戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!   作:海空来

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「リクくんが乗っ取られてクリスちゃんも居なくなり、悲しみにくれた私達」
調
「だけど、ガイさんが教えてくれたのは、マリアの妹で私達の友達、セレナが生きているということ」
切歌
「更には調の中にいたフィーネの魂も分離してくれて、私達の魂が塗り潰される心配も無くなったのデス!」
未来
「まさか、了子さんが調ちゃんの中にいたなんてね〜…」
了子
「とりあえずこっちに来れてよかったわ、参戦出来ないなんて寂しいもの」

「私もクレナイさんのお陰で、自らの誤った考え方を正すことができた…雪音、朝倉、待っていろ…防人として、先輩としてお前達を救ってやる!」
ゼロ
「(…リクはマリアとほぼ同い年なんだがなぁ…)」


第12話 運命を越えるとき! 【前編】

クリスはソラと共にフロンティア内部を進んでいた

 

「本当に私たちと戦うことが、戦火の拡大を防げると思ってるの?」

 

マリアの問いかけにクリスは鼻で笑う

 

「ふん、信用されてねえんだな。気に入らなければ鉄火場の最前線で戦うあたしを後ろから撃てばいい。それに、私はリク…ソラが誘ったから着いてきただけだしな…」

「それもまた愛…ですよ」

 

肯定するのがウェルというのが腹立たしいと、内心思いつつクリスはソラの横に行く

 

「ふっ…まぁ俺の事を裏切りはしないだろうさ」

 

「着きました、ジェネレータールームです」

 

ウェルは到着した部屋で、アタッシュケースを開ける

そこには今尚鼓動するネフィリムの心臓があった

それを掴むと、部屋の中心の球体に押し付けた

 

すると心臓から蔦が伸び、ジェネレーターを起動させた

驚く事にフロンティアに気が生え始め、完全に起動した事を知らしめるようだ

ウェルはマム(ナスターシャ)に制御室に行くように伝えて、自分とソラ、マリアはブリッヂに向かった

 

 

そこでウェルは再び、注射器のようなものを取り出す

 

「それは?」

「聖遺物を取り込むネフィリムの細胞サンプルから精製したLiNKERです」

 

それを躊躇いなく、左手に打ち込むとその手がネフィリムのような手に変貌する

マリアはそれに驚くが、ウェルはコンソールに手を当てた

そして、光がともり起動が確認できた

 

「へへ…早く動かしたいなぁ、ちょっとくらいいいとは思いませんか?マリァァ…」

 

映し出されるモニターには米国艦隊の姿が確認できた

 

《早すぎます!ドクター!!》

「いけぇぇぇ!」

 

ナスターシャの制止も聞かず、ウェルがコンソールに何かを念じると、フロンティアからエネルギーが照射された

3本のエネルギーの渦はやがて手の形を作り、月に手をかけた

 

「どっこいしょぉぉお!!」

 

手の形のエネルギーは霧散するが、フロンティアが更には浮上していく

海上のフロンティアですらほんの一部

2課潜水艦すら乗せた大地は、言うなれば大陸並の広さを持っていた

 

「お、大きい…!」

「ゆっくりしている暇はなさそうね…」

 

了子は自分が遺していたUSBを開いた

 

米国艦隊は砲撃を開始するが、全く効かない

それどころか、フロンティアの下部分が発光すると艦隊が浮かび上がり急に潰れてしまい、次々爆発していく

 

「ふーむ…制御できる重力はこれくらいが限界かぁ…フヘヘヘヘヘッ!」

 

「これがほんとに…世界を救う力なの?」

 

だがマリアのその疑問は直ぐに打ち砕かれた

 

「ほう、フロンティア浮上ついでに月を引き寄せたか?」

「っ!落下を早めたの!?救済の準備は何も出来ちゃいない!」

 

ソラの言葉を聞き、マリアはコンソールに触れるが全くそれは動かない

 

「どうして…!」

「ウヒヒヒ。LiNKERが作用している限り、制御権は僕にあるのです、僕がいる限り人類は絶滅しない、これが僕の提唱する一番確実なのは人類救済方法だ!」

「それは救済ではなく支配だ!私はそんな事のために悪を被ったのでは無い!」

 

マリアはウェルに掴みかかるが、ウェルはマリアを振り払う

 

「ここで僕を手にかけても地球の余命は変わらないだろう、ダメな女だな!そこでフィーネを演じてた頃でも思い出して悶えてろ…」

「っ…セレナ…セレナぁっ…」

 

マリアは悲しみで涙をこぼしてしまう

 

「うぐっ…?」

「どーしたんですか…ソラ…」

「いや、なんでもない」

 

頭を押さえたソラに問いかけたウェルはそれを聞くと、鼻で笑い、ブリッヂを出た

 

「帰ったら、僅かに残った地球人類をどう増やしていくか一緒に考えましょう」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「翼、行けるか?」

 

弦十郎の問いかけに、翼は強く頷いて答える

もちろん、ゼロも一緒だ

 

「(さぁ、行こうぜ翼、ブラックホールが吹き荒れるぜ!)」

「うむっ、共に行こう!」

 

そして…バイクが飛び出し、聖詠が響く

 

Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)

 

翼の体に天羽々斬が纏われ、脚のブレードは可変しバイクの前輪を覆う

 

「♪ 一つ目の太刀 稲光より 最速なる風の如く

二つめの太刀 無の境地なれば 林の如し」

 

