ナイトガンダム物語 円卓の騎士伝説 異聞編 星命樹マナ探索行 作:にしかわ
まして毎日ペースってどんだけ。
武は唖然としていた自分達の前に突然三人の騎士が現れたからである、その姿は騎士の鎧を纏っているが明らかに人間ではなかった一見すればロボットのように見えるだろうしかしその瞳は高潔なる騎士のそれであった。
だがなにより驚嘆させられるのは彼等の放つ気であったそれはいままで会った事のある幽世の者達とは違う聖光に祝福された光輝のようであった、伝説に謳われる聖騎士とは正にこういう者達なのであろうか。
「無事か君達、動けるか???」
「あっ・・はい・・・なんとか・・・助けてくれてありがとうございます」
「礼は後だ、まだ戦いは終わっていないんだからよ」
「その通りだここは我等にまかして怪我している者達を安全な所へ連れていけ」
「わかりました、アンジェ、ホルンを治療した後リィズを連れて隠れていて」
「はいっ、 ホルンもう少し辛抱して今治してあげるからね」
突然現れた不思議な騎士達に内心驚くも加勢してくれる事に武は感謝し魔物の様子を見る魔物は突然現れた騎士達に怒りの雄たけびを上げる。
「色々聞きたい事もあるだろうが今は後回しだ、少年、君はあれと戦っていたようだが何か知っているのか」
「いえ自分達も急に襲われたので良くわからなくて唯わかっているのは奴の体は岩石を操って出来ているもので攻撃してもすぐに元通りになる事だけです」
嵐騎士の問いかけに武は自分の推測を伝えるそこに麗紅騎士は疑問を述べる。
「操っているという事は本体がいるという事か」
「ええ恐らくあの体のどこかに核があるはずそれを止めれば倒せるはずです」
「あんだけの巨体から本体を探さなきゃいけないのかやっかいだな」
剛騎士がぼやくと魔物は武達に突進し右の凶腕を振り上げ殴り掛かってくる。
「なんのガンダム流剛楯法 ギガンティックガード!!!」
剛騎士がその攻撃をなんと持っていた鋼の大楯で正面から受け止めた構えた盾に莫大な闘気が収束されその剛騎士の周囲の景色が揺らいで見える程であった。
(なんてパワーだあれを正面から受け止めるなんてしかも揺らいでもいないとは)
そして大楯に収束されている闘気が爆発し魔物を襲う至近距離で爆発を受けて右腕が砕け散り怯んでしまい隙を作ってしまうそこに麗紅騎士と嵐騎士が同時攻撃を仕掛ける
「このまま畳みかけるぞ、ガンダム流槍法 流星槍!!!」
「わかった・・・・・ ガンダム流剣法 双彗星!!!」
嵐騎士の槍が無数の流星の如く奔り麗紅騎士のレイピアとブロードソードの斬撃が二つの彗星のように虚空を駆け魔物に突き刺さり切り刻んでいく。
そしてさらに
武は全身の霊力を漲らせた腰を沈め後居合の構えを取り納刀した長刀に霊気を限界まで収束して居合切りの要領で抜刀し一文字の斬撃を放つすると十メートルはあろうかという白銀の霊刃が発生し魔物の胴体に突き刺さり胴体を破断する。
「布都漆式 裂空翔破!!!」
「これは!!!」
「ほう見事だな」
「へへっやるなあこりゃあ俺達も負けてられねえぜ」
魔物はけたたましい絶叫を上げるそれは何故か悲鳴に聞こえた。
アンジェは彼等が戦う様を悲痛な表情でみながらホルンの足の怪我を治療する幸いそこまで深いものではなく治療もすんだホッと安堵の溜息をつくと耳をつんざく絶叫が聞こえてくる。
「これは・・・・・悲鳴???」
