Jロックfromパラレルワールド   作:グッサン

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石塚のあだ名が(先生)の為、所謂先生は教員と記載してます。


第2話 weekend

石塚の破天荒な一面に困惑しつつも、この日の昼休みは何事もなかったかのように過ぎていった。

勿論、学食の方も平和だったようだ。

 

「先生!全くヒヤヒヤさせるなよな!」

 

「何が?」

 

「だから、真っ昼間から教室で飲酒喫煙は無いだろって言ってるの!よく分からんけどバレなかった事が奇跡だよ」

 

「秀人ぉ、お前さやっぱり変だよ。昨日から同じ事ばかり言ってるけどさ。

バレるとか、ヤバいとか、情緒がアレだよ?」

 

「おまっ、僕の情緒がアレとか先生に言われたくないね」

 

放課後、石塚と部室に向かう廊下で噛み合わない会話が虚しく続いている。

 

「はぁ、なんか疲れたわ。とりあえずこの話題は止めよう」

 

漸く部室に着いたが、スゲー疲れてる。主に精神的に!

 

 

「おっ!佳樹!今日はカレー食わなかったんだな!」

 

部室に入ると、椅子に座って単語帳とにらめっこをしている佳樹を見つけて、挨拶がてらの嫌味をお見舞いした。

 

「昨日食べたからね、毎日カレーなんて食べないよ」

 

さらっと返して来やがったが、こいつ嫌味だと気づいていないな。しかも、昨日バックレた事すら無かったかのような振る舞い。

やはり佳樹はかなりの天然だな。こいつは妙な魅力をもっていて、なんか許してしまう自分が悔しい。

 

「そうだな、聞いた俺が馬鹿だったよ…」

 

「ん?秀人は馬鹿じゃないよ!」

 

ダメだ、この佳樹という男には勝てる気がしない。

 

 

漸く部員5人揃ったので、来週の週末のに行われる新入生歓迎会での部員勧誘の内容についての話し合いが始まった。正確には部活紹介なのだが、この場が新入生部員を獲得する最大の見せ場な為、部員勧誘とよばれている。

 

「やっぱり派手な事をするのが一番かな?」

 

僕がぐるっと皆を見ながらアタリを探るように話す。

 

「派手ってどんな?」

 

トシが疑問を口にしたとき

 

「やっぱりステージで火を吹くに限るね!」

 

目を爛々とさせた泰司が盛り上がってある。

 

「お前は去年の文化祭の事忘れたのかよ?

お前が先輩のステージに乱入して火を吹いて先輩の頭を燃やしたろ?

アレで大乱闘になって停学喰らうはわ、先輩は皆辞めちゃうわ、で散々だったろ?」

 

「そうだっけ?

でも、結局一番暴れたのって佳樹じゃね?

あの布袋先輩に向かって行くなんて、俺じゃ無理だし!

秀人が間に入らなかったらヤバかったね。」

 

嗚呼、去年の文化祭の悪夢が甦ってきた!

あの事件で僕と佳樹と泰司が停学になって先輩は部活を辞めちゃったんだよな~。

ってか、喧嘩を止めていた僕まで停学になったのは今でも納得出来ない!ガッデム!

 

先輩も辞めちゃって部員が2年の僕たちだけだから、何とか新入生を勧誘しないといけないのだ。

 

「とにかく、火を吹くのは無しの方向で…」

 

ダメだ…コイツらの思考と行動は高校生のソレじゃない。教室で飲酒喫煙するわ、火を吹くわ!ヤンキーやチンピラとも違う方向性過ぎて、こっちの思考が着いていけない!まともに取り合っていたら精神がガリガリ削られていくよ!

 

アレ以来、僕は布袋先輩と仲は良いけど、佳樹なんか今の3年全員敵に回した感じだもんなぁ。

困ったもんだ。

ハアと深いため息をつくと

 

「大丈夫か?ため息は幸せが逃げるっていうよ」

 

トシが心配そうに僕の顔を覗きこんでいる。

コイツは本当に良い奴だ!

佳樹とは幼稚園からの幼なじみで親友だそうだが、キャラが違いすぎる。

お互いの持っていないものに惹かれたのかな?

 

「ああ、大丈夫ありがとう」

 

ふと見ると石塚は相変わらずジャックダニエルをロックで煽って我関せず…ってな感じ。

 

多分、このメンバーでマトモなのは僕とトシだけしかいない。

最近、思考がぐちゃぐちゃしてるが僕はコイツらに比べたらマトモなはずだ!

そうでなけりゃやってられないよ!

 

 

本番の新入生歓迎会を一週間後に控えた、今日という週末の放課後。

結局、出し物はステージでロックするという、曖昧だが普通のものに決まった。

 

普通に辿り着くまでの道程がファンキー過ぎて疲れたわ。

 

普通って普通に難しいね。

 

 

 

 

 

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