戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!   作:海空来

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リク「ザババのふたりが乱入してきたー!」

響「リクさん?!」

リク「一体どういうつもりなんだー」

響「ゼロさん!リクくんがおかしいです!」

ゼロ「あぁ、多分ルーブのやつらっぽくしようとしたんだろうな」

響「いや…こんなに緩くはないでしょ…」

ゼロ「そうでもねえよ、ほらリク」

リク「あ、ゼロ、どうだった?」

ゼロ「お前はよくやったよ、そう言えば今回お前ら大変な事になってるぞ」

響・リク「「えっ?!」」


第5話 血飛沫の破壊(Destruction)

「チャンピオンに…」

「挑戦デース…」

 

「翼さん!あの子たちって…」

「あぁ、だがなんのつもりで…」

「(アイツらの歌にあてられた…だけならいいけどな)」

 

未来はそんな2人に問い掛ける

 

「響、あの子たちを知ってるの?」

「う、うん、あのね…」

 

響が口篭る中、翼がハッキリと答えた

 

「彼女たちは世界に向けて宣戦布告し、私たちと敵対するシンフォギア装者だ」

「じゃあ…マリアさんの仲間なの?ライブ会場でノイズを操ってみせた…」

「そう…だけど…」

 

響が答えに困る中、2人は会場へと上がる

その途中で、切歌はクリスに(べー!)と舌を出す

その挑発にクリスは怒るが必死に抑える

 

「切ちゃん、私達の目的は…」

「聖遺物の欠片から造られたペンダントを奪い取ること、デース!」

「だったらこんなやり方しなくても…」

「聞けばこのステージを勝ち抜けると望みを一つだけ叶えてくれるとか。このチャンス、逃すわけには…!」

 

それが聞こえてか聞こえずか、クリスが喧嘩を買った

 

「おもしれぇ!やりあおうってんならこちとら準備は出来ている!」

「く、クリス〜…」

 

リクは苦虫を噛み潰したような表情で頭を抱える

 

調が切歌に小声で伝える

 

「特別に付き合ってあげる。でも、忘れないで。これは…」

「わかってる!首尾よく果たしてみせるデス!」

 

そして、司会が話し出す

 

「それでは歌っていただきましょう!え~っと…」

 

2人が名前だけ呟く

 

「月読調と…」

「暁切歌デス!」

「OK!二人が歌う”ORBITAL BEAT”!もちろんツヴァイウィングのナンバーだ!」

「ツヴァイウィング…だって?!」

 

リクが驚いた通り、風鳴翼、そして天羽奏の曲のイントロが流れ始める

 

「この歌!」

「翼さんと奏さんの?」

 

観客席の3人もそれに気付いて、特に翼は拳を握り締める

 

「何のつもりのあてこすり……挑発のつもりか!?」

 

 

 

 

その頃、コンテナのたくさんある倉庫に、3人の野球少年が訪れていた

部活に向かう最中、大きな音がし、それが気になり訪れたのだ

 

「凄い音がしたのってここじゃない?」

「どうせなにかの工事だろ」

「早く行かないと監督に怒られるってば…」

 

そう言って立ち去ろうとした時だった

中から兵士が飛び出し、すぐさまノイズに襲われ炭となってしまう光景だった

3人がフリーズしていると1人の男が現れた

ウェルだ

 

「おやー…?」

 

その時通信が入る

飛行船で先程まで、自分達をおってきた兵士に対してガングニールを使う事を躊躇っていたマリアだ

彼女は必死に叫ぶ

 

「やめろ!ウェル!その子たちは関係ない!」

 

しかし、ウェルはソロモンの杖を使いノイズを撃ち出した

 

「やめろぉぉぉぉおお!」

 

その声はウェルには届かなかった

ノイズは無残に子供達に迫る

 

「うあぁああああああっ!!」

 

その様子を見ることが出来ず、マリアは視線を外して叫び、崩れ落ちる

後には炭だけが残る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった

人を炭素化した後、自らも炭素となるノイズが消えなかったのだ

 

「あっれぇ…逃げたのか〜…?」

 

ウェルが周りを見渡すと、ノイズより少し離れた位置に3人はいた

ブラウンのコートを羽織り、深い帽子をかぶった男を足して4人いるが。

 

「危なかったな?」

 

その男は優しい声で3人に話しかけた

そんな4人の元にノイズが歩いてくる

 