アンジェは何故か悲鳴に聞こえたいや最初に魔物を見た時何故か苦しんでいるような印象を受けていた
アンジェは目を閉じ精神をおちつかせ耳を澄ますようにすると。
(痛いよお・・・苦しいよお・・・・・誰か・・・ダレカ・・・・・)
(ニクイノロワシイイイイイイイシニタエロアアアアチヲチヲチヲヲオヲヲヲヲヲッヲオオヲーーーー)
「っまさかあの子は・・・・・・」
魔物がなんであるか気づきアンジェは目を開ける魔物を見ると魔物の頭の部分の角の根本に昏い赤紫色をした禍々しい力が溢れているのが見えた。
武と流星の騎士団の三人が魔物と戦っていると背後からアンジェの声が聞こえて来何事かと振り返るとアンジェは魔物の頭部の角の部分を指さしていた。
「あそこにあの子を苦しめている物がありますあれを壊して!!!」
「!!!あそこに霊核があるのかアンジェ」
「ええあそこにある者があの子を呪って苦しめているの、あの子は望んでこんな事してはいないの助けないと!!!」
「わかったよアンジェ任せてくれ」
武は流星の騎士団の三人に話しかける
「自分が霊核を浄化するので援護をお願いできますか」
「オイオイ大丈夫なのかよ」
「あれだけの一撃を放ったのだ無理は禁物だぞ」
「大丈夫です手はまだありますから」
三人の言葉に武は力強く頷くと流星の騎士団の三人はお互い顔を見合わせ頷く。
「よし、ならば連携攻撃を仕掛けるぞ剛騎士奴の動きを止めてくれ」
「よっしゃ任せろ」
「麗紅騎士私が合図したら奴に攻撃と彼のフォローを頼む」
「いいだろう」
「という事だ少年私達が奴の動きを止めるから浄化を頼む」
「わかりました任せて下さい」
「タケルさん・・・気を付けて・・・・」
不安気なアンジェに優しく微笑むと武は残った霊気を全身に漲らせるそれを見た流星の騎士団の三人は散開すると魔物に向かって行く怯みから立ち直った魔物は妖気を漲らせ襲いかかる。
魔物は全身を丸めると再び転がり始める先ほどまでと違うのは纏う妖気の密度だろうか攻防一体のこの姿なら弾かれても砕かれる事はないと考えたのだろうしかし相手が悪かった。
剛騎士が愛用の大剣を抜き放ち闘気を収束して渾身の力で大地に打ち付ける。
「よっしゃいくぜガンダム流剛剣法タイタニックゲイザーァァァァァ!!!!」
大地に打ち付けられた大剣を中心に半径数十メートル内で激烈な衝撃破が巻き上がるそして魔物その衝撃破によって体を打ち上げられる。
そこに嵐騎士が神速で踏み込み腰を深く沈め下段に構えた槍に膨大な闘気と風が渦を巻いているそれを渾身の力と共に槍を右斜め上に振り抜くと巨大な竜巻が天を目指して駆け上がる龍の如く巻き上がる。
「まだだガンダム流風槍法 ライジング・・トルネェェェェェド!!!!!」
強烈な勢いで天へと上る竜巻に巻き込まれ魔物は空へと打ち上げられる魔物は丸まっている事ができず藻掻くように手足を振り回すが強烈な風の刃に全身を切り刻まれるとそこに麗紅騎士が現れる
「おとなしくしてもらおう、ミラージュピアサー」
独特の緩急をつけた足運びで残像を生み出しながら魔物の巨体を駆け上がり強烈な突きを無数に放ち魔物の動きを完全に封じるそしてその勢いのまま頭頂部まで駆け上がる。
武は自身の力を高めると同時に奥底に眠る力の箍を緩めると全身に強烈な力が駆け巡る。
「グッ・・・・」
(今の状態では完全開放は無理かでもこれなら!!!)
