目を開けると、そこは不思議な空間だった
真っ白で明るい場所
眩しいはずなのに、目が辛くない
隣には制服姿の響もいた
「響!大丈夫!?」
「ふぇっ!あれ……私達……戦ってたんじゃ……」
響も目を開け、周りを見渡す
「うん、そのはずなんだけど……」
「……死んじゃったのかな……」
その時だった
「ある意味、そうなのかもね」
「言ったはずだろ?“生きるのを諦めるな”……って」
僕達は二度と聞くはずの無かったその声を聞き、振り返る
そこには民族衣装のようなものを着た、黒髪の女性と、大きくフサフサな、オレンジ色の髪の毛の女性が立っていた
僕達はそれぞれ、この人を知っている
「アイルさん!?」
「奏さん!!」
そう、2人とも今の自分を作るきっかけになった、今は亡き、大事な人達
「じゃあ、私達ほんとに……」
響が悲しそうな声を出すとアイルさんが響の頭を撫で、落ち着かせる
「大丈夫、響ちゃん、私達は貴方達を助けに来たのよ」
「助けに……?」
僕が困惑していると、奏さんも頭を掻きながら話し始めた
「前にも同じような事をしたんだ、まだ死ぬべき奴じゃないやつをここで追い返してる……あん時の奴はえーらい口悪くて、喧嘩ばっかだったけど」
アイルさんがふふっと微笑む
「ゼロの事よ」
「ゼロも!?ここに来たことが……」
アイルさんは話し始めた
「ゼロは、奏ちゃんの相棒、翼ちゃんが絶唱を使った時にこの地球に現れたの」
「そんな早くに……」
「でも、トレギアがこの世界に結界を張っていて、ウルティメイトイージスを持ってしても、しばらく来れなかったの
その時、協力してくれていた、ウルトラマンオーブの持つオーブカリバーに時空を移動させる力がある事を思い出して、オーブスプリームカリバーのエネルギーを自らのエネルギーに変換して飛び込んだのよ」
必殺技を受け、それを即座に自身のエネルギーにするなんて……まるで
「そう、自殺行為に近かった、けどゼロはそれをやってのけた……けど翼ちゃんと融合したあと、一時的にここにいたのよ」
「そうだったんだ、ありがとうございます」
「良いんだよ、それに、私も感謝してるんだ」
「奏さんが……?」
響が聞き返す
「ゼロの奴が翼と融合してたおかげで、アイツがここに来ることは無かったんだ、それに、あたしも一言だけ、あいつの願いに答えられたしな」
「そうだったんですね……」
響もニカッと笑う
「さって!本題だ、しばらくここに居ることも出来るが、ここで経ったのと同じ時間が向こうでも流れる、そんなことしたらあいつらは、結局ここに来ちまう」
「そうならないようにすぐ、あなた達を現実に戻すわ」
「はい!」
「お願いします!!」
2人が頼むと、アイルと奏は笑う
「それだけじゃお前達はまた負けちまうぞ」
「それでも、僕は!皆と、生きていきたいんです!」
「うん、それならいい方法があるわ」
「どうするんですか!」
「リク君と響ちゃんが合体変身するの!」
それを聞いた響は顔を真っ赤にする
「がっ、がが合体なんてそんな!?わわっ、私には未来がっ……////」
「お前何言ってんだ?」
奏がポカーンとしているとアイルが注釈する
「リクくんはウルトラマンだから、人と融合する事も可能のはずよ、ゼロと翼ちゃんみたいにね
だから響ちゃんと一緒にジードに変身して、その中で響ちゃんがガングニールを纏えば、ギガファイナライザーがその力を増幅させるわ」
「な、なるほど……」
「あの……響……もしかして……///」
「お、女の子にそんな事聞き返さないでぇー!!///」
響はリクを殴り飛ばす
「いったぁ!?」
「リクくん、今のは君が悪い」
「あぁ、乙女になんて事言ってんだ」
2人は呆れたように頭を抱える
「と、とにかく!!行くよ!リクくん!!」
「……分かった、みんなを助けよう!」
色々あったが僕たち二人の想いがひとつになった
その時、響の体からオレンジのカプセルが飛び出し、それが僕の手元で新たなカプセルとなる
エボリューションカプセルのように、カプセル自体がオレンジ色で、そこには、奏さんの使ったガングニールの槍、響の拳の装備が載っている
エボリューションガングニールカプセル
僕達は頷き合い、そして、構える
「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!!」
カプセルのスイッチを入れると、響の体にガングニールが纏われた
それをそのままギガファイナライザーに填め、ジードライザーでスキャンし、トリガーを引く
ガングニール!エボリューション
そして、ギガファイナライザーのトリガーを長押しして叫ぶ
響くぜ!絶唱!!
