ナイトガンダム物語 円卓の騎士伝説 異聞編   星命樹マナ探索行   作:にしかわ

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精霊の導き   時空の狭間

荒涼とした砂漠をカイはひたすら走っていたここはかつて激戦があったセダンの要塞の前に広がっている砂漠である。

 

カイはゲートの一件をキングガンダムⅡ世に伝える為に子供達を街に帰した後首都バーリントン市を目指して急いでいた。

 

 

「ふう・・・まったくなんで俺はこんな事やってんのかな」

 

口では愚痴を言いつつも急ぐ足を緩めない辺り普段の軽い言動に隠れがちだがなんだかんだで筋を通す義理堅い男である。

 

 

「まったくあいつらに会ってからなんだかんだでお人よしが移っちまったのかね・・・・あんっ?」

 

 

ふと後方に気配を感じ振り返ると鋭い嘴を持つ4足歩行の鳥型の魔物と禍々しい獅子のような魔獣が追いかけてきていた恐らくカイを狙っているのだろうそれに気づくとカイは慌てて走り出す。

 

 

「クソッよりにもよってかよ」

 

カイがこちらに気付いた事に気付いたのか魔物達も疾走してくるいかにカイが足に自身があっても魔獣の方が足が速く次第に距離が縮まってくる。

 

「やべえなこのままじゃ捕まる・・・ゲッ」

 

カイは砂漠の砂に足が引っかかり躓いて倒れてしまったそこに魔獣が牙を向きカイに襲い掛かるその時カイの周囲を風と砂が渦巻きカイを守るように包み込むその勢いの激しさに魔物達は怯む、そして風が収まるとそこにカイの姿はなかった。

 

カイは気が付くと砂漠の外れにいた魔物はどうやら付近にはいないらしく安全なようでありカイは安堵の吐息つく。

 

「ふうーーー危なかったぜ・・・しかし今のは一体なんなんだ?」

 

そう首を傾げるカイの周囲に再び風が渦を巻くと声が響きカイに語り掛けてくる

 

「円卓に縁を持つ物よ・・・・・」

 

「えっそれって俺の事か??」

 

「キングガンダムⅡ世に伝えよユーサーより託されし力を汝に渡す時が来たとそして心せよ新たなる闇が星命樹マナを脅かそうとしていると」

 

「ユーサー?星命樹マナ?なんだそりゃっておい」

 

カイの質問に答える事もなく風はやみ回りを静寂が包む。

 

「ったく言うだけ言っておさらばかよ、まっ命があったたげでもめっけもんか、それになんだかんだでお宝の予感もするしな」

 

そうつぶやくきニヤリと笑うと再び歩き出すのであった。

 

 

 

武達は洞窟の中で焚火を囲んでいた焚火の上には鍋が火にかけられ中では様々な食材がグツグツと煮え焚火の周囲には茸や茶色の木の実が木の枝に刺さり炙られ食欲をそそる匂いがたちこめる。

 

「この茸や木の実が見つかって良かった、これとっても美味しんですよ」

 

「そうなんだ、そういえばこの木の実なんか焼いた肉の匂いがするんだけど」

 

「ええ、この木の実は焼くとまるで焼肉のような味がするの」

 

「それはまた、なんとも不思議な木の実だな」

 

「へえーーそうなのか、おっどうやら焼けたようだな、んじゃ早速」

 

剛騎士が焼けた木の実を頬張ると口一杯に焼いた肉のような味が広がり暖かい果汁は豊かな肉汁のような味で喉を潤す。

 

「うお、本当に焼肉みたいだしかも汁気タップリで水いらずだぜ」

 

「そうですね、本当に美味しいな、こんな木の実があるなんて」

 

「ああこうして焼肉と言われて出されても気付かないだろうな、この茸も肉のような味がするのか」

 

「いえ、その茸は焼くとパンのような味がするんです、茸嫌いの人でも食べられると思いますよ」

 

「だそうだ剛騎士食べてみたらどうだ」

 

