戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!   作:海空来

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第2話 雑音と戦う少女達

僕は再び紫の奔流に呑まれていた

かつてはペガと一緒に流れ、離れ離れになったこれは、僕を苦しめる

何故だかとても息苦しい

ウルトラマンの姿だからだろうか

不安で仕方ない、そう思った時だった

僕の姿を変えた2本のカプセルと、緑色のカプセルを除く7本のカプセルが光り輝き、僕を包み込んだ

 

「僕を守ってくれてる?」

 

その瞬間から不思議と息苦しさは無くなった

もしかしたらカプセルを通して、皆さんが励ましてくれているのかも…

なら僕も動かないと…!

ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!

僕は最強の究極形態、ウルティメイトファイナルへと変身した

そして、巨大な棍棒、ギガファイナライザーを壁に叩き付ける

しばらく、叩き付けているとその向こうに街が見えた

そこで、僕は目を疑った

 

「あれって!伏井出ケイが変身してた怪獣!?」

 

見間違うはずもない。頭の大きな赤いツノ、いかにも怪獣というような前傾姿勢、そして胸元に光る紫のカラータイマー

ベリアル融合獣、スカルゴモラ

何故あれがあの世界に

だが考えている暇はない

僕はギガファイナライザーを思い切り突き立て手を伸ばす

視界は光に包まれ、意識が戻った時、自分はプリミティブに戻り、地上に降り立っていた

 

そして、前回のラストに繋がる

 

僕は周りを見渡す

まるで自分の住んでる町と違う町に来たかのような違和感を感じる

そして、所々崩れたビルにスカルゴモラ

 

となればやることは一つ!

 

「ハッ!」

 

姿勢を低くして、右腕を突き出し左腕は顔の横に持っていく、独特のファイティングポーズをとった

 

スカルゴモラも威嚇のように咆哮を空へ向ける

僕は駆け出すと飛び上がり、二ーキックをスカルゴモラの角にぶつけた

 

 

 

「一体何が起こってるというのだ…」

 

無理もない、攻撃の効かない物体に突如現れた巨人

まるでヒーローショーでも見せられているような気分だ

今までそういう類を知らず、現実の戦いを見てきた翼は、歯がゆい思いをこぼす

 

響はと言うと現れた悪魔と形容した存在が災厄と戦い始め、混乱に呑まれていた

 

「敵じゃないの?」

 

するとグラグラと辺りが揺れ始めた

上を見ると自分が突っ込んだビルの一部が真っ逆さまに落ちて来ている

防御しようと腕を構えた時だった

 

「レッキングリッパー!」

 

赤い光刃がビルの一部を切り裂き、響を護った

響が視界を戻すと先の巨人がこちらに放った様子が見える

 

「大丈夫!?」

 

喋った!?響は困惑しながらも首を縦に振る

巨人も同じように頷くと、怪獣に飛び掛る

 

「味方?」

 

【〜♪GEEDの証】

 

相手はふらついてる、今しかない!

僕は腰をかがめながら手をクロス

それを上に挙げ、ゆっくりと横に開く

赤と黒の稲妻が走り、辺りの地面がめくれ弾ける

そして相手を見据え、腰を落としながら右側で十字を作った

 

そう…僕の最大の必殺技

 

「レッキングバァストォォォー!」

 

水色の光線に稲妻の混じったものがスカルゴモラを貫いた

直後スカルゴモラは爆発して、世界の危機は去った

 

カラータイマー…胸のランプは気付かぬうちに赤く点滅していた

さて、人目のつかない所へ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった

 

「逃がさない!」

 

そう声が聞こえた瞬間、動くことが出来なくなった

 

「ウアッ!?」

 

視線をどうにか動かしてみると、僕の影にはナイフが刺さっていた

これって、忍者がよく使う影縫いって奴じゃ!?

 

色々とツッコミたいけど、カラータイマーの鼓動が増していく

急がないと色んな人に自分の事を知られてしまう!

