」
悪い夢を見ているようだ。寝汗が尋常ではなく、気持ちが悪い。
「また、あの日の夢か……」
あの少年の瞳と宣言は今でも俺の印象に深く残っている。目の前でブリタニアをぶっ潰すと宣言して見せたあの声は……。
『黒竜様!あなたの予想通りにテロリストが逃げ始めました……』
「なんだ?」
俺は暗い室内で着替えていると、通信相手は口ごもる。俺は通信機を睨めつけると通信相手は満を持して言って見せた。
『それが予想以上に素早く逃げています』
「……例のナイトメアは出て来ているか?」
『まだですが……。出てくるのは時間の問題かと……』
「そうか……。俺も出る」
黒竜のマスクをつけると、俺は機体へ向かって歩いて行った。
「このままいけばテロリストどもを一掃できるな」
例のイレブンが乗っているランスロットとか言う機体が、がんばっているおかげで何とかなったな。
「陛下!こちらに近づいてくる機体が複数!」
「馬鹿な!まだ戦力があるのか!?」
「落ち着け。どこの機体だろうが関係はない。どうせこの戦力ではどうしようもあるまい。例のイレブンにやらせておけ」
「はっ!」
「例の女はまだか?」
「疲れたでしょう?そろそろ終わりにする?」
『やります。やらせてください』
「稼働時間に気を付けてね~」
「は~い」
「いや~、最高のパーツだな。彼」
「ランスロットに何かが近づいてきます!友軍機が次々と!」
「え?」
『黒竜様!見えてきました!』
「見えている。お前達は作戦通りに行け」
『はっ!』
さて、見せてもらおうか。第七世代の実力を……
俺は黒竜のスピードをさらに上げると、第七世代ナイトメアフレーム『ランスロット』に向かって走って行く。ランスロットもこちらの動きに気付いたようで、素早く行動に移してきた。
「動きは中々だな。だが、パイロットはどうかな?」
俺はMVSを取り出すと、一気に距離を縮める。MVSで切りかかるように見せかけて、スラッシュハーケンで攻撃を繰り出す。しかし、ランスロットはそれを紙一重で回避するが、同時に態勢を大きく崩した。
「強い」
自分でもそうわかるぐらいに強い。早すぎて動きに付いて行くだけで精一杯だ。
『スザク君!逃げて!あなたでは勝てないわ』
「でも、ここで逃げたら……」
ここで僕が逃げたら、一気にクロヴィス殿下の元まで行かれてしまう。何としてもここで食い止めなくては……
『君じゃ勝てないんだよ!その機体はラウンズ殺しが乗ってるんだから!』
「ラウンズ殺し……こいつが……」
目の前にある黒いナイトメアは僕に圧倒的な存在感を与えていた。
「こんな物か?」
反射神経だけは良いようだな。しかし、ついてくるだけで精一杯の様だな。
「大したパイロットだな。しかし、スペックが違う」
俺は目の前にあるランスロットにMVSを向ける。どうやら脱出機能が付いていないという話は本当らしいな。この状況下で逃げない相手は中々いないだろう。
しかし、そろそろ時間だな……。移動に時間が掛かり過ぎたか。
そんな事を考えていると、突如シンジュクゲットーに放送が掛かった。
『全軍に次ぐ!ただちに停戦せよ!』
停戦?どういうことだ?
