ナイトガンダム物語 円卓の騎士伝説 異聞編   星命樹マナ探索行   作:にしかわ

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創作活動って時に迷路を彷徨うような気分になりますよね。


焦燥の英雄   水の漂流者   

 空から山々を見下ろしながらクーベルは難しい顔をしていた、ビスコッティ共和国とガレット獅子団領から伝説の魔物、山砕きの魔爪が現れたと連絡を受け、調査の協力を快諾し自身の騎士団を率い空から調査を行っているが思うように進んでいなかった。

 

 クーベルは自身の輝力武装であるスカイヤーに同情しているビスコッティ共和国の幼いながらも首席研究士をしているリコッタ・エルマールを見るとリコッタも難しい顔をしながら最近開発した魔物探知機をのモニターを見色々操作しながら探知を行っているようだが難航しているようだ。

 

「リコよどうやら探知はうまくいってはおらぬようだな」

 

「ごめんなさいであります、大まかに北に向かっているくらいしかわからないであります」

 

「そうかかなりの巨体だから直ぐにみつかると思っておったのだが」

 

「ヴァレリー様の話からだと山砕きの魔爪はその力もさることながら本当に恐ろしいのは神出鬼没で突然現れては無差別に破壊を行い直ぐに行方が分からなくなる事だと聞いたであります」

 

「もしや地中を移動しているのではないかの、それならなかなか見つからぬと思うが」

 

「恐らくそれだと思うでありますが、それでも何か痕跡が残ると思うでありますでも計器にはほんの微弱な反応しかないであります」

 

「そうか・・・・早く見つけて止めないと人々が危ないのじゃ引き続きよろしく頼むぞリコよ」

 

「はいであります」

 

クーベルの言葉にリコは力強く頷くと観測に集中するのであった。

 

「地上の様子はどうであろうか何か見つかっているとよいが」

 

 

 

 

 地上ではビスコッティ共和国の騎士団と隠密隊、ガレット獅子団領の騎士団が共同で探索を行っていたかつて何度か伝説級の魔物を相手にした事があった為全員緊張した面持ちであった。

 伝説級の魔物による災害は実に天災級の被害をもたらし過去には国が滅亡した事もあり彼等の中にもかつて国を滅ぼされた者や住んでいた村が破壊され追われた者も少なからずいるのであった。

 

セルクルというダチョウに似た鳥であり騎乗鳥にまたがり部下から報告をうけながら自分達も探索を行っているミルヒオーレとレオンミシェリは思うように進まない事に表情を曇らせていた。

 

「ヴァレリー殿から聞いていたが中々尻尾をつかませんなどこにいったのやら」

 

「北の方角だという事はわかっているのですが・・・」

 

「しかし方角だけではなおまけにここいら一体は山々や峡谷が多い故身を隠すには持ってこいだしの」

 

「周辺には人里がないので被害を受けている方がいないのは幸いなんですが」

 

「うむ、だからかここは旅人や商人が嫌がり遠回りしてでも安全な街道をいくからなその為か全く人がよりつかん」

 

難しそうにレオンは思案する大陸中央にある山々の複雑な連なりがあり小さい盆地がいくつかあるがそれ以外は険しい山で構成されておりおまけに加護の力たるフロニャ力もあまり強くなくその為か旅行者や商人等はここを避けて通る為ほとんど未開の地である。

 

思案している二人の前に森から忍装束に身をを包んだ狐耳と狐尻尾の女性が飛び出して来ると二人の前に膝を着くそれは隠密隊の筆頭ユキカゼ・パネトーネであった。

 

「姫様にレオ様ご報告があるでござる」

 

「まあユッキー急にどうしたのですかもしかして何か見つかったの」

 

「おおユキカゼかどうじゃ何か見つかったか」

 

「いえ魔物自体は見つかっておりませんが魔物を見かけた人がいたとの報告があったでござる」

 

「そうだったのかで何かわかったのか」

 

「魔物はどうやら山々の方に向かっていったようでござる今ガウル殿下とジェノワーズが調べに行ったででござる」

 

「そうですか、その見つけた方は大丈夫なのですか」

 

「その方に特に怪我はないでござるが一つ気になる事を言っていたでござる」

 