力の猛りのままに足に込めた力を解き放ち魔物に向けて跳躍する
アンジェは強烈な風が吹き荒れ砂煙が立ち上る中武の様子がおかしい事に気付いたが砂煙のせいで良くみえなかったがそれでも何かおかしいと感じた。
「タケルさん?・・・・」
「ここが霊核の場所かムッ?!」
麗紅騎士は下から強大な力が急速に近づいているのを感じるがそれが武である事に気付いたがその強大さに違和感を感じた確かに強大だがどこか酷く不安定な物を感じたからである。
だが今はそんな場合ではないと思い直しレイピアとブロードソードに闘気を収束するそして背後に強烈な気配を感じその力が爆発したのを感じると同時に剣を突き出す
「武雷壱式 神威御雷!!!!!」
強烈な白銀の雷光が視界で弾けさらに麗紅騎士の神速で繰り出された剣が5メートルはあろうかという角がを破砕するとそこには熊の姿をした精霊に禍々しい意匠が施された刀が刺さっていた刀であってもまるで生き物のような生々しさを感じる。
「これが元凶か、しかしなんという事をこれでは生き地獄だぞ」
「全くですね、何者かは知りませんが外道の所業にも程がある」
武は戦慄していたここまで禍々しい呪具はそうあるものではないしかも精霊の命を奪わずここまで悍ましい化外に変えるとは一体どんな怨念があればこんな物が作れるのか見当もつかなかった。
妖刀の類は本来普通の刀や霊刀が怨念や妖気に曝され続けそれでも清め等を怠った場合になり果ててしまい持ち主に災いをなすがこれは最初から妖刀として生み出された物だとその歪んだ意匠から武は気づいた。
「とにかくこの妖刀を砕けば解放できるはず」
「わかった」
武は長刀に残った霊気をつぎ込み麗紅騎士は気を高めると麗紅騎士の円卓の紋章が光輝き破邪の光となって剣にやどる。
その気配に妖刀は最後の抵抗と言わんばかりに妖気の刃を飛ばすもただの悪あがきに過ぎず一瞬で切り払われるそして。
「外道の呪具よ無へと帰れここは汝のあるべき所に非ず」
「円卓の光よこの哀れなる魂を悪しき力より解き放ち給え」
「「ハアアアアアアアアアアアアア」」
二人の渾身の一撃が妖刀に突き刺さり破邪の力が徹底的に妖刀とそこに宿る怨念を浄化し粉砕する
(グギャアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーー)
強烈な絶叫と共に妖刀は粉砕されそれと同時に魔物の巨体が崩れるのであった。
魔物の巨体が崩れ去るのを見て地面にいた三人は安堵する。
「どうやらうまくいったみたいだな」
「ああそうだな」
「タケルさん・・・みんな無事でよかった・・・」
安堵する三人の前に武と麗紅騎士は降りてくると武は膝を着く霊気はもう使いきり切り札の反動で体が軋んでいるかのような悲鳴をあげていたそのまま倒れこまなかっただけでも大したものである。
「大丈夫か少年」
「だ・だい・・・じょ・・ぶ」
「オイオイ全然大丈夫じゃねえぞしっかりしろ」
「タケルさん!!!」
武の様子にアンジェは慌てて武に駆け寄ると再び武の腕を治した時と同じように白い癒しの力で武を癒すと武の荒かった呼吸は落ち着き脂汗も止まり体にあった軋むような感覚が消えていた今だ重い疲労感はあるものの動く事は出来るようにはなった。
「タケルさん大丈夫ですか・・・」
「ああ大丈夫本当にありがとうアンジェ」
「良かった・・・ごめんなさい私達の為にこんな無理をさせてしまって」
アンジェは罪悪感で悲痛な表情をするが武はそんなアンジェに気にしてないと笑いかける。
「気にしないでそれに助けられたのは僕だって同じだよありがとうアンジェ」
そんな武の言葉にアンジェは涙ぐむとそこに麗紅騎士の緊迫した声が響いた。
「待てあの精霊まだ様子がおかしいぞ」
「何!??」
妖刀を砕かれ呪いから解放されたはずの精霊は苦しみ悶え黒い妖気を放ちながら少しづつ砕けていく。