 

その時、声が聞こえた

 

「待って翼さん!」

 

さっき僕が助けた子だ。

 

「この巨人は味方です!」

「何を言っている立花!」

「さっき私の上に落ちてきたビルから、この巨人が守ってくれたんです!」

「たったそれだけで…!」

「それに私、大丈夫?って話しかけられました!」

「何っ、話せるのか!?」

 

こうなったら仕方ない…

 

「う、うん!僕話せますから!影縫い…解いてください!危害は絶対加えません!話しやすいように姿も変えますから!」

 

青い髪の少女は驚いた顔をしてしばらく考え込み、渋々といった感じでナイフを引き抜いた

 

「グゥゥッ」

 

体が自由になったが限界ギリギリになっていた僕は倒れてしまい、そのまま粒子となった

そして、倒れたポーズのまま朝倉リクへと戻った

ふたり分の足音が聞こえてくる

僕は気力を振り絞って膝を起てる

2人はそれぞれ、驚いた表情や信じられないような表情をしていた

 

「さっきは有難うございます!あなたがあの巨人さんですか!?」

 

さっき助けた子が元気いっぱいに話しかけてくる

 

「うん、僕は朝倉リク。あれはジード、ウルトラマンジードって言うんだ」

「ジード…この目で見ても信じられない、あんな巨人が貴方なんて…」

 

青い髪の少女は顎に手を当ててはを噛み締めている

 

「色々聴きたいことはあると思うけど、とりあえずは話し合いから…」

 

 

“ガチャり”

 

あれ…?僕のこの手の腕輪はなんだろう…まるで手錠みたい…

 

「申し訳無いですが、一緒に来て頂きますね」

 

だ、誰!?この男の人!?

 

そして僕はスムーズに車に乗せられてしまった

 

しばらくして辿り着いたのは、学校のような場所

廊下を歩かされ、エレベーターに詰め込まれた

 

「あ、手すり持った方が良いですよ?」

「えっ?…うわぁぁぁっ!!?」

 

直後、凄まじいスピードでエレベーターは急降下していった

 

しばらくして、エレベーターを降りるとまた長い廊下を歩かされる

 

「ど、何処なんですかここ…」

「いいから着いてきなさい」

 

青い髪の少女は低めの声で僕を制そうとする

そして、ドアにたどり着き、ドアが開くと…

 

 

 

クラッカーが鳴り響いた

 

「ようこそ!人類守護の砦、特異災害対策機動部二課へ!」

 

大きな男の人の声と周りの職員らしき人の拍手が響く

後ろの横断幕には「熱烈歓迎!ウルトラマンジード!朝倉リク様!」

え、今作ったのこれ?

なんでパーティみたいな?

 

とも思ったが、何より今まで最初からここまで歓迎してくれる人達は同じウルトラマンくらいしかいなかった事から、僕は泣きそうになってしまった

 

「あっ?ど、どうしたんだ?」

 

大きな男の人は何故泣かれてるか分からないと言わんばかりにあたふた

 

「ヒック…ずいまぜん…最初から…僕をここまで受け入れてくれる人、なかなか居なかったから…」

 

手錠のせいで涙が拭いにくい…

すると、僕に手錠をかけた人が手錠を外してくれた

 

「すいません、万が一のために必要なんですよ」

 

「では改めて自己紹介だ。俺は風鳴弦十郎。ここの責任者をしている」

「そして私は出来る女と評判の櫻井了子。よろしくね」

 

弦十郎さんに了子さん、よし、覚えたぞ!

 

「僕はあそこに書かれてる通りです、朝倉リク、ウルトラマンジード…」

 

「君をここへ呼んだのは他でもない。協力を要請したい事があるからだ」

「怪獣のこと…ですよね?もしかして…以前から!?」

「あぁ、実は怪獣のものと思わしき地震が世界中を騒がせていてな…」

「なら勿論協力します!」

「ありがたい・・・が、我々が真っ先に知りたいのは、君が変身した、あのウルトラマンジードという姿と力についてだ、それに調べたが、君は何故戸籍が無いんだ?」

「分かりました、かなり長くなるんですけどいいですか…?」

 

そして僕はほぼ全てを明かした

 

別の世界から来たこと

 

怪獣を倒して皆を守ることが使命であること

 

同じ使命を帯びた仲間が居ること

 

同族の戦士が他にも居ること

 

この世界へはトレギアに連れてこられたこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の父はウルトラマン“ベリアル”という、大罪を犯したウルトラマンであること

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はベリアルのクローンベイビーであること

 

 

 

 

 

 

 

「そうか…そんなに重い過去を持っているんだな…」

 

弦十郎さんは、申し訳無さそうに頭を掻く

了子さんなんか、涙を零してくれている

 

「可哀想にぃ…あたしこういう話弱いのよ〜…」

 

すると、了子さんは立ち上がるとなんと僕をハグして頭を撫でてきた

 

「えっちょ!?」

「聞く限り、お母さん居ないんでしょ?私の事ママって呼んでいいわよ〜♪」

 

ど、どうすればいいんだろう…

生まれてこのかた、家族じゃない異性にハグされたのなんて初めてだ…

モアとはよくハグしたりされたりだけど、モアはもう家族だし…

僕があたふたしていると

 

