激おこぷんぷんトミー・ポッターくん   作:ぼんびー

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エターにあらがえたので一億年ぶりの初投稿です。
仕切り直すために後編いったん削除しちゃいました。
許してくださいお願いします! なんでもしますから!(なんでもするとはいっていない)



後編
18:しあわせバレンタイン


たのしいたのしい冬休みがあけて、ホグワーツの日常が帰ってきた!

 

勉強に課題にクィディッチに、やることたくさん大いそがし!おかげでうだうだ悩む暇もなく、僕のすさんだ心もお洗濯されていくみたいな気分だぜはっはっはっ。愛しい我が姉アーニーはホグワーツに帰ってきた友人たちとはしゃぎまわっているし、僕はドリーと一緒に授業をうけつつハーミーとこっそりお手紙交換して癒されたりしている。うわっ…ホグワーツライフ、幸せすぎ!?

 

と、どこぞの広告のような気持で過ごしていたら、あっという間に一か月がたってました。幻術か? いいえ、ただの充実した日常生活です。むふふ。

 

そんなこんなのある日のこと、ドリーが僕を呼び止めた。何事かと思って話を聞いてみれば、なななんと!クリスマスプレゼントのお返しをしてくれるらしいんだって! いやったぁーーーい!

 

「ずいぶんとすてきな贈り物だったし…期待してくれていいわ」

 

にこりと笑うドリーのなんと綺麗なことだろうか。手間とお金とちょっぴりの道徳を投げ捨て、理性からの重すぎワロスというツッコミを黙殺した甲斐もあり、僕の貢物はドリーの心をそれはもうがっちりと掴んでくれたみたいだ。僕はもう嬉しくて飛び上がりそうになっちゃうね!

 

「あなたはきっと気に入ってくれる」と僕の頭をなでて微笑むドリーに心の尻尾はもうびゅんびゅんよ。びゅんびゅん。えへへ楽しみだなぁと僕はニマニマ。そんな僕を見てドリーの口角もゆるみがち。ああんもうかわいい…女神だ…ありがたや、ありがたや…生まれてきてくれてありがたや…!

 

そしてドリーを拝みながら神に感謝しているとき、僕は気が付いた。

 

明日、バレンタインデーじゃね?

 

その日の夜、僕は当然のように一睡もできなかった。目はそれはもうギンギンのギンにさえわたり、脳内で繰り返されるドリーから告白されましたシュミレーションの回数は千を超えた。気がついたら朝日が昇っていて、僕は眠らないままシームレスにバレンタインデーを迎えていた。やはり幻術か?

 

もちろん心の準備などできているはずもなく、なんなら緊張しすぎて授業でなにしたかなんにも覚えてない。ぼけーっとしすぎてマクゴナガル先生に呆れられた記憶しかない。頭の中はまさにお花畑でフローラルでラベンダーでトイレの芳香剤なのだ。

 

だってしょうがないじゃないか! 魔法界でもバレンタインデーの概念はあるし、家族や恋人とか大切な人(ここ重要)にプレゼントを贈って愛を伝える禁断の行事なんだぞ! そんなんお前…はぐくんじゃうだろ! 愛とか恋とか!! 赤ちゃんできちゃうだろ!!

 

…と、錯乱している僕を無視して世界は回ってしまうもので。

 

時刻はあっというまに昼休み。僕はドリーと一緒にお食事タイム。普段ならドリーのかわいいご尊顔を拝みながら食べる至福の時間だけど、今日はもう恥ずかしくって顔もみれないわん。食卓で照れ隠しをする手段なんて、ご飯をたべるほかにないのだ。

 

ガツガツムシャムシャうぉぉおんうおん。僕はまさに人間火力発電所だ!!……ウエッホウエッホッ! おえぇっほん!! はぁぁん!!

 

「そんなに慌てて食べるからむせることになるのよ。……ほら、飲みなさい」

 

むせたところにドリーが飲み物を手渡してくれる。ちょっと甘やかされすぎてないだろうか。このままいったら僕はダメ人間になる気がする。ばぶちゃんになる気がする。 恥も外聞もなくよちよち歩きしだす気がする…! 勝てない…バブみに……!

 

僕は恥ずかしさをごまかすように、ドリーから渡されたジュースをぐびっと飲み干した。

 

もう半年くらいホグワーツで過ごしたわけだけど、始めてのむ甘ずっぱい味がする。うーんおいしい、もう一杯! いやほんとに美味しい~こんなジュースあったんだな裏メニューかな? そう、例えるなら恋の味…みたいな? ふふ、キモ…さすがに引くわ自分で。なんか汗ばんできたもんキモすぎて。なきそ…。

 

あーもうなんか一人で興奮しすぎて変になってきたかもしれない。なんか動悸がするしぽかぽかするというか…なんかここあつくない? だれか空調温度あげた?? なんかさっきまでの恥ずかしさも相まって変な感じするんだけど。甘やかされすぎて過呼吸になりそうなんですけどぉ??