「まさかもう手遅れだったのか」
「いえまだです・・・・」
「アンジェ??危険だ近づいたら君まで」
「無理をするな!!!」
「大丈夫ですよ後は私に任せて下さい」
今だ黒い妖気を放つ精霊にアンジェはゆっくりと近づくと優しく精霊に手を差し伸べる
(痛いよお苦しいよおみんなみんなどこ一人はいやだよおおお助けて助けて怖いよおおおお)
「大丈夫よ安心してもうあなたを怖がらせる物はないわ」
精霊の悲鳴にアンジェは優しく囁くと暴れる精霊を抱き上げるするとアンジェの胸のペンダントが光を放ち精霊とアンジェを優しく包むするとアンジェは優しく安心させるような子守唄を歌い出した。
「アンジェ・・・君は一体??」
「これはなんと美しい」
「すげえ・・・」
「なんという歌声これ程の美声は聞いたことがないぞ」
穏やかなアンジェの歌声に呼応するようにペンダントの光は強まると腕の中にいた精霊から完全に妖気は消え去り穏やかな表情になるとその全身を水色の結晶体が覆うとアンジェは歌うのをやめる。
「おやすみなさい良い夢を見ててね、大丈夫次起きた時はみんながいるわ」
そう労わるように囁くと精霊は頷くように息を吐きいつになるかわからない程久しぶりな安らかな眠りにつくのであった。
魔物との戦いが終わりとりあえず落ち着いた場所で話そうという事になり全員でアンジェの家で話し合う事になった。
「助けて頂いて本当にありがとうございます私の名前はアンジェこの子はリィズと申します」
「僕の名前は武 鞘八斗です力を貸して下ってありがとうございます」
「いや騎士としての務めを果たしたまで気にしないで欲しい」
「おうよむしろこっちも助かったからおあいこだぜ」
「そういう事だ霊核の場所とやらがわからなかったら苦戦していただろうからな」
「そう言ってもらえると助かります、それであなた達は一体何者なんですか」
「我等はスダ・ドアカワールドから来たブリティス王国の円卓の騎士団の者だ私は嵐騎士ガンダムマークⅡという」
「俺の名前は剛騎士ヘヴィガンダムだよろしくな」
「私の名は麗紅騎士レッドウォーリアよろしく頼む」
「スダ・ドアカワールド??ってここの世界の方ではないんですか・・・」
武は驚いていたまさか自分の世界とは違う世界の人々が来訪してくるとは普通は考えもつかないであろう。
「ここの世界の?どういうこった」
「あの・・・地球という言葉を知りませんか」
「チキュウだといや知らないな」
「まさか君は我々とは違う世界から来たのか」
武の言葉に剛騎士は疑問符を浮かべるが麗紅騎士は武が自分達とは別の世界からきたのではないかと気づいた。
「ええその通りですまさか僕以外にも異世界の方々来るなんて思ってもみなかったけど」
「そうだったのかでは武殿・・・・」
「武でいいですよ・・ええと」
「嵐騎士でいい特に呼び方にこだはりわない、公私をわけてくれるだけでいい」
「わかりました嵐騎士と呼びますね」
「ああ、それで武、君もゲートでここに来たのかい」
「ゲート?いえ僕は違いますある人に連れて来られたんです」
「ゲート以外の方法で来ただとどういう事だ??」
「それは・・・・」
武は自分がここに来た経緯を三人に話した。
「そんな事があるとはな」
「でもよおなんだってその女神はおまえをここに誘ったんだ」
「それはまったく心当たりがなくて・・・・」
「しかしここまで来ると偶然の一言では片づけられないな」
「そうですねそういえばあなた方は何故ここに来たんですかさしつかえなければ教えて欲しいのですが」
武の質問に三人は顔を見合わせ相談すると事実を話そうという事になり武に向き合う。
「我等はこのフロニャルドにあるという伝説の星命樹マナを探して来たのだ」
「星命樹マナ・・・?」
「えっ?」
(なんでどうしてマナなんて聞いた事ないのにどうしてこんなにも懐かしいと感じるの?)
