ガンダムビルドダイバーズ Trident Side Stories 作:らとっさん
本作においては登場するオリジナルキャラが多めで、人間関係もまたややこしい部分あるのと、若干少女漫画的ストーリーが入るやもしれません。御注意を
……髪の毛に芋けんぴみたいな意味わからん展開になってないかな……不安です……(真顔
1話『ガンプラと王子と私と』
『5、4、3、2、……点火!』
人の手によって増設されたスラスターノズルに火が入り、小惑星は目前に迫った青い母なる大地『地球』へ向け、加速を開始する
「5th、進入角度良好、速度良好」
コントロール艦兼司令艦のスタッフが小惑星『5th・ルナ』の状態を報告する
「アーサーはハンガーだな?」
「はい、シナンジュです」
「アーサー、モルドレットの空域が膠着状態だ。援護の必要を認めるが」
◇
フォースネストである戦艦『レウルーラ』の艦長を任せている親友から通信が入る
「撃破される可能性は?」
ハンガーで愛機に乗り込む。機体は蒼に塗装されたMSN-06S シナンジュの改造機。つい先日完成し、今日が初陣である
『5thルナの前方空域に、アヴァロンのフォースリーダーが居るようだ。流石にファンネル持ち相手にヅダは厳しいかもしれん』
「5thの投入は終わったんだろ? なら後は地球に降下するまでの時間稼ぎだ。損傷した機体は補給させろ」
『そのサインは出したが、MSの後退の為にミノフスキー粒子をこれ以上散布するわけにもいかないぞ』
「その分、モルが危険か……。
『他のヤツを回すか?』
「いや、慣熟飛行も兼ねて俺が出る。モルのヅダ・クラレントを掩護、回収する。『シナンジュ・グレイスリィ』、出るぞ!」
カタパルトに脚部を固定、射出体勢を取る
『シナンジュ出ます! シナンジュ発進!』
レウルーラから射出された蒼い騎士は弧を描き、地球へと降下していく5thルナへと進路を取った
◇
それを見て小惑星が動き出すを阻止しようとするチームのメンバーが一人、リーダーに通信をかけてきた
『隊長! 5thが、地球に向けて加速しました!』
「……! 分かった、この敵を片付けてから5thの核エンジンを破壊する! この5thルナの落下を阻止できなかったとは……」
唯一5thルナに取りつくことが出来た機体のパイロット、GBNのチャンピオン『クジョウ・キョウヤ』が苦い顔をして、敵フォースのヅダにライフルを向ける
「あのヅダ、なかなか粘る……!」
大剣を装備した深紅のヅダがチャンピオンの前に立ちはだかる。5thの核パルスエンジンを破壊させんとばかりに必死の防御を続けている
シールドを撤廃した代わりに、あの大型のヒートソードが機体全体をカバーできる程の大きさの為、ハイパードッズライフルマグナムの攻撃を簡単には通してはくれない
ヅダがシールドラックから大剣をパージ、右腕でそれを持ち、土星エンジンの出力を持ってキョウヤの『ガンダムAGE-2マグナム』に突貫する
「来るッ!」
ヒートソードの斬撃をシグルシールドで防御する
『ハッ! チャンピオンも所詮この程度かよ!』
「なら、ご期待に応えさせてもらうよ」
キョウヤはヅダのパイロットの言葉に応え、AGE-2マグナムはFファンネルを展開
ヅダの背後に着き、各所を攻撃していく。その部位は様々だが、どれもバリ処理が甘く、パーツが付けきられて無かった部分である
「改造のセンスとファイターの実力は十分。しかし、それを作成する技量が足りてない!」
『この……!』
ライフルを棄て、ビームサーベルを持つAGE-2マグナム。それをヅダに突き刺そうとするが━
「ッ……!」
突如上空からバズーカクラスの実弾が目の前で爆破する
その砲撃主をキョウヤは確認する、その機体は
「蒼いシナンジュ……そうか、いよいよ本命のお出ましという事か」
◇
「アーサーか……!」
ヅダのパイロット『モルドレット』は増援の機体を見てフォースリーダーの機体であることを認知する
『モル、離脱しろ。キョウヤは俺がやる!』
「あ、おい!」
リーダーのシナンジュがモルドレットを一瞥し、フレキシブル・スラスターを可動させてAGE-2マグナムを追い、加速していく