 

"今日はなんだかあついね……"

 

胸元をぱたぱたとしながら呼吸を整えていると、首元にものすごく視線を感じた。目をやると、ドリーが少しほほを赤くしながらこちらを見ていた、不思議そうにドリーに声をかけると、ドリーは露骨に目をそらしながらハンカチを取り出して僕の口を拭った。

 

「そうかもしれないわね。…ところでトミー、なにか変わったことはある?」

 

まるで赤ん坊の口をふくみたいに優しくふきふきとしながら、ドリーは僕をじーっと見つめてくる。僕もつい見つめ返してしまうんだけど……なんか……こう……ドリーがいつにもましてかわいくみえるというか……なんか……どきどきしてきたというか…むらむらしてきたというか…い、いやいや…不遜だそ、ご神体に! まだお昼なのに!

 

"いっ…いいいいや? な、なにもないです…けどぉ? はーっ!!あっっっついね!!!この広間!!あっちなー!!!ちょっと冬だからって暖房いれすぎなんじゃない??あー!!あっち!ふっ、ふっ、ふうっ~!!"

「そう? ふふ……ならよかったわ。なにもないならね」

 

と、僕が一人挙動不審を決め込んでいると、ドリーがなぜだか意味深に笑った。

 

そんな微妙な空気を打ち破るように、空からフクロウ便がやってきた。感謝したのもつかの間、一羽の立派なフクロウがドリーのもとにやってきて、包装からして高そうな小包を落としていった。ドリーはそれを満足そうに拾い上げると、ちらりと僕をみた。僕はもう露骨にそわそわしている。

 

これもしかしてなんだけど…もしかしてプレゼントなんじゃないのもしかして!?

 

「…開けて欲しい?」

"ほしい!!"

 

ドリーはくすくすと笑い、「どうしようかしらね」と言いながら、僕をたっぷりとじらした。あんまりに酷い仕打ちではないだろうか?? 僕がだんだん涙目になってきた辺りでようやっと満足したらしく、ドリーの細い指が小包を開いた。

 

"うわ…ぁ…ぉ……"

 

それはチョーカーと形容するにはあまりに繊細で、美麗すぎた。

 

美しく、華奢な、まさに魔法の首輪だった。

 

施された金細工と流麗な形がその値段を物語っていて、どう間違ってもたかだかご学友への親愛の証で贈るものではないと、その場にいた誰もが理解できた。

 

僕が言葉を失っていると、ドリーがにこりとほほ笑み、飴玉でも差し出すかのような気軽さで首輪を僕に差し出した。

 

「はい、どうぞ。----さっそくつけてみて?」

 

はぁい♡

 

……はっ! い、いかんいかん。つい流されるところだった。

 

いや、嬉しいよ! 嬉しいんだけどね! 手間もお金もかかっててデザインも綺麗だしセンスいいねっていいたいんだけどさ! みんなのまえで首輪をつけて犬のように振る舞えだなんて…なんかこう…はず…はずかしいっていうかなんかえっちじゃない? えっちだよね! こんな公衆の面前で首輪つけて喜ばなきゃいけないんでしょ? そんなのえっちじゃん!

 

僕がこれ受け取って"ありがとうドリー嬉しいよ!"なんて言ったら、同級生のドリー・マルフォイちゃんに首輪つけてもえて嬉しいワン♡ ってことでしょなにその完堕ち宣言みたいなやつ!? い、いや僕らはまだいちねんせいっていうかぁ…で、でもこ、こんなのもう告白とおりこしてプロポーズされたみたいなもんで…恥ずかしいのに嬉しくて顔が真っ赤になって、心臓がどきどきして、頬が緩んじゃうよぉ…!

 

や、やだ…みんな見てる……!

 

いやそりゃみるよこんなことになれば誰だってみる僕だってみるよ! 何この状況。いろいろ恥ずかしいんだけど!?  ちょっと誰か助けてほしいっていうかぁ!?

 

"えっ…とぉ……"

 

僕は視線を彷徨わせて、スリザリンの監督生に助けを求めることにした。

 

いいのか? 公衆の面前であまりにも高度なプレイが実行されようとしてますよ。ホグワーツの、スリザリンの風紀が今まさに乱されようとしているんですよ。お前が止めなくて誰が止めるんだよ大丈夫お前ならできるお前ならいけるよお前の双肩にかかってんだよホグワーツの風紀がよぉ!!

