戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!   作:海空来

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第3話 夜にすれ違う、誓の絶唱

【〜♪優勢2】

 

僕は腰の右側にあるホルダーを開いてカプセルを構える

 

融合!

 

スイッチを入れるとシンプルな姿をしたウルトラマンが現れる

「シェアっ!」

 

それを確認し、カプセルを腰の左側の装填ナックルに填める

さらにホルダーからもう一本カプセルを取り出して構える

 

アイゴー!

 

それから現れたのは僕の父、ウルトラマンベリアル

「ヌェアッ!」

 

それも装填ナックルに填めると、ジードライザーのトリガーを入れる

 

HERE WE GO!

 

装填ナックルを外しジードライザーで読み込むと、心臓の鼓動のような音と共に、二重螺旋が青と紫を彩る

 

フュージョンライズ!

 

「決めるぜ!覚悟!」

 

僕はジードライザーを構えると再びトリガーを引いて叫ぶ

 

「ジィィーードッ!」

 

ウルトラマン!

ウルトラマン、ベリアル!

 

ウルトラマンジード!!

プリミティブ!!

 

 

僕の体は一瞬ウルトラマンのような姿を経由して、ジードとなる

 

僕は地上へ出るとそのままスカルゴモラの前に着地した

 

「やはり未だに信じられんな…」

 

弦十郎はモニターを見てボヤく

あの年端もいかなそうな少年が40メートル級の巨人となっている

 

「初めて戦うわけじゃないんだ、早く倒す!」

 

僕はファイティングポーズを取ると思い切りジャンプし、スカルゴモラの背中に飛び乗った

スカルゴモラは僕を振り落とそうと暴れるが、僕は角をがっしり捉えている為、体力を使うだけだ

 

「レッキングロアー!」

 

僕はスカルゴモラの耳(?)に超音波を発した

体が耐えきれなかったのか角が破裂するように砕けたのを確認し、僕はスカルゴモラの前へと降りる

 

「一気にトドメと行きたいけどその前に…」

 

僕は精神を集中し、フュージョンライズしてるのが誰かを確かめた

 

「くっそ〜…耳がいてぇ…なんなんだよアイツ!いきなり叫びやがって!」

 

女の子!?

そこに居たのは、響と歳が変わらなそうな白髪の女の子だった

僕が困惑しているとスカルゴモラは僕に熱線を繰り出した

 

まずい!

僕は円を描いてそれを構えてバリアを作り熱線を防いだ

しばらくしたあとバリアを解くとスカルゴモラの姿は跡形もなく消えていた

 

 

【数分後】

 

リクは考えていた

あの女の子の事を

伏井出ケイで無かったことは安心した

アイツが生きている事は

リクの仲間、鳥羽ライハの覚悟が無駄になることを意味していたから

 

だがそれはそれで謎が増えてしまった

何故彼女がライザーとカプセルを所持しているのか

何故ベリアルのいないこの世界で彼女がフュージョンライズ出来るのか

そして何より、何故彼女は戦っているのか

 

リクは考えながら明日の準備を進める

遂に明日はリディアン音楽院、特別編入生として2度目の高校生活を送ることになる

下手な事は出来ない、歌は得意か下手かと言われればまあまぁなのかな…

曲全然知らないけどね

 

 

 

 

【登校日】

 

「くはっ…全然ダメだ…」

 

リクは食堂のテーブルに突っ伏した

音楽はともかく、そもそもこの学校のレベルが高過ぎた

 

「難しいよね〜ここの授業」

 

リクが顔を上げると響ともう一人の女の子が前の席に座った

 

「響は授業に遅れるからでしょ〜、いっつも人助けで遅刻して」

「あっはは…」

「えっと確か…未来さん?」

「うん、小日向未来、未来でいいよ」

「わかった。よろしく、未来」

 

未来に微笑みかけると未来もそれを返す

 

「響から話は聞いたよ、お父さんもお母さんも亡くなっちゃうなんて…」

「えっ、ああ、うん…でも大丈夫だよ!」

 

僕はこの世界では、響の親戚の子で、ノイズに父と母を殺された子ということになった

そうすれば、動きやすいだろうという、弦十郎さんの提案だ

 

「そっか…女の子ばかりで大変かもしれないけど、私達には気軽に話しかけていいからね」

「そうそう!泥船に乗ったつもりで!」

「それ大船じゃないかな…?」

「「「…あはは!」」」

 

3人の笑い声が響く

懐かしさと新鮮味、両方を味わっていた

 

 

【放課後】

 

僕は特異災害対策機動部二課の本部に居た

響達にノイズが現れたと召集がかかったのだ

僕は怪獣の専門なので待機しているというわけだ

 

