とあるトレーナーとポケモンの放浪旅   作:青い灰

3 / 24
バトルだぜ!
ひゃっはー!!



vsグラジオ

 

「すっげぇ………」

 

 

おおお、一度アローラには来たことあったが、

エーテル財団の中は初めてなんだよな。

 

今は保護区にいる。

広い庭のような場所に、水辺、砂場など

沢山のポケモンが住みやすいように

環境の整備なんかもしっかりしてるな。

 

一体いくら金使ってるんだよ………

 

 

「行ってこい、お前ら。

  物は壊したら駄目だからなー!」

 

「クチー♪」

 

「グァオオオ!」

 

「くぁぁぁん!」

 

 

みんな飛び出していく。

シェイミは残ったが、どうした?

 

 

「行かないのか?」

 

『シンには一匹くらいガードが必要でしゅから』

 

「大丈夫だけどな」

 

「……この子、喋るの?」

 

「テレパシーですよ?

  グラデシアの花ポケモン、シェイミです」

 

『よろしくでしゅ』

 

「驚いたわ、世界は広いわね……」

 

 

さて、仕事に移らんとな。

 

 

「じゃ、報告始めますねー」

 

「あ、少し待ってもらえるかしら。

 私の娘と息子に会って欲しいの。

 二人とも、貴方と会うのを楽しみにしてたのよ」

 

「えぇ……守秘義務はどこへ?」

 

「マルノームに食べさせちゃったわ」

 

「うそーん」

 

 

少し待つことにした。

ルザミーネさんの秘書、

ビッケさんの入れたお茶旨いな。

 

茶菓子は高そうで遠慮してしまう。

 

 

「うーむ」

 

『食べないのでしゅか?』

 

「お前バリバリ食ってるな」

 

「遠慮しないで良いんですよ~?」

 

「ビッケの言う通りよ、貴方はお客様だもの」

 

 

じゃ、饅頭に手を伸ばし口に放り込む。

怒り饅頭じゃねぇか!?

行列出来て買えなかったぞ!?

 

 

「ヒウンアイスは並んだのに……」

 

「あるわよ?」

 

「ぐはぁぁっ!?」

 

『もう辞めてでしゅ、

 シンのライフはもう0でしゅ』

 

「あらあら~」

 

 

30分も並んだのにぃぃぃ!

 

 

「ふふふっ」

 

「んあ?どうしました?」

 

「いえ、悪い意味じゃないけど、

 案外、子供みたいで……つい、ね」

 

「よく言われますよ、

  楽しいんですよ、表裏なしでいけば」

 

『悪く言えば自由人でしゅ』

 

「ふふっ、私は仕事柄、そんなこと出来ないわ」

 

「あら、代表、今は素が出てますが?」

 

「あら、本当ね」

 

 

あんたも十分楽しそうだけどなぁ。

と、誰か来たか?

 

ドアがノックされる。

 

 

「リ、リーリエとグラジオ兄様です、

 入ってよろしいでしょうか!」

 

「入って、二人とも」

 

「「は、はい!」」

 

 

入って来たのは金髪の少女と少年。

少女がリーリエ、少年がグラジオか。

 

ガッチガチだが、緊張し過ぎだろ……

 

 

「緊張し過ぎだぜ?

 シェイミ、″アロマセラピー″だ」

 

『ヤでしゅ、二人とも気を抜いていいでしゅよ

 ここにいるヤツの実態を知れば

 大した人間じゃないでしゅから』

 

「え、命令無視?」

 

 

二人ともポカーンじゃねぇか。

あ、リーリエの表情が崩れる。

 

 

「ぷっ、ふふっ、あははははっ」

 

『やっぱり笑顔が一番でしゅ』

 

「ポケモンが喋って命令を無視……こんなことが」

 

 

グラジオ呆然。

 

二人を落ち着かせるのに10分くらいかかった。

 

 

「リーリエと申します、

 よろしくお願いいたしますね」

 

「グラジオだ、よろしく」

 

「シンだ、ま、気楽に接してくれて構わないさ」

 

『シェイミでしゅ』

 

 

自己紹介。

大事なことである。

 

 

「早速ですが、その、ポケモンは喋るのですか?」

 

「普通は喋んねぇな」

 