 

そっと首を横に振られました。なんで?

 

え? 馬に蹴られたくない? ははは何言ってんだぶちのめすぞ嫌って言っても止めるんだよなにあきらめてんだよ!! ちょっと乙女の恋路をインターセプトするだけだろうが! ちょっと名門マルフォイ家に楯突くだけだろうが!? 嫌だよなごめん逆の立場なら僕は絶対に関わらない!

 

「…つけてくれないの?」

 

つけるぅ~♡ 

 

……はっ! ち、ちょっとその上目遣いもやめてもらっていいですか?? わざとらしい弱った声音もやめてもらっていいですか? 可愛すぎる…なんなんだこの、なんだこの生き物…魔法学校に舞い降りし女神なの? なんなの? 堕ちるよ? 情けなくお腹見せちゃうよインペリオするよ!?

 

深呼吸だ、深呼吸するんだ! おちおちおちちちち落ち着くんだ! 確かに首輪つけるのは全然かまわないっていうかむしろウェルカムすぎるんですけどね! 僕としても気持ちの準備…っていうのかな!? たとえるなら超序盤でエンディングが向こうから飛んできた状況というかなんというかさぁ! 結婚する…しちゃう? みたいなぁ!!

 

姉上ぇーーーーーーッ!

 

姉上はどこか!!弟君がすべての貞操を投げ出そうとしておられるぞ!! 助けてくれ姉上ぇーーーーーッ!! 僕の名字が変わっちゃうよぉぉぉぉぉ!!!

 

「ふふ…あなたの大好きなお姉ちゃんは食堂に来てないみたいよ」

 

アーニーを探す僕を見て、ドリーはくすりと笑いかけた。

 

いや…ドリーだけじゃない。ドリーの周りにいるスリザリン生徒たちがみんな、僕をみてくすくすと笑っていた。あっ。ふーん…もしかして アーニーは今ごろどこかでスリザリン生徒に足止めをされているし、ここに駆けつけてくれることもないってこと? もしかして僕が気がつかなかっただけで、ドリーは今日のためにめちゃくちゃ根回ししてたって…コト!?

 

トミーくんはドリーちゃんによって屈服させられちゃいますって…コト!?

 

も…もうダメだ…僕にはもう犬のように首輪をつけて尻尾をぶんぶん振る様子をみんなにみられるしか道はないんだ…。人としての尊厳くんはどこいっちゃうんだよ、風紀はどうなってんだ風紀は! 僕は君の飼い犬なの? 飼い犬だよいまさらだよなぁ!

 

「トミー…だから、ほら…つけて」

 

ら、らめぇ…♡

 

ドリーの甘い声が僕の脳を溶かすかのようにしみ込んでくる。あくまでも優しく背中を押すように、頭をよしよしとなでるかのように、僕に自分の意志で首輪をつけるようにうながしてくる。自由意思をもって自由を捨てさせるというまさしく尊厳破壊じみた所業がなんと魅力的にみえることだろう!

 

もやがかかったように回らない頭! ドリーの綺麗な瞳に吸い込まれる視線! 震える手はとうに首輪にかかっている! 僕の理性はもうとろとろに溶かされきっていて、このまま首輪をつけてマルフォイ家にお持ち帰りされたいにゃあなんてことを考えてばかりなのだ! こわい!!

 

というかもういい…よくない? 頭と体と女王様がオッケーだしてんだよめくるめくピンク色の世界へ来いって言われてんだよ。僕のおセンチメンタルな心と脳内アーニー以外がゴーサイン出してんのよ。マルフォイさんちではよ尻尾ふってわんわん鳴いてこいって言ってんのよ。

 

ならもう…いいかぁ!!

 

拝啓、愛しい我が姉アーニー様。僕はマルフォイさんのおうちで立派なペットとして生きていきます。お庭でわんわん吠えていっぱいドリーちゃんに遊んでもらおうと思います。きっと幸せになりますので僕のことはどうか忘れてください。今まで本当にありがとうございました。あなかしこ。

 

ふーっ…ヨシ!! 今日から僕はトミー・マルフォイになりまぁす!!!

 

"――――それでいいの?"