「気になる事ですかそれは一体?」

 

「なんでも一年くらい前に薬草を探しに山の奥深くわけいった時に一人の少女の姿を見た事があると言ってたでござる」

 

「このような険しい所で少女が一人で暮らして居るだと」

 

「そんな・・・・」

 

「その方も気になったのですが何分峡谷を隔てた所を遠目で見ただけで声を掛けようにも直ぐに山中に去っていったそうでござる、その後も気になって探していたのようなのですが何分お年を召したかただったので山を越えるのは無理だったようでござる」

 

「そうですかユキカゼ良く知らせてくれましたレオ様みんなにも連絡して山の調査を行いましょう」

 

「うむ、そうじゃな・・・・ビオレ皆に通達を頼む」

 

「はい、承知いたしましたレオ様」

 

レオは近くで調査していた紫のショートヘアに猫の耳と尻尾を持つ昔から自分に仕えてくれた側役に通達を頼むと険しい山へと向かうのであった。

 

ガレット獅子団領の若き王子ガウル・ガレット・デ・ロワは先の少女の情報を聞き山林を一足先に探索していたその後を彼の親衛隊であるジェノワーズの三人が追いながら周囲を探索する。

 

「ちょっとガウ様そんな焦らんでもまだその少女が襲われとると決まったわけじゃないんやから」

 

ジェノワーズの一人であるトラの耳と尻尾を持つ少女ジョーヌ・クラフティが焦り気味のガウルを諫めるように声を掛ける。

 

「そうだよガウ様、無理して遭難したら却ってみんなに迷惑かけちゃうよ」

 

ジョーヌの言葉を後押しするようにジェノワーズの一人でありガウルと最も付き合いの長い黒い猫の耳と

尻尾を持つ小柄な少女ノワール・ヴィノカカオも賛同する。

 

「そうですよ、ガウ様その少女が心配なのはわかりますけど」

 

仲間の二人の言葉に頷きつつもガウル心境を思って言葉を掛けるのは兎の耳と尻尾を持つベール・ファーブルトン彼女もまたジェノワーズの一員である。

 

「ああ、わかってる、・・・・わかっちゃいるんだがよ・・・・」

 

三人からの言葉にガウルは不承不承頷くもこんな場所で少女が一人寂しく暮らしているのを放っておけないと思い先を急がずにはいられないのであろう。

 

普段は自信家で悪ぶっているが実際は優しく面倒見の良い人である為当然と言えば当然と言えるが。

 

(なあベールやっぱあの子の事と重ねて見とるんかなガウ様)

 

(多分そうかもでもやっぱり一人ぼっちの子を放っておけないもんね)

 

(そうだね、あの子が年末にここに来るから早く魔物を止めたいと思っているのかも)

 

「おいお前ら聞こえてんぞ第一アリアは関係ねえだろうが!!!!」

 

彼女達の言うあの子の事が誰か一瞬で思い浮かんで顔を赤くしながら怒鳴るが三人はクスクスと笑うのであった。

 

「あれーーうちはアリアちゃんなんて言っておらへんけどななあノワ」

 

「そうだよ言ってないよ」

 

「ねーーーー」

 

その三人の言葉にガウルは語るに落ちた事を悟りバツが悪そうになるとその背中にノワールが声をかける。

 

「ガウ様心配なのは分かるよでも慌てても仕方ないしそれでもし怪我したらみんなもアリアも悲しむよちゃんと足並み揃えていこう大丈夫みんなで探せばきっと見つかるよ」

 

ガウルと一番付き合いが長いノワールの言葉にガウルは気を使われた事に気付き固い表情から力を抜く。

 

「わかったよ、すまねえなお前らちょっと頭に血が上っちまったみてえだな」

 

「気にせんでいいで心配なんはみんな一緒やだから力をあわせな」

 

「そうですよガウ様」

 

「ああわかった、取り合えず戻って一旦報告だ何か情報が入っているかもしれないしな行くぞおまえら」

 

ガウルの言葉に三人は頷くとレオ達の所に一旦戻るのであった。

 

 

 

 三国の騎士団が探索に地道を挙げている時にその魔物を倒した武達は山道を通りながら人里を探すべく山林をかき分け進んでいた。

 