「夢でも見ているのかと思ったぞ……」

 

「ハハハ、夢でもねぇな。

  コイツがちっと生意気なだけでな」

 

『誰が生意気でしゅか!』

 

「ほらな?」

 

 

グラジオが次に話かけてくる。

 

 

「あの、バトルとかは良いのか?」

 

「バトルか……ここってモンスターボール

 使えないみたいだから、

 ルザミーネさん、使える場所とかあります?」

 

「屋上にいらっしゃい、そこでなら良いけど、

 私たちの家もあるから気をつけて下さいね?」

 

「オッケーです、んじゃ行こうか、グラジオ」

 

「よし…!」

 

 

気合い入ってるねぇ。

というわけで、バトルである。

 

 

「では、私、リーリエが審判をします。

  使用ポケモンは一体、どちらかが降参か、

  ポケモンの戦闘不能で決着です。

 

 両者、ポケモンを繰り出して下さい!」

 

 

俺は、モンスターボール………

ではなく、青い鈴を取り出す。

 

 

「鈴………?シンさん、ポケモンを……」

 

「来るから待ってなよ、特別だぜ?」

 

 

俺は鈴、″海鳴りの鈴″を高々に鳴らす。

鈴の音が辺りに響き渡る。

 

 

「これは……一体何が……?」

 

「来な、嵐の王、″ルギア″」

 

 

俺のその言葉に反応するように、

エーテル財団の近くの海から

高過ぎるほどの水飛沫が飛ぶ。

 

そしてその中から出てくるのは、

白い鳥のようなポケモン。

 

ジョウト地方の伝説のポケモン、

嵐の王、ルギアが姿を表した。

 

 

「「「!?」」」

 

「ギャァーーース!!!」

 

 

ルギアが俺の隣に降り立ち、

俺は下げられた頭を撫で、

口にオボンの実を放り込む。

 

ルギアはオボンが好物だ。

 

 

「さぁ、お前の力、試してやろうか」

 

 

グラジオは怖じけついては無いな。

初見のプレッシャーの中では凄いかもな。

 

 

「伝説のポケモンと戦えるなんてな……!」

 

「どんなポケモンで楽しませてくれるんだ?」

 

「行けっ、シルヴァディ!!」

 

「キュイイイッ!!」

 

 

繰り出して来たのは、白いポケモン。

なんか人工のポケモンっぽいな。

 

初めて見るポケモンだ。

確かビースト狩りのポケモンだったか。

 

 

「さぁ、先手は譲ろうか」

 

「ふん、シルヴァディ、″ブレイククロー″!!」

 

 

シルヴァディが鋭い爪をジャンプして振り上げる。

 

 

「ルギア、″はがねのつばさ″で迎え撃ちな!」

 

「ギュァォッ!!!」

 

 

鋼のように硬質化したルギアの翼と、

シルヴァディの鋭い爪がぶつかり合う。

 

 

「″トライアタック″だ!!」

 

「″サイコショック″で撃ち落とせ」

 

「ギュァァァ!!」

 

 

シルヴァディから放たれた炎、電気、氷が

思念の塊の数々に撃ち落とされる。

成る程、近距離で撃ち放って速度を上げたか。

 

 

「なっ!?」

 

「狼狽えんな、シャキッとしろよ?

  吹き飛ばせ、″エアロブラスト″!!」

 

「ギュァァァァァ!!!!」

 

 

ルギアが大きく息を吸い込み、

巨大な風の竜巻ブレスを放って

シルヴァディを吹き飛ばす。

 

 

「シルヴァディ!大丈夫か!?」

 

「ハハハ、巨大な敵にゃ様子見も大事だぜ?」

 

 

アドバイスだ。

技も分からない相手はまず観察に限る。

 

 

「………シルヴァディ、行けるか?」

 

「キュイイイ!」

 

「わかった」

 

「さ、いくぜ?

