ダンジョンに夢と希望を求めるのはまちがっているのだろうか。 作:しろくまお
感想ですが、しのぶさんにガチ恋しそうでした。なんすかあの感じ。妖艶でミステリアスで美しい、はぁー、好き。
炭治郎とカナヲちゃんもなんかいい感じでしたし胸がキュンキュンしました。
鬼との対決も格好良かったです。岩の呼吸ってあるじゃないですか。あれどういった技なんでしょう?気になって夜しか眠れません。
店で働き始めてから1ヶ月が経った。そろそろこの店からもお別れだ。この1ヶ月でヴァーユ様も何かしら変わっただろう。もちろん僕も変わった。掃除、洗濯、料理など家事の技術が物凄く向上したと思う。ホントに冒険者だよな?僕。
貸し与えてもらった部屋を綺麗に片付け、店主にしっかりとお礼を言ったあと、僕は共に働いたアーデさんの部屋へと向かった。
扉をコンコンと二回ノックする。中からバタバタ音がしたと思ったら、少し元気のなさそうなアーデさんが扉から少しだけ顔を出した。
「大丈夫?なんかやつれてない?」
そう言うと、アーデさんは少し嫌そうな顔をするとこちらから顔を逸らしポツポツと話し出した。
「リリは冒険者様が嫌いです。」
「自分のことを一番上だと思い込んでいる冒険者様が嫌いです。」
「でも、」
そこでアーデさんは一瞬、言葉を詰まらせたが続けざまにこう言った。
「リリはそんな冒険者様にいいように使われている自分が一番嫌いです。」
僕は何も言わなかった。アーデさんが何か抱えているのは前から知っていたからだ。最近、妙に元気になったのでその問題も少しは軽くなったのだと思っていたがそうではなかったらしい。少し残念な気持ちで聞いていると、アーデさんは背けた顔を僕に向けて優しい顔でこう言った。
「でも、信じれる、この人なら大丈夫と思える冒険者様もいます。」
「リリは救われました。まだ、しがらみはありますが。最悪の状態から抜け出せました。」
そう言った彼女の顔はとても可愛らしく、あぁ、きっと本来はこうやってよく笑う子だったんだなということが伝わった。
「だから、ありがとうございます。ハク様。リリが救われた要因の一つはあなたです。」
しらずしらずのうちに僕の両目からは涙が溢れていた。人を救うなんてたいそれたことは自分には似合わない。けど、このオラリオにきてヴァーユ様に助けられて、今まで誰にたいしても深く踏み込んで行かなかった自分に向こうから飛び込んで来てくれた。
それが堪らなく嬉しかった。人との本当の繋がりを感じられたようで嬉しかった。
「実はですねぇ、今日のために少し作業をしていまして。」
僕が泣き終わったのを見計らってアーデさんはポケットから何かを取り出した。良く見るとそれは石で作られた小さな首飾りだった。魚をモチーフにしたのだろうか鱗まで綺麗に作られている。
「なぜかトリトンさんを見ていると魚が思い浮かびまして。こんな物ですが受け取って下さいますか?」
僕はぐいっと涙を腕で拭うと精一杯の笑顔で答えた。
「もちろん!!」
見慣れた外装に一礼し、僕はホームへと帰る。もしかしたらヴァーユ様は怒っているかもしれない。帰ったら説教かなと苦笑いしながらメインストリートを走る。
首に魚のネックレスをつけて。