戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!   作:海空来

20 / 61
??「調、切歌との決闘の場で現れたのは、ウルトラマンフィーネとウェル博士だった、彼等と戦う4人だが、一瞬の隙を突かれ、響は腕を食いちぎられてしまう。そのショック、不甲斐なさがジードを蝕み、彼を闇に覆ってしまう、それとリンクするように響も暴走、2人はからくも勝利を収めるが、残された3人にとって、大きな謎が残ってしまったのだった」

クリス「…誰?」

??「今はまだ秘密だ。だが地球は丸いんだ、またどこかで会うこともあるだろう、あばよ!」

翼「ほとんど答えなのではないか!?」



第6話 戦わせない思い、避けられない試練

「マムっ!」

 

マリアが部屋に戻り、見たのは血を吐いたまま動かないマムの姿だった

 

「マム!しっかりして!マム!」

 

しかし、マムはピクリとも動かない

 

「至急ドクターの回収をお願い!」

「あの人を?」

 

調が少し嫌そうに聞き返す

 

「応急処置はわたしでも出来るけれど、やっぱりドクターに診てもらう必要がある! だから!」

「…分かったデス!」

 

2人は一瞬目を合わせると、揃って部屋を出る

 

『こうなったのも…全て、私がフィーネを背負いきれていないからだ…』

 

フィーネという大きな呪縛

それを背負いきれない自分を責めた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ストレッチャーに乗せられて、響とリクが医務室へ運ばれていく

それを眺めることしか出来ない、翼、クリス、弦十郎

 

「響くん、リクくん…」

 

翼はやるせなさに壁を殴った

ゼロもかける言葉が見つからない

 

メディカルチェックを受ける中、響は夢を見ていた

 

いい夢ではない

むしろ悪夢だ

 

いや、むしろ悪夢であって欲しかった現実

 

そこは中学の情景

 

クラスメイトからノイズから生きのびた、ただそれだけで人殺しとヒソヒソされる

家に帰っても、税金泥棒や、人殺しの張り紙

投げ込まれる石

悲しそうな、母と祖母

どうして

自分が元気になれば、喜んでくれると思ったのに

 

どうして……

 

 

 

 

ふと目を開けると、そこには蛍光灯

 

医務室だ

 

響が視線を右に向けると手紙があった

大切な親友からの言葉

 

《早く元気になってね》

《未来》

 

だがその言葉も今はあまり響かない

 

『私のやってることって調ちゃんの言っている偽善なのかな?

私が頑張っても誰かを傷つけて悲しませることしかできないのかな?』

 

そんなことばかり考えていて、ふと胸に違和感を感じて起き上がる

傷口のところだ

触ってみると、ポロッと何かが落ちる

 

「かさぶた…?」

 

今までそんな物できたこと無かったのに…

だが、これが立花響、そして、朝倉リクの運命を揺るがす事態への1歩とは知る由もない

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

後日

リディアン学院にて

 

「いやぁ〜…面目ない」

「ご心配おかけしました…」

 

響、リクは人気のない場所で翼とクリスに謝罪していた

 

「存外元気そうじゃねーか。ま、いい機会だからしばらく休んでな?」

「なーんとこの立花響!休んだりとかぼんやりしたりは得意中の得意です!任せてください!」

「そこ威張るとこじゃないよね」

 

リクが苦笑いしながらツッコむ様子を翼は、訝しげに見つめる

 

「本当に大丈夫なのか? 私たちを安心させようと気丈に振舞ってるのではあるまいな?」

「えっ、いやーそんなことは…」

 

翼が一番気になるのはその左腕だ

響の左腕を掴み、グイッと引っ張って確認するが力が入ってしまった

 

「翼さん…痛いです…」

「…すまない」

 

慌てて手を離す翼

 

「一体どうしちまったんだ? ここんとこ様子がおかしいのは、このバカに合わせてって訳じゃないんだろ?」

 

クリスの質問に答えず俯く翼

 

「ごめんなさい…」

 

響も反射的に謝ってしまう

 

「本当に何も無いなら…それでいい」

 

その視線は響、そして、リクに向けられた

翼の脳裏にいつかの日の事が思い起こされる

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

弦十郎に2つのサンプルを渡された翼は問いかける

 

「これは…?」

 

弦十郎はすごく言いづらそうにとんでもないことを口にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メディカルチェックの際に採取した、響くんと…()()()()の体組織の一部だ」

 

翼、ゼロは息を呑んだ

 