「ずるいぜアーサー……、私を置いてくんじゃねぇぞ!」
モルドレットは敵リーダーを追撃していくアーサーの背中を追っていく
◇
「新型機か、いい完成度じゃないか。アーサー」
「そいつはどうも。だが褒められた所で、5thの核ノズルはやらせはせんよ」
シナンジュ・グレイスリィはAGE-2マグナムに向け、ジャイアント・バズを撃つ
キョウヤはそれを回避、反撃に転じる
「そうでなくてはな!」
4基のFファンネルが散開。シナンジュに向け、切り掛かってくる
宇宙世紀のファンネル、コズミック・イラのドラグーンの様な不規則な動きではなく、4基とも連携が取れたスムーズな動きで接近してくる
シナンジュはシールドで1基凌ぎ、1基をバズーカで持ち手部を狙い、破壊する
直後、背後から迫っていたFファンネルをシールドに懸架されていたビームトマホークを展開し、切断
フル・フロンタルがジェガンの腕を斬る如く
しかし、そこで彼は気付く。1基ファンネルを見失った
直後である
ジャイアント・バズの砲塔が綺麗さっぱり切断されているではないか
爆発する前にバズを投棄、コクピットへの致命傷を防ぐ為にシールドで胴体をカバーしつつ、後退する
シールドのカバーを解除すると、目前にはFファンネルを持ち、接近するAGE-2マグナムが居た
「チィっ……!」
シナンジュは右前腕部より、ビームサーベル引き抜き、Fファンネルの刀身とビームの刀身が重なり合う
「相変わらず、なかなかやるね……アーサー!」
「貴方こそ……そう簡単には逃してくれないかな、キョウヤ」
キョウヤとアーサー、この二人はGBNが稼働当初からの知り合いであり、互いの腕を認め合う仲である
とはいえ、キョウヤがGBNのチャンピオンである以上はアーサーの強さは迫れても、キョウヤにはあと一歩届かない所である
『アーサー!!』
2機のリーダー機が戦闘をしている中、アルトゥールの赤いヅダが接近してくる
「モル!?」
「さっきのヅダか!」
キョウヤはアーサーから離れ、左手の指先からダミーバルーンを放つ
「バルーンかよ!」
モルドレットがバルーンを掻い潜ろうとし、触れた
だが突如バルーンが爆発、ヅダは大ダメージを受ける
「何、機雷だと!? スキルの一種か……!」
HGサイズのガンプラに対して組み込むにしては、機雷内蔵ダミーバルーンあまりにも小型すぎるパーツになる
こういった組み込めない欺瞞装備などに関しては、スキルに頼る者も多い
「ギロチンバーストで薙ぎ払う!」
ビームライフルを取り出し、低威力のビームを長時間照射
辺りのバルーンを撤去し、AGE-2の追撃を警戒したが、そこには既に敵リーダー機の影はなかった
タイムアップ間近。核ノズルの撃破が出来なかった代わりに、可能な限り敵にポイントを与えるのを防いだのだろう
「引き際がいいな……、いつになったら彼を墜とせるだろうか……」
アーサーはそう呟き、損傷したヅダへとシナンジュを向かわせる
「モル、帰投するぞ」
『アーサーは敵を追え! 一人で戻れる!』
「無理だ、外から見れば分かる。HPは残っていても機体が動かないんじゃ変わらない。それに残念ながらタイムアップだ、追った所で相手にポイントをくれてやる事になる」
『ッ……!』
モルドレットは悔しがる。感情を表に出したがるあまり、コンソールを殴り付けた
「そう落ち込むな。5thは守れた。勝負には負けたが、試合には勝っている。よく長い間持ち答えてくれたな」
『アーサー……』
「レウルーラ、こちらアーサー。モルドレット、及びヅダ・クラレントを確保。これより帰投する。帰ったら反省会だ」
このフォース戦はアーサー率いるフォース『アルトゥール』の勝利に終わり、GBNの世界はその日、この試合の話題で持ちきりになった
◇
『GBN -ガンプラバトル・ネクサス・オンライン-』。自身が作成したガンプラをスキャンしてゲーム内で操縦して遊ぶと言う、昨今盛り上がりを見せているVRMMOアクションゲームである
プレイヤーはGBN内の住人『ダイバー』として、もう一つの世界で行動する事を生活を一部としている