「早く逃げるんだ!」

 

男は叫ぶと野球少年達は悲鳴をあげつつも逃げ出す

男はノイズに向き合った

それを見てウェルは嘲笑う

 

「勇気と無謀は違うんですよ、あなたごときにノイズは倒せない…」

 

男は懐から片手剣のようなものと、何とは形容し難いリングを取りだした

その剣の刃をリングに通すと思い切り横にそれを振った

 

「うぉぉうりやぁぁっ!」

 

男のした事にウェルは口が塞がらなかった

そいつはノイズを真っ向から横に一刀両断にしたのだ

 

「なんで…なんでだ!?なんでノイズを倒せる!?お前は何なんだ!?」

 

発狂したウェルは無茶苦茶にノイズを呼び出す

男は静かに答える

 

「俺は銀河の流れ者…夕陽の風来坊だ」

 

【〜♪○○○○ ○○戦いのテーマ(M-6)】

 

男はノイズに対して剣を振るう

その剣は何度も災害を炭素へと変えていく

 

「夕陽が出るまでに終わらせてやる!」

 

ウェルは半ば焦りながらソロモンの杖を使いノイズを呼び出す

しかし、ノイズが男を仕留めることは無かった

男がノイズを切り終わった後、周りを見るとウェルの姿は無かった

 

「ちっ、逃がしたか…」

 

その男は剣をとリングをしまい込み、帽子を整えその場を去ろうと歩き出す

 

「…ガイ…あなた…なのですか?」

 

その様子をモニターで見ていたマムはそう呟いた

 

 

一方会場では、切歌と調が歌を終えていた

2人の曲は会場を魅了した

クリスの歌に負けず劣らずに

 

「チャンピオンとてうかうかしてられない素晴らしい歌声でした!これは得点が気になるところ!」

「2人がかりとは、やってくれる!」

 

だがその時、切歌と調の回線に通信が入った

 

「アジトが特定されました」

「「えっ!?」」

「襲撃者を退けることはできましたが、場所を知られた以上、長居はできません。わたしたちも移動しますので、こちらの指示するポイントで落ちあいましょう」

「そんな!あと少しでペンダントが手に入るかもしれないのデスよ!?」

 

そうでなければここまで来た意味もない

しかし、マムは帰還命令を優先する

 

「緊急事態です、命令に従いなさい」

 

それを聞くと2人は隙を見て走り出す

 

「さぁて!採点結果が出たようです!あれ?」

 

と言うより調が切歌の手を引っ張っている

 

「逃げるのかっ?」

 

リクはそれを見て裏から走り出す

 

「調!」

「マリアがいるから大丈夫だと思う、でも、心配だから」

 

2人は外へ出るが、生徒達の作ったであろう鯨に道を塞がれる

通り過ぎるまでの時間がもどかしい

 

「クソッ、どうしたものかデス!」

 

それが通り過ぎた場所には

 

「行かせないよ」

 

リクが立ち塞がっていた

 

「ソラ!」

「切ちゃん、違う」

「ソラ…もしかして、僕と同じ顔のアイツのこと?」

「むっ、違う、貴方がソラと同じ顔なの、勘違いしないで」

 

反論している調と切歌の元に響、翼、クリスも現れる

 

「切歌ちゃんと調ちゃん、だよね」

「4対2…数の上ではそちらに分がある。だけど、ここで戦うことで、あなた達が失うもののことも考えて」

 

先程とは打って変わって、冷酷な事を話す調にクリスは憤りを募らせる

 

「お前、そんな汚いこと言うのかよ! さっき、あんなに楽しそうに歌ったばかりで…」

「ここで今戦いたくないだけ…そうデス! 決闘デス! 然るべき決闘を申し込むのデス!」

 

切歌の言葉に響は反対する

「どうして!? 会えば戦わなくちゃいけないってわけでも…ないわけでしょ?」

 

クリス、切歌が同時に反発する

 

「どっちなんだよ!」「どっちなんデス!」

 

2人は顔を見合わせ赤面、そんな中調が切歌の手を取った

 

「決闘の時はこちらが告げる…だから」

 

そして、そのまま走り去ってしまう

そこへ、弦十郎から通信が入る

 

「三人とも揃っているか?ノイズの出現パターンを検知した!程なくして反応は消失したが、念のために周辺の調査を行う」

「「はい!」」

 