「響…約束、叶えてあげてよ?」

 

僕は聞いてしまった

響と未来の約束を

 

一緒に流れ星を見に行くという約束を

 

そんな囁かな願いも、この世界の災厄によって壊される

皆のためにそんな願いを、平和を、日常を、守るのが僕達ウルトラマンの使命

だけど、この世界の災厄はウルトラマンの攻撃も通さない

彼女達しかいない

 

僕はそれが歯がゆかった

 

しばらく俯いていると響の声が二課に響く

 

「私だって守りたいものがあるんです!…だから…!」

 

モニターを見ると響は翼さんに向けて叫んでいた

だけど、翼さんは振り返ることはしない

なんで…翼さんはあそこまで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった

 

「―――だから?んでどうすんだよ?」

 

どこからとも無く声がする

モニターが声の主を捉えた時、僕は既視感を感じた

 

「あの子…どこかで…」

 

僕は必死に記憶を探り、辿り着いてしまった

スカルゴモラにフュージョンライズしていた子だ

 

「あの子かっ…!!」

「どうしたリクくん!?」

「あの子が…あの女の子が怪獣に変身してたんです!」

「なんだとぉっ!?」

 

「・・・『ネフシュタンの鎧』・・・・」

 

翼さんが悔しそうに唇を噛み締めている

ネフュシュタンの鎧…確か二年前に翼さんが相棒だった奏さんと起動させようとした聖遺物…

 

「へえ、って事はあんた。この鎧の出自を知ってんだ?」

 

他のギアと違う、白い全身スーツを着込んだ女の子は鞭を弄りながら聞く

 

「二年前・・・私の不始末で奪われた物を忘れるものか。何より、私の不手際で失われた命を忘れるものか!」

 

忘れるはずがないだろう

自分を信じてくれた人を失う悲しさ、僕にも経験があるから

 

ただ翼さんと僕の違い、それは前に進んだかそれを引きずったままか

 

今の翼さんは危ない

本能的にそう感じた

 

すると響は翼さんに抱きついた

 

「やめてください!相手は人です!同じ人間です!」

 

響の主張が突き刺さる

そうだ、相手が伏井出ケイのような凶悪な宇宙人ならともかく、彼女は人間だと、僕の中の何かが叫ぶ

 

「「戦場で何を馬鹿なことを!」」

 

翼さんと女の子の声がハモる

二人共、本質が一緒なのかもしれない

 

「寧ろあなたと気が合いそうね」

「だったら仲良くじゃれ合うかい?」

 

彼女は薄紅色に光る茨を振るう

翼さんは響を振り払い、空へ飛び上がった

 

翼さんはすぐさま上空から少女に斬りかかる

だが、最初の振り下ろしは避けられる

続く数撃すらも最小限の動きで躱し、大きく踏み込んだ薙ぎ払いを刃の鞭で受け止める

そして、その大剣を弾かれ、追撃の鞭の薙ぎ払いを躱したと思い気や、その腹に深い蹴りを貰う

 

「翼さんがここまで押されるなんて…」

 

蹴り飛ばされて、地面に倒れる翼さん

 

「これが完全聖遺物か・・・!」

「ネフシュタンの力だと思わないでくれよな」

「翼さん!」

 

響が慌てて駆け寄っていく

 

「お呼びじゃないんだよ。こいつらとでも遊んでな」

 

そこで少女は杖を取り出して、中心の宝石部分から光の弾丸を放出する。

その光が地面に着弾すると、そこからいきなりノイズが現れる。

 

「あれはっ!?」

「ノイズが…操られてる!?」

 

まるでダチョウのようなノイズ。

そのノイズの視線が、響たちに向く。

 

「ついでにおまけだ!」

 

遂に彼女は取りだした

 

()()()()

 

「あれはっ!?」

「ジードライザー!?」

 

翼さんと響の驚きの声が上がる

彼女は僕の使うものと似通った黒いカプセルを起動して、ナックラーにセットし、読み込んで空に掲げた

 

「ダークロプスゼロ!!」

 

光が照射されるとそこに、僕の仲間 ウルトラマンゼロによく似たオレンジ色の単眼ロボットが現れる

 

「えっ、わぁあー!?」

 

その様子に目を奪われていた響はノイズの粘着性の液体に囚われてしまう

ダークロプスゼロはそんな響をなんとカラータイマー部に取り込んでしまった

 

「何!?うわっ!!?」

 

翼さんはネフュシュタンの女の子の不意打ちに吹き飛ばされ顔を押さえつけられる

 