更に響が歌う
Balwisyall Nescell gungnir tron…
そして、スイッチをスライドさせると僕達はその場から消えた
「もう来るんじゃねぇぞ」
「少しでも、話せて、楽しかったわ、リクくん」
そして、今に至る
【〜♪ウルティメイトファイナル】
「ウルトラマンがシンフォギアを纏うなど……一体何があったというのだ!!」
アトロノイズはアトロリッパーをジードに放つが、今度はジードがそれを握りつぶす
「僕「私達の大切な人が、手伝ってくれたんだ!」」
翼とクリスはゼロの横へ飛んでいく
「ゼロ、朝倉と立花は一体どうしたのだ!」
「なぁんでジードがガングニールを纏ってんだよ!?」
何が起こったか分からず、2人は慌てている
「安心しな、俺と翼が一体化していたように、ジードと響が一体化してるんだ
そんでもって、ギガファイナライザーで響の力がリクの表面にも出てきてんだ」
ジードは駆け出し、アトロノイズと組み合う
先程まで一切の攻撃が効かなかったアトロノイズも、ジードの拳を受けると、増幅したガングニールの力を受け、その身を削っていく
「体が……削れるだと!?」
アトロノイズは距離をとり、ネフュシュタンの鎧の茨を叩きつけた
しかし、ジードはそれを受け付けず、茨を掴むと、強引に根元から引きちぎった
結局は、ネフュシュタンの鎧のせいですぐ再生してしまう
それを見たジードは、レッキングバーストのような構えを再び行う
そのエネルギーには、オレンジのエネルギーも混ざり、手を重ね叫ぶ
「「レッキング!ガングニール!!!」」
シンフォギアのフォニックゲインを混ぜ込んだレッキングバーストがアトロノイズにぶつかる
しばらく、ノイズで構成された肉片を削るが、それを気合いではじき返す
「いくらシンフォギアの力を上げようと、所詮は欠片……!」
アトロノイズはデュランダルを再び召喚する
その時、翼はとある策を思い付きゼロに頼んだ
それを聞き、ゼロは半信半疑ながらそれしかないならと待機する
そして、デュランダルを奮うその瞬間!
「今だ!ゼロ!」
「おうよ!ゼロツインシュートォッ!」
カラータイマーに接続されたゼロスラッガーから凄まじいエネルギーが放たれ、アトロノイズの手を弾く
同時に翼とクリスも“蒼ノ一閃”“MEGA DETH PARTY”を放ち、ゼロを手助けする
遂に、アトロノイズの手からデュランダルが跳ね上がった
「それが切り札だ!勝機を逃すな!掴み取れ!!」
ジードはそれを見て飛び上がる
「「うぉぉぉぉぉぉ!!!」」
2人の声がシンクロしデュランダルを掴み取った
【〜♪GEEDの証】
《GET OVER NOW!!
GET OVER PAIN!!
GET OVER MIND!!