『黒竜様!今の内です!』
撤退の合図か……
「助かったな。ランスロットのパイロット」
俺は期待を百八十度回転させると、真直ぐ撤退ポイントまで移動した。
「お疲れ様です」
制服を真面目に着ている1人の女性が俺の目の前に現れた。
「ああ、こっちは何かあったか?」
「いいえ、特に……」
会話が終了してしまった。いつもの事なのだが、もっとマシな人間を寄越してはくれないのだろうか?この人形のような人間を寄越していては、こっちの気が狂いそうになる。
「何か?」
「別に……」
無表情で真面目、何をしても特に反応を見せない。まさしく人形のような女性だ。
「なぁ、相木。もう少し愛想良く出来ないのか?」
「愛想良くする理由が見当たりません」
「あっそ……」
名前から見たら分かるが、彼女は日本人だ。俺が軍に入った時からの付き合いで、俺の補佐をしてくれている。
日本人は、日本が潰れた際に二つに分かれた。
一つは、日本に残りブリタニアの監視下に入る人間
二つ目は、日本を離れて別の国に映った人間だ。
ちなみに、彼女は日本を離れてヨーロッパ共和国連合に保護された。元々ヨーロッパ共和国連合は対ブリタニアを目指していたため、その為ならば日本人だろうと問わなかった。それに俺は元々日本でそれなりの時間を過ごしていたため、彼女に対して抵抗は無かったのだが……
ここまで愛想悪いと後悔してしまうな……
とことん愛想が悪い。
「そうだ。今日俺とデートしない?」
「今日は書類の作成に、作戦報告書を作るように言われておりますので……」
真面目に返されては打つ手がない。折角こっちからアプローチをしているのに、照れる行為の一つや二つぐらいしてくれてもいいのに。
「じゃあ、明後日は?」
「黒竜様とデートする意味を見出せませんが?」
俺にはこれ以上のアプローチ手段を知らない。無表情で、しかも返答が『意味を見出せません』なんて……。もっとマシな返答が在ったはずなのだが……。
俺は黒竜のマスクごと壁に何度もぶつけていると、突如隣から声が掛かってきた。
「何をしているのかしら~?」
「?なんだ、ベリナールか……」
「なんだとはひどいわね~。折角ねぎらってあげようと思ったのに……」
こいつにねぎらってもらうなら、相木にねぎらってほしいのだが……
壁に小突くのを一向に止めない俺にベルナールは一言言ってきた。
「その小突き止めてくれない?鬱陶しんだけど」
「はぁ~」
大きなため息と共に俺はその場を後にした。
自分の部屋に入って行くと、俺は大きなため息と共にベットにダイブした。大きなマスクを外し、部屋の端に投げると俺は近くにある写真盾を掴んで眺める。写真には幼いころのルルーシュとスザクとナナリーが写っており、更に隣には幼いころの俺が写っていた。
「お前達は生きているんだよな?」
不安が俺の脳裏をよぎる。あの日、俺は1人だけ日本を撤退した。俺の父はヨーロッパ共和国連合と日本との橋渡しをしていた。もう少しでできるところだったが、それをブリタニアに邪魔されてしまった。
「ナナリーだけでも逃がしてやるべきだったな」
今更ながらに自分の不甲斐なさが情けなくなる。
大きなため息をついていると、俺は近くにあった俺の携帯を取り出す。そこには1人の女性の名前が書かれていた。
「C.C.」
俺にギアスを与えた女の名前だ。
一日が経つと、色々忙しくなる。俺は着替えを素早く済ませると、ブリッチに上がることにした。
今俺達はエリア11の領海ギリギリの場所におり、エリア11を眺めていた。
俺はブリッチに上がると、早速昨日の事件の事を聞いた。
「昨日の事件はどうなっているか?」
「はい。特に大きな報道はされていないようですね」
目の前でニュース画面を眺めていると、キャスターの後ろで白い服を着た人間が、消毒をしているようなそぶりを見せた。
「毒か……。昨日の撤退の事についてはどういう話になっている?」
「そこまではまだですが……」
「なんだ?」
目の前にいる女性は一瞬だけ口ごもると、一つの情報を俺に告げた。
「噂の段階なのですが、クロヴィス・ラ・ブリタニアが死亡したと……」
「死亡?どういうことだ?」
「分かりません。あくまで噂なので……。これ以上は……」
俺はニュース画面を眺めながら、ベルナールに聞いてみた。
「ベルナール。例のあれはできているか?」
「例のあれ?……ああ、もう少し時間が掛かるわね」
「そうか。なるべく早く頼む」
俺は部屋から出て行くと、相木にアプローチを続けながら黒竜の点検や、ランスロットの戦闘データの確認をしていた。
『黒竜様!至急ブリッチまで上がってきてください!』
「……なんだ?今すごく眠いんだが」
昨日は夜遅くまで戦闘データの確認が在ったため、寝るのが遅くなってしまった。
『今すごい事になっているんです』
俺は何とか起き上がると、着替えながらその話を聞いていた。
「なんだ?すごい話って」
『クロヴィス・ラ・ブリタニアが暗殺されたという話になっていて……』
「それだったら昨日お前達が噂で教えてくれたろう」
マスクをつけると俺は部屋から出ようとする。しかし、それ以上に今から出てくる言葉に動きを止めてしまった。
『暗殺したのが名誉ブリタニア人だという事で、今噂になっているんです。たしか名前が……、枢木スザク?と言いましたけど……』
…………枢木スザク?
スザクが暗殺?
俺の頭の中が真っ白になって行った。
ナッツガンです!
前回あれだけルルーシュが出てくると言いながら今回ルルーシュの登場は前半の幼少期だけでしたね……。
書いている段階で「あっ!これダメだ……」と自分で判断出来てしまいました。
その代りと言ってはなんですが、スザクの登場です。
今回は主に黒竜の心情を中心に描きました!
そして、次回こそは!!
っという事で次回も来月になるかな……(多分)
感想待ってます!!
次回もよろしく!!