了子はとりあえず、かつて着ていた白衣と諸々の服を着せられた
「んもう、楽でよかったのに…」
「(目のやり場に困んだよ…)」
ゼロが悪態をつくなか、ガイは了子に近づく
「お久しぶりです、了子さん」
「敬語なんて要らないわよ風来坊、いや、オーブ」
「…そうだな、そんな仲じゃないもんな、フィーネ」
オーブ、フィーネと呼び合う2人に困惑の色が隠せない面々
「さ、櫻井女史はクレナイガイの知り合いなのですか!?」
「えぇ、そうねあれは確か…5年前、シェンショウジンの発掘の時だったかしら…」
「実は俺がミッションで探していたのもシェンショウジンだったんだ」
話によるとこの発掘の際、2人はお互いに人間ではないと感じ、一度戦闘に至ったが、怪獣が出現し、それを撃退したのを切っ掛けに協力したのだという
ちなみにその時の処理で怪獣は居なかったことにしたらしい
「それで了子くんはそこまで怪獣やウルトラマンに驚いている様子が無かったのか…」
「それでも、リクのあの目には驚いたけどね〜…」
「そう言えば、ガイさんのシェンショウジンはどうなったんですか?」
「これだ…」
ガイは懐からオーブリングを取りだした
「えっこれ!?」
予想より変化したシェンショウジンに響は驚嘆の声を出す
「聖遺物の欠片がシンフォギアのペンダントに変化したようなものと、考えてくれればいい、俺はこれで、魔王獣という怪獣のコアを、分解変換して諸先輩方のカードを生み出したり、異なる力を結びつけたりする為に必要だったんだ」
ガイはオーブリングを再び仕舞う
「さて、じゃあ乗り込みましょうか」
「では、準備して参ります」
翼はそそくさと部屋を出た
ガイはそれを見て、追いかけるように部屋を出た
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翼がライダースーツに着替え、外に出るとガイの姿がそこにあった
「ちょっと話せるか?」
「そのような時ではないと思うのですが…」
「良いから」
ガイは翼を隣に座らせ、ラムネを渡した
「…俺は昔、ある女の子に出会った、その子はノイズに家族を殺され、復讐心だけで生きていた…俺はそれがたまらなく悲しかった」
「悲しかった?」
「空は青く、空気は澄んでる、食べた物も美味い、だけどそんな幸せを噛み締められないくらい焦っていた彼女が可哀想で、助けられなかった事が悔しくて…」
ガイはラムネを口に含んだ
「そんなこと、貴方が責める事では…」
「だけど、俺は平和を守るウルトラマンとして戦わないといけない、そんな責任感に追われていた。
それはいつか、誰かと親しくなり、それを失う事を恐れるように変わっていた」
「…それはっ…」
翼は感じていた
私と一緒だ、奏のように、立花や雪音を失うのが怖くて、自分が立ち回らなければいけないと思い込んでいる
「…だけどな、それは杞憂でしかないんだ、俺が守れなかった命は、相棒が助けてくれていて、その命を数百年先まで繋げていた。そして、繋げられた命は俺を守る為に奮闘する仲間になってくれた。
そして彼女も、自分の歌が誰かを勇気づけられると知り、相棒と共に守る為に戦うと誓った」
「…今っ、歌と言ったか!?」
まさか…その予感は的中した
「そう、これは天羽奏の事だ」
驚いた、奏までこの男と面識があったとは
「彼女はよく言ってたよ、守る為に歌うってすごく気持ちがいい、代わりに、相棒を失うのが怖くなった、だけど、きっと相棒もそう思ってるから、お互いに守れればいいと思ってる…ってな」
「お互いに…」
「前にも言ったろ?仲間を信じろって」
この男は伝えてくれたのだ、奏の言葉を使い、仲間を信じる事がどういう事なのか
私は立花を、雪音を信じていたのではない
私が守らなければと、怯えて意地になっていたのだ
真に信じるというのは、彼女達に背中を預けて戦う覚悟
2人なら戦い抜けると信じること
それがゼロが必死に伝えようとしてくれたこと
ゼロが、クレナイさんが、そして奏が伝えてくれたのだ
「…奏っ…」
「泣いてるのか?」
「泣いてっ…など…いえっ…泣いてますっ…」
「それでいい、お前は剣なんかじゃない、お前はシンフォギア装者、風鳴翼なんだから」
「くぅっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
翼はガイにしがみついてひとしきり泣いた
次こそ、泣かず、仲間を信じる為に
「(フッ、ようやく気付いたか)」
ゼロはそんな様子を見て、不敵に微笑んだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うぅっ…」
僕が目を覚ました場所はインナースペース
まるで、伏井出ケイとやり合った時に見えたような、暗い場所に赤いエネルギーが渦巻く、息苦しい場所だった
「届いたかな、ジードライザーとカプセル」
取り込まれる直前、反撃の狼煙になればとジードライザーと残ったカプセルを僕は投げた
だから脱出する手段は今の僕に無い
そして、僕が周りを改めて見渡した時だった
女の子が倒れてる
僕は駆け寄り、その子を抱き起こした
「君っ!君っ!?大丈夫!?」
「んっ…んん…」
どうやら意識を取り戻した彼女は周りを見る
「えっと…あなたは?」
「僕はリク、朝倉リク、君は?」
「私は…
【次回予告】
クリス
「あたしに暖かい場所にいる資格なんてねぇんだ!汚れ仕事は、居場所のないあたしの仕事なんだ!」
翼
「居場所はある、だから首根っこ掴んででも雪音と朝倉を、私は連れ帰って見せる!力を貸してくれ!ゼロ!」
ゼロ
「次回!戦姫絶唱シンフォギアG 響くぜ絶唱!」
【運命を越えるとき!】
ゼロ
「俺に限界はねぇ!」