「朝倉の?!」

「(どういう事だよ!おっさん!)」

 

弦十郎の見解は、ウルティメイトガングニールだった

 

「あの姿になった際、響くんとリクくんの遺伝子が混ざり合い、お互いに浸食を進めているのだ」

「お互いにって…まさか!?」

「そうだ、リクくんの中にガングニールの組織があるように、響くんの中にも、ウルトラマンベリアルの遺伝子が流れ込んでいるのだ」

 

衝撃的だった

しかし…

 

「(謎が解けた…ずっと気になってたんだ、なんで俺の攻撃はノイズに効かねぇのに、アイツの攻撃が効くようになってたのか…)」

 

「立花が戦う時のみという条件が答えだったのか…」

 

弦十郎は続ける

 

「2人のレントゲンだ、シンフォギアを纏うもの、そしてウルトラマンへと変化するものとしてエネルギー化と再構成を繰り返した結果、体内の浸食深度が進んだのだ」

 

ゼロは無情な言葉を呟く

 

「(このまま戦い続ければ…リクも響も……死ぬ)」

「2人が…死ぬ……バカな」

 

弦十郎はレントゲンを眺めながら絞り出すように紡ぐ

 

「そうでなくても、これ以上の融合状態が進行してしまうと、それは果たして人として生きていると言えるのか……」

 

翼は悔しそうに俯く

 

「(皮肉だが、あの時の暴走時に観測されたデータによって、俺たちじゃ知り得なかった危険が明るみに出たってわけか)」

「壊れる立花と朝倉、壊れた月」

 

翼は落下しているという月の映像を見つめる

 

「F.I.S.は月の落下に伴う世界の救済などと立派な題目を掲げてはいるが、その実ノイズを操り、進んで人命を損なうような輩だ。このまま放っておくわけにはいくまい…だが、響くんリクくんを欠いた状態で我々はどこまで対抗できるのか……」

 

翼はそれに対して気丈に答える

 

「しかし、2人にこれ以上戦わせるわけには行きません、かかる危難は、防人の剣で払ってみせます…」

 

ゼロはそんな翼の中で溜息を吐いた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おっさんになんか言われたのか?」

 

クリスが翼に問いかける

ここで正直に言ってしまえば、響やリクはとんでもないショックを受けてしまうだろう

翼は敢えて、突き放した

 

「手ごわい相手を前にして暴走をしているような半人前を、まともな戦力として数えるなと言われたのだ!」

「えっ…」

 

ショックを受ける響に、更に追い討ちをかけるように吐き捨てる

 

「戦場に立つなと言っている! 足手まといが、二度とギアを身に纏うな!」

 

翼は響を突き飛ばした

それを見てリクは憤慨する

 

「何するんですか翼さん!」

「お前もだ朝倉!あの程度で暴走するようじゃ、私はお前をゼロのようなウルトラマンとは認められん!」

 

その言葉はリクを傷つけ、リクを悲しませた

 

「…あなたに…ウルトラマンの何が分かる!」

 

心を鬼にしたつもりだった

しかし、リクの目に溜まり続ける涙を見てこれで良かったとは思えなかった

 

「お前本気で言ってんのか!今の!何とか言えよ!」

 

クリスは自分達を立ち直らせ、繋いだ要因である響やリクを蔑ろにするような事を言い出した翼に納得が出来ず詰め寄る

 

「クリスちゃん!」

 

だが他でもない響がそれを止める

 

「いいよ…わたしが暴走したのも、半人前なのも、本当のことだから…けど…リクくんは!」

 

そういう響の目にも今にも涙がこぼれそうだった

 

「F.I.Sには私と雪音、ゼロで対応すればいい、行方をくらませたウェル博士についても、目下二課の情報部が中心となって捜査を続けている。たかが知れている立花と朝倉の助力など無用だ!」

 

それだけ言うと翼は歩き出してしまう

クリスは少し悩んでから翼の方を追いかけた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おい!なんのつもりだよ!?」

 

曲がり角に入った翼を追い掛けたクリスが聞いたのは、ゼロの声だった

 

「お前…あの言い方はねぇだろ…!」

 

クリスが覗くと、そこには少しぼやけたゼロと翼の姿があった

 

「ならあれ以外どうするべきだったというのだ!あんな事態を伝えれば立花と朝倉は!」

 

あんな事態…?クリスは聞き耳を立てた

 

「さぁな、けどなぁ、あいつらにとっちゃ、お前に見放される方がよっぽど堪えると思うぜ…」

 