JUMP UP! GEED!! 》
しかし、ガングニールを掴んだ瞬間、2人を凄まじい波動が襲う
「「グァッ!?ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!」」
響のガングニールとデュランダルが共鳴、再び響の体を闇が蝕んでいるのだ
響の破壊衝動は、ジードの体をも変化させていこうとする
そう、
何度も目が赤と青で切り替わり、大きな目が、細長く変わりそうになる
《覚悟決めるぜ!! HERE WE GO! 》
しかし、リクはまだ、それを抑え込んでいる
だが、このままではいずれベリアルになってしまうだろう
「チィっ!響の破壊衝動が、リクすら飲み込もうとしてやがる!」
ゼロもそれに気付いた
【地下室】
「このままじゃ、最悪の事態に……!」
藤尭がモニターを見て叫ぶ中、外へ駆け出そうとする人物が一人
「未来さん!どちらへ!」
「地上に出ます!」
緒川が呼びかけた人物は未来だった
「無茶よ!危ないわ!」
友里も必死に止めようとするが……
「響は…響のままで居てくれるって、変わらずに居てくれるって…だから私は…響が闇に吞まれないよう、応援したいんです!」
《僕が僕らしくいるために 誰の笑顔も曇らせない!
願いこそが変えてく未来》
そこにいるメンバーはその言葉に言葉を失う
「助けられるだけじゃなく、響の力になるって誓ったんです!」
未来はギュッと拳を握り、続ける
「それに!今動かないと何も変わらない、ジーッとしてても、ドーにもなりません!!」
リクが何度も叫ぶ言葉
未来もそれがわかったのだ
《ジーッとしていたって ドーにもならない! 》
インナースペースではリクが、自分の意識が無くなりそうになるのも関係ないと、闇を放ち続ける響の元へ歩み寄っていた
響は、デュランダルを握り締め、悪魔のような姿で歯を食いしばり続ける
その時、地上にあった通路の扉が弾け飛び、皆が現れる
《決められた自分のSTORY! 抗うたび築くHISTORY! 》
「正念場だッ!踏ん張り所だろうが!!」
「みっ、みんな!」
「ッ…ッ……!!」
響も弦十郎の声を聞き、視線を向ける
「強く自分を意識してください!」
「昨日までの自分を!」
「これからなりたい自分を!」
緒川、藤尭、友里が叫ぶ
「ッ!……!(みんな…!)」
響も聞こえてはいるのだ
共に戦ってきた皆の声が
《支え合う仲間の笑顔がチカラ GEED…》
一か八かと、翼とクリスも闇をかいくぐりカラータイマーからインナースペースへ入り込んだ
「2人とも!?」
2人も近付こうとするが一定の距離で進めなくなってしまう
「屈するな立花!お前が構えた胸の覚悟、私に見せてくれ…!」
「お前を信じ、お前に全部賭けてんだ!お前が自分を信じなくてどうすんだよ!!」
外では更に、詩織が、弓美が、創世が、響を信じて叫んでいる
「あなたのお節介を!」
「あんたの人助けを!」
「今日は、私たちが!」
《僕は強くなる みんなのために覚悟決めるぜ!ウルトラマン!! 》
「かしましい!黙らせてやる!!」
アトロノイズは再びネフュシュタンの茨をジードに叩きつけようとしならせた
「さぁせるかぁよ!ウルティメイトイージス!!」
ゼロは再び間に立つと、銀の鎧をまとい、その身で茨を防ぐ
「響っ!みんなの声を聞くんだ!塗り潰されてんじゃねぇ!!」
「ゥゥゥゥゥ!ゥァァァァァァ!」
ジードの姿が黒くなり、ベリアルとしての目が開かれそうになる瞬間