翼とクリスは返事をするが、響、リクは悲しそうな表情を浮かべた

 

 

仮設本部にて

 

弦十郎は考えていた

 

『遺棄されたアジトと、大量に残されたノイズ被災者の痕跡…これまでとは異なる状況は何を意味している?』

 

そこに、藤尭の声が響く

「司令!」

「ん?」

「あの惨劇で、どうやら生存者が居たみたいです!」

「本当か!?」

 

既に集まっていた響達は胸を撫で下ろす

 

「これで話が聞けるかも!」

「それは無理ですね…近くの学校の生徒達3人なんです」

「だが、助けられたのはよかった」

「んで、そいつらはなんて言ってんだ?」

 

藤尭は報告を読み進める

 

「あの場所で大きな音がしたから行ってみたら、ノイズを操る奴に襲われたと…」

「ウェルの野郎…」

「そこから命からがら逃げてきたのか…」

「いえ、実は、とある男の人が助けてくれたそうなんです」

「その人は無事なんでしょうか!?」

 

響が叫ぶように聞くと、少し信じられないような口ぶりで藤尭が応える

 

「自分達を助けた後、小さな刀のようなものでノイズを切り倒して去って行ったようです」

「ノイズを切り倒しただとぉっ!?」

 

そんなことが出来るのはシンフォギア、若しくは…

 

「(完全聖遺物の持ち主…なのか?)」

「かもしれないな…人の身でノイズを倒せるとなると、それ以外にない」

「そして、もうひとつ… 永田町深部電算室による解析結果が出ました。モニターに回します。」

 

モニターに出された波形を友里が解析していく

 

「アウフバッヘン波形照合。誤差バーツーバー、トリリオンレベルまで確認できません!」

「「「「っ…!」」」」

 

つまり…

 

「マリア・カデンツァヴナ・イヴが纏う黒いガングニールは、響くんのものと寸分たがわぬということか…」

「私と、同じ…」

「似た状況になっちゃったね」

 

リクの言葉に響はキョトンとする

 

「ほら、お互い、自分と同じ力を持つ人が相手でしょ?」

「あ、ほんとだ」

「(だが何故、響と同じガングニールが…?)」

「考えられるとすれば米国政府と通じていた了子さんによって、ガングニールの一部が持ちだされ造られたものではないでしょうか?」

「母さんが…」

 

リクは神妙な顔持ちになる

しかし、クリスはおかしな所に気付いた

 

「だけど妙だな…米国政府の連中はフィーネの研究を狙っていた……F.I.S.なんて機関があってシンフォギアまで造っているのなら…その必要はないはず…」

 

翼はそれを聞き推論を出した

 

「政府の管理から離れ、暴走しているという現状から察するに、F.I.S.は聖遺物に関する技術や情報を独占し、独自判断で動いていると見て間違いないと思う」

「はぁ…F.I.S.は自国の政府まで敵に回して何をしようと企んでいるのだ?」

 

弦十郎は頭を抱え、溜息を吐いた

 

 

その頃、ステルスを起動中の大型ヘリの中でマリアは悔やんでいた

 

『セレナ…あなたと違ってわたしの歌では、誰も守ることはできないのかもしれない…』

 

脳裏に浮かぶのは、かつて、暴走したネフィリムを止めるために絶唱を使い、瓦礫の下敷きになった妹

 

セレナ・カデンツァヴナ・イブ

 

彼女の遺したヒビの入った聖遺物の欠片を見つめるマリアにマムの声が届く

 

「まもなくランデブーポイントに到着します。いいですね」

「OK、マム」

 

ペンダントをしまい、着陸したヘリから降りると切歌と調が走り寄ってくる

 

「マリア!大丈夫デスか?」

「ええ」

 

その返事を聞くと、調がマリアに抱きつく

 

「よかった、マリアの中のフィーネが覚醒したら、もう会えなくなってしまうから」

「フィーネの器になっても、私は私よ」

 

それを聞き、切歌もマリアに抱きつく

2人に罪悪感を抱きながらも抱きしめ返すマリア

 

「2人とも無事で何よりです、さぁ追いつかれる前に出発しましょう」

 

さっさとヘリに戻ろうとするマムを切歌と調が引留める

 

「待ってマム! 私たちペンダントを取り損なってるデス! このまま引き下がれないデスよ!」

「決闘すると、そう約束したから」

 