「了子さん!朝倉くん、恥ずかしがってるじゃないですか!」

 

一番最初に助けた子が僕を解放してくれた

 

「あぁん、もぅ〜」

「ほら、こんなに顔真っ赤ですよ!」

 

僕は急いで鏡を覗く

うわっ、ほんとに真っ赤…いちごが写ってるのかと思った

了子さんは名残惜しそうにこちらを見ている

 

「あ、私は立花響、十五歳!九月の十三日生まれで、血液型はO型!身長は、こないだの測定では百五十七センチ!体重は…」

「大丈夫!大丈夫!もうわかったから!とりあえずよろしく、響」

 

僕は手を差し出した

響は嬉しそうに手を握り返してくる

 

「はい!朝倉さん!」

「リクでいいよ、呼びにくいでしょ?」

「わかりました!リクさん!」

「それで。あの人は?」

 

僕は青い髪の子を指し示す

 

「あ、あの人は」

「風鳴翼」

「…です!」

 

なんだろ、喧嘩でもしてるかのような雰囲気だ

 

「じゃあ次は俺たちだな」

 

僕はこの世界の事を知らされた

ノイズ、特異災害対策機動部2課、シンフォギア、聖遺物

何もかも知らないことだらけだった

そして、翼さんには相棒がいたこと

相棒は絶唱と呼ばれるものを使い、亡くなったこと

相棒が最期に命をかけて守ったのが響であること

そして、その方の使っていた聖遺物の欠片が…今の響の力となっている事を知った

 

「そう言えばリクくん、この世界での戸籍を用意しておいたぞ」

「え、本当ですか!?」

「ああ、家もお金もこちらで用意しよう、いずれは帰るだろうがそれまで不便だろうしな!」

 

良かった〜これは助かる…

 

「じゃあ明後日からは君もこの学校の生徒だ!」

「え…僕、20ですけど…?」

 

だが、作られてしまった以上どうにも出来ず、僕はリディアンの特別編入生になってしまった

 

 

 

【次の日】

 

 

 

 

「リクくーん、解析終わったわよ〜」

 

了子さんがジードライザーとカプセルを手に戻ってきた

 

「どうです?」

「確かに持ってるカプセルの内7本、それらはエネルギーが異常に少なくなってたわ…」

 

やっぱり…

この世界に来る時、僕を包んだ7本のカプセルはその力を消耗させていた

カプセルのウルトラマンの絵柄も、モノクロに色褪せている

 

「それと君が言っていたギガファイナライザーとやらだが…良く似たものがアメリカで発見されたらしい」

「ほんとですか!?」

 

弦十郎さんの声に僕は一安心した

 

ギガファイナライザー、僕がクシア星人のアイルさんから受け継いだ切り札

これを使うことで僕は、他の皆さんの力を借りることの無い、真のウルトラマンとなる

 

「だが…君の世界じゃ知らないが、この世界では聖遺物のようなものを武力にしようとする国が沢山ある…特にギガファイナライザーのように、ある意味完全聖遺物となると…偽物をつかませてくる可能性も高い…」

 

確かに…

 

「…でも大丈夫ですよ!ギガファイナライザーは兵器にはなりませんから!」

「どういう事だ?」

 

僕は緑色のカプセルをとりだす

 

「ギガファイナライザーはこのカプセルがないと起動しません、それにそもそも、使える人間も限られてるんです!」

「ウルトラマンのみか?」

「そういう訳じゃないんですよ」

「じゃあつまり?」

「それはですね…」

 

ウーッ!ウーッ!

 

警報が鳴り響く

弦十郎さんと了子さんはパソコンを睨む

 

「ノイズ出現!っ!怪獣も現れました!前回と同様の個体です!」

「倒せなかったのか?!」

 

僕は否定する

 

「いえ!実は1部の怪獣はベリアル融合獣といって、誰かが変身してる事があるんです!」

「つまり、その人物を倒さない限りは現れるわけか…」

 

僕はモニターのスカルゴモラを睨む

 

「僕も行きます!行かせてください!」

「ああ、怪獣は任せた。ノイズは彼女達に任せるんだ!」

 

僕は頷くと、ジードライザーを構える

 

さぁ…いこう

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【次回予告】

〜♪【優勢 2】

僕は再び、スカルゴモラと相対する、あいつは一体何者なんだ
更に、響と翼さんの前に謎の女の子が姿を現す
そして、過去の不始末を拭う為に、翼さんが…!

次回、戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!
「夜にすれ違う、誓の絶唱」

「のぼせ上がるな人気者!」
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