アンジェは何故か星命樹マナという言葉に懐かしさを感ると共に掻きむしられるような悲しみを感じた。
流星の騎士団の三人の説明を受け武は信じられない思いだった遥か古の王が異世界を救いそして遥かな時を越えて荒れ果てた地を蘇らせる為に再び伝説を求めて騎士達が旅立つそれは正に古の英雄譚そのものであったよもや自分がその当時者に会うとは夢にも思わなかった。
その傍らではアンジェがどこか不安気な表情になりながら黙って彼等の話を聞いているがどこか心ここにあらずのようだった。
「そんな事が・・・・・」
「我々とは別の世界から来た君にとっては信じられない話だと思うが」
「いえ自分の世界にもそういう世界を支える神樹の伝説とかありますから」
「そうなのかい」
「ええそれに自分が最近見た夢にもそれと似たのがでてきたので」
「夢だと・・・それはどんなのだ」
「それは・・・」
武は自分が最近見た夢を説明した大地に豊かな恵みを齎す神樹とそこから生まれた女神そして邪悪な影との戦いそして黄金の竜神とその涙から生まれた白銀の槍を携えた黄金の騎士そして影との戦いで力尽きた女神と神樹そしてその再生。
「随分不思議な夢だなぁ」
「ええ最初は訳がわからなかったんですけどただあなた方の話と何か関係があると思ったんです」
「確かに我々がこの世界にきた時に見たレリーフに描かれている女神に酷似しているが」
「そうなんですか!!!ここまで来ると偶然の一言では片づけられないですね」
「そうだな、他にも心当たりはないか」
「いえ全く正直何故自分をこの世界に連れ来たのかわからなくて」
「そういや 帰り道を探しているんだったか」
「はい、みんな心配していると思いますから」
「ならよぉ俺達と一緒に行かないか」
「剛騎士!!どういうつもりだ」
剛騎士の言葉に武は目を丸くし嵐騎士は思案気になり麗紅騎士は驚いて剛騎士は詰め寄る。
「だってよ一人ぼっちでここに来たんだろほおっておけないぜそれに帰り道をさがす必要があるのは俺達も同じだろだったら一緒に探そうぜ」
「そうだな剛騎士の言う通りだな・・・」
「嵐騎士おまえまで・・・・・」
「帰り道を探すのもそうだが彼の見た夢も気になるもしかしたらここで会ったのも何か意味があるのかもしれない無論彼が良ければだが」
「いいんですか?大切な使命があるのに」
「気にしなくていい見ず知らずの異世界を一人で旅するのは大変だろうそれに帰り道を探したいのは私達も同じだだから協力できると思うんだが」
「わかりましたそれではよろしくお願いします」
「そうか良かったこちらこそよろしく頼む」
「まったくだが確かに嵐騎士の言う通りか・・・・」
「おうよろしく頼むぜそれと敬語はなしでいいぜ」
「いえ流石にそれは・・・・・」
剛騎士の言葉に武は言いよどむ王国の騎士団の聖騎士で目上の人物である、神社の神主の息子である武は礼儀作法等幼い頃しっかり教わってきておりまた武自身も真面目な性格である為流石にそれは難しかった。
「オイオイ固い事言いっこなしだぜ」
「まあ無理強いする事はないだろう」
「確かになあまり軽すぎると頭も軽くなるしな誰かのようにな」
「おいおいそれはどういうこった」
軽く言い争いを始める麗紅騎士と剛騎士の二人にやれやれといった表情になる嵐騎士に武は苦笑するとふとアンジェの方を見るとどこか悲痛そうな表情だった。
「アンジェ、ごめん勝手に話し込んじゃって」
「いえ、大事な話だというのもわかりますし気にしないで下さい」
「けど・・・・」
「大丈夫ですから・・・・ちょっと気分が優れないので夜風に当たってきますね」
そう言うとアンジェは足早に外へと行くのであった。
「随分ふさぎこんでいるな」
「あんな魔物に襲われたんだ無理もない」