これはこのGBNの中で新たな居場所を見つけた女性と、一国の運命を握っている男性の出会いの物語である
◇
さて
今私達はある問題に直面している
居るのだが……
「おっほぉおーっ! 何回見てもすごかったなぁ、昨日のフォース戦! 逃したけどいよいよアヴァロンを破ったんだよねぇ、アルトゥール! すごいね、最っ高だね! いやぁ、2年近く応援していただけあったよぉ。嗚呼、流石私たちの王子様!」
「……あのさぁ、夏海。いい加減、レポートの仕上げしてくれない? 締め切り、あと1時間だよ」
「おーっと、ごめんごめん! 大丈夫大丈夫、文字の校正とかは私は得意だからすぐに終わるさー。だからそんな怖い顔しちゃ、男も釣れないよぉ、美都」
「余計なお世話だし、別にそんな可愛げ振り撒いてまでは要らないよ」
親友の夏海からの茶化しをあしらいながら、私『
「また例のガンダムのゲームのヤツ?」
「そろそろGBNって覚えなよー、ガンダム・ネクサス・オンラインって」
「取り敢えずガンダムのゲームで合ってるでしょ?」
「まぁそりゃそうだけどさー」
私は趣味としてアニメ鑑賞はよくする。でもガンダムは見たことはない
というのも、ロボットやメカにあまり興味がないからだ
「そんなにアルトゥールの戦いを間近で見たいなら、GBNっていうヤツのアカウント作ったら良いんじゃないの?」
「いやー、私はアクションゲーム苦手だからねぇ。こうやって遠くから見るのに限るさー。それに、案外近くで見れてるかもしれないし」
「……どういう事?」
私は怪訝な面持ちで夏海に問いかける。そこで帰ってきた答えはこうだった
「去年、政治学部に来た留学生のアルトリウスさん。噂によればGBNをプレイしているみたいなんだけど、その正体こそこのアルトゥールのリーダーであるアーサーさんなんだって!」
「へぇー……」
アルトリウス・レイレナードと呼ばれる1つ上の政治学部の留学生。彼の話なら毎日の様に聞く
某国の王様の子息で、政治の勉強をする為に友好国であるこの日本に来たという
彼自身、日本の文化が好きだと言っていて日本語を饒舌に喋ったり、色んなサークルに顔を出していたりしているのも見た事がある
だが、王族である彼が日本のサブカルチャーであるアニメが好きだというのも本人が話していたのはTVの取材などでも彼が取り上げられた際に話していたことも知っている。私にとってはある意味では好感を持てる部分はあった
だが、それにしたってガンダムのゲームをしている事はあまり考えにくい。いや、そもそもゲームをしていると言うのが考えられないと言うのが正しいか
アーサー(Arthur)とアルトリウス(Artorias)名前の綴りが似ているだけで結局は噂話でしかない。別人の可能性だってある
ただでさえ、アーサー王伝説なんて話も世の中に出回っているくらいだ。誰だって同じ名前は使っているだろう
「あまり興味なさそうだねぇ」
「だって信憑性が無いもん。信じにくいなぁ」
「SNSだって出回ってるんだよ、ほら」
そういって夏海が見せてきたのは某チャットサイトで出たスレッド『GBNのアーサー、某国の王子説』で出た検索結果である
「GBNのアーサーって某国のアルトリウス王子じゃね?」
「この間ガンダムベースでそれらしい影見たわ。本人か微妙だけど」
「グラサンで黒いコート着てなかった?」
「確かそんな感じ」
「何処のクワトロ・バジーナだよ」
「昔はギラ・ドーガ使ってたからシャアではないな」
「でもデルタガンダム弐号機とかガンダムMk-Ⅲ使ってたぞ、青いヤツ。色は違えど、ある意味リアルシャアじゃないの?」
「シャアより遠距離の精密射撃上手いだろ、いい加減にしろ」
「何日本に来てまで遊んでんだよ学校行けよ不良王子wwww」
「取り敢えずラーメン食べたい」
「行ってこい」
途中disりや気の抜けた会話が続いているが、スレッド上では可能性として挙げられている
それを良しと思う者も居れば、悪く思う者も居た
もし事実だとして、身分は違えど同じ人であるにも関わらずそれを悪く言う人間が居る事に私は少なからず哀れみの目を向けてそのスレッドを見ていた