翼は歯をかみ締める

それを見かねたゼロはアドバイスをする事にした

 

「お前は仲間を信じきれてねぇんだよ」

 

予想外の言葉に目を白黒させる翼

ゼロは続けた

 

「響は…リクは突き放さなきゃいけねぇ程、弱いヤツらだったか?お前が助けてやらないといけねぇほど、ヤワな奴なのか?お前がそう見えたんなら俺も何も言わねぇ…けどなぁ、まだお前に見せたことのない力、それを使いこなす事は出来ない、それだけ言っておくぜ」

 

ゼロは再び翼の中に戻る

 

「私は…どうしたらいいと言うのだ…」

 

クリスはそっとそこから離れた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

ウェルは昨日の惨劇の場に居た

ネフィリムの心臓を探すため、一人で現れたのだ

しばらくして、目当てのものを見つけたウェルはそれを掴もうと手を伸ばす

 

「フヒッ!……これで…僕も英雄に…」

 

その時だった

ゴーンという音と共に、闇が現れ、そこから1本の腕が伸びてきた

 

「やぁ、お初にお目にかかるね、私の名はトレギア…君の願いを叶えにやってきた…」

「じゃあ…僕を英雄にしてくれ…!?」

「良いだろう、じゃあ…まずは目障りなウルトラマン達に抗える力を手に入れないとね…」

 

トレギアは暗闇に潜ると、ライザー、そして怪獣カプセルを渡した

 

「これは…!」

「これが君の願いへの道しるべさ…!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

大型ヘリ内部

 

マムは意識を取り戻した

自分はベッドの中に居る

ふと横をむくと、壁にもたれて、思い出の歌を歌うマリアの姿があった

 

『ふふ…優しい子。マリアだけではない。私は優しい子たちに十字架を背負わせようとしている。……私が間違っているのかもしれない』

 

マムが体を起こすとタイミング良く通信が入った

パネルをタッチし、通信に出る

 

「私です」

 

「っとと、もしかして、もしかしたらマムデスか!?」

「具合はもういいの?」

 

切歌と調の驚く声が聞こえ、安心する

 

「マリアの処置で急場は凌げました」

「よかった」

「うん…で、でねマム。待機しているはずの私たちが出歩いているのはデスね」

「わかっています、マリアの指示ですね」

 

2人は怒られると思っていたので安心して息を吐いた

 

「マムの容態を診る事が出来るのはドクターだけ、でもドクターともソラとも、連絡が取れなくて」

「二人ともありがとう。では、ドクターとソラと合流しだい連絡を。ランデブーポイントを通達します」

「了解デス」

 

通信を切断した後、切歌はどひぇ〜っとため息をこぼす

 

「まさかマムが出るとは思ってなかったデスよ」

「でも本当によかった」

「うん」

 

丁度そのタイミングでぐぅぅっとお腹が鳴った

 

「おおっと!安心した途端にこれデスよ」

「今日は朝から何も食べていないから」

 

その時だった

切歌が少しよろける

後ろから誰かぶつかったようだ

 

「あうっ?」

「あっ、すいません!怪我はない?」

 

ぶつかった男は切歌の膝などを確認する

 

「だ、大丈夫デスよ…」

「よかった…そうだ、君達ふらわーってお店知らないか?」

「ん、すぐそこ」

 

調が指さす先にそれはあった

かつて、リク、クリス、未来もお世話になった、響の行きつけのお好み焼き屋だ

 

「おぉ!よかった!サンキュー、よかったらごちそうさせてくれないか?」

「本当デスか!?」

「切ちゃん」

 

私達は急がないと…と目でサインを送るがそう言う調もお腹をくぅーっと鳴らしてしまい、赤面する

 

「…腹が減ってはなんとやらって言うだろ?ほら…?」

「…ありがとう…ございます//」

 

3人はふらわーに入店する

中では店主のおばさんがお皿を洗っている

 

 

「おばさん、久しぶり」

「ん?あら〜ガイくんじゃない!その子達は?」

「お腹を空かせてるんだ、俺がいつも頼むやつと同じ奴1枚ずつ頼むよ」

「はいはい、ガイくんはいつも通り3枚?」

「あぁ、あ、あとあれも3人分忘れずに」

「は〜い、あれね♪」

 

3人はカウンター席に座った

 

【〜♪クレナイガイのテーマ】

 

「そう言えば自己紹介がまだだったな、俺の名はクレナイガイ、君達は?」

「私は暁切歌、それでこっちがーーー」

「月読調…」

「切歌ちゃんに調ちゃんか、よろしくな」

「ガイさんはこの辺の人なんデスか?」

 