 アンジェの家を出て数日経つが幸い魔物の襲撃等はなく道中で食料となる山菜等を採取しながら進んでいたしばらくすると開けた場所に出たのか視界が一気に広がり先等が見渡せるようになる。

 

 少し先に切り立った断崖がありそこから見えるのは膨大な水を湛え澄み渡った美しくも広大な湖が広がっていた対岸まではかなりの距離があり目を凝らしても霞んで良くみえない程であった。

 

 あちこちにある大きな滝から膨大な水が流れ落ち莫大な量の水しぶきを上げ朝の陽光をを反射しあちこちに虹のアーチを生み出しそこを色とりどりの霊鳥が飛び交い、美しい羽根を広げるながら気ままかつ優雅に精霊が空を飛びその軌跡に美しい燐光が尾のように流れていくそれらが幾重にも重なり美麗な彩りを生み出す。

 

 湖には様々な生き物が思い思いに回遊し無邪気に戯れるそうかと思うと全長数十メートルはあるだろう巨体に目が冴えるような美しく輝く蒼い鱗に覆われた水竜が湖を割り思いっきり飛び出し優雅に中空を舞い再び湖に戻り大きな水の波紋を残す。

 

 正に幻想世界の絶景にして美景の極致と言っても過言ではないだろうあまりの美しさと壮大さに武達は言葉を失うそれは否が応でもこの世界の広大さと雄大さを予感させる物であった。

 

 特に武はあまりの非現実な光景に思わず眩暈がしそうであったもはや溜息しかでないそれは円卓の騎士達も同じであった彼等も円卓の騎士として様々な所を巡り数々の神秘を見た事があるがここまでの神秘的な絶景があるかと問われれば否としか言えないであろう。

 

そんな光景に目を奪われつつも歩を進めると太陽は天頂にあり丁度昼に差し掛かる冬とはいえ快晴の為か日差しは柔らかくも力強く彼等を照らし暖かい陽気となり朝の寒さで冷えた体を温めるのであった。

 

「ウーーン・・・陽気がとても気持ちいいねタケル」

 

「そうだねアンジェ、今が冬とはとても思えないな」

 

「そうね、それにしてもこんなに気持ちいいと眠たくなっちゃうかも・・・・ねっ、リィズ、ホルン」

 

「ピィーー」

 

「フォン」

 

アンジェのリィズとホルンは頷くとリィズはアンジェの肩に止まるとスヤスヤと眠り出しその姿にアンジェと武は微笑ましそうにに笑いあう。

 

「フアアアーーーー確かになこうも気持ちいいと昼寝がしたいぜ」

 

「ヘヴィガンダムよ騎士ともあろうものがそんな大欠伸してどうするみっともないぞ」

 

「いいじゃねえか城の中じゃねえんだしよ」

 

「気構えの問題を言っているのだ全く」

 

「二人共こんな時まで喧嘩する事はないだろう」

 

 剛騎士ヘヴィガンダムと麗紅騎士レッドウォーリアが軽い口喧嘩をヤレヤレと仲裁する嵐騎士ガンダムマークⅡの姿に武とアンジェは思わず苦笑する。

 

「仲が良いんですね騎士様方」

 

「「別に良くない(ぜ)(ぞ)」

 

異口同音な二人の言葉に武は吹き出す。

 

「その割には息がピッタリですよ二人共」

 

「「あっ」」

 

 武の指摘にまたもや異口同音に言葉を発する二人に堪えきれず他三人は笑いだし釣られて二人も笑い出す暖かい陽気に相応しい笑顔があった。

 

「あっそろそろお昼ですね、みんなお昼ご飯にしましょう」

 

「おっしゃ飯だ飯だー」

 

アンジェの提案に剛騎士は喜ぶがそこに嵐騎士がしたり顔でこういった。

 

「アンジェさん、へヴィガンダムだけ野菜多めに頼む」

 

「はい、いいですよ」

 

「それは勘弁してくれーーーー」

 

「ヘヴィガンダムよ淑女のもてなしを無碍にするのは騎士あるまじき行為だぞ」

 

「野菜は苦手なんだよおおおおおーーーー」

 

麗紅騎士の言葉に剛騎士の悲鳴が当たりに響くのだった。

 