「そういえばここで一人で暮らしているんだっけか」
「いえリイズと一緒にですよ」
「ピィ!!」
自分を忘れるなと言わんばかりのリィズの様子に剛騎士は悪いと謝るとそれに苦笑する武は真剣な表情になると三人に向き直る
「あの少し相談したい事があるんですかいいでしょうか」
武の言葉に三人は何事かと思ったが武の様子からアンジェの事だと気づく。
「そうかそういう事なら構わないただ最終的には彼女が決めなければいけない事なのはわかるなそして決めたからにはやり遂げるんだぞいいのか」
「はい元よりそのつもりです」
武の真っ直ぐな表情にフッと嵐騎士は表情を和らげると武の背を押すように言葉をかける
「ならばこちらから言う事はない、きちんと自分の思いを伝えるんだぞ」
「ありがとうございます嵐騎士じゃいってきます」
「おう頑張ってこいよ」
「フッ・・・しくじるなよ」
嵐騎士の背中を押すような言葉と剛騎士と麗紅騎士の励ましに武はお礼を言うとアンジェを追いかけるのであった。
家の外から少し離れた丘でアンジェは悲し気に夜の星空を見上げていたいつもは慰められる美しい絶景でも心は晴れなかった。
孤独を紛らわせるように自身の体を抱きしめるも今朝の事もあり不安も恐怖も消えず体は無意識に震えていた。
(私は一体誰なの??どうすればいいんだろう)
「アンジェ」
「タケルさん・・・・どうしたんですか」
「どうしたってそんな泣きそうな顔していたら気になるよそれに君に話したい事があるんだ」
「話したい事ってなんですか」
アンジェの質問に武は真っすぐにアンジェを見つめるその真剣な表情にアンジェは思わず目をそらしかけるがそれは失礼だと思い武と向き合う。
「アンジェ僕と一緒に行かないか」
「えっタケルさんとですか・・・・」
「うん、君の記憶を取り戻してあげたいんだその為にも一緒に行こう」
「で、でもタケルさんは帰り道を探さなきゃいけないんじゃ」
「もちろん探すよだから二人でお互いの探し物を見つけに行こう・・・・いやかな」
「嫌じゃないですでも大変なんじゃ」
「そうかもねでも二人なら探す広さも半分になるよ」
武のおどけた言い方にアンジェはプッと小さく笑うと涙ぐむ。
「本当にいいんですかご迷惑じゃ・・・」
「迷惑とかそんなの関係ないよ大事なのは君がどうしたいのかだよアンジェ」
「私のしたい事・・・」
「そうだよ君の本当の想いが知りたいんだ」
「私は・・・・見つけたいです自分が何者なのかそしてどうしてあそこにいたのか知りたい、例えそれがどんなに辛い事でもそれが私でもあるから」
「それじゃあ」
「はいっ 私も武さんと一緒に行たいです、いいですか」
胸中に不安を滲ませながらもアンジェは自分の気持ちを告げるそれは三年前に目覚めた時からいつも心の中にあった思いだった。
「勿論、それじゃ決まりだねこれからよろしくアンジェ」
「うんっ!!タケルさん」
武の言葉に満面の笑みでアンジェは答えるふと胸中にあった不安は消え暖かい気持ちが胸に溢れる。
「でもどうしてそこまで」
「困っている人を助けるのに理由なんていらないよ助けたいから助けるんだ、君だってあの時僕を助けに来たじゃないか」
「それはそうですけど・・・・」
「それに」
「それに?」
「泣きたいのに泣けない笑いたいのに笑えないのはもっとも悲しい事だと思うんだだから無理に強がらなくていいんだよ、アンジェ泣きたいなら目一杯泣けばいいんだ」
武はそう言うとアンジェに優しく微笑むと武のその言葉にアンジェは今まで貯めていた不安や悲しみが一気にあふれ出し思わず武に抱きつき泣き出した、それは悲しみの涙と嬉しい涙がないまぜになったものだった。
「アンジェ・・・・」