「のぼせ上がるな人気者!誰も彼もがお前に構ってくれると思うな!」

「君もね!!」

「!?ぐあッ!」

 

ネフュシュタンの女の子は突然翼の上から吹き飛ばされた

翼が顔を上げるとそこには青い鉤爪のようなものを持ったリクが居た

 

「貴方…!」

「遅くなってごめん、響は僕が助ける…!あ、それと」

 

駆け出そうとしたリクは翼に向き直す

 

「貴方はひとりじゃない。響、特異災害2課の皆さん、それに僕がここにいます」

 

翼はハッとした顔を見せる

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」

 

僕はジードライザーを構える

プリミティブへフュージョンライズするとダークロプスゼロに向き合う

かつてはソリッドバーニングにならないと勝てなかった相手…

 

「でも、僕だってあの時のままじゃない!今の自分を飛び越える!ジードクロォォーーー!!」

 

【〜♪優勢 1】

 

右手を頭上に掲げる

光が収束してさっき使った鉤爪が現れる

響はカラータイマーの所だ

ならそこを狙う!

ファイティングポーズを取ると一気に飛び上がり動作に入る

トリガーを引いて赤いスイッチを押し込む

刃が赤く発光していく、それを見計らいダークロプスゼロに突き刺す

鉤爪の間にカラータイマーが来た、あとは抉りとるだけ

 

「クローカッティング!!」

 

刃がタイマーを抉り出すようにグルグル回転する

一気に引っ張るとカラータイマーが挟まっている

その中では若干目を回している響が見えた

後で謝っとこ…タイマーをそっと地に置くとダークロプスゼロが羽交い締めにしてきた

こいつまだ動くのか!

僕は逆にダークロプスゼロを投げ飛ばし、構え直した

僕は一度ジードライザーでジードクローを読み取る

 

「シフトイントゥマキシマム!」

 

鉤爪の間にある突起を押し込むと爪が開く

3回トリガーを引いて赤いスイッチを押し込む

空間もゆがめるエネルギーが溜まっていき、それを一気に解放した

 

「ディフュージョンシャワー!」

 

空に光の雲のようなものができると、緑色の雨のような光線が幾つもマダラにダークロプスゼロ目掛けて降っていく

 

堪らず、ダークロプスゼロは爆発した

よし…これであとは彼女だ、だが彼女は苦悶の表情を浮かべている

 

よく見ると彼女の影にナイフ、影縫いだ

なるほど、これで動きが…

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl…」

 

すごく綺麗な歌が響く

なんだろ、今までとまるで毛色が違う

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal…」

 

僕が聞き惚れていると弦十郎さんの声が響く

 

「リク君!そこから離れるんだ!」

「えっ?」

「翼は絶唱を歌っている!」

「なんだって!?」

 

気づいた時には遅かった

 

「Emustolronzen fine el zizzl…」

 

翼さんの絶唱が終わった

 

「翼さぁぁぁぁん!」

 

僕は気付くと無我夢中で走っていた

翼さんは僕に気付くと微笑みかけた

口から血を零しながら放った言葉は

 

「あなたのおかげ…」

 

直後僕達は衝撃に飲まれた

僕はあまりの衝撃にフュージョンライズが強制解除されながら落下してしまう

響はカラータイマーが盾になり無傷だった

 

翼さんが絶唱を行った場所を中心に地面が本来の地肌をあらわにしている

 

そこに駆け寄っていく響

 

「翼さん!翼さん、キャッ!」

 

足がもつれ響が転ぶ

車が走り込み、弦十郎さんと了子さんが降りてくる

 

「無事か!翼!」

 

翼さんがこちらに振り向く

その姿は人生で一度とて見ることない程、痛々しかった

目や口、色んな所から今も血が吹き出している

 

「…私とて…人類守護の務めを果たす…防人…この程度で折れる剣じゃありません…」

 

とても掠れて、今にも意識を無くしそうな感じだった

翼さんはゆっくり視線を僕に向ける

 

「しばらく…任せたわ」

 

唇を動かしてそれを伝えると、力なく翼さんが倒れた

 

 

 

「翼さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああん!!!」

 

響の絶叫が響き渡った

 

 

 




【次回予告】
【〜♪優勢2】
翼さんが倒れた
彼女はやるべきことを行ったんだ、その全力を出して
響、意気消沈してる暇は無いよ、僕達は前に進まないといけないんだ
そんな僕達を嘲笑うように、ネフュシュタンの女の子やダークロプスゼロ達が立ちはだかる
苦戦する僕達だったけど、響のとある言葉で赤い灼熱の武人が蘇る!

次回、戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!

「僕が僕であり、君は君である」

燃やすぜ!勇気!!
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