メンバー達は海岸沿いに立ち、月を見つめていた
マリア
「マムが未来を繋げてくれた…ありがとう、お母さん」
近くでは、緒川や弦十郎が事後処理に追われている
緒川
「月の軌道は正常値に戻りつつあります、しかし、ナスターシャ教授との連絡は…」
弦十郎
「ぬぅ…」
弦十郎が溜息を吐いた時だった
月から光が舞い降りたのだ
全員身構えたが、その光が晴れた時そこに居たのはナスターシャを抱えたジャグラーであった
ガイ
「ジャグラー!」
マリア
「マムっ!?」
ジャグラー
「…遺体を連れ帰るので精一杯だ、フロンティアの遺産はまだ、宇宙を漂っている…」
ジャグラーはふてぶてしく、いや、悔しそうに呟いたがマリア達は遺体を受け取り、涙を零しながら首を振る
切歌
「ありがとうデス…っ」
調
「マムを地球に帰してくれて…っ」
セレナ
「これで安らかに眠れます…っ」
皆が感謝を述べるとジャグラーはそっぽを向いた
ガイはその様子を見て微笑んでいたが、突如オーブカリバーを取りだした
カリバーは中心の円盤が光り輝いている
ガイ
「…次のミッションか…」
ガイは、顔を歪ませる
マリア達の事が気がかりなのだ
しかし、マリアは立ち上がりガイに向かい合う
マリア
「行きなさい、貴方の力を必要としてる人が居るんでしょう?私達は私達の力で…罪を、苦しみを、悲しみを乗り越えてみせるわ」
気丈に振る舞うマリアだがその目には涙を溜めていた
ガイはこれ以上悲しませまいと、意志を汲み取り微笑みながらジャグラーのもとへ歩く
ガイ
「行くぞ」
ジャグラー
「命令すんな…」
ガイがオーブカリバーを構えると光に包まれ、ジャグラーとガイは空の彼方へ消えていった
響
「それじゃ、帰ろっか」
響が帰り始めようとした時だった
ゼロ
「あぁ、わりい、みんな…俺たちは…ここで
クリス・翼
「えっ…」
困惑する皆の元に了子が歩いてくる
了子
「ゼロがここへ来る時、彼を阻んだ結界、それがフロンティアが浮上した辺りで消失していたの」
ゼロ
「つまり…少なくとも、トレギアはもうウェルの野郎を狙っちゃ居ないってことだ」
マリア
「つまり、怪獣が現れることもないから、あなた達が留まる理由が無い、そうね?」
ゼロ
「あぁ、少なくとも響の治療をしないとならねぇから一度俺は帰ってくるが…リクは…自分の世界に帰ることになる」
突如告げられた別れ
みんなはせっかく仲良くなれたのにと、動揺していた
しかし
リク
「大丈夫、僕達はウルトラマン、何かがあれば、必ず来るから」
切歌
「そう…デスよね!」
調
「私達も、貴方に顔向けできるくらい、良い人になれるようにする」
セレナ
「絶対また会いましょう!」
翼
「短い間だったが、共に戦えた事を誇りに思う!」
マリア
「朝倉リク、君を部外者と言ってすまなかった、君は…この星の救世主だ」
クリスはというと、ただじっとリクを見つめ…
クリス
「行けよ、お前を待ってる奴が居んだろ?」
ぶっきらぼうに答えた
リク
「うん、またね」
リクも一言答え、翼と並ぶ
ゼロ
「よし、帰るぞ」
リク
「うん、ジーッとしてても!…!?」
その瞬間、リクは心臓の鼓動が一際大きく鳴った感覚に襲われた
ズサッ…
響
「あれ、リク君?ギガファイナライザー落としたよ?」
その言葉と共に、リクはその場に倒れ込んでしまった
翼
「っ!朝倉!?」
ゼロ
「おい!リク!?」
了子
「リク!」
クリスも驚いた顔で駆け寄る
クリス
「リク!!?お前目開けろよ!」
了子
「…心臓が動いていない…!?」
全員が息を飲んだ
クリスは驚いて、翼の中にいるゼロに叫ぶ
クリス
「お前…同じウルトラマンだろ!?何とかしろよ!」
ゼロ
「無理だ、こいつの体は普通のウルトラマンとも人間とも違う!度重なる戦いでダメージを受け続けたこいつに、ウルトラマンの常識ですら通用するか…」
セレナはそれを聞き、泣きながら膝をついた
セレナ
「私に…エネルギーを与え続けたせいで…」
切歌
「そんな…マムに続いて。」
調
「リクさんまで…」