そんな調の頬にマムが平手打ちを当てる

 

「マムっ!」

 

切歌の頬にもだ

 

「いい加減にしなさい!マリアも、あなた達も!この戦いは遊びでは無いのですよ!」

 

マムが怒る中、それを抑えたのはウェルだった

 

「そのくらいにしましょう、まだ取り返しのつかない状況では無いですし、ねぇ?」

 

そして、切歌、調の後ろにソラが立ち、2人の頬に氷を当てる

 

「んっ」

「きゃっ?」

「…それに決闘なら…俺の求めるアイツも来るだろう…ネフィリムを使い…試したい事もある」

 

切歌と調は氷を受け取る

それを見てソラはまた微笑む

 

「顔に痕が残らないといいな」

 

 

そして夜

 

4人は現在は封鎖されている東京番外地、特別指定封鎖区域

“カ・ディンギル跡地”へと来ていた

 

というのも、この場所にノイズが発生したと警報があり、これこそが決闘の狼煙だと考えたのだ

 

「決戦にはおあつらえ向きな舞台ってわけだ」

 

直後、4人は視線を感じて止まる

そこには、切歌と調

では無く、ウルトラマンフィーネとウェルの姿があった

 

「野郎!」

「ウルトラマン…フィーネ…!」

 

ウェルは4人を確認すると、ノイズを召喚した

 

ともあれば…

 

3人は聖詠を唄い、1人は覚悟を決めた

 

そして、戦いが始まる

響はその拳でノイズを貫く

翼はその剣でノイズを斬り裂く

クリスはその銃でノイズを撃ち抜く

その間を塗って、ジードはフィーネに組みかかった

 

「調と切歌はどうしたんだ!」

「謹慎中だ、だから俺達が相手をしている!」

 

フィーネはジードを振り回して、壁に向かって投げ付けた

 

「一体…何が目的なんだよ!F.I.Sって!」

 

それに応えたのはウェルだった

 

「我々が望むのは…人類の救済!月の落下にて損なわれる無垢の命を可能な限り救いだす事だ!!」

 

「「「月の!?」」」

 

その場にいる全員が驚嘆の表情を浮かべる

だが翼が否定する

 

「月の公転軌道は各国機関が三カ前から計測中!落下などの結果が出たら黙って……」

「黙っているに決まっているじゃないですか!対処方法の見つからない極大災厄など、さらなる混乱を招くだけです。不都合な真実を隠蔽する理由などいくらでもあるのですよ!」

 

ウェルの否定に翼が押し黙る

 

「まさか! この事実を知る連中ってのは!自分たちだけが助かるような算段を始めているわけじゃ……!」

 

クリスの不安をまるで、そうだと肯定するようにフィーネが呟く

 

「だとしたら…どうする?」

「皆で力を合わせればいい!」

 

ジードはフィーネに掴みかかる

 

「僕の世界では、AIBって言う、宇宙中の人達が協力して出来た組織がある!今のこの世界ならきっと!そういう組織だって!」

「甘いな、じゃあそのリーダーは誰がなる!今まで正体をひた隠して来た奴の事など、信用すると思っているのか!?」

 

そう言いながらフィーネはジードを踏みつけた

 

「グアッ!!」

 

そして、ウェルは高らかに宣言する

 

「対する我々の答えが…ネフィリム!!」

 

すると地響きが起こり、ジードに噛み付く形でネフィリムが飛び出した

 

「ウグァァァッ!」

「リク!」

「朝倉!」

 

クリスは急ぎ、MEGA DETH PARTYを繰り出し、ネフィリムの咀嚼からジードを解放した

ジードは背中を少し噛みちぎられたようで、傷口から再び光が漏れていた

 

「おい、大丈夫かよ!?」

「朝倉!しっかり!」

 

2人が駆け寄った時だった

3人はトリモチのようなもので絡め取られてしまう

かつて、響の自由を奪ったノイズのトリモチだ

 

「クソっ!こんなので!」

 

動けば動くほど引っ付いてしまう

そんな3人の元にネフィリムが近づく

 

「人を束ね、組織を編み、国を建てて命を守護する! ネフィリムはそのための力!」

 

ネフィリムは黄色く発光している部分を赤く発光させながら3人を狙っている

 

「…やはりな…くくっ…」

 