切歌が問いかけると、本人ではなくおばさんがお好み焼きを焼きながら答えた

 

「この人は風来坊なのよ」

「風来坊?」

「簡単に言えば、旅人」

「なんかかっこいいデス!」

 

そう言われるとガイは手を組み背もたれに寄りかかった

 

「そんなかっこいいもんでもねぇよ」

「なんかね、遺跡とかを回って研究してるチームのお手伝いしてるんだって」

「遺跡…」

「聖遺物とかの事かもしれないデスね?」

 

調と切歌がこそこそ話すうちに3枚の皿がカウンターへ置かれた

内、1枚には3枚のお好み焼きが重なっている

 

「はい、お待たせ〜」

「おぉこれこれ、これが絶品なんだよな〜」

「いい匂い」

「ヨダレが止まらないデス…」

 

3人は箸を手に取り手を合わせる

 

「「「いただきます」」デス!」

 

一口食べると、3人は幸せそうな表情を浮かべる

 

「美味しい…!」

「頬が落ちそうデース…」

「うん、やっぱりここが、世界一のお好み焼き屋だ」

「全くお世辞上手いんだから〜」

 

その後、3人は黙々と食べ進めあっという間にたいらげてしまった

 

「ふぅ…美味しかったデース」

「ほんと、また来たいね」

「ふぅ…じゃああとは…」

「はいはい、わかってるよ」

 

おばさんは3本のビンをそれぞれの前に置いた

 

「ジュース…?」

「なんてデスか?これ?」

「君達、ラムネを知らないのか?」

 

ガイはシュポッという音と共にラムネのビー玉を落とし、躊躇いなく飲み始める

切歌と調は開け方が分からず、必死に青いところを捻っていた

すると、ガイは調の持つ1本を手に取った

 

「貸してみな?このパーツをビー玉に置いて…グッと押し込めば…っ!」

 

シュポッ…カラン…

 

心地よい音が響き、ラムネの栓が開いた

 

「やってみるデス!」

 

同じように切歌もパーツを乗せて押し込んだ

しかし、斜めになっていたのかビシャアッと吹き出してしまった

 

「あわわっ!?爆発したデェス!?」

「あっはは、失敗しちまったな」

 

ガイはお手拭きを受け取ると零れたラムネを拭いていく

 

「飲んでみなさい?美味しいわよ」

 

おばさんに促され、切歌と調はラムネを口に含む

直後、2人は目を輝かせる

 

「シュワシュワ…」

「爽快って奴デース!」

「気に入ったなら何より…」

 

ガイはラムネを飲み干すとレジにお金を置いた

おばさんがそれを計算してお釣りを渡す

 

「それじゃあな、また来るよ」

「ん、待ってるよ」

 

ガイはそれだけ言うと外に出ようと歩き出す

 

「あっ、待って!」

「けふっ、待って欲しいデース!」

「どうせ地球は丸いんだ、またどこかで会うこともあるだろう、あばよ」

 

ラムネを飲み干し、慌てて外に出るがそこにガイの姿は無かった

代わりに、不思議な楽器のメロディーがどこからか聞こえたのだった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃、響、未来、弓美、詩織、創世、クリス、リクはふらわーに向かって、しばらく歩いていた

 

ふと、リクが口を開いた

 

「みんなでお好み焼きなんて久しぶりだけど、なんでクリスも一緒なの?」

 

クリスはそれを聞き、わなわなと拳をふるわせるが必死に抑える

弓美がそれを聞き、はぁっとため息を吐いた

 

「あんたってば、ハーレムアニメの主人公並みに鈍感よね……」

 

リクが困惑していると創世が話し始める

 

「どこかの誰かさん達がね、最近響とリクが元気ないって心配しまくってたから」

「…心配してくれたんだ、クリス」

 

そう言うとクリスは顔を赤くし、仏頂面で吐き捨てるように話した

 

「そ、そんなシケたツラ見たくないだけだッ//」

「ふふ…ありがとう、クリス」

「…未来も…ありがとう」

「うん…!」

 

響も未来に感謝を述べるといつものように微笑んだ

 

「よぉーっし、そうと決まれば食っべるぞ〜!」

 

響がそう意気込んだ時だった

3台の黒い車が猛スピードで坂を下っていった

直後、車が爆発した

リク達は慌てて駆け出す

向かった先には

 

車の残骸

多数のノイズ

そして…

 