クリスは目を開くと、了子を突き飛ばし、リクに心臓マッサージを施し始めた
クリス
「おいっ!目ぇあけろ!お前、待ってる奴が居るんじゃねぇのかよ!大事な仲間が!友達が!家族が!」
リクはそれに応えることは無い
そこへ、弦十郎がAEDを持って現れた
弦十郎
「クリス君!」
クリス
「早く貸せ!」
クリスは弦十郎からAEDを奪い取ると、テキパキと準備し電流を流した
しかし、依然リクの目は覚めることは無い
皆が涙を零しながら終わりを覚悟していく中、クリスだけは諦めなかった
AEDが止まった後は、自分で心臓マッサージを続ける
クリス
「おい!いい加減にしろよ!お前が死んじまったら…後味悪いんだよ!なんであたしじゃなくて…お前が…お前が…!」
叫びながらクリスは、涙を落とす
それでも諦めない、いや、諦められない
伝えられなかった言葉
たった4文字の言葉が伝えられなかった
自分の気持ちに蓋をして、アイツが言った時はズルをして、言おうとしなかった言葉
クリス
「悪かったよ…私は…リク…お前が好きだ、大好きだよ!だから目を開けてくれ!お前が死んだら、また私は…一番大事だった人を失うんだよ!」
クリスは覚悟を決めた
リクの鼻を押さえ、顎を少し上げると…
躊躇いなく、自分の唇を押し当てる
人口呼吸だ
フーっフーっと息を吹き込む
胸が浮き上がり、息は入り込んでいるのがわかる
しかし…リクの目は開く事は無い
クリスはもう一度…と腕を構えるが、限界がきてリクの胸で泣いてしまう
クリス
「頼むよ…リク…お前ともっと居たい…!お前といっぱいデートしたかった!お前ともっとたくさん遊びたかった!大好きなお前ともっと…もっとたくさん…だから…目を開けてくれ…リク…うわぁぁぁぁぁっ!!」
クリスの大きな鳴き声が海に響き渡る
───────────────────
真っ暗だ…
まるで、父さんと戦った場所みたいな…
そんな事を思っていると…声が聞こえてきた…
─ リク…お前が好きだ、大好きだよ!だから目を開けてくれ!お前が死んだら、また私は…一番大事だった人を失うんだよ! ─
クリスの声…?
すると今度は別の声が聞こえてきた
?
「お前またこんな所に来たのかよ」
聞き覚えがある声だ
リク
「奏さん…」
奏
「大事な彼女が呼んでるぞ、戻らないとなんねーんじゃねぇか?」
リク
「はい…けど、何も見えなくて…」
これが、本当の死という感覚なのだろうか
目を開いているはずなのに、何も見えない
そこへ、もう1つの声
?
「お前は生きてなくちゃならない、罪を犯しすぎた俺の代わりに」
リク
「この声…」
刹那、僕の胸に手が当てられた
僕の体はゆっくり熱を帯びていく
最後の瞬間、目を開けるとそこには、口元が微笑んだ僕そっくりの男の姿があった
リク
「ソラ…?」
───────────────────
クリス
「リクっ…リクぅ…お願いだ…目を開けてくれよ…大好きだって言ってんのに…もっと早く伝えればよかった…こんな事になるならぁッ!」
クリスは泣き続ける
迷っていたうちに、一番伝えたいことを伝える前に亡くなった
またひとりぼっちだ
…と思っていた
「伝わったよ…」
クリスが驚いて顔を上げると、一番大切な人がゆっくりと目を開けた
彼は手を頭に乗せた
リク
「それが聞けて…よかった」
【〜♪GEEDの証 感動】
クリス
「リク…リクだよな…生きてるんだよな…」
リク
「うん、ごめんね、びっくりしちゃったよね…」
その答えを待たずにクリスはリクに抱き着いて泣き喚いた
クリス
「バカァァっ!あたっ…あたしが…どんだけ心配したかっ…」
リク
「うん、ほんとにごめん」
そして少し落ち着いたクリスは、伝えられなかった言葉を何度も告げる
クリス
「好き…あたしはお前が大好きだ…リク…」
リク
「うん…ありがとう。僕もクリスが好きだよ…」
リクはクリスを抱きしめて、背中をとんとんと叩く
響
「ほんとに…よかった」
未来
「うん…ほんとに…ハッピーエンドだね」
翼
「また、奏が助けてくれたのね…」
