ゴブスレ世界にドラクエ能力者来訪   作:てる

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【 前回のあらすじ 】

ゴブリン相手に返り血だけですんだ主人公は
あの日以降平和な日々を送っていた。

しかし夢で出会った巨乳女神から
DQⅩ職業に自由に変更できる微チートを授かった主人公
彼女はどんな職業にしたのだろうか?


荷馬車と少女 槍の少年

ガタガタガッタン ガタガタガタガタ……

荷馬車に乗って私はどこへ行く

 

別にドナドナではない

私は両親と一緒に荷馬車に乗っているんだから。

 

 

 

あの夢を見た日から、

私の中のナニかが少し変わった気がする。

 

まぁ変わった理由は

職業が『旅芸人』から『まもの使い』に変わったからだけど。

 

職業が変わってから

マキを割る際にちょっとだけ楽になったり

水くみがそこまで苦にならなかったからだけど

後は特に変わった気はしない。

 

 

 

 

 

 

荷馬車の音と振動に合わせて体が揺れて気分が悪くなる。

 

なぜ私が荷馬車に乗っているのかというと、

母の作る薬が村周辺でしか取れない薬草を使った効能の高い薬のため

それを必要とする近くの村に売り歩いているからだ。

 

今まで私はお隣さん家で両親が帰って来るのを待っていたが

これからは家族全員だ。

 

まるでピクニックみたいでテンションが上がるが、上がったのは腰だけだ。

荷馬車の中は揺れがひどくて数分でお尻が痛くなって立ち上がってしまうから困ってしまう。

何かクッションが欲しい…… ないよね、知ってた。

 

 

たくさんの薬や数日分の食料の入った樽や箱が積まれた荷馬車は少々狭いが

これはまだ序の口だ。

 

なぜなら私たち家族の他に冒険者がいるからだ。

 

村から村への僅かな行き来でも危険は付き物

盗賊やモンスターが舌なめずりして人を襲うの待ってるからだ。

 

そんな危機から救ってくれるのが冒険者パーティ!

少々依頼料が高かったりするし薬を村々で売ったりしても

どっこいどっこいしか稼げないけど、

両親は困っている人達に少しでも良い薬を渡したいと思っているから

多少無理してでもこうして馬車で移動するお人好しだ

そんな両親が好きだよ私。

 

 

 

荷馬車の外へと顔をだすと

ゆっくりと進む荷馬車と一緒に歩く冒険者たちの姿。

 

『男戦士』と『男僧侶』、『女魔術師』に『女格闘家』

バランスのいいパーティに見える気がする、男女比もね。

 

荷馬車から顔を出して冒険者たちをチラチラ見る私に

にこやかに笑いかけてくれた女格闘家さんの笑顔に花丸をあげちゃう。

 

 

 

あれから特にモンスターや野党に襲われることもなく

すっかり日も暮れてきた。

パチパチとたき木の燃える音をBGMに私たちは今、野営をしている。

 

何時もより少し硬いパンや味の濃いスープの夜食も終わった所で

冒険者達が見張りを始めるまでに時間があったから

 

『冒険者になるにはどうすればいいのか』

『階級とかがあるのか』

『装備はどうしているのか』

『どんなモンスターがいるのか』

 

なんて、気になる事を冒険者達にいろいろ質問をした。

 

 

両親は申し訳なさそうにしていたが

冒険者達も日々の冒険の話を交えながら話してくれて

寝る時間まで楽しい会話が繰り広げられてとても楽しかった。

 

 

 

 

 

 

……うん、なるほど

冒険者達の話を聞いてどんな世界なのかだいたい分かった。

 

そしてなぜあの女神が自分の前に直接姿を見せないのかも納得した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのアマ 私を間違えてゴブリンスレイヤーの世界に放り込みやがったなあああぁっ!!!

 

 

 

やけに胸元を押さえながらおどおどしてると思ったらそういう理由か

 

やっぱり次は千切る!

デビルマンみたいに千切ってやるから覚悟しておけこの【 削除されました 】!!!

 

 

 

 

 

 

 

怒りに震える夜も明けて太陽もすっかり頭上にある時刻、

私の住んでいる村と同じ位のんびりとした隣村についた。

 

最初の内は薬を売る手伝いをしていたけど、

今は昼休憩をもらって村の散策を楽しんでいる。

 

道中で手に入れたエクスカリバー(木の棒)を片手にぶらぶらしていたら

遠くから子供の掛け声が聞こえた。

 

好奇心に負けて様子を見に行くと、

どこかで見た事のある様な風貌の少年が

長い槍を振るう姿があった。

 

 

 

 

 

 

-----------

 

 

 

「なにしてるの?」

 

今日も村外れで槍を振っていると知らない子供の声が聞こえた。

 

一体誰かと振り返った先にいたのは

少年だと勘違いしそうな肩より短い黒髪の同い年位の少女の姿があった。

産まれた時から住んでるこの村で見かけた事のない顔だ。

 

このまま無視して槍の修行をしても良かった。

でも、少女……こいつはじろじろと俺の顔を見て来るのが何だかムズ痒いわ鬱陶しいわで

ついこっちから話しかけてしまった。

 

 

「……おまえは? 見かけない顔だけど」

「私? 私は親と一緒に薬を売りにこの村に来たの」

 

 

薬? ああ

そういえばうちの親が良く効く薬を隣村の薬師が売りに来る時期だとか言ってたな

こいつの親がそうだったのか。

 

 

「で、何してるの? 修行?」

 

 

また話が振り出しに戻った。

このまま無視しても良かったけど、こいつの好奇心はまだ薄れていない。

向こうからさらに話題を出される前にさっさと終わらせよう。

 

 

「……俺、冒険者になるんだ。」

「冒険者?」

「ああ。 そして、俺はこの槍を使って英雄になるんだ」

「英雄」

 

 

『なれるわけがない』

周りの大人たちから何度も言われたその言葉。

やってみないと分からないのに俺を否定する言葉。

 

こいつも親の跡を継ぐために仕事について来てるんだ。

地道に親の跡を継ぐための日々を過ごすこいつも

きっと俺を馬鹿にするし同じ言葉を吐くんだ

 

そう、思っていた。

 

 

 

 

「私も冒険者志望なんだ」

 

「……おまえも? でも、周りから何か言われないのか?」

 

「うん。 でも、一度決めた事だからね。

冒険者を続けていれば皆も分かってくれる日が来るよ、きっと」

 

 

『だから、お互いに頑張ろう』

そう笑う少女に俺は言葉を失った。

 

そうか、俺だけじゃないんだな。

周りからどう言われても自分の信念だけは曲げない決意を持つ少女の瞳は

遠い未来の俺が、目指すべき瞳をしていた。

 

 

「そっか そっか!

なら、いつか一緒に冒険しようぜ! きっとすごい冒険になるぞ!」

 

 

 

 

こいつが村を去るまでの間、俺は二人で色んな話をしていた

そして村を去った後になってから、お互い名前を名乗り忘れていたことに気が付いた。

 

……でも、いいんだ。

 

お互い冒険者になればまた会う事になる

その時にでも名乗りあえばいい

そして、あの日話した冒険をしようと誘えばいいさ。

 

 

 

相変わらず周りから『なれるわけがない』『現実を見ろ』とか言われるけど

そんな奴らにもいつか分かって貰える日が来る様に

俺は数年後を夢見て今日も槍を振るう。




はい、最初に登場したのはあの槍使いでした。
ゴブスレさんとの会話はいつになるか……。

後半は頑張って一人称視点で書いてみました
文章を書くのは難しいですね、精進精進。

第三回 主人公の10年後のバスト決定戦

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