フィーネはその様を見て、何かを確信したように笑う

 

「ったァ!!」

 

響が間一髪、ネフィリムを吹き飛ばし3人を救った

しかし、戦えるのは響だけだ

 

「(ちっ!せめてゼロアイさえ手に取れれば…!!)」

「待っていろ!くっ…!!」

 

翼はどうにか動かんと、体に力を込める

そんな中も響は皆を守ろうとネフィリムと戦う

 

「ルナアタックの英雄よ、その拳で何を守る!?」

 

ウェルの挑発など気にしないと言わんばかりに、響は腕のパイルバンカーを起動させ、右手をネフィリムに叩きつける

たまらずネフィリムは吹き飛ばされる

 

そして、もう一撃を叩き込まんと、バーニアで加速し、召喚されたノイズを潰している最中だった

 

「そうやって君は!誰かを守る拳で!もっと多くの誰かをぶっ殺して見せるわけだァ!」

 

響の脳内に調の言葉が蘇ってしまう

 

 

ーーーそれこそが偽善ーーー

 

その一瞬の動揺を見逃さないゼロではなかった

 

ギュオォンッ

 

「離れろ!響!!」

 

だが、響はその左手をネフィリムに振りかぶってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガブッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後、響の左手が離れた

左手のあった所から血が吹き出す

 

「立花ぁッ!」

「響ぃぃっ!!」

 

翼、リクの言葉に我に返った響はネフィリムの口が咀嚼を行ってるのを見て全てを察する

しかし信じたくない、信じたくないが腕の痛みが答え

それを受け入れられず、響は絶叫を挙げる

 

「行ったァ!!パクついたァァ!!シンフォギアをぉぉ!!これでぇぇ!!」

 

ウェルの狂喜乱舞の理由を知る由もない3人は事実に打ちのめされ、ただウェルへの怒りを募らせる

 

「アイツ…!!」

「立花!立花ぁッ!!!」

 

その頃、ヘリの中ではF.I.Sの3人も、非人道的な行為に怒りと疑問を募らせていた

 

「あんのキテレツ!どこまで道を外してやがるデスか!?」

 

切歌は行き場の無い怒りを壁にぶつける

 

「ネフィリムに聖遺物の欠片を餌と与えるって、そういう…」

 

マリアはその様をみて、一歩遅かったら子供達も犠牲になっていた事実を思い出し、部屋から出ようとする

 

「どこへ行くつもりですか、あなた達に命じているのはこの場の待機です」

 

マリアは思わずマムのその言葉に反発してしまう

 

「あいつは! 人の命を弄んでいるだけ! こんなことがわたしたちのなすべきことなのですか!?」

 

マムは答えない

切歌も不安そうに問いかける

 

「あたし達、正しいことをするんデスよね?」

「間違ってないとしたら、どうしてこんな気持ちになるの?」

 

調の疑問にマムは答えた

 

「その優しさは今日限りで捨ててしまいなさい、私達に微笑みなど必要無いのですから」

 

心無い言葉に、マリアは部屋の外へ出る

 

「何もかもが崩れていく、このままでは、私も壊れてしまう」

 

マリアはセレナの遺品を取り出し縋るように呟く

 

「セレナ…どうすればいいの…」

 

 

その頃、ウェルは嬉しそうにネフィリムの様子を説明する

 

「完全聖遺物ネフィリムは、いわば自律稼働する増殖炉!他のエネルギー体を捕食し、取りこむことでさらなる出力を可能とする!さぁ始まるぞ!」

 

ネフィリムはジードの1部を喰らった時以上に光を放ち始める

 

「聞こえるか? 覚醒の鼓動! この力がフロンティアを浮上させるのだ! フハハハ! ハハハハ! フヒヒヒヒ!」

 

「僕のせいだ…」

 

リクは悔やんでいた

 

「僕が…まだ弱いから…」

 

僕のせいで…ぼくのせイで…ぼクのセイデ…

 

「ボクノセイデ…ヒビキガァァァ!!!」

 

リクの中の何かが、凄まじい勢いで奔流を始めた

その様子の変化はクリス、翼、ゼロも気づいた

 

「お、おいリク?」

「どうした!朝倉!」

「(おい!しっかりしろ!リク!!)」

 

ジードの体はまるで焼けるように黒くなる

それと同時に、響の体も同じように黒く染まっていく

 