「響ぃぃぃぃぃぃーーーーーー!!!」
響の陽だまりが叫ぶ
その声は響の意識を固定するのに十分だった
「(そうだ…今の私は、私だけの力じゃない…!)」
「ビッキーー!!」
「響ー!!」
「立花さん!!」
「…ッ!!」
3人は叫び、1人は固唾を飲んで見守る
「(そうだ…この衝動に……塗りつぶされてなるものかッ……!!)」
響が決意し、闇の波動が弱まる
「響っ……!」
リクが歩きだそうとするその時、その肩に手が置かれる
リクがそちらを向くと、アイルがそこに居た
「アイルさん!?」
「リクくん、ギガファイナライザーをあの剣に融合させて!私達が力を貸すわ!」
「私達……っ!?」
翼が困惑すると、その背中に忘れることの無い声が響く
「久しぶりだなっ、翼……」
「奏っ……!!」
翼の後ろでは相棒、天羽奏が背中を押していた
「えっ……私もっ……!?」
そして、クリスもその背中に二人分の手を感じる
振り返れば、クリスの亡くなった両親がそこにいた
《明日を照らすのは星じゃなく胸の中で芽生えた
「パパ……ママ……」
クリスは涙を零すが、父親の雪音雅律が指で涙を拭う
「良い友達を持ったな」
「さぁ、好きな人の為に、みんなの為に頑張って!」
母親、ソネット・M・ユキネが、その言葉と共にクリスの背中を雅律と押す
《疼く痛みが描くDESTINY
覆し
「あと少し……!!」
その時だった
一瞬だが聞こえた気がした
「行けっ、
その背中がグッと押される
人の手じゃない、とても大きな、硬い手の感触を背中に感じた
リクは……口を噛み締め、響の隣に行く
そして、デュランダルにギガファイナライザーを添えた
その時、奇跡は起こる
デュランダルと融合したギガファイナライザーは肥大化
そして、響の闇を飲み込むと共に形状を変化させる
それは……
「奏の……ガングニールの槍!!」
《ここからはNEXT STAGE
挑む覚悟 NODAMAGE!》
「へぇ〜粋なことしてくれるじゃないか!」
奏が嬉しそうな声を上げる
「響のアームドギアは、誰かと手を繋いで、みんなで発動させる!」
リクが叫び、皆の力を束ねた時、ジードの手にもガングニールの槍が現れた
「あれは!!」
「ガングニールの槍だとォっ!?」
緒川と弦十郎も起こった事態が飲み込めない
《宿命を塗り替えることが使命GEED...
絆をつなげて 新たな世界信じ続ける!
ウルトラマン!!》
「ガングニール……!その力…何を束ねたッ!?」
了子も驚きの声を上げる
ゼロはその隙をついて、鎧を弓に変形させ一気に解き放つ
「ファイナルウルティメイト!ゼロォオ!!」
弓、いや鎧そのものが飛び出し、アトロノイズの体勢を崩す
「みんな!今だァ!」
ゼロの叫びを合図に皆が動く
「響き合うみんなの歌声と、願いがくれた…シンフォギアでぇぇぇぇぇぇぇーーー!!
「いくぞぉっ!!」
リクはジードライザーでガングニールをスキャンする
束ねろ!究極のシンフォニー!
響を翼が支え、リクをクリスが支える
そして、全員で叫んだ
クレセントファイナル
Synchrogazer!!
槍に溜まったエネルギーが一気に叩き付けられる
アトロノイズもさすがにその力には抗えない
体が崩壊していく
「完全聖遺物同士の対消滅……ッ!どうしたネフシュタン!?再生だッ!この身砕けてなるものかぁぁぁぁぁ!!!」
了子の叫びも虚しく、アトロノイズは巨大な爆発を起こしその場から消えた
《明日(あす)に向かって進み続ける!