 嵐騎士の質問にアンジェが答え、その答えを聞き麗紅騎士がからかうように剛騎士に食べる事を勧めるが剛騎士は表情を固くする。

 

「い・・いや俺は茸が苦手で・・・・」

 

「好き嫌いはいけないですよ騎士様食べ物が可哀そうだわ・・・・」

 

アンジェがそう窘めるように剛騎士を諭すその姿はどこか好き嫌いを窘める母と子を思わせた。

 

そのアンジェの言葉に罪悪感が沸いたのか剛騎士はええいままよという感じで意を決して茸を口に含み咀嚼すると突然フリーズする、何故かその時武は剛騎士の背後に電流が走ったように見えたのきっと目の錯覚だろうか。

 

「こ・この食感この味なんてこったこれは本当に茸なのか・・・」

 

「本当に美味しいですよねこの茸さらにチーズをかけるともっと美味しいですよ・・・はいリィズ小さくきったから慌てずに食べてね」

 

「ピィーーー」

 

 

剛騎士の言葉にアンジェは嬉しそうに笑うとさらに家から持ってきたチーズを削って振りかけるとチーズが解けてより食欲をそそる匂いを出す。

 

「はいタケル溶けたチーズは少し熱いから気を付けて食べてね」

 

「うんありがとうアンジェ・・・・うわ本当にパンみたいだな・・・」

 

武は茸を食べると驚きつつもチーズが掛かってチーズトーストのような味になった茸に舌鼓を打つそんな武の様子をアンジェ嬉しそうに眺めるその笑顔は剛騎士の時より深かかった、その二人の様子を麗紅騎士は見つめながら優し気に笑うのであった。

 

 

食事も終わり後は寝るだけになったがまだ時間もあるという事で武達はお互いの事等で話等を始めた食事の後なのかみないつもより口が軽い。

 

「そういえば武、君はどこでその剣を学んだんだ」

 

「僕の実家で父さんと叔父から学んだんです家は代々退魔剣術を受け継いでいるので」

 

「ほう・・・では武の一族は剣士の一族という事なのか」

 

「そうですね、まあ表向きは神社の神主をつとめているんですが」

 

「ジンジャのカンヌシ?」

 

タケルの言葉に他の5人は首を傾げる。

 

「えーーと神殿の神官を務めているて言えばいいのかな。」

 

「なるほどタケルの国では神殿や神官をそういうのだな」

 

「少し意味合いも違うんですがそんな感じかな」

 

「でもよお神官がなんで剣術を伝えているんだ」

 

「それは・・・・」

 

武は疑問に答えるかつて神代の時代大地には様々な化外があふれ精霊や様々な神々がそこかしこに居た、その中には人に仇なすものや人々を守護する者達もいた。

 

そんな中神々を祀る者達の中から加護を受け退魔を生業とする者達が現れ始めた自分の先祖もそんな退魔を生業としつつも人を守護する神々を祀る者でもあった。

 

しかし時が経つにつれて神代の者達は幽世という異界へと去りあまり深く人々と交わらなくなっていった。

 

それでも幽世から人の生気や魂を狙う化外や古の呪術によって歪められた自然霊が人々を影ながら襲う事があり今でも退魔を生業とする者はいるもっとも昔に比べると大分少なくなったという。

 

自分はその中でも剣と雷に纏わる神を奉る者達の末裔でありその為代々剣術を磨き伝え続けていた。

 

「なるほどな・・・・ある意味我等ガンダム族に近いのかもしれないな」

 

「あなた達にですか?」

 

「そうだ我等ガンダム族は元々剣士の一族だと言われているまあ最も今では魔術師を志すものいるがな」

 

武が軽い驚きに嵐騎士がそう説明する。

 

「それじゃあよタケルの世界じゃ魔物とか殆んどいないという事か」

 

「ええ、少なくとも余程霊的に危険な場所でない限りそいうのに襲われる事はないですねそもそも魔物とか架空の存在としていないという事になっていますし」

 

「うらやましいな、魔物の驚異がない世界というのは」

 