好き嫌いは世界を越えた共通の悩みなんだなと武はそんな他愛のない事を思うのだった。

 

 

 

 

 武達が後にした湖で気持ち良く回遊していた主たる蒼い鱗の水竜はふと何か不思議な気配を感じ辺りを見渡すと球形の淡い極光が突如として出現しその中に一人の少女が現れる。

 

 その少女は白く飾り気のない装束を身に纏っており唯一アクセサリーと言えば長く美しい金髪につけられている青いリボンだけだろうかしかしその容姿端麗な美貌は未だ十代半ばの幼さから考えれば成長すればそれこそ多くの人を惹きつけるだろうか。

 

 水竜は不思議そうに首を傾げた少女から強い水の力の気配を感じたからである思わず引かれるようにして少女に顔を近づけると少女の口から空気がゴボリとあふれ出す、どうやら意識はないが生きているようだがこのままでは危ないと思った水竜は少女を頭に優しく乗せると水面へと顔を出す。

 

水竜の頭上で少女は落ち着いた表情になる、どうやら大丈夫そうだと思うと湖にある小さな陸地の一つに少女を下ろそうとするといつも湖の上で遊んでいる精霊が興味津々といった様子で来る。

 

その精霊の姿を一言表すなら水の妖精といった所であろうか半透明な水色の魚の鰭を思わせる羽根を持ち

髪は青色でその瞳も青色であった耳は尖った長い耳をしており肌の色は透き通った透明感のある明るい青色で所謂水縹色をしていた。

 

精霊は良く遊んでくれている湖の主である水竜の頭上の少女を心配そうに見ると少女の閉じた瞳から一筋の涙が零れてくるとその唇が微かに動きある言葉を切なげに悲しく紡ぐ。

 

「・・・・ルーネス・・・・・」

 

そう少女は呟くと深い眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

 深夜の山中で手ごろな洞窟を見つけた武達はそこを今夜の寝床にする事に決め火を起こし焚火を焚くと夕食を取るべく道中で見つけたり洞窟の近くで見つけた山菜や茸等で夕食を作っていた。

 近くではホルンがのんびり草を食べているが耳はピンと張りつめており周囲を警戒しているのがわかる。

 

調理が得意なアンジェが鍋をゆっくりかき混ぜながら鼻歌を歌い少し離れた所では武が刀の手入れをしていた。

先の魔物との戦いの為か所処で傷みが出ていたそれはむべなるかな強大な力を持つ岩石の魔物相手ではいかに丁寧に鍛えられた霊刀でも物理的にも霊的にもかなりの負担を強いる事になるのは明白であった

 

(流石にあれだけの激戦をしたんだ折れなかっただけでも幸いか・・・)

 

そう思いなおすと荷物から特別に清められた御神酒を取り出し口に含み一気に吹きかけ清めるとの残りの酒の雫を綺麗に拭き取り目釘等の確認を終えると息を吐く。

 

「なんとも美しい剣だな異界の剣はみなそうなのか」

 

「いえ僕の生まれた国固有の剣で日本刀と言うんです」

 

「ほう・・・・少し拝見してもいいか」

 

「ええいいですよ手入れもすんだので」

 

「では失礼して・・・・むう・・・これはすごいな」

 

麗紅騎士は一見してこの剣が尋常な技術で作られた物ではない事に気付いた余程腕の良い剣工によって鍛造されたのだろう細いながらも粘り強く丁寧に叩き上げられた刀身は美術品でも通ってしまいそうな程だが剣として扱う為の強靭さも備わっているがしかし。

 

「だが、随分痛んでいるな、あの戦いのせいか」

 

それは素人ではわからないものであっただろうが一流の剣士にして円卓に坐する事が許された幾多の戦いを乗り越えた百錬の騎士として視点が刀身の綻びを見逃さなかった。

 

「わかりますか、刀身がほんのわずかですが歪んでいて刃も若干潰れてしまって、まだまだ未熟ですね刀にここまで負担をかけるなんて」

 

「そこまでわかっているならこの刀の事で特に言う事はないが・・・・」

 

どこか含むような言い方に武は疑問を感じる

 

「何かありますか・・・・・」

 

「ああ君の場合は未熟とは少し違うような気がしてなまあそれを含めて未熟とも言えるが」

 