ウルトラマン!!》
【〜♪ジード日常-優しい】
皆がフゥっと息を吐くと、後ろを振り向く
「奏さん……」
「奏……」
奏は照れくさそうに頭を搔く
「あたしが守った命も、無駄じゃなかったな、翼」
「えぇ、あのライブの時も、応えてくれたんでしょ、奏……!」
「あんまりにも、メソメソしてみてられなかったんでな、やっぱり翼は泣き虫だ、でも泣いていいんだ、また立ち上がれるなら」
翼はその言葉に、抑えきれなくなった涙を零す
「やっぱり……奏はっ……意地悪だっ……うわぁぁぁんっ!」
そんな様子の翼をそっと奏は抱き寄せた
そして、響の方を向いて話しかける
「それはもう、あたしのガングニールじゃない、ガングニールは響の力だ、その力で、みんなの日常を守るんだぞ」
「……っはい!」
響は元気よく返事をする
「結局来ちゃったわ、リクくん」
いたずらっ子のように、ふっとアイルは笑う
「ありがとうございます、感謝してます、ギガファイナライザーの事も、助けてくれたことも、あの二人を連れてきてくれたことも」
リクはクリス達、家族の様子を見る
「あの二人がどうしてもって聞かなくて…」
「分かる気がします、だってさっきも」
リクは上を見上げる
確かに感じた、アイルじゃない手の感触
リクは呟く
「ありがとう、
「大きくなったな…クリス」
「胸、お母さんより成長早いんじゃない?」
他愛ない会話、しかし、もう何を言われても嬉しくて仕方ないのだ
二度と話すことの出来ないと思っていた、パパとママの姿がそこにあり、会話をしているのだから
だが、だからこそ、申し訳ない思いがある
そう、怪獣としての1件だ
「パパぁ…っ…ママぁッ…ごめんっ、ごめんなさいっ!わたしっ……わたしはぁっ……!」
涙を流しながら謝罪するクリスをそっと2人は抱き締める
「赦すよ、娘のしたことを赦さない親がいるものか」
「けど、罰がいるわね」
「うん、なんでも言って……!」
それくらい、当然だ
しかし、母親から課せられたのは……
「クリス、幸せになりなさい、私たちの分まで……ね?」
「うっ……うわぁぁぁん!あぁぁぁっ!」
クリスは泣きじゃくった
だが、その嗚咽の中で応える
「うぅっ…!うんっ……なるっ……っけほっ……あたしっ…幸せにっ……なるっ…!」
少しして、4人の体が、金に輝き始める
「そろそろお別れだな、翼、仲間と上手くやれよ、お前の片翼は胸の中に居るからな、響、命を無駄にするなよ?」
「うん、私……皆と頑張るから……今度こそ、みんなで飛んでみせる!」
「はいっ!生きるのを、絶対諦めません!」
「クリス、私達はいつでもお前を愛している」
「唄を歌う限り、必ずね」
「あぁっ、私も……大好きだ!パパ!ママ!」
「じゃあね、リクくん!ウルトラマンとしても、朝倉リクとしても、頑張って!」
「はいっ!必ずっ!」
そして、4人は消え、ジードの変身も解除された
エクスドライブはそのまま装備されている
「あっ、響!」
「うんっ!」
ボロボロになった街の中に、2人は走っていく
そして、瓦礫を退かすとそこには、ボロボロのネフュシュタンを纏ったフィーネがいた
2人は協力して了子を皆の近くまで運んで来た
「……おまえたち…なにをバカなことを………」
フィーネは困惑している
「…このスクリューボールが」
クリスも呆れたように呟く
「みんなに言われます。親友からも変わった子だ~って…もう終わりにしましょう…了子さん」
フィーネは息を吐く
「私はフィーネだ…」
「でも、了子さんは了子さんですから」
「僕達にとっては、貴方が了子さんなんですよね」
「…っ」
フィーネは思い返すと、この2人だけは、自分をフィーネと呼ばなかったことを思い出す
「きっと私達、分かり合えます…!」
響が呟くと、フィーネは再び立ち上がった