ゼロ
「多分な、全く心配かけやがって…」
了子
「ほんと、ひやひやさせる子ね、嫌いじゃないわよ」
弦十郎
「きっと、世界がまだ彼を必要としているんだな」
マリア
「そう簡単にくたばる事はないと信じてたわ…」
セレナ
「でもマリア姉さんも泣いてるよ?」
調
「セレナもね…っ」
切歌
「ほんとによかったデス…っ」
───────────────────
ゼロ
「お前ほんとに大丈夫なのか?」
リク
「うん、御心配お掛けしました」
リクは改めてギガファイナライザーを拾い上げた
リク
「ん?」
リクは突然口をモゴモゴさせ始めた
クリス
「今度はなんだよ…?」
リク
「っぺ…なにこれ…
リクは口から食べた覚えのない小豆の皮が出てきたのだ
全員
「あ……」
【〜♪虹色のフリューゲル】
皆の視線は雪音クリスのもとへ
当の本人は顔、耳が紅くなり、湯気まで出てくる有様だ
リク
「おかしいな…小豆なんて食べた覚え無いのに…しっかり味までする…クリス何か知ってる?」
その言葉を聞くとクリスは顔を上げた
クリス
「お前それ本気であたしに聞いてんのかァァァァ!!!?」
リク
「えっ!?何々何々何々何何々何々何々何々!!!!!?」
腕を振り回しながら追いかけるクリスに恐怖したリクは慌てて走り出した
クリス
「待ちやがれェえ!!」
クリスはそんなリクを追いかけ走り出す
夕陽が海を照らしまるで青春映画だ
そんな中ゼロが一言
ゼロ
「こういう時、なんて言うかみんななら知ってるよな?せーのっ…」
全員
「そういう事は家でやれ!!」
─戦姫絶唱シンフォギアG 響くぜ!絶唱!![完]─
─戦姫絶唱シンフォギアGX 響くぜ!絶唱!!への前日譚─
あの後、バカはしっかり人間に戻って帰ってきた
光の国が綺麗だったとか、宇宙人に会ったとか言ってたが、あたしにとっちゃそんなことはどうでもいい
リクが幸せに生きてくれれば
だけど、相手と連絡を取り合うことが出来ないのがすごくもどかしい
リクに会いたい
そんな中迎えた卒業式の後、フロンティアの遺産を乗せたロケットが襲撃を受けたとかで、
国連超常災害対策機動部 タスクフォース S.O.N.G.
突起部が名前を変えたチームに災害救助メンバーとして編成されているあたしらはその救助に向かった
ロケットを助けたあと、あたし達はその襲撃者と相見えることになった
バカが一か八かでロケットを止めて、その静止を確認したあたしは先輩と倒れているバカの元へと向かう
翼
「大丈夫か立花?」
響
「ふふっ、はははっ、あはははっ」
クリス
「おかしなところでもぶつけたか?」
そりゃロケットを投げ飛ばすなんて真似したやつが笑っていたらこうも思うだろう
響
「私…シンフォギアを纏える奇跡が嬉しいんです!!」
あたしは先輩と顔を見合せた
そうだ、このバカは何処までも人助けに命を懸けて、それに喜びを見出すバカだ
改めて私は伝えてやった
クリス
「お前、本当のバカだな」
そこへ通信が入る
了子
「響ちゃん!翼ちゃん!クリス!」
翼
「櫻井女史?」
了子
「宇宙から2体の巨大なエネルギー反応があるわ!気を付けて!」
直後、大きな茶色いロボットが、村に降り立った
目は細くひとつに繋がり、つり上がって赤く光り輝いている
片方は腕にドリルを付けていて、もう片方は超電磁砲みてぇなのをつけてやがる
さすがのバカも起き上がり臨戦態勢に入った
翼
「雪音はミサイルで2体を誘導!私と立花が斬り込む!」
響
「はいっ!」
クリス
「任せな!」
先輩の指示は頼りになる、あたしはMEGA DETH FUGAを繰り出し、ロボットに直撃させた
しかし、ロボットは奇っ怪な駆動音を響かせるとドリルの付いた一体をロケットの方に向かわせ、超電磁砲の付いたもう一体はあたしを狙って動き始めた
クリス
「先輩達はそっちを!あたしがこいつを引き付けておく!」
あたしはひたすら山の方へ戻った
これ以上暴れたら村に被害が増える
だが、ロボットの方は的確に超電磁砲であたしの進路を妨害してくる
クリス
