ダンジョンに夢と希望を求めるのはまちがっているのだろうか。   作:しろくまお

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ついにハクがダンジョンに入ります。どうなるんでしょう。


ダンジョンと勝利

地獄のような勉強会から1日がたった。昨日は終わったあとあまりに疲れていたためダンジョンに潜る事が出来なかったが今日は違う。昨日、エイナさんにも一応の知識はついたということでダンジョンに潜る許可も下りたし、ヴァーユ様もいつもの緩い感じで送り出してくれたし大丈夫。装備オーケー、体調オーケー、忘れ物なーし

よし、行くぞ。期待と不安を胸に僕はダンジョンに足を踏み入れた。

 

ダンジョンの一階層は全体的に薄暗く少しの明かりが通路をぼんやりと照らしていた。通路を抜けると少し開けた場所に出た。昨日、エイナさんに教えて貰った。きっとここはルームなのだろう。ダンジョンはルームという開けたところがつによっていくつも繋がっている構造になる。戦いにくい通路は避けてなるべくルームで戦闘するように言われた。そして、昨日、一番しつこく教えられた所、モンスターの襲来だ。

 

壁がミシミシと軋むような音を出し何かがぼとりという音をたてて落ちてきた。それは濁った目をこちらに向けながら威嚇するように小さく唸った。小さいながらも今日が初めてのダンジョンである僕からしたら強敵のモンスター、ゴブリン。昔、家に置いてあった英雄譚ではよく出てきていたが実物を見るのは初めてだ。僕の住む近くではゴブリンは出なかった。幸いにも生まれたゴブリンは一体だけでこちらの出かたを警戒しているかのようにすぐには攻撃しては来なかった。おかげで僕の方は目の前のゴブリンをどう倒すかだけを考えれた。ゴブリンが警戒しながらも長い爪をこちらにつき出すように攻撃してきた。僕はサイドステップでゴブリンの背後をとり、背中 魔石が埋まっているであろう場所に向けてギルドから支給されたナイフを振るった。しかし、力が弱いためか深手は負わせたものの致命傷にはならない。激昂したゴブリンが振り返りざまに長い爪で引っ掻いてきた。左腕に痛みが走り僕はとっさにバックステップをした。引っ掻かれた左腕からは血が出ており装備が少し赤く染まった。どうやら支給された装備の隙間を裂かれたらしい。僕はその血をみて恐怖に少し足がすくんでしまい。次のゴブリンの攻撃に防御を間に合わせることが出来なかった。次にゴブリンが繰り出してきた攻撃は突進、壁におもいっきり叩きつけられた。空気が体から出る。

 

もうおしまいか?エイナさんにも絶対に無茶はしないと約束させられている。今日はもう、このまま帰ってもいいんじゃないか。そんな思いが一瞬頭をよぎる。でも足はゴブリンに向けてしっかり立っていた。ここで逃げたらダメな気がする。何か大切なものを無くしそうな気がする。そんな思いで僕はゴブリンと戦う道を選んだ。

 

このまま長引かせたら新たにモンスターが生まれる。それだけは防がなくてはならない。ならどうするか。答えは簡単、短期決戦だ。なんとか動かせる左手にダンジョンの土を握らせる。そのまま突撃、ゴブリンは僕が急に動いたことで攻撃が一瞬遅れた。さらに僕の攻撃時間を伸ばすために左手に持っている。土をゴブリンの顔に投げつける。充分だ。これだけ時間があれば奴を倒せる。僕は今持てる最大の力でナイフをゴブリンの胸に突き立てた。ゴブリンは2、3度痙攣したあと魔石を残して綺麗さっぱり消えた。良かった。魔石は傷つかなかったらしい。

 

今日の収穫は魔石一つだけ、左腕を負傷。初戦にしてもひどい結果に肩を落としながら僕はギルドへの帰路へとついた。もっと強くならなければ、そう思った。その思いを抱いた直後、背中が少し熱くなった気がした。

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