 

「お願い」

 

はーい♡ 

 

つけます♡

 

そして僕は首輪を手に取って、意気揚々とそれをつけ――――

 

 

誰かが僕の手を掴んだ。うろんげにそちらを眺めてみれば、そこには女の子が立っていた。茶色の長い癖っ毛がひどくなつかしくかったけど、僕にはそれが誰なのかいまいちわからなかった。けれどなぜだか、きれいになったなぁなんて言葉が浮かんでいた。

 

「…いったいどういうつもりなの? 愛の妙薬なんてものを飲ませて、彼を奴隷にでもするつもり!?」

 

女の子は怒った猫みたいにドリーのことを威嚇している。

 

どうして彼女がこんなに怒っているのか、僕にはわからなかった。なにがいけないことなのだろう。こんなに僕は幸せなのに、ドリーに求められて嬉しくて、どきどきしてふわふわしているのに、どうしてこの女の子は怒るんだろう。

 

「あなたには関係ない。でしゃばりな雌猫ね」

「なにを言ってるの? 私の命の恩人で大切な…友人が、よってたかって薬まで使われて貶められようとしている。関係ないわけないでしょ」

「あのわからずやにならともかく、あなたごときに口出しされる筋合いはないの。その薄汚い手をはなしなさい」

「イヤよ」

 

ぎゅっと強く僕の腕がつかまれる。

 

ドリーは怒りで目を見開いて、今にも爆発しそうなくらいにわなわなと震えていた。それがすごくつらくて、悲しくて、なんとかしてあげたいのだけれど、めちゃくちゃになった僕の心がなにもさせてくれなかった。まるで二つの大きな台風が喧嘩しているみたいに、ドリーのことを慕う気持ちと、この女の子のことが好きな気持ちが暴れていて、どうすればいいのかわからなくなってしまっていた。

 

「本当に人を苛立たせるのが上手ね。泣いてばかりの、醜い―」

「――穢れた血? 悪いけど、私はあなたに何を言われようと泣いたりしないし、気にもしない。そして…」

 

女の子はドリーをにらみつけて、毅然と言い放った。

 

「こんな卑劣で馬鹿げたことを許すつもりも、もちろん無い」

 

もう話すことはないでもいいたげに女の子が僕を連れ出そうとする。僕は引かれるがままふらふらとついていこうとしたのだけれど、ドリーが僕の反対側の手をきつく掴んで引き留めた。

 

「この子は、私のものよ」

 

ドリーが必死に言葉を吐き出し、女の子を睨みつけた。でも女の子は、ひるむことなく言い返した。

 

「トミーはあなたの所有物じゃない。そんなこともわからないの?」

 

その言葉はドリーのなかの何かを抉ったようだった。

 

ドリーの美しい顔が怒りでゆがみ、薄紅色の唇はぎゅうと結ばれ、僕の手を痛いほどにぎりしめた。この女の子を止めるべきだと、自然に僕は思った。女の子の手を振りほどいて、ドリーに謝らせて、それから僕は首輪をつけて、ドリーに笑いかけるんだ。そうしたらあんなふうに、ドリーが苦しまなくてすむ。そして、僕も。

 

“ええと…わるいんだけど…じゃましないでくれないかな。ドリーが困ってる。僕も困ってる。きみには関係ないんだよ"

 

僕がそう言ったとたんに、女の子はひどく傷ついた顔をした。

 

僕はなぜだかすごく悲しくなった。けれど僕がそれを不思議がるよりも早く、女の子の平手が僕のほっぺをしたたかに打ち付けた。呆然としているあいだに首輪がひったくられる。そして、女の子は首輪をドリーへと投げつけた。

 

「あっ!」

 

ドリーが驚いて声をあげて、必死に手を伸ばして首輪をつかみ取る。その間に、女の子は杖を抜いてドリーに突き付けていた。大広間にどよめきと緊張が走り、物音ひとつしなくなる。

 

静寂の中、女の子がつぶやいた。

 

「こんなの最低よ」

「…だまりなさい」

「トミーはあなたを信じてたのに――「だまりなさいっ! 知った風な口を聞くな! 穢れた血ッ!!」」

 

殺してやるといいたげに睨みつけながら、ドリーは叫んでいた。

 

「魔法界のことも、血統のことも、地位や名誉につきまとうモノも! 何も理解していないあなたになど、わかるわけがないでしょう! 私のことが!!」

「ええ、そうね! でもこんなことは間違ってる!!」

「おまえのようなやつに、この子が!」

 

ドリーが杖を取り出そうとする。女の子が武装解除呪文で、それをはじきとばす。丸腰になったドリーは、それでも女の子の杖先を睨みつける。

 

「二度とこんな真似はしないと誓いなさい―――」

 

 

「誓えっ!!」

 

女の子が叫ぶ。

 

声にもならないうなり声をあげて、ドリーがつかみかかる。

 

女の子が杖をふるう。

 

 

 

 

そして赤い閃光がほとばしった。

 

 

 




トミーくん押せば堕ちるタイプってそれマジ?
マジです。
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