「でも皆無ではないですよ、時々現れる事があるので結局油断は出来ないんですけどねそれでも日ごろから心配するほどではないですけど」

 

「でもタケルはすごいわ、人知れずに多くの人々を守っているんですもの、私はこんな事しか出来ないけど」

 

「それは違うよアンジェ、・・・君の方が凄いよ」

 

「えっ??」

 

「僕が戦ってきた魔物達の中には古の呪術師達によって存在を歪まされた自然霊や動物霊もいて中には正気を完全に失い邪気の塊になり果ててしまった哀れな者達もいるんだ」

 

「なんと・・・・」

 

「そ・・・そんな・・・」

 

武の言葉に他の全員は絶句する特にアンジェはタケルの悲痛な表情を見ていたたまれなくなってしまう。

 

「助けられる者をいたけど完全に魔物になり果てて倒さざる得なかった者もかなりいたよ」

 

そう独自する武の表情と声音はどこか懺悔するかのような雰囲気であった。

 

「だからアンジェのように救う力がどれだけ大切か良く分かるよあの時の魔物もアンジェがいなかったら消滅していたかもしれない」

 

武はアンジェを見つめて嬉しそうにどこか憧憬を滲ませる。

 

「だから君の癒しや救う力の方が凄いし大切だよ・・・・」

 

そう言うと暗い表情になりどこかやるせない表情になる。

 

「ときおり、凄く嫌になるんだこんな事でいいのかもっと大切な事を忘れていないだろうかって・・・」

 

そう言うと武は拳を握り締める、そこには悔恨と無念と悲哀があった。

 

「でも・・・」

 

「えっ・・・」

 

「あの時タケルがいなかったら私達は多分死でいたわあの魔物の子もずっと苦しみ続けていたかもしれないあなたや騎士様達がいたからみんな助かったのそれは紛れもない事実よ、だから自分の事を卑下しないで」

 

「アンジェ・・・」

 

「タケルの言っている事も分かるわ、でもだからといってあなた自身を否定しないで欲しいの」

 

「・・・ありがとう」

 

 武はどこか胸のつかえが取れたような、ほっとしたような表情になりその表情を見たアンジェは嬉しそうな表情で微笑む。

 

麗紅騎士は、なるほどと合点がいった、先の彼の剣から深い哀しみを感じたからである

 

(彼の剣からは深い悲しみを感じたが散っていった命への哀惜だったのか、それが彼の強さの源泉なのだろうな以に彼はまだ強くなるだろう)

 

悲しみの一つも抱かぬ強さに何が救えるというのだろうか唯空しいだけだという事に気付いたのはいつだろうか思えば我らが王に仕えるようになってからだろうか・・・・。

 

ふと嵐騎士と視線が合うそれでお互い何が言いたいのか分かったこの若者にこの旅の最中に出来る限りの事をしてあげようと決意するのであった。

 

そして剛騎士にも確認しようとしたが彼の前には食事が終わったにもかかわらず、未だにチーズの掛かった茸を平らげる剛騎士がいた。

 

「剛騎士食べ過ぎだぞいい加減それくらいにしろ」

 

「んな事言ってもようこの茸美味すぎて手が止まんないだ」

 

「あの・・・スープをもう一度温めましょうか・・・・」

 

「おう悪いな、いやーーーーしっかし流石伝説の世界だな飯がうまいのなんのって野宿でこんなにうまい飯にありつけたのは初めてだ」

 

「まったくおまえの呑気さが時折羨ましなるな」

 

「おおらかって言えよ、おおらかと、まあとにかくよ」

 

「武おまえの剣技は見事だったし何より誰かを守る強い意志がお前にあるそして弱者を労わる心もな後はそれさえ忘れなければ大丈夫だ」

 

「剛騎士・・・・」

 

「だから、胸を張っていいんだ、俯いていたら大切な者が見えなくなっちまうぞ」

 

「そうですね・・・みんなありがとう本当にアンジェも」

 

「気にすんな俺達もう仲間だろう」

 

「そうよタケル」

 