話を戻すとして、確かにGBNとやらの界隈ではこの話は、結構広く知られているらしい
「これなら美都でも多少は疑うよね?」
「どうだろ。誰も本物を見たとは言ってないし、何より私は直接見て信じるタイプだから」
「ケチだねぇ……」
「ほら、そろそろ作業に戻って。終わったらすぐに提出に行くよ」
「はーい」
私は話を切り上げ、夏海を仕事モードに切り替えさせて作業に戻った
◇
「はぁー! 終わったー!」
1時間後、食堂
教授にレポートを提出し、問題無く受領して貰い、長かったレポート地獄から抜け出すことが出来た
夏海は身体を延ばし、テーブルに突っ伏す
「これでしばらくはのんびり出来るねー」
「そうだね。明日明後日は休みだし、ゆっくり休むといいよ」
「んー、それも良いんだけど……何もしないのもイヤなんだよなぁ……。美都、明日は何かするの?」
「特に無いよ、今のところ」
「そっかー。何かいいネタでもあればと思ったけど」
基本的には私はインドアである。たまにレジンアクセサリーを作る為、その材料を買いに行ったり、妹の付き添いで遠出したりする事はあっても、特別予定がない時は家で出来ることしか、基本していない具合だ
現状、家族から用事が入らない限りは家でアクセサリーを作ろうと考えていた所だった
食堂を見回しているとテーブルにある青い物体が置かれているのに気づく
「何、あれ?」
「んぉ?」
私はその物体が置かれているテーブルへと近づき、その物体に触れる
それはロボットのプラモデルだった。何処となくガンダムに見えなくもないけど……
「夏海、これってガンプラ?」
「ん? どれどれ……って➖」
夏海が固まった。この青いザクみたいな機体を見て驚いている
「どうしたの……?」
「どうした何てもんじゃないよ……『シナンジュ・グレイスリィ』だよコレ!!」
「……しな……?」
「さっきのGBNのアーサーさんが使っている機体! 昨日表舞台に出たばかりの新型機だよ!」
「お、おぉ……!?」
流石に私もビックリした
ただでさえ昨今、夏海から言い聞かされた程の有名人の使っている機体となれば焦りもする
「美都! 間違っても手を滑らせるな! 落とすな! 浮かすな!」
「うぇ、は、はい!」
私は夏海から忠告を受けて、私はそのシナンジュとかいうガンプラをしっかり握る
落ちない様に握っている事が分かったら、そのままシナンジュをテーブルの上に置く
「あああぁぁ……有名人の大事な物、触っちゃった……。汚れたりしてないかなぁ……」
「いや特別塗料とか塗ったくられた手で触らない限りは大丈夫だと思うよ」
「そ、そう? あ、でも手汗付いちゃったから拭かなきゃ……」
「いや、気にしなくて良いっての。それにそんな事したら、下手したら逆に傷付けるからやめな。落ち着け」
「あ、はい」
夏海の言葉を聴き、深呼吸をして私は落ち着く
落ち着いた所で私は改めてシナンジュを見つめる
「それにしても、こうして見るとカッコよくて綺麗だね。シナンジュって言うんだっけ、このザク?」
「いやザクじゃないよ、普通にシナンジュって機体だよ。モノアイでガンダムかザクのどっちかになるなよ」
「あ、ごめん」
「いや、謝ることでもないけどさ」
反射的に謝るのは私の癖だ
しかし、ガンダムを知らないだけあって、無知なのが露見する
基本的にガンダムとザクしか知らなかった
「どうする、これ?」
「どうするも何も、持ち主に返すしか無いでしょ。こんな所に置きっぱなしにしちゃダメなんだから」
「でも誰のか分からないのに、どうやって探すの?」
「……ここにある事を考えると、やっぱりあの噂が正しい可能性もあるなぁ……」
噂。というと先程のアーサーというプレイヤーの正体がアルトリウス先輩であるという話
信憑性がイマイチ欠けるが、今この機体の持ち主を探すのにあたっては唯一の手掛かりとも言える
「……取り敢えず、アルトリウス先輩を探してみようか」
「そうだね、違ったら違ったでそれから考えようか」
私はガンプラを持ち、夏海と手分けして校内を探し始めた
◇