「…ノイズを造り出したのは、先史文明期の人間…統一言語を失った我々は、手を繋ぐよりも相手を殺すことを求めた。そんな人間が分かり合えるものか…!」
「人が…ノイズを……」
響が悲しそうにつぶやく
「だから私は、この道しか得られなかったのだ…!」
フィーネは悔しそうに、茨を握り締める
「おい!」
クリスが動こうとするが、翼がそれを手で止める
「人が言葉よりも強く繋がれること…わからない私たちじゃありません…!」
響がそう話すと、フィーネは目を閉じた
しばらくすると、自分を抱き締めてくる何かの感触を感じ、目を開いた
そこには、リクがいた
【〜♪GEEDの証-感動】
「貴様っ、なにをっ…」
「あなたは僕の父さんと一緒だ、裏切られ、人の醜い所を見て、何度も何度も蘇り、願いを叶えようと……」
「何が一緒だっ……」
離れようと藻掻くが、リクは力を強くする
「僕の人生の中で、僕の素性を知った上で、理解しようと抱きしめてくれた女性はあなたが初めてなんです
だから……失いたくないんです…
フィーネは目を見開く
こいつ、私が言った戯言を本気に……
だが、確かに疲れたように感じるところもあった
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も蘇り
思いを届けるために塔を作ろうとし、邪魔をされる
そんなことをするくらいなら
もういっそ、このまま母親として生きるのもアリなのか
「ウルトラマンゼロ…貴様達とて、人を守ってきたなら知らないはずも無いだろう、人間の醜さを…なのに何故護ってきたのだ?なぜ人間を信じきれる……」
ゼロは答える
「フッ…そうだな、確かに人間は、文明同士で争う事も、誰かを陥れようとすることもあった…
けどな、人間はそういう奴ばっかじゃねぇんだ
どの世界にもいるんだよ、響みてぇに、自分の命を省みず、別の命を救おうとする、素晴らしい人間が…
俺達ウルトラマンはそう言う人間を信じてるんだ
何十年もずっと……な」
少数の人間を信じ、守り続ける
それをずっとやってきたのか…
フィーネはそう考えながら、リクを見る
そして……
「全く……こんな大きな子供が出来るなんて、何度もリィンカーネーションをしてきたけど、初めての事よ」
その声色は、フィーネのものではなかった
櫻井了子、その人のものだ
気付くとリクは一筋の涙を流していた
了子はその涙をそっと拭う
「うぅっ、よかったぁっ……」
響もその様子を見て号泣している
未来や、友里、弓美達もだ
リクは更に、強く了子を抱き締める
了子もそれに応えるように強く抱き締める
「なんでこんな家族だののみみっちい話を見せられなきゃいけないんだよっ」
了子はその声を聞いた瞬間、リクを突き飛ばした
リクは尻餅をついて倒れる
そして、体を起こした瞬間、その顔に鮮血が飛んだ
前を見ると、そこには腹を手で貫かれ、苦しそうな顔をする了子の姿があった
【〜♪ギルバリス】
「了子さん!?」
その手の主は、トレギア
了子の腹から手を引くと、その手にはライザーとカプセルを握っていた
「カプセルの礼を貰って無かったからね、とりあえず、利子付けて返してもらうよ」
直後、トレギアが消え、トレギアを狙ったゼロスラッガーが突き立てられる
「どこ行った!トレギアぁあっ!」
珍しく、怒りでゼロの口調が更に荒くなっている
トレギアの声が響く
《おやおや、問題児くん、こんな所で油売ってると、地球が無くなっちゃうよ?》
「どういうことだァっ!!」
その時、月の欠片がビカッと光った
それを見た藤尭は、パソコンで計算を始めた
「月が落ちている…軌道計算、出ました!直撃は避けられません…!」
「あんなものがここに落ちたら…」
「私達はもう……!