「うっうっタケルさん・・・・ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァーーーー」
今まで抱えいた思いを涙と共にさらけだし抱きつくアンジェを武は優しく慰めるのだった。
ひとしきり泣いた後アンジェはようやく落ち着いたのか恥ずかし気に俯いてしまう心なしかその頬は赤かった。
「落ち着いたアンジェ・・・・」
「うん・・・・ありがとうタケルさん」
「もうさん付けはいいよ、これからはタケルって呼んで欲しい」
「タケルさん・・・・いえタケル・・・」
「うん」
「改めてこれからよろしく、タケル」
「こちらこそよろしくアンジェ」
二人はそう言いお互い優しく笑いあうその二人をフロニャルドの夜空に輝く星々が優しく祝福するように照らしていくのであった。
「オイオイ二人共俺達も忘れてもらっちゃ困るぜ」
「その通りだ我等も力を貸そう」
「ヤレヤレまったく確かに二人だけでは心もとないか・・・・」
二人の前に流星の騎士団が現れ二人に力を貸す事を決めるような言葉をかける。
「みなさん・・・・」
「二人ではなくこれで五人だな」
「ありがとうございますみんな・・・・」
アンジェの嬉しそうな声に武と流星の騎士団は顔を見合わせ笑いあうとそこに。
「ピイィィィィーーーーーー(# ゚Д゚)」
リィズが自分を忘れるなと言わんばかりに怒りと抗議の声をはっする
「おおっと6人だったかワリイワリイしかし可愛いなこのちっこいの」
「ピィ!!」
ちっこいの言うなというようにまた抗議の声をリィズはあげるその様子がおかしくて他の4人は思わずわらってしまうのであった
翌日・・・・朝から荷支度を終えた五人はいよいよアンジェの家から出発する事になったがその前にアンジェはみんなにお別れの挨拶をしたいと言うと4人は快く了解する、しばらくしてホルン達がアンジェの前に集まってくる。
「みんな今までありがとう私自分の記憶を探す為に武さん達と行こうと思うのだからみんなとここでお別れしないといけないでも私みんなの事は絶対に忘れないから」
そういうアンジェに精霊や小動物達は寂しそうな表情になる者がいるがアンジェ気持ちを思ってか拒否するものはだれもいなかった。
そんな中ホルンがズズイと前に出ると武達の所に並ぶ。
「ホルンあなた一緒に来てくれるの?」
「フォーーーーーン」
アンジェの言葉にホルンは力強く頷くとアンジェ顔に頬を寄せる。
「ホルンまたこの間のような危ない事に巻き込まれるかもしれないよいいの」
「フォン」
ホルンの意思は固く例えここで置いて行ってもついて来てしまうであろう事は容易に想像がついた。
「ありがとうホルン、これからもよろしくねでも無理はしないでね」
そのアンジェの言葉にホルンは嬉しそうに鳴くとアンジェの顔を舐める
「もうくすぐったいわホルン」
そして改めて友人達に向き直ると寂しげな笑顔でわかれを告げる
「さよならみんな今まで本当に有難う・・・・それじゃ行ってきます!!!」
その言葉に精霊や小動物達は一斉に鳴き声を上げたり手や足を振ってアンジェを送り出すアンジェはそんな彼等の声援に涙ぐみながら武達に向き直るそして武はアンジェに手を差し出す。
「さあ・・・・行こうアンジェ」
「うん行きましょう・・・タケル」
アンジェは武の手を取ると穏やかに頷き踵を返して歩き出すその後を流星の騎士団が続く
「グスッ・・・クゥーーー泣けるじゃねえか」
「必ず守り抜かねばならないな彼等を」
「フッそうだな」
涙脆い剛騎士が涙ぐみ嵐騎士が新たに決意を固め麗紅騎士はクールにそれでいて力強く頷き武とアンジェと共に歩き出すのであった。
そして彼等が見えなくなるまでアンジェの友人達は彼等を見送り続けるのであった。