もう1ターンの駆け引き並みの短さ。
ちょっとクチートの戦闘ネタが尽きた。
「クチート、かみくだく」
「クチーッ!!」
俺の指示でクチートが飛び出し、
ピカチュウへと向かっていく。
「ピカチュウ、″ボルテッカー″で迎え撃て!」
「ピッカァ!!」
対するレッドは逃げなかった。
まぁ逃がす気はないけど。
ボルテッカー…………
ピカチュウのみが覚えられる技。
体に巨大な雷を纏って突っ込む強力な技だ。
だが。
「芸がねぇな!
クチート、片方でストーンエッジ!」
「クッチーッ!!」
片方の大顎は噛み砕くの状態のまま、
クチートはもう片方の大顎で
ストーンエッジを発動させる。
このまま行けば、ピカチュウの地面から
岩が突きだし、ピカチュウは回避出来ずに倒れる。
「グリーン!」
「おうよ!ウィンディ、″じならし″!!」
「ガウッ!!」
ウィンディが大きく前足を地面に叩きつけ、
地面を揺らす。
地面の中で大きな音がする。
ストーンエッジの岩が壊された………!
「どうだ!」
「行けっ、ピカチュウ!」
「ピッカァァァ!!」
クチートが俺を見る。
俺は頷いて指示を出した。
無論、この程度なら予想済み。
「クチート、″アイアンバースト″!」
「クチィィィッ!!」
「「!?」」
クチートは両方の顎を硬質化させ、
自分の前にクロスするように構える。
そして、ピカチュウのボルテッカーが
それに命中し────
「クチィッ!!」
ピカチュウが、クチートの大顎に叩き潰される。
ただの大顎ではなく、尖った鋼の顎が、
ピカチュウを叩き潰した。
「………ピカチュウ!」
「ウィンディ、かえんほうしゃ!!」
「10まんボルト!!」
筈だった。ピカチュウは叩き潰された状態で、
10まんボルトを放ち、
ピカチュウごと焼き尽くすのか、
かえんほうしゃまでもがクチートを襲う。
不味い………!
巨大な爆発が起こった。
「クチ………!」
かえんほうしゃの後に、
ピカチュウの姿はなかった。
″でんこうせっか″で逃げたか。
クチートは、
ボロボロの状態でその場に立っていた。
「ピ………カ……」
「グォォウ………」
全力の一撃で力尽きたのか、
レッドとグリーンのポケモンは倒れ、気絶する。
「はは………強すぎだろ」
「………勝てなかったか……」
「…………お疲れ、クチート。
お前の勝ちみたいだぞ?」
「クチー………」
『なんか………もう、言葉も出なかったでしゅ』
クチートが俺の足元に来る。
俺は抱き上げてオボンの実を
食べられるサイズに千切って渡すと、
クチートはそれを飲み込んだ。
そのうち回復するだろう。
「ナイスバトル、レッド、グリーン!」
「お前………強っ」
「改めて思った」
「ほれ、ポケモンセンターに行くぞ。
ピカチュウとウィンディも頑張ったな」
俺は眠ったクチートを抱えて、
ポケモンセンターへと向かうのだった。