「がはぁっ!?」
最後の一発で逆にあたしを岩陰に追い込んできやがった
見れば、もう一体も進行を止められてはいない
クリス
「結局…こうなっちまうのか…!?」
ロボットは超電磁砲をこちらに向ける
銃口にエネルギーが溜まっていく
嫌だ…
クリス
「嫌だっ…こんな所で終わりたくない!!!」
あたしは2丁のガトリングを構えた
クリス
「ジーッとしてても!ドーにもならねぇんだよ!!」
私は私自身に向かって叫んだ
「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!!」
クリス
「へっ?」
直後、あたしの目の前にいたロボットは、黒と赤の稲妻を纏った光線に貫かれ爆発した
爆風から身を守ろうと、あたしは腕で顔を覆う
だが、爆風は襲って来ず、代わりに優しい光が目に入った
ゆっくり手を下ろすと、それは光を少しずつ抑えていく
そこにはあたし様が一番会いたかった巨人の姿があった
クリス
「ウルトラマン…ジード…!」
リク
「久しぶり、翼さんの卒業式、間に合ったかな?」
クリス
「もう終わったよバーカ!」
あたしは自分の事では無いことに思わず、ふてぶてしい態度をとってしまう
だけど、リクは怒ることなく頭に手を当てた
リク
「あぁごめん、怒ってるよね、埋め合わせは何がいいかな」
そんなの決まっている
クリス
「…デートに決まってんだろ」
リク
「OK!ゼロ!そっちは大丈夫?」
ジードが振り返った先には、肩に先輩とバカを乗せたゼロが歩いてきていた
ゼロ
「おう!バッチリだ!」
響
「こうやって乗るとやっぱりウルトラマンって大きいんだねぇ〜」
翼
「私とも言え、些か興奮してしまうな…//」
ゼロ
「ところでよ?あれなんだ?」
ゼロが指差す先には歪な崩れ方をした山がある
あれはさっき、ロケットを救う為にあたしとバカで崩して通り抜けさせたものだ
だけど、そうしないと仕方なかった
響
「あれは〜…」
リク
「村も結構ボロボロ…ゼロ!」
ゼロ
「同じこと考えてんな?よし、やるか!」
ゼロとジードは飛び上がると、青い姿に変身し、背中合わせになった
そして、
ゼロ・リク
「フルムーンヒーリングスマッシュウェーブ!」
キラキラ輝いた光線を村と山に当てた
するとなんとさっきまで崩れていた山や村がすっかり元通りになっちまった
完全に元通りにすると、村人達が感謝を投げかけ始めた
完全に神様を信仰してるみたいだ
彼らは空へと飛び立つ
また帰ったのか?
そう思っていたら声が聞こえてきた
リク
「おーい!」
振り返ると、見慣れた姿で走ってこちらに来るリクの姿
あたしは待ちきれず、その胸へと飛び込んだ
───────────────────
【バビロニアの宝物庫】
トレギア
「予想こそしていたが、酷い有様だ…」
宝物庫はネフィリムの爆発により9割方ノイズが消えていた
トレギアは壊れているソラの使っていたライザーを放り捨てると宝物庫から出た
トレギア
「本人の闇…その身に受けたジードの光…これをこうして…」
トレギアはライザーから取り出したカプセルを揉み込む
すると、カプセルは
光と闇
それぞれのクリスタルを眺め、問いかける
トレギア
「これで、君の求めるものになれるのかい?」
??
「素晴らしい!!これさえあれば私は更なる力を持った、ウルトラマンへっ返り咲くことがでぇきるっ!あの兄弟に復讐したい所だがむぁずは!目付きが悪く悪のウルトラマンブェリアルの息子であるジードを…私が成敗してやる!」
トレギア
「結構…では頑張りたまえよ?」
??
「待てっ、ほんとに貴様…ウルトラマンでは無いのか?」
トレギアはため息を吐く
トレギア
「何度も言っているだろう、私はトレギア…狂おしい…好奇心だ…」
【次回予告】
クリス
「待たせたな!次回はあたし達の物語の裏で何があったか、面白おかしく話してやらあ!」
リク
「次回!戦姫絶唱しないし響かないシンフォギア!」
ガイ
「お前何やってんだ?」
ジャグラー
「臨時マネージャーって奴さ?」