その歌と共に、バイクと刀を使い、ノイズを切り裂き、防人は前へと進む

 

ーーーーーーー後輩を連れ帰る為にーーーーーーーー

 

2課でもその様子をモニターしていた

 

「こちらの奏者はただ一人。この先、どう立ち回れば…」

 

弦十郎が悩むのを吹き飛ばすように響の声が響いた

 

「装者は一人じゃありません」

「私達が居る…」

「私達が…セレナを…マリアを助けるデス!」

 

調と切歌の声を聞くが、元々敵だった2人に頼る事を渋った

しかし…

 

「行かせて上げて、弦十郎君」

「了子君…」

 

了子は切歌の元へ向かった

 

「セレナちゃんを助けるには、貴方の()()()()が必要よ」

「あたし…デスか!?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして、切歌と調、そしてガイは出撃した

もう一人のおまけを連れて

 

「響!!」

 

調の後ろにギアを纏えぬ響の姿があるのだ

 

「何をやっている!? 響くんを戦わせるつもりはないと言ったはずだ!」

「戦いじゃありません! 人助けです!」

「減らず口の上手い映画なぞ、見せた覚えはないぞ!」

 

だが…未来が弦十郎を抑えた

 

「行かせてあげてください。人助けは、一番響らしいことですから」

「それに、あの子戦えないわけじゃないわよ」

「どういう事だ?」

「それはお楽しみ♪」

 

驚いた顔を見せる弦十郎だが、すぐフッと微笑んだ

 

「こういう無理無茶無謀は本来俺の役目だったはずだったんだがな…」

「弦十郎さんも?」

「帰ったらお灸ですか?」

「特大のをくれてやる!だから俺たちは!」

 

藤尭、友里も答える

 

「バックアップは任せてください」

「私たちのやれることでサポートします」

 

弦十郎も改め拳を叩く

 

「子供ばかりにいい格好させてたまるか!」

「そうね…私の本気も見せてあげないと!」

 

そう言ってパソコンを叩く了子のモニターには、Secret nefyusyutan

と書かれていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「立花が…?」

 

翼は通信を受け、フッと微笑んだ

 

「(アイツらしいな)」

「想像の斜め上過ぎる…わかりました、合流します」

 

だが、気配を感じ翼は後ろに飛び退いた

直後、大量の矢が降り注ぎ、愛車を破壊した

 

「誘い出されたわけか!」

 

よく見れば、大きく切り立った岩の上にクリスの姿があった

そして、戦いが始まる…

 

クリスが放った弾丸を翼は刀身で受け止め払う

 

「何故弓を引く!雪音!」

 

しかし彼女は何も答えず、銃で殴りかかってきた

翼はそれを腕で受け止める

 

「その沈黙を答えと受け取らねばならぬのか!」

 

クリスは蹴りを繰り出すが、間一髪翼は後ろへ飛びそれを避けた

 

「何を求めて手を伸ばしている!?」

 

するとクリスは、ようやく口を開いた

 

「私の十字架を他の奴には背負わすわけに行かねぇだろ!」

「何っ!?」

「(おい翼、あいつ首に何か付いてっぞ!)」

 

翼はクリスの首を注視する

確かに、鼓動のリズムを刻む光を放つ、首輪がそこにはあった

まさかそれのせいなのか?翼は推察した

 

「《ちゃっちゃと仕留めないと、約束のオモチャはおあずけですよ》」

 

クリスの通信にウェルの声が響く

どこかから見ているのだろう

 

(ソロモンの杖……人の手で殺せる力なんて、人が持ってちゃいけないんだ)

 

「犬の首輪を嵌められてまで!何を成そうというのだ!」

 

クリスは半ば激昂したように応える

 

「汚れ仕事は、居場所の無い奴がこなすっていうのが相場だ、違うか?」

 

それを聞くと翼はフッと微笑んだ

 

「首根っこ引きずってでも連れ帰ってやる。お前の居場所、帰る場所に」

「あたしの居場所はリクの所だ!あいつがあの男の中に居るなら…アイツが…!」

「なら朝倉も連れて帰る。

雪音と、朝倉と、立花と小日向、皆が居る場所がお前の居場所だろう。

お前がどんなに拒絶しようと、私はお前のやりたいことに手を貸してやる。

それが… それが片翼では飛べぬことを知った…先輩と風を吹かすものの、私の果たすべき使命だ!」

 

クリスはそれを聞き、視線を逸らして一筋の涙をこぼした

翼も目を閉じ、奏の姿を思い出す

 

(そうだったよね、奏…)

 

彼女は再び答えてくれた

 

(そうさ、だから翼のやりたいことは、あたしが、周りの皆が助けてやる)

 

「その仕上がりで何を偉そうなことを!」

 

叫ぶクリスの声を聞き、翼は目を開けた

 

「《何をしているのですか? 素っ首のギアスが爆ぜるまで、もう間もなくですよ?》」

 

クリスは意を決した

 

「…風鳴……先輩!」

「っ!」

「次で決める…昨日まで組み立ててきた、あたしのコンビネーションだ!」

「っ…ならばこちらも真打ちをくれてやる…!」

 

そして、2人はお互いに限界の技を繰り出し……

 

 

 

 

 

 

 

爆発に飲まれ、地下へ落ちた

 

 

「イィィイッヒィィィッ!願ったり叶ったり、してやったりーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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