「フヒヒッ、誰が追いかけて来たってコイツを渡す訳には…」

 

その手にソロモンの杖と、ネフィリムの心臓を握る男の名を呼ぶ

 

「ウェル、博士…」

「な、なんでお前がここに!」

「ソロモンの杖を渡しやがれ!」

「ヒイィィッ!」

 

クリスが叫ぶとウェルは怯えながらノイズをこちらに放った

リクと響はすかさずみんなの前に立ち、走りながら聖詠する

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」

「Balwisyall Nescell gungnir troォォォオオッ!」

 

2人はノイズを殴った

 

 

 

()()()()()()()()()

 

 

「人の身で…ノイズにっ…?!」

 

ウェルの驚きを他所に、2人はガングニールを纏い、ジードへフュージョンライズした

直後、ノイズは炭となり、突風が巻き起こる

 

「この拳も……命も…シンフォギアだッ!!」

 

しかし、リクは自分の体に違和感を感じた

 

「いま、僕変身してなかったのに…」

 

その不安を他所に、響はノイズに向かう

 

「こうしちゃいられねぇ… Killter ichiival tron」

 

クリスもイチイバルを纏い並び立つ

しかし…

 

「あっつ!?お前なんか熱いぞ!?」

「えっ…」

 

リクは自分の体を見ると、少し光を帯びているのに気付いた

響の体も同様だ

少し発光している

 

「どういうこと…?」

「嫌な予感がする…まさか!」

 

翼とゼロの会話を思い出したクリスはジードに威嚇射撃を放った

 

「クリス!?」

「お前とバカは下がってろ!嫌な予感がする!」

 

ジードは渋々、響の手を取り後ろに下がった

 

「えっ!なんでっ!?」

 

響は困惑するが、お互いの発光を見て1度落ち着いた

ウェルはその様に激昂した

 

「いつもいつも!都合のいいところで、こっちの都合をひっちゃかめっちゃかにしてくれる!お前達はぁぁぁ!!」

 

しかし、ウェルは動きを止めて、ふぅっと息を吐くとケラケラ笑いだし、ライザーを構えた

 

「それは!?」

「そんな君達にプレゼントォォォオオッ!」

 

怪獣カプセルをスキャンし、呼び出した怪獣は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《グリーザ!!第二形態!》

 

 

「《フウェッヒッ!ヒヒッ!》」

 

甲高い、狂ったような声を上げる人型の怪獣が現れた

 

「行かないと…ハッ!」

 

まともに怪獣と戦えるのはゼロとジードだけ

ジードは躊躇いなく巨大化した

そのまま駆け出しグリーザに掴みかかろうとするが何とも奇っ怪な動きで避けられてしまった

 

「なんだよコイツ…」

 

ジードが改めて構え直すと地響きが鳴り、ゼロが現れた

 

「ゼロ!気をつけて、こいつなんか変だ!」

 

だがゼロはそんなジードを押しのけグリーザの前に立ちはだかった

 

「お前と響は戦うな!いいな?」

 

ゼロはそれだけ叫び、グリーザへ向かっていく

ゼロにまで戦うなと言われた

それはジードにとって理解し難い、そして、屈辱的な事だった

 

「…なんでだよ!」

 

ジードはグリーザに対峙していたゼロを突き飛ばして、グリーザに攻撃を仕掛けた

何の型もない、むちゃくちゃな攻撃、それらは全て躱されてしまう

 

ゼロはそんなジードの手を掴むとグリーザから引き剥がす

 

「おいやめろ!戦うな!ジード!」

「離せよ!アイツを倒して、認めさせてやる!」

「馬鹿野郎!()()()()()()()()()()()()()

 

それを聞いたジードは動きを止める

響も同様に聞き返す

 

「どういう事…ですか……?」

「《ゼロ!》」

 

翼の怒鳴る声が響くがそんな2人にグリーザは、光球をぶつけ吹き飛ばした

 

「グウォォッ!?」

「ウワァァッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【次回予告】

トレギア
「やはり、人は迷うもの…迷うからこそ、生命は美しい…
正義や悪は…この宇宙に存在しない…あるのは…闇のみ…
そして…彼女の下す正義…
それがもたらすのは……破壊か…絶望か…」

次回、戦姫絶唱シンフォギアG 響くぜ絶唱
【希望の鎮魂歌】《前編》

「君の正義は…どちらを選ぶ…?」



作者「次回から前後編に分けます、アニメ的に言えばAパートBパートと分ける感じです」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。