「何っ!!シィェアッ!」
すぐさま、ゼロは月に飛んでいく
リクは倒れた了子を抱えた
響、翼、クリスも駆け寄る
【〜♪日常-悲しい】
「嘘だ、了子さん!ネフュシュタンなら平気ですよね!?」
了子は首を振る
「あの技で…ネフュシュタンとデュランダルは対消滅した…もう私も長くないわ…」
「そんな…了子さん…!」
響も悲しそうに俯く
「響ちゃん…翼ちゃん……クリス……リク……今まで…ごめんなさい…」
クリスは納得出来なさそうにはを噛み締める
「っざけんなよ…あたしに悪いと思うなら!リクの母親やってやれよ!それがあんたの罰だろ!?」
了子は首を振る
「アウフヴァッヘン波形がある限り、蘇ることはできる…だから、皆が教えてくれたことを、伝えていくわ……でも……少し、休ませてね……」
了子は咳をして血を吐くと、もう一度言葉を紡ぐ
「あの欠片は…きっと、絶唱でなら…破壊できる……胸の歌を……信じな……さい」
最後に彼女は微笑むと、リクを見て、
《愛してあげたかった》と呟き、砂のようになり、崩れ落ちた
リクは砂を握りしめ、泣き叫ぶ
「了子さぁぁぁぁぁぁん!!!」
月の方で、何度も光が点滅する
それを見て、リクは立ち上がる
了子に託された、この世界を守る為に……
「行ってくる……」
ギガファイナライザーを構える
「待って!」
響は叫び、未来の方を向いた
「ちょ〜っと行ってくるから、生きるのを、諦めないで!」
未来はそれを聞き、目を見開く
「リクくん…!」
「……うぉぉぉぉぉぉ!!!」
再びウルティメイト・ガングニールが現れ空へ舞う
そして、響き渡った
Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolonzen fine el baral zizzl Gatrandis babel ziggurateedenal Emustolrozen fine el zizzl…
絶唱……
それを聞いた未来は、涙を零し始める
「チィっ!やっぱりエネルギーが……」
その時だった
突如エネルギーが回復した
その大元を見るとウルティメイトガングニールのジードがこちらへ飛んできていた
「お前らなんで来た!?」
「地球を守るのが、ウルトラマンの使命だからだよ」
「っち、全くよ!」
「っへへ、私にも手伝わせてよね」
更にその時
「……そんなにヒーローになりたいのか?」
【〜♪FIRST LOVE SONG2番】
「こんな大舞台で挽歌を唄うことになるとはな、立花と朝倉には驚かされっぱなしだ。」
翼とクリスまで追いかけてきていたのだ
「翼さん…クリスちゃん…!?」
「まぁ、一生分の歌を唄うには、ちょうどいいんじゃねぇのか?」
ここに居る皆、気持ちは一緒だった
地球を守る為に、覚悟をしていた
けど2人は違った
「最後の歌になんてさせないよ」
「うん、奏さんに言っちゃったもん、生きるのを諦めないって!」
そして、歌い始めた
響「不思議だね…静かな
翼「本当の…剣になれた?」
クリス「悪くない…時を貰った」
三人「夢、天に飛んでゆけ…さあ星へと変わろう」
「解放全開ッ!!イっちゃえHeartのゼンブでッ!!!」
響が叫ぶ時、皆のギアが許容範囲を大きくオーバー展開された
そして、高濃度のフォニックゲインはゼロのイージスを再び起動させる
「これならいけるかもしんねぇ!」
ウルティメイトイージスをチャージしていく
クリス「(みんながみんな夢を叶えられないのは…分かっている。…だけど、夢を叶えるための未来は、みんなに等しくなきゃいけないんだ!)」
翼「(命は…尽きて終わりじゃない。尽きた命が残した物を受け止め、次代に託していくことこそが人の営み…。だからこそ、剱が守る意味がある…!)」
ゼロ「(地球を守り、生命を守れなきゃ、ウルトラマンである意味がねぇ。そういう事をずっとやり続けてきた、だからこそ、守りきってみせる!)」
リク「(みんなと共に生きる為に、自分の気持ちに嘘をつかない為に、みんなを守って、自分を守って、生きていくために歌がある!)」
響「(たとえ声が枯れたって、この胸の歌だけは絶やさない…!夜明けを告げる鐘の音奏で、鳴り響渡れッ!!)」
三人「響け絆!願いと共に…!」
響「これが私達の…絶唱だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!」
翼は大き過ぎる剣を振るい