「とは言っても……簡単には見つからないよなぁ……」
彼これ1時間、校内を探し回ったがそう簡単に見つかるはずもなく、私は疲れ、ベンチに座って休憩する
飲み物を飲みながら、スマホを取り出し、LINEで夏海と会話をする
「そっちはどう?」
『見つからぬ。そっちは?』
「こっちも収穫なし」
『左様かー』
「もしかして、もう帰っちゃってるんじゃ?」
『かもしれないなぁ。今事務室寄ってみたら、出て行ったのを見たとさ』
「そっかぁ」
『取り敢えず戻るかの。イマドコ?』
「中庭だよー。ちょっと疲れて動けない」
『了解―、そっち行くなりよ』
「ごめんねー」
夏海との気の抜けた会話を終え、再び私はガンプラを見る
それにしてもよく出来ている。青……いや、それよりももっと深い色をした蒼いメタリックボディに所々に施されている金色の装飾。派手で気品さは溢れ出ているが、何というか気取りが無い雰囲気なのは何故だろうか
それがこの、シナンジュというガンプラの持つ魅力なのだろうか
そんな事を考えているとある一人の男性の声が聞こえてきた
「あぁ、君が持っていてくれてたのか」
澄んだ声。私は顔を上げ、その声の主を見る
そこには銀髪の赤い眼をした青年が立っていたのである
見つけた。このガンプラの持ち主を。そして同時に理解した事は、あの噂話は事実であったという事だった
そこにはアルトリウス・レイレナードその人が居た
「おーい……?」
「……あっ」
「大丈夫かい?」
「は、はい。ごめんなさい、大丈夫です」
「……? そっか。このプラモ、何処にあったんだい?」
「え、えーっと、こ、これは、食堂で見つけて……テーブルの上に立ったまま置かれていたのを見つけて、それで……」
目の前のイケメンが、今この大学一とも言える人気者が、私と話している
その事自体がイレギュラー事案すぎて、心臓が今にもどうにかなってしまいそうである
「わざわざ、持ち主を探していたのかい? 事務室とかに預けるとか、あったと思うけど」
「それはそうですけど……」
「でも、そうする前にわざわざ持って探してきてくれたワケだ。礼を言うよ、ありがとう」
そう言って、彼は私の手にあったシナンジュを持って行った
「やっぱり、それは貴方の……」
「意外かい? 一国の王子がこんな遊びにハマっているのは」
「それはまぁ……でも、良い事だと思います。王様だって、ガス抜きが必要だと思うし、趣味を持つ事に身分なんて関係ないと思いますから」
そう言うと、彼は驚いた様な顔をしていた
でも、すぐに私に笑顔を向ける
「君、名前は?」
「あ……、美都です。御稜 美都。」
「美都、近いうちにお礼をしに、また会いに行くよ」
「え?」
「それじゃあね」
そう言い、彼は去っていった
お礼、と言うからにはきっと彼とはまた会うのだろうけど……いやそれ以上に冷静に考えて見てほしい
こんな少女漫画的な展開が現実で起こる物なのか
正直ドキドキと困惑が合わさっていて、私の心境は説明出来ない
結論としてあの機体、シナンジュは彼のガンプラであった事とその持ち主がアルトリウス先輩で、そしてアーサーの正体も彼である事が分かった
きっと夏海が居たら興奮していただろう。居なくて正解だった気もしなくない
何にしても、無事持ち主にガンプラを返す事が出来た。それさえ出来たのだから、十分である
この時の私はガンプラに関わるのはこれ以降無いと感じていた
でもこれは私がガンプラと、そしてGBNの世界へと、のめり込んでいくキッカケとなり
そして彼、アルトリウス先輩。もといアーサーとの出会いの始まりでもあったのだった
主人公としてはアーサーと美都、彼ら二人で、元々は身内でやっているゴッドイーター用のキャラでした
今回この作品を作るにあたって、キャラ設定を再構築の上、GBNのキャラとして導入。使用機体もたくさん書きました
ちなみに最初に出ているモルドレットと艦長役の親友(2、3話辺りで登場予定)もGEネタのキャラです
ちなみにGEでのアーサーと美都は夫婦です。やったね(ぉ
ただよく美都には地獄を見せてしまっております。本作でも地獄を見る予定です
……多分