「ぅぅぅぅぅゥゥウウウウ! ウガァァァッ! アアアアアアッ!!」

 

「まさか…そんなっ!?」

 

翼は知っている、響のこの状態を

 

ヘリの中でマムもその様子を見ている

 

「これがフィーネの観測記録にあった…立花響の……」

 

2課でも

 

「暴走…だとぉっ!?」

 

暴走した響は、左腕からエネルギーを放出し、それを元あった腕の形にして見せた

 

「ギアのエネルギーを腕の形に固定!? まるでアームドギアを形成するかのように!」

 

こんな形で叶ってしまうアームドギア

その影響はジードにも現れた

ジードの方はその手に放出した新たなエネルギーを纏い、爪を纏った

 

そう…

 

「(まさか……ベリアルの手を…!?)」

 

父と同じ手を纏ったジードはトリモチを斬り裂いた

そして、翼とクリスを確認するでもなく、フィーネに飛びかかる

 

「なっ!?クソっ!」

 

フィーネは攻撃を受止めはする、しかし力の差があるのか腕から闇のようなものが漏れ出した

 

「てめぇ如きがベリアルに近付くな!」

 

フィーネはジードを蹴り出した

そして、ネフィリムの方へと誘導する

 

響とジードはネフィリムに対して、殴る蹴る、突き刺すと言った攻撃を無慈悲に繰り出していく

 

「何を考えてるフィーネ!?成長したネフィリムは、これからの新世界に必要不可欠なものだ!それを!それをぉ!!」

 

フィーネはそんなウェルの胸ぐらを掴む

 

「あんなもの心臓があればどうにでもなる…だが今はいちばん危険なあいつらを自滅させる方が先だ!」

 

ウェルはその言葉に歯ぎしりしながらも従い、フィーネに連れられどこかへとんで行った

 

尚も勢いの止まらないふたりはネフィリムを蹂躙する

 

響はネフィリムに乗りかかると、心臓のようなものを抉りだしその辺に捨てた

そこへ、間髪入れずジードが右腕に纏ったエネルギーをネフィリムの体に叩き付けた

 

ネフィリムはたまらず爆発四散する

そのエネルギーは残るノイズを振り払うほどだった

 

その振動に一度は顔を上げるマリアだったが、もう聞きたくないと言うように耳を塞ぐ

 

「生命力の低下が胸の聖遺物の制御不全を引き起こしましたか?いずれにしても……ゴホッゴホッ!」

 

突然咳き込んだかと思うと、マムの手には吐血があった

 

「こんな時に…ゴホッ..!」

 

切歌と調は外にいるマリアに呼びかける

 

「マリア! ねぇマリア! 聞こえてる!?」

「マムの具合が!」

 

さすがにマリアも顔を上げた

 

 

 

 

「(翼!早く!)」

「あ、あぁ!」

 

見とれていた翼がゼロアイを構えると、ゼロは翼の体を使わずに現界し、ジードにくみついた

 

「2人は響を頼む!」

 

「分かった!」

「請け負った!」

 

響とジードそれぞれは、なんとお互いを敵と認識したのか、襲い掛かりたおうとしている

 

「よせ! 立花! もういいんだ!!」

「お前、黒いの似合わないんだよ!

「ちぃっ!こうなったら…荒っぽく行くしかねぇ…!」

 

ゼロは自身の体を白く発光させる

ウルトラゼロレクター

かつて、鏡の騎士ミラーナイトを闇から救い出した技だ

その光は例に漏れず、ジード、そして響の闇も晴らしていく

 

そして、その浄化が終わると、ゼロは粒子となって翼の中に戻る

当人達はぐったりと倒れたり、気を失った

 

「リク!!大丈夫か!?おい?!」

 

クリスは響を翼に任せて、リクを抱える

 

翼も響に呼びかけるがそれ以上に気になってしまった

 

『左腕は無事なのか…?!』

 




【次回予告】

暴走した僕と響
そんな僕達に課せられた新たな試練
そして、戦力外通告…
だけど、それでも、戦わなきゃいられない
それがウルトラマンとしての、シンフォギア装者としての、僕と響の務めだ!

次回、戦姫絶唱シンフォギアG 響くぜ!絶唱!!
【戦わせない思い、避けられない試練】

ゼロ「やめろ!戦うな!」
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