僕と響は…戦い続けたら…死ぬ?
ゼロが言い放ったとんでもない言葉に体を動かせなくなった僕達は、グリーザという不思議な怪獣になすがままにされていた
「どういう事だよ…バカとリクが死ぬだと!?」
クリスも声を荒らげている
しかし、グリーザの攻撃で翼もゼロも声を出すことが出来ない
ウェルはケラケラ笑い続けながら新たなノイズを呼び出した
クリスが迎撃に入るが、そんなクリスとノイズの合間を縫って飛び出す影が1つ
その瞬間の灼熱は1人の女の子を表した
響だ
響はソロモンの杖を取り戻すつもりなのかウェルに飛びかかる
「ヒィィィッ!?」
ウェルは腰を抜かし、尻餅をつくが響はそんなウェルに対して拳を振るおうとする
だが一瞬の隙をついて黒い円盤が響の拳をとめた
「盾っ!?」
「なんとノコギリ」
響とウェルの間には調と切歌の姿があった
「調ちゃんっ…切歌ちゃんっ…!」
響は丸鋸の回転力に弾き飛ばされまいと力を更に込める
「この身を鎧うシュルシャガナはおっかない見た目よりもずっと、汎用性に富んでいる、防御性能だって不足無し」
「それでも、全力の2人がかりでどうにかこうにか受け止めてるんデスけどね」
切歌が言うように切歌はイガリマから伸びたアンカーのようなものを突き刺し調をグッと押さえ込んでいる
「ごめんね切りちゃん、私のヒールじゃ、踏ん張りが効かないから」
「いいってことデスっ!」
直後、響と調の間にミサイルが飛来、爆発した
「あたしを忘れんな!」
後ろに飛び退いた響はクリスをにらむ
切歌と調はウェルを連れて、後ろに飛び退いた
「さぁて!第2ラウンっ…!?」
クリスが構えようとした瞬間、響がクリスを掴んだ
「退いて…私が杖を取り返す…!」
そんな響の姿は恐れ戦いてるようにも、焦ってるようにも見えた
「おい、どうしたんだよ!」
クリスの言葉を無視して戦おうとする響の頭には、声が響いていた
《君の守りたいものはなんだ…?》
《自分か…それとも、他者の命か…?》
《その拳は…なんの為に…?》
そんなの決まってる
皆の日常を、他の誰かを守りたい、守るために
拳を振る!
「ぐぅぅっ!?」
その拳は、目の前に居た華奢な女の子の体を吹き飛ばした
「え?」
「調ぇっ!」
切歌ちゃんが調ちゃんに駆け寄る様子が見える
調ちゃんは頬を抑えている
そこから導かれた残酷な行為
私は調ちゃんの
何故、そんな残酷な事をしてしまったのか
何故、それに躊躇いを持たなかったのか
何故、それを行ってしまったのか
私の頭に様々な思惑が駆け巡り、頭を抱える
すると、私の胸の傷が輝き始めた
苦しい…必死に胸を押えるが一向に治まらない
ふと見ると、同じようにジードも胸を抑えて苦しんでいる
これがゼロさんが言ってた事?