クリスは何連装ものミサイルを放ち
ゼロはエネルギーによって肥大化したウルティメイトイージスを解き放ち
響とリクが凄まじいバネのパイルバンカーの拳を叩きつける
響「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
リク「はぁぁぁぁあぁあ!!!!」
翼「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
クリス「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ゼロ「うぅぅぅぉおぉるぁぁっ!!!!」
そして、強烈な閃光と共に月の欠片が砕け散り
地上の皆には綺麗な流れ星が見えた―――
【3週間後】
あの日から三週間、響たちの捜索は打ち切られることになりました。
弦十郎さんからは、作戦行動中の行方不明から死亡扱いになると聞きました。
郊外にお墓が建てられましたが、そこに響は居ません…。
機密の関係上、名前も彫られてはいません。
(NEWS:政府が非公式に保有していた兵器に関し、野党からは『戦後最大の憲法違反だ』との声が相次ぎ、補正予算の審議が中断する一幕も見られました。
この問題に対しアメリカ政府は、日米の安全保障上、きわめて憂慮すべき事態であると、異例の大統領声明を発表し、すべての秘匿事項を開示するように要求。外務省はその対応に追われ――)
外国政府からの追及をかわす為だと言われましたが、私にはよくわかりません…。
私が弦十郎さんに渡した写真が飾られていれば、それだけが立花響の墓標である事を示す、寂しいお墓です。
それでも私は、響が辿った軌跡の終着に通いつめている…
未来は響の墓の前で崩れ落ち、泣き始める
「会たいよ…!もう会えないだなんて…私は嫌だよ…!響…私が見たかったのは、響と一緒に見る流れ星なんだよ?!ぅっ…ぅぅ!ぅぅ!ぅわぁぁん!ぅわぁぁぁぁん!!」
その時、車のスリップする音、衝突する音が聞こえた
「いやぁぁぁー!!助けてぇぇー!!」
その声を聞き過ごせる未来ではなかった
声の主の元へ行くと、ノイズに道路上で挟まれていた
女性はあたふたしとても動けない
未来は迷わず、手を取りこっちと階段の方へ引っ張って走り出す
「(諦めない…絶対に!)」
それが親友の最後の願いだから
だが、女性は限界が来て倒れてしまう
「ぁぁ……。私…もう……!」
「お願い!諦めないで!」
だがその一瞬で、未来達は角の方に追い詰められ、囲まれてしまった
女性は恐怖で失神してしまうが、未来は彼女を守ろうと手を広げ、立ち塞がる
本当はすごく怖いけど、親友なら必ずこうすると信じて
「っはぁぁぁっ!!!」
「レッキングバーストォォォッ!!!」
突如、目の前のノイズが衝撃波と光線に飲まれ、炭素へ戻った
未来は驚き、横を向いた
そこには
風鳴弦十郎と、緒川慎次と
雪音クリスと
風鳴翼と
朝倉リクと
親友、立花響の姿があった
「ごめん…色々機密を守らなきゃいけなくて……未来にはまた本当のことが言えなかったんだ」
響が申し訳なさそうに自分の頭に手を乗せる
未来は、一気に響の元に駆け出し、渾身のハグをした
「ノイズの脅威は尽きる事無く、人の闘争は終わることなく続いている。
未だ危機は満ち溢れ、悲しみの連鎖は止まることを知らない。
だけど、鬱向かない、諦めない。
だってこの世界には…歌があるのだから――。」
戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!ー[完]ー
「おや、まだ、見ていたのかい?」
トレギアは宇宙のどこかで、これまでの戦いを見る青年に声をかける
「あぁっ、情報収集は大事だからな…」
冷たい声で言い放つ青年は立ち上がり、星を眺める
「……月を動かすほどの力があれば……十分だろうけどね〜…」
そう言いながら、トレギアはライザーを投げた
それを青年は受け取り、懐にしまう
「じゃあ、そろそろ直接会うか…俺の
【次回予告】
【〜♪日常-ドタバタ】
次回はちょーっと休憩!
響が食べ、翼さんがツッコみ、クリスが赤くなり、ゼロがボケ、未来が惚気けて、僕が困惑!(予定!)
次回、戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!
【絶唱しないし、響かない】
クリス「家ならいいってのかぁっ……!?///////」