『譎詭変幻』まさみゃ〜の二次創作設置所(*´ー`*) 作:まさみゃ〜(柾雅)
読む際は注意して読んでください。
スズメとオオカミの怪異調査相談室の休日
窓から差し込まれる太陽の光。それはとても心地の良い暖かさで、意識をボンヤリと溶かしてくれる。そこに、耳からは軽く風に扇がれたカーテンの音が入り込む。ただ、その音の中には何か日常的な音も混ざっていた。
――嗚呼、今日もちゃんと一緒にいるんだ……
とある怪異調査依頼を終えてから、二人は一緒に過ごす日々が増えた。結局その怪異は偽物で人為的な事件だったのだけれど、流石の相棒でも無理だったらしい。
「ほーらっ、カエデくん。おーきーて。もう朝よ?」
未だ寝床から出てこないカエデを、誰かが起こしに来る。その誰かは目を覚まして尚、寝たふりをするカエデを見て微笑ましく思うながら呆れたように言う。
「……もう、また寝たふりをかしら? ほーら、おーきーなーさーい」
「……んっんん……ス…ズメ……おはよう」
カエデは今ちょうど、目を覚ました様を装いながら起き上がる。それによって捲れ上がった布団から露わになる、肌蹴たカエデの寝間着。その寝間着の崩れた襟元からは、鎖骨が覗き込んでいた。
「おはよう。もうご飯は出来ているわよ?」
「……何処を見て言ってる」
「あら? 目を見て言えば良いのかしら? でも、そんな私を誘惑する様な格好をしているカエデくんが悪いのよ?」
スズメの口元は楽しそうに釣り上がっている。そして自分の唇を舌で舐めて、少し潤わせた。彼女からの視線は、カエデの肌を擽る……いや、舐め回す様なもので、カエデは鳥肌が立つのを感じた。
「ぉおう……そ、その目はやめてくれ……(恥ずかしいし……)」
「ちゅんちゅん、何の事だちゅん?」
スズメは、カエデが口元を隠しながら恥ずかしがるのを見て、態とらしく誤魔化す。今すぐにでも襲い掛かりたいと言う劣情的な衝動を抑えながら。
◆
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
朝食を取り終えた二人は、何か依頼は届いていないか確認をする。
「んーっと、今日も依頼は無いわね〜。暇になりそうだしどうする?」
「オレは暇を潰せればそれでいい」
「えー、何か案は無いの〜?」
カエデの身体に寄りかかるスズメ。彼女の香りはフワリとカエデの鼻を擽る。その香りに彼は少し反応してしまいそうになる。しかし、それよりも寄りかかってきた彼女の重さと仄かに伝わってくる鼓動を、ただただ感じることだけにカエデは意識を向けていた。
「ん〜……?」
「……もうっ」
瞼を閉じ、ボーッとしているカエデの頬にスズメは寄り掛かるのを止めて軽く唇で突っつき始める。突然の事にカエデは驚くが、スズメの追撃は止まない。頬の次は鼻、目元、耳……そして唇。
柔らかい彼女の唇の感触が癖になりそうになる。けれど意識は別の方へと向かう。彼女の唇が己に触れる度にカエデは、強くなる彼女の匂いに意識が行ってしまうのだ。
「ちょ、ちょっと、や、やめっ――」
「はい、お終い」
「ふぇ……?」
気が付けばカエデは、自身の体温が上昇し、息が途切れ途切れになっている事に気が付いた。唇と唇が重なった時、深い方ではなかったがそれでも彼は茹で蛸になっている。もしスズメが舌を入れると言う深い方のをして来たら、カエデは耐える事は難しいだう。
カエデの顳顬あたりから首筋に向かってゆっくりと汗が流れる。そこにどっと脱力感が彼にのしかかってきた。だからなのか、垂れてくる汗が彼に不快感を与える。
「もう……そんなに汗だくになっちゃって……。あ、もしかして深いのが欲しくなっちゃった?」
スズメは揶揄う様に微笑みながら四つん這いでカエデに近付く。
カエデはもちろん逃げるように後退するが、腰に上手く力が入らず立ち上がる事が出来ない。
「そ、そんな訳……って、よ、寄るなぁ……」
カエデの弱々しい声。それが更にスズメの加虐心を煽った。
「あらあら、弱ったオオカミさんは本当に可愛らしいわねぇ……襲いたくなっちゃう」
ペロリとスズメは自身の唇を舐める。その姿は妖艶ではあるが、カエデはそこに何処か恐怖を感じさせていた。
少し涙目になっているカエデは慌てながら後退する。何時もなら冗談とか言って済ませていた彼女が、今日は何処か別人の様にカエデには見えてしまっているらしい。
「っ!?」
不意に、後頭部に何かが軽く当たった。振り返ればそれは壁と壁の間。所謂、部屋の隅っこである。
目の前ではジリジリと距離を詰めているスズメが居る。そして捕まった。
「うふふっ、やっと捕まえたわよ……。もう、自分に嘘をついてまで我慢しなくて良いわよね? 良いわよね? カエデくん♡」
「や、やめっ――!?」
虚しくもカエデの口は、欲望を爆発させたスズメによって塞がれる。離れようにも、するりと腕をカエデの首の後ろに回されて離れられない。また、スズメの口で塞がれた彼の口は酸素を取り込むことが出来ず、鼻で大きな呼吸をする羽目になる。しかし、狼ほどの嗅覚であれば嫌でも他の匂いまで拾ってしまうのだ。
一緒に取り込まれる他の香り……つまりスズメの香りは、酸欠状態に近い状態と合わさりながらカエデの意識を朦朧とさせる。
塞がれた口には彼女の舌が絡みつく様に入り込み、せっかく取り入れた酸素ごと吸い出されている様だった。
「んっ、んっぷ……んっ――はぁ…はぁ…んんっ!?」
スズメ
……それくらいの時が流れたのだろうか。カエデはすっかり骨抜きにされ、スズメは昼食の準備に取り掛かり始めている。
放心状態のカエデは首筋を伝う汗を受動的に感じながら、先程間近で嗅ぐことの出来ていたスズメの匂いを思い出す。
彼女が触れていた部分にはまだ温もりが残っている。首の後ろにもまだ、回されていた腕の感触が残っている。
「……良い匂い……それに安心……する……」
カエデは衣類に残った彼女の香りをもっと感じたいが為に、寝間着の襟元を鼻に近付けた。
瞼を閉じ、そっと、匂いを嗅ぐ。
嗅覚を刺激する香りはすぐにカエデの意識を蕩けさせ、喉と下腹部に熱を帯びさせる。
耳の裏側にある動脈の鼓動が徐々に速くなり、身体全体に熱が回った時、自然とカエデの右手は自身の下腹部へと伸びた。そして……カエデはその手を止めた。カエデは自身に送られる視線を、誰かが此方を見て笑っているような視線を感じたのである。
その視線の元はスズメであった。口の端は大きく釣り上がり、喜びを孕んだ瞳がそこにある。
「あらあら……うふふふふっ♪」
「なっ!? ななな、やめっ――」
絆が深まった怪異調査相談室の休日は、まだまだ終わらない。
初めての二次創作でしたが書いててとても楽しかったです(*´ω`*)
これからも不定期になりますが、二次創作が完成次第投稿しますのでよろしくお願いますᕦ(ò_óˇ)ᕤ