  ルギア、″エアロブラスト″だッ!!」

 

 

ルギアが再び大きく息を吸い込む。

シルヴァディが構えたな。学んだか。

 

 

「ギュァァァ!!」

 

「シルヴァディ、走れ!!」

 

 

シルヴァディが走り出した。

横に、横に、どんどん近付いてくる。

 

 

「距離を縮めて来たか、普及点かな?」

 

「シルヴァディ、″マルチアタック″!!」

 

「キュイイイッ!!!」

 

「ルギア、落とせ、″エアロクラッシュ″」

 

 

普及点、だが、見事だ。

ルギアが風を体に纏い、

ドラゴンダイブを発動する。

 

爪を振りかざすシルヴァディを巻き込み、

地面に叩き付けた。

 

 

「ッ!!!シルヴァディッ!!」

 

「シンさん!?」

 

「安心しな、シェイミー?」

 

『あーもう、何で

 オリジナル使うんでしゅか。

 

 安心するでしゅ、リフレクターかけたでしゅ』

 

 

グラジオがシルヴァディに駆け寄るが、

シルヴァディには大きな傷は無かった。

リーリエ、ルザミーネさんも駆け寄る。

 

 

「よ、良かった」

 

「見事だったぜ、グラジオ。

 アドバイス、上手く取り入れたな」

 

「は、はい。ですが、あの技は一体?」

 

 

そう、ルギアは"エアロクラッシュ"を、

と言うか

そもそも"そんな技は存在しない"。

 

 

「オリジナルの技だな、これも特別だ。

 だが、普及点だぞ?どこが悪かったか分かるか?」

 

「……兄様」

 

「…………突撃が、速かった?」

 

 

おお、ビンゴだ。

 

 

「そうだな、ルギアのみが使える技。

 エアロブラストだが、本来はスキが大きい。

 だが、トレーナーの指示によっては

 スキを完全に無くすことも出来るな。

 

 観察は長めに、な?」

 

「………はい!」

 

「良い返事、良い戦闘だったぜ?」

 

 

グラジオはシルヴァディを治療にと、

エレベーターを降りて行った。

 

するとリーリエが話かけてくる。

 

 

「凄い、バトルでした」

 

「ん、サンキューな。

 グラジオのやつも中々のセンスだが、

 少し頼り過ぎだな」

 

「バトルはポケモンに

 頼るものでは無いのですか?」

 

 

残念だが、違うんだよなぁ。

 

 

「バトルってのはな、

 さっきも言ったように、

 スキを無くすことも出来れば、

 無駄を増やすこともある。

 

 トレーナーの指示、判断、決意も十分大事だ。

 

 トレーナーが狼狽えれば、

 ポケモンは答えてくれないからな?」

 

 

俺はルギアの頭を撫で、オボンを投げる。

口でキャッチ、そのまま飲み込んだ。

 

 

「成る程……

 

 あの、私はトレーナーではありませんが、

 どうしたら、貴方のように、

 強く、なれるのでしょうか?」

 

「………俺は強くないぜ?」

 

「嘘です、貴方は現に、兄様に勝利しました!」

 

「年季が違うんだよ」

 

「それだけですか!?」

 

 

リーリエが問い詰めて来るなぁ………

正直ウゼェ。

 

 

「知るか、自分で見つけろ」

 

「え?」

 

「だ・か・ら、自分で見つけろ、

 強さなんて人それぞれなんだから」

 

「人、それぞれ………?」

 

「お前な、ミズキに教えられ無かったのか?」

 

「あ………」

 

 

そうだ、コイツらは、

あのミズキと旅をしたと聞いた。

 

なら、見つけてるんだろうと思ったがなぁ。

 

 

「仮に、トレーナーなら稽古くらい

 つけられるが、ポケモン以外は専門外だ」

 

「…………私、少し行って来ます!!」

 

 

リーリエは走っていく。

何処に行くのかは知らんし、

知ろうとも思わん。

 

 

「全く、最近の若いヤツらは直ぐに答えを

 見つけようとするねぇ、んなもん無いのに」

 

「それは非常過ぎないかしら?

 それに若いって、貴方も十分若いでしょ?」

 

「フハハハッ!どうだかねぇ?

 ルザミーネさんこそ、お若く見えますよ?」

 

「あら、お上手ね」

 

「人は見た目じゃないし……

  あ、ポケモンも同じかな?

 

 フハハハッ、ルギア、お疲れ様。

 今日はありがとうな」

 

 

俺はルギアに5つ目のオボンを投げ、

海に帰ってもらった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。