「・・・・???」

 

「武、食事まで少し時間がある手合わせをしてみたいんだが良いか」

 

「ええいいですよ」

 

武は麗紅騎士と一緒に洞窟の外に出ると距離を取りお互い構える。

 

「では・・・一手お願いします」

 

「うむ・・・ではいくぞ」

 

「はい」

 

そして二人はそれぞれ獲物を手に取り手合わせを始まった。

 

 それぞれの武器が神速で閃き攻守を目まぐるしく変えながら紅と白の影が閃き舞い刀と剣が切り結ぶ都度に火花が散る様は流麗なる輪舞を鮮烈に彩る。

 

 麗紅騎士のレイピアとブロードソードが神速で閃きそれを武は刀で流しつつ踏み込み切りつけるが麗紅騎士は巧みな足さばきで躱し武の横合いをすり抜け様に反撃の斬撃を繰り出すもそれを予期していたのか咄嗟に上に飛び躱すと全身を縦に回転させながら斬撃を繰り出す。

 

「布都肆式 円月転輪 !!」

 

その技に麗紅騎士は軽く目を向くと自らも技を放つ全身の力を一点に収束して神速の踏み込みを無拍子で放つ高速強襲の突閃撃。

 

「スカーレットピアサーーー」

 

斬撃と突きが衝突した結果威力で負けた武は吹き飛ばされるも空中で神速の体捌きで態勢を整えると後ろにあった木の幹に両足を着くと刀を矢を引くように構えると木の幹を全力で蹴りつけ突進し神速の突きを繰り出す。

 

「布都弐式 鉄穿牙」

 

凄まじい突進と突きによる一撃を繰り出す技だがそこには霊気は通っていない威力が上がり過ぎてが危険なためである武自身寸止めにするつもりだったが、その突きが麗紅騎士に当たる寸前で彼の姿がぶれ赤い燐光となって消え去る。

 

(残像か?!!これだけのをこの一瞬で!!!)

 

武は空振りで終わったが勢いがついていた為たたらを踏み体制を立て直そうとした時に背後に気配を感じ振り返り様に刀を振るおうとしたが、眼前にレイピアが付きつけられていた。

 

「参りました、お見事です」

 

「君もな中々の突きだったぞ当たればこちらが危なかった」

 

「恐縮です」

 

「だが一つわかった事がある」

 

「なんですか」

 

「君は確かに未熟だがそれは成長の余地がまだまだあるという事だそれぞれの技もしっかり練り上げられているのがわかるだからこそおかしい」

 

「おかしい・・・・?」

 

「あれだけの技ならば刃が欠ける事はあるかもしれないが、潰れる事はないはずだつまり潰れたのはあの魔物と戦った時のあの技が原因ではないか?」

 

「っ!!!それは・・・・」

 

「どうやら思い当たる事があるようだな、あの時の力に原因があるのではないか」

 

「ええ・・・・僕はまだあの力を扱いきれていないんです」

 

「そうか・・・・確かにあれだけの力だ扱いきれないのも無理はないが、どこか君が強い忌諱を抱いているように思えてな」

 

「!!!」

 

「あれだけの力だ恐怖を感じるのは無理もない、己の力に恐怖の一つも抱けないないのは逆に危険だ、だがしかし恐怖に怯えすくむだけでは何もならないという事だ良く覚えておくとよい」

 

「はいっ忠告ありがとうございます」

 

「ふっ少し気になっただけだ」

 

武は内心深く動揺していた自分の力の大きさに恐怖を感じているそれはそうだろうしかしそれとは別に何か焦燥と身を焼くような悔いを内に感じるのは何故なのかその答えは未だ出ないのであった。

 

 

「おーーい二人共飯が出来たってよ早く来ないと冷めちまうぜー」

 

「むっああわかったでは行くか武」

 

「はい・・・・」

 

洞窟に戻る武の背中を見ながら麗紅騎士はふと思った事を呟いた。

 

「恐怖というよりどこか自暴自棄に近いように思ったが、気のせいだろうか・・・・」

 

そう不安を滲ませるも頭を振り洞窟へと戻るのであった。

 

 

 




今話で登場した新キャラが思いっきりネタバレしている件。www
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