「こんのぉぉっ…!」
私は負けていられない、体は熱いけど、そんなことは気にしちゃいられない
《そうだ…君は何かを犠牲にしても、他者を守らずにいられない…》
この声が何かは気になるけど、言ってることは分かる
私に守るために戦えと命じてる
なら…
私は再び気合を入れると、胸の光を押さえ込んでいく
だけど、聞きたくない歌が聞こえた
「「Gatrandis babel ziggurat edenal… Emustolonzen fine el baral zizzl…」」
「この歌って!まさか…絶唱!!」
リクくんの焦る声が聞こえた気がした
「「Gatrandis babel ziggurate edenal」」
尚も歌い続ける2人に私は必死に呼びかけた
「ダメだよ…!LiNKER頼りの絶唱は、装者の命をボロボロにしてしまうんだ!」
だけど、そんな2人を促すようなウェル博士の声が響く
「女神ザババの絶唱二段構え! この場の見事な攻略法!これさえあれば…こいつを持ち帰ることだって…ウヒヒッ!」
「「Emustolrozen fine el zizzl…」」
2人の穏やかだった顔に苦悶が混じる
直後、2人のギアは大きく変形していく
「シュルシャガナの絶唱は、無限軌道から繰り出される果てしなき斬撃。これでナマスにきざめなくとも、動きさえ封殺できれば…」
「続き、刃の一閃で対象の魂を両断するのが、イガリマの絶唱。そこに物質的な防御手段などありえない!まさに絶対に絶対デス!」
調ちゃんのギアは大きな丸鋸を、切歌ちゃんのギアは鎌が巨大化した
だが2人とも苦しそうな表情
脳裏に消えていった奏さんの姿が思い起こされ、更に声が響く
《このままあれが振るわれれば、また尊い命が消えていく…それでいいのかい?》
《君自身の命のために2人を見捨てるか…》
《2人の為に…自身を犠牲にするか…》
…そんなの、決まっている!!
「翼さん!ゼロさん!リク君!その大きな的を抑えてください!」
「は?か、怪獣の事か!?」
「《どうするつもりだ!》」
私は…覚悟を決めた、ジーッとしてても、ドーにもならない!
「Gatrandis babel ziggurat edenal… Emustolonzen fine el baral zizzl…」
変化していた、調と切歌のギアはどんどん元の大きさに戻っていく
「エネルギーレベルが…絶唱発動まで至らない!?」
「アイツまさか!!」
クリスちゃんの叫びが聞こえる…
調和は出来た…なら!
「セット!ハーモニクス!」
2人の絶唱の強力なエネルギーが流れ込んでくる
苦しい…でもこうしないと…2人が…奏さんみたいに…!
「アイツがエネルギーを奪ってるデスか!?」
「2人に…絶唱は使わせない!!!」
両手を合わせ、巨大な右手のギアを作り上げた
「みんな!!」
「そういう事か!!ジード!」
「う、うん!」
リク君も苦しそうな声を上げるが、ゼロさんと怪獣の位置を移動してくれた
ウェル博士が呆気に取られてるせいか、怪獣はすぐに捕まえられ、車線上に運ばれた
「いっけぇぇぇ!!!!」
私は怪獣に向けてトライバーストを解き放った
その勢いは見事に怪獣を打ち砕いた
「ウォッ!?」
「グァァァッ!」
ゼロさんとリク君の変身が解除されて、地面に落ちた
リク君は胸から何かが突き出ているように見えたが…
私は…ここで気を失ってしまった…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その場にフィーネが降り立った
調と切歌を見つけると手を下ろす
「急ぐぞ、離脱だ」
「でも!」
「今なら…」
倒れ込んだ響とリクを調と切歌は見つめるが、その前にクリスと翼が立ちはだかった
「…」
フィーネは無言で手に乗るように促し、ウェルと調と切歌が乗ったのを確認し飛び立った
クリスと翼はそれよりもと、響とリクの方を向く
2人とも凄まじい熱を帯びており、発生の中心に居るとは考えたくない
そこへ、未来が走ってきていた
クリスは慌てて未来の元へ飛び、未来を抑える
「よせ!火傷じゃすまないぞ!」
「でもっ!響がっ!いやぁぁっ!響っ!」
すると、翼が突如飛び上がり給水タンクを切り裂く
その水はリクと響の体を急速に冷やしていった
「…私は…2人を守れなかったのか…」
後悔、懺悔、その気持ちが翼を支配する
ゼロはどうしたもんかと溜息を履いた…
コメントが減ってきて寂しいですが仕方ないですよね、更新遅いですし…←
こういうのが見てみたいというのがあれば書いてみてください