そう力強くいう剛騎士とアンジェの優しい言葉にタケルは嬉しそうに頷くのだった。

 

 

食事も終わりフロニャルドの事で色々話が出たがそこで彼等はある事に気付いた。

 

「フロニャルドの人達が獣の尻尾や耳が付いているんですか」

 

「ああ我等が聞いた伝説ではそうあるが・・・」

 

「そういえば前に遠目で見た人も耳と尻尾が付いていたわ」

 

「えっでもアンジェ君には・・・・・耳も尻尾もないけど」

 

「それは・・・・」

 

「まあでも昔の話だもしかしたら普通の人間もいるかもしれないからなあまり気にしない方がいいだろう」

 

「はい・・・・そうですね・・・・」

 

そう返事を返すもアンジェの胸中には一抹の不安がよぎるのであった。

 

 

 

 

朝の光が照らす中で上空から調査していたクーベル達は荒れた場所を発見しすぐさま他の人員にも連絡をいれすぐさまそこを重点的に捜索する事を決め各自が調査を開始していた。

 

その結果緑色の屋根の家を発見するもそこには最近まで住んでいた痕跡はあったが付近には人影がなくもしかしたら魔物に襲われたのではないかと急いで捜索が行われていた。

 

そして彼等は魔物との戦闘が行われたであろう場所を発見したのであった。

 

「うーーむこれは凄まじいな・・・・」

 

レオンミシェリはその戦闘跡から戦いの凄まじさを感じ唸っていた。

 

「本当にそうですねでもあの家に暮らしていた人は大丈夫なんでしょうか」

 

ミルヒオーレは心配そうに呟くこの有様では家で暮らしていた人がどうなったのか分からず最悪命を落としている可能性も捨てきれなかった。

 

「ミルヒよまだそうと決まったわけではあるまい大丈夫だ」

 

「そうですね、もしかしたらどこかに避難しているかもしれませんしね」

 

「その通りなのです、あきらめるにはまだ早いという事なのです」

 

「その通りだどうやらここであの魔物は倒されたようだしな」

 

「アデル様にヴァレリー様!!」

 

「おおアデル殿にヴァレリー殿」

 

古の英雄の二人が現れた事に二人は一礼をする。

 

「あの魔物が倒されたとはどういう事なのでしょうか」

 

「それは戦いの戦闘跡からヒナが禍太刀の欠片を見つけたからなのです」

 

「禍太刀の欠片が!!それはどうなっておるのだアデル殿」

 

「見つけた時には邪気が完全に消え去っていたのですヒナによれば何か強力な浄化の力で破壊されたのではないかと」

 

「それではダルキアン卿に匹敵する退魔士がいたという事か」

 

「恐らくとしか・・・・」

 

「だがなあ、この戦いの様子だとどうやら数人で戦っていたようだぜ」

 

「あの切り裂き御坊にすら匹敵すると言われた魔物を数人でですか」

 

ミルヒオーレが驚く伝説の英雄達ですら倒し切れなかった魔物を打倒する者達がいたという事である。

 

「むう一体何者であろうか・・・・」

 

「そうですね何より魔物を倒してくれたのですからお礼を伝える為にも探さないと」

 

「そうじゃな」

 

ミルヒオーレの言葉にレオンミシェリは頷くするとそこにエクレールが慌てて駆けつけてる。

 

「姫様、クーベル様とガウル殿下達がここから離れた所にある湖で気絶した一人の少女を保護したと連絡が」

 

「本当ですかそれでその少女は・・・」

 

「大分衰弱が激しくしっかりとした医療機関がある所で見ないといけないようだと」

 

「その少女もしや先程の家に暮らしておった娘ではないのか」

 

「そこまでは分かりませんが・・・・」

 

「とにかくその子を医療機関に連れて行きましょう、そして元気になったら改めて事情を聞いてはどうでしょうか」

 

「そうじゃな、では一旦戻るぞ皆」

 

「ハッ!!」

 

何者が倒したか分からないが魔物が倒された事と少女を保護する事が出来全員が安堵するともかく一旦戻る事がきまり彼等は帰路につくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡る。

 

 

 

 漆黒の空間に老爺と老女が何かを探すようにしていたこの漆黒の空間は所謂時空の狭間であり時間の流れからも隔絶した場所である。

 

並みの人間では身動きが取れなくなるであろう場所だがこの二人はそんな空間でも怯むことなく動いていた。

 

ある程度霊的な感覚を持つ者であったなら二人の秘めたる力に気付き驚愕していただろうか、最もこの空間には前述した通り並みの者では身動き一つ取れなくなるが。

 

二人はゆったりとした所謂魔術師が身に纏うローブをまとっていたその表情はいつになく焦りがあった二人は悟っていたもう自分達にはあまり時間がない事にそれでもなんとかしたい事があった。

 

自分達は未来ある若者達4人に凄惨な仕打ちをしてしまった時間がなかったからとはいえそれでも許される事ではないだろうだからこそ少しでも彼等の重荷をかるくしてやりたいという思いから彼等はこの狭間を彷徨っていた。

 

そして二人はついに一人の少女を見つけたそれは長い金髪に青いリボンを結んだ15歳くらいの少女であった。

 

二人は慌てて様子を見る、この少女はある男の子を守る為に呪いの矢を受けてしまったその呪いで死んでいるはずだったがどういう事か死んではいないようだったその胸元には青い清浄なる輝きが溢れ少女を蝕む呪いの黒き力を抑え込んでいた。

 

 

「あの場におらぬ故、もしやここにいるのではと思ったがそういう事だったのか」

 

「クリスタルの欠片があの時にこの子を憐れんで守りながらここに連れて来たんだね、ここなら時間の流れからも乖離しているからね、死の一歩手前で食い止めていたんだね」

 

「ウネまだ力は残っているか・・・?」

 

「なんとかね・・・最もここで魂が完全に潰えてもいいくらいさ」

 

「ウネ・・・・」

 

「ドーガそういうあんたも力は残っているのかい、いくらこの子を救えてもここから出してあげないと私達と違ってこの子は肉体があるんだここに長くはいられないよ」

 

「大丈夫だ、それより早く始めよう」

 

「ああ、そうだね」

 

そういうと二人から強大な力があふれ出して来るもしこれを他の者が見たら驚愕していただろうどう考えても力が弱まった魂が放てる力ではなかったからだ。

 

二人の力が眼前の少女に流れ込み青い光が輝きを増すがそれにつられるように黒い呪いの力もより大きくなって飲みこもうとするまるで絶対に許さないと言わんばかりの怨念のようだ。

 

「これは!!!ザンデめここまで力を込めておったとはそれほど憎かったのか・・・・」

 

「ザンデ・・・・」

 

二人は歯噛みするもそれでも自身の存在を維持する力すべてをつぎ込んでも救う為力を振り絞るがそもそもここにくるまで力の殆んどを使い果たしてしまい後はもう純粋な魂の力だけであった。

 

黒い闇が益々大きくなり少女を飲み込もうとするその闇は一人の男の顔を象るそれは自分達の弟弟子であるザンデだった、しかしそれはもう本人ではなく残された怨念であろうか。

 

「なんて事だいまさか死んだ事で怨念が強まるなんて」

 

「しっかりしろウネこのままではこの少女が・・・・」

 

二人は最後に残された力を振り絞ろうとするがそれでも足りず次第に力が弱まり闇が力を増して来るその時だった。

 

天から白き聖なる光のエネルギーが走り闇の力を浄化してくるこれには闇も溜まらず力が大きく減衰する。

 

「これはホーリーかい、一体誰が」

 

ウネが驚くと後ろから一人の褐色の肌をした白装束の男が現れるその男は口元を白いターバンで覆っておりその瞳は高潔な輝きがあった。

 

「何が起きているかは知らぬが、どうやらお困りの様子ゆえ勝手ながら助勢しよう」

 

「すまぬ私の名はドーガ」

 

「わたしゃウネだよ・・・・あなたは名は」

 

「私の名はミンウ、どうやらあなたがたはあの少女を救おうとしているようだが・・・」

 

「ああその通りだよ、ただあの怨念を晴らさないとあの子を救えないんだが予想以上に力が強まっていてねこちらももう余力はあまりないんだ」

 

「だからミンウ殿先のホーリーに我等の力を上乗せして放ちたいのだがよろしいかな」

 

「構いませぬ、ではいきますぞ」

 

するとドーガとウネの力がミンウに流れ込みミンウの手に莫大な白い光の力が生じると彼はそれを解き放つその光は螺旋状にうねりながら怨念の闇を覆いいままでより強い力で怨念を焼く。

 

「「「はあああああああああーーーーーーーーーー」」」

 

三人は全力をホーリーに振り絞ると聖光は勢いを増し怨念の闇を完全に浄化するそして当たりは静寂に包まれる。

 

「なんとか闇を浄化出来たね後は、ドーガ・・・」

 

「うむ・・・・・」

 

二人は最後の力の残滓を振り絞り少女に力を注ぐと少女の胸元にあった矢傷が消えていき少女は穏やかに呼吸をし始めた。

 

「これで良し・・・頑張ったねエリア・・・」

 

「これでもう大丈夫だろうミンウ殿でしたか助けて下さり申し訳ない」

 

「気にしないで欲しい私は既に死んで運命を全うした身ゆえ最後に人助けが出来て良かった」

 

「そうかい・・・見た所まだお若いのにねえ・・・・」

 

ミンウの様子から何かを察したらしく二人は表情を曇らせる今まで多くの悲劇をみてしまった為か若い人が亡くなるのは見てて辛いのであろう。

 

その二人の様子にミンウは穏やかにされどしっかりとした意思で首えお横に振る。

 

「気遣いは感謝するが私は最後に信頼出来る若者たちに未来を託し巨悪を討つ事が出来た故、思い残す事はありませぬ」

 

その言葉に二人は何か自分達と似たものを感じ、ミンウもまた二人に何か感じる事がありお互いの事を話し始めると、驚くべきことにお互いが別の世界の出身者である事がわかった、そしてお互い若者達に未来と希望を託した事も。

 

「そうか我等と同じか・・・・」

 

「奇妙な縁もあったもんだね、・・・・それよりもドーガ早くエリアをここから出してあげないと」

 

「そうだなしかしあまりにも力を使い過ぎてしまった・・・これでは時空の狭間を開く事が出来ぬ」

 

「そんな・・・・」

 

「ならば私の力を貸しましょう私のアルテマなら時空に僅かな亀裂を付けられるはず」

 

「アルテマ・・・・もしやあの伝説の大魔法かい!!!」

 

「なんと我等の師ノアが最後まで見つける事が出来なかった究極魔法をお主が・・・」

 

「そうだ時空に亀裂を作れば残された力でも時空魔法が効くはずだ」

 

「わかったでは頼む」

 

「なにからなにまですまないね・・・・」

 

「いえお気になさらずではいきますぞ・・・・」

 

するとミンウは両手に力を集中し詠唱を始めるすると両手に先までとは比較にならない程の絶大なエネルギーの光が生まれる。

 

「時空の狭間を開け・・・・アルテマ!!!!」

 

ミンウは両手の力を解放し放つとアルテマは莫大なエネルギーの奔流となり時空の狭間にある僅かな揺らぎに当たり無理やりこじ開け時空に亀裂を生む。

 

「今だ、お二方早く!!!」

 

「ああいくよドーガ!!」

 

「わかった!!!」

 

時空の亀裂が出来たのを見ると二人は時空の魔法を唱えるとエリアと呼ばれた少女は光に包まれ出来た時空の亀裂へと運ばれていく。

 

「エリア信じるんだよ必ずみんなに会えるとそして幸せになっておくれ!!!!」

 

「けっして・・・けっして希望を捨ててはならぬぞエリア、そして我等のようにはなるではないぞ」

 

そう祈るようなウネとドーガの言葉を受け水の巫女エリアは時空